車椅子の少女と番剣 作:太陽が嫌い
朝起きて、アリアにメヌが了承したという話を聞いた。結構、衝撃的で気も進まなかったのだが、「今よりも成長してくるんのですよね」と言われて腹をくくったわけなのだが・・・
日本・・・羽田空港
「こんなに早く戻ってくることになるとは・・・」
「ルツ、そんなとこで突っ立ってないの!行くわよ」
「アリア、しばらくは別行動しない?」
「・・・何で?」
「ちょっと、調べたいことがあってさ。どうせ、武偵高に正式に転入すんのは2年生からだろ?」
「・・・まあ、いいわ。連絡したらちゃんと出なさい」
「了解~」
そう言って、アリアと別れた。
分かれた理由だが、どうしても調べておきたいことがあるのだ。前の、立てこもり事件で俺と戦って求道者と名乗った男・・・アークライト院のことを知っていた。
だとしたら、俺の知りたいことも知れると思ったのだ・・・
「っというわけ。何か知ってるよねシャーロック?」
俺は、今世界最高の探偵こと、シャーロック・ホームズにコンタクトしている。アリアと別れたのはこのためだ。
「推理できていたとは言え、数年ぶりだというのにもかかわらず君は相変わらず前置きというものがないね。英国紳士としてはよろしくないね」
「良いから早く言えよ」
「・・・君が僕へのあたりがきついのは、メヌエットのことを教えなかったからかな?」
「そんなの分かってるだろ・・・別に、怒ってないよ。気づけなかった俺のミスだ・・・」
「そうか・・・アークライト院もとい、求道者の件かな?確かにある程度は知っているよ。だけど、この件に関しては君が自分でたどり着くべきものだ。僕から教えられるのは、お目当ての彼は日本にいるということだけだ。ここ数か月の事件を洗ってみるといい」
「そこまでわかれば十分だ」
シャーロックは、なんだかんだ言っていつも手助けしてくれるな。
「ああ、それとルツ君。アリア君の母、神崎かなえは、イ・ウーの犯罪履歴をスケープゴーストされる予定だ。問題ないと、推理しているがアリア君のことを頼むよ」
「え、あ、おい、待っ」
プープープー
そう言って、電話は切れてしまった。・・・この野郎・・・感謝する気が消えたぞ。
シャーロックが言う通り、日本にやつがいると仮定した場合、目的はなんだ?・・・・・
そしてなによりも、あの男は、『流石は、アークライト院の孤児たちだ。計画通りに育ったわけだ』と言っていたのだ。・・・孤児
「・・・シャーロックの奴が言った通りここ数か月の事件を洗うか」
4月・・・
結局、何の成果もないまま、始業式を迎えてしまった。寝不足の頭を起こし、制服の袖に手を通した。
俺、遠山キンジは朝からテンションが低かったのだ。
俺は、トボトボと新しい教室に向かう。朝からヒステリアモードを見られてしまった。
それも、さっき俺をチャリジャックから救ってくれた・・・少女に。 教室に辿り着いた後、俺はすぐに自分の机を探し出して座り、突っ伏す。
「ハァ~」
「よー、キンジ!」
「なんだよ、新学期早々に暗いな。そんなに
「武藤。今の俺に女子の話題を振るな、マジで・・・」
「おいおい、そんなこと言って女子に興味あるだろ?」
「とにかく、頼むから今はそっとしておいてくれ」
武藤にそう返す。
「なんだよ、新学期早々にテンション下がる事を言いやがって」
なんて武藤は言うが、俺のテンションは既に下がってる。
「はあー・・・いや、すまん。今朝にチャリジャックなんてもんにあったからな」
「え、マジかよ!?」
マジかよ、の一言だけで終わってしまうなんて普通に考えれば異常だ、しかし、
ここは・・・武偵高とはそう言う場所だ。
「まあ、災難だったな。けど、無事だった事を喜ぼうぜ」
無事なのはいいが、メンタルは無事ではない。
「はーい、皆さん席に着いてくださーい」
と、ほわほわとした雰囲気の女性が、俺の思考を中断させて教室に入ってくる。
俺が3学期から転科した探偵科(インケスタ)の主任をしてる高天原(たかまがはら) ゆとり先生だ。
ここ武偵高で、彼女は異質だ。昔、ルツも言っていた通り、ここにいる教師はみんなしてやばいやつばかりだ。だがこの教師は、威圧や殺気なんてものは、微塵(みじん)も感じられない。
逆に何で武偵高にいるのか不思議なくらいだ。
「えー、今日は皆さんにお知らせがあります。なんと、この教室に2人転校生が来ますよ」
教室が、ざわつく。
「まずは最初に、去年の3学期に転入してきた神崎・H・アリアちゃんでーす」
「遠山君、どうしたんですか?」
「いや……何でもないです」
完全にガン見見だ。
「先生、あと1人はどうしたんですか?」
男子生徒の1人が、そう質問する。
「もう1人はですね。少し、遅れてくるそうなんです。ちなみに、もう1人は強襲科の人はみんな知っている人ですよ」
そう言われて、教室にいるほとんどの奴が首を傾げる。
強襲科の生徒は知っている?
「ねえ先生」
「はい、なんですか? 神崎さん」
「あたし、アイツの隣に座りたい」
そう言って指差してるのは確実に俺。
神崎の発言に、教室がざわめく。
もう、意味が分からなさ過ぎて俺は絶句するしかない。
なんだ、俺が一体何をした……いや、したな。
主にヒステリアモードの俺が。
「何だか知らんがキンジ。早速、あんなカワイイ子から指名があるなんてついてるじゃねえか! いや、よかったな! 先生!! 俺が席を空けますよ!」
「あらあら……青春ねえ。やっぱり、最近の子は進んでるのかしら。神崎さん、武藤君が席を空けてくれるそうよ」
おい、武藤。何だそのいい仕事をしましたみたいな親指と笑顔はなんだ?
「ん・・・キンジこれ、あんたのベルト」
「分かった! 理子、分かっちゃった! これ、フラグバッキバキに立ってるよ!」
「キーくんベルトしてない! そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた! これ謎でしょ!? 謎でしょ!? でも理子には推理できちゃった!」
「キーくんは彼女の前で、ベルトを取るようななんらかの行為をしたそして彼女の部屋にベルトを忘れていった! つまり2人は――熱い熱い恋愛の真っ最中なんだよー!」
「キ、キンジがこんなカワイイ子といつのまに」
「影の薄い奴だと思ってたのにッ」
「同士だと思っていたのに」
外野は、言いたい放題行ってくれる・・・・
バキュン――――バキュン―――――
「れ……恋愛だなんてくっだらない! 全員覚えておきなさい! そういうバカなことを言うやつには――風穴あけるわよ!」
「そうか、そうか。朝から、発砲するバカには、切りかかるべきかな?」
聞き覚えのある声が、教室に響いた。
「ルツ!!!」