蒼炎の勇者がダンジョンにいるのは間違っているだろうか 作:クッペ
FEをプレイしたくてまだ蒼炎と暁の女神をプレイしていない方は序盤は読まないことをお勧めします!
~三人称side~
ファイアーエムブレム暁の女神。
これは迷宮都市オラリオに古くから伝わるお伽噺のようなものだ。『英雄物語』と並んでこの世界では絶大な人気を誇る物語。
暁の女神は全四部のストーリーで構成されている。
第一部はベグニオン帝国の支配からデイン王国を復興させる暁の巫女、ミカヤの物語。
第二部はクリミア王国王女、エリンシアの内乱を巡った物語。
第三部は三部の中でも前編と後編に別れると言ってもいいだろう。そしてここでアイクが登場する。
前編ではベグニオン帝国に送ったラグズ連合の使者を惨殺したベグニオン帝国元老院とラグズ連合との戦争の話。後半はそのベグニオン帝国に戦わされたデイン王国とベグニオン帝国元老院、サナキの声明によって集まったベグニオン帝国連合との戦争の話。
この第三部の終盤にぶつかったベグニオン帝国連合とデイン王国の戦争で集まった負の気の影響で白鷺王子と王女、アイクの妹のミストが倒れてしまう。戦いの負の気でメダリオンに封印されている『負の女神』ユンヌを解き放ってはいけないと誰かがミストに伝える。アイクたちはその言葉を聞き『解放の呪歌(ガルドル)』を知っている皇帝サナキを呼ぶが、ユンヌは目覚めさせられない。その後突然と姿を現したミカヤの『解放の呪歌』『負の女神ユンヌ』を目覚めさせる。しかしそれは対となって眠っていた『正の女神』アスタルテを同時に目を覚ましてしまう。
戦いの負の気で目を覚ましたと勘違いした『正の女神』アスタルテは全人類を石に変えてしまう。しかし力を持つものは石にならずに済み『暁の巫女』ミカヤ、『勇者』アイク、『鷹王』ティバーンの三人の隊に別れ、ベグニオン帝国の『導きの塔』、『正の女神』アスタルテが眠っていた場所へと向かうことになる。今まで敵同士だった者たちと手を取り合いながら。
第四部は三隊に分けられたミカヤ隊、アイク隊、ティバーン隊が導きの塔へ向かう物語、そして導きの塔での最終決戦の話だ。
導きの塔では元老院のルカンとの戦い。アイクの好敵手にして父親の敵『漆黒の騎士・ベグニオン帝国将軍ゼルギウス』とアイクの一騎打ち。ゴルドアの竜鱗族、千年前の戦の英雄、『黒竜王』テギンハンザーとの戦い。ベグニオン帝国宰相、セフェランとの戦い。
それらを何とか打破していき最終的に導きの塔の最上階へとたどり着いたアイクたち。そこで『正の女神』アスタルテを『負の女神』ユンヌの力を借りてアイクが遂に倒す。
しかし対となっているアスタルテが倒されたことによりユンヌも消滅してしまうのだが、その後二人の女神は一つとなり女神アスタテューヌとなるのだが……それはまた別のお話。
このお伽噺は下界の神々にはあまり好まれていない。自分の同族である神が殺される話を好きになれる道理はないのだが、あまりに下界の子供たちに人気なためその話をするなとも言い切れていないのが現状だ。
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~アイクside~
先ほどの絶叫につい顔を顰めてしまいそうになる。絶叫が収まったかと思えばその場にいたほとんどの人がこちらに詰め寄ってきて何か聞きたそうな顔をしているが、それを先ほどの金髪の少年が押し止める。
「みんなそれぞれ聞きたいことがあるかもしれないけど、それはダンジョンの帰り道でも構わないだろう。何なら黄昏の館でだって構わない。このダンジョンから帰還しようと思うんだけど、アイクさんも一緒に行きますよね?」
「一緒に行かせてくれるならありがたく同行させてもらおう。ところであんたは?」
「僕はフィン。『ロキ・ファミリア』の団長をやらせてもらっています」
「出来れば敬語はやめてほしいんだが。敬語とかお辞儀とか、貴族の風習はどうにも肌に合わない。それと呼び捨てにしてくれて構わない」
「そっちがそういうのならばそうさせてもらうよ。アイク、君はファミリアに当てはあるのかい?」
「すまないが、俺はここの事はさっぱりだ。ここから出たらいろいろ教えて貰いたいんだが、いいか?」
「ああ、そうだね。君が良ければぜひうちのファミリアに入ってもらいたいんだけどね……それじゃあダンジョンから帰還する」
その呼び声に隊列を組んでこの部屋らしき場所から出て行く。道もわからないから俺は自動的に一番後ろをついて行くしかないのだが……
最前列にはフィン、最後列には先ほどの緑髪の女性がいた。耳が尖っているが…ベオクじゃないのか?緑髪の女性っていうとエリンシアを思い出すが、彼女とは全く違うタイプだろう。頭も良さそうだ。
「先ほどは助かった。礼を言う」
「いや、俺こそいきなり攻撃してしまって申し訳ないと思っていたんだが、怪我はないか」
「ああ、お前のおかげだ。私はリヴェリア・リヨス・アールヴ。リヴェリアと呼んでくれて構わない」
「リヴェリア、先ほどの魔法は『レクスフレイム』か?でも魔導書はどこにも持っていないようだが……」
「ここでは魔法は詠唱によって発動するんだ。お伽噺の世界では魔導書とやらで発動するようだが、回数に制限があるのだろう?ここでは精神力(マインド)で発動するんだ。精神力が持つ限り魔法は使えるが、発動までの時間は魔導書とやらの比ではないな」
「お伽噺じゃなくて、俺の中では現実なんだがな。ならばここは俺にとっては異世界、ということになるのか?」
こういった頭を使う作業はすべてセネリオに任せていたから自分で考えるのはどうにも性に合わない。
「とにかくお前の魔法はすごかった。あれだけの魔法を使えるのは恐らくセネリオと皇帝位のものだっただろう。トパックやカリルは炎魔法を得意としていたが、あれほどの威力の魔法は使えなかったはずだ」
「ふっ……蒼炎の勇者にお誉め頂き恐悦至極の至りだよ」
「あのなぁ……」
蒼炎の勇者ってお言うのがそもそも俺なのかどうか知らない。少なくとも俺はその名で呼ばれたことは無い。
俺の世界の戦争がお伽噺だというのならば、誰かがそう呼び始めたのかもしれないな。確かにアスタルテにとどめを刺したときはユンヌの蒼い炎を身に纏っていた。
「ミノタウロス!ミノタウロスが出現しました!」
隊列の前の方からそのような声が聞こえて来た。ミノタウロスと言われても何かはさっぱり分からないが。
「リヴェリア、ミノタウロスって何だ?」
「牛型のモンスターでLv.2相当」
「強いのか?」
「うちのファミリアにとっては相手ではないが……おい、どこへ行く?」
「少し戦ってみたくなった」
「止めろ!お前は『神の恩恵』を刻まれていないだろ!?いくら女神を倒したからって……おい、話を聞け!」
リヴェリアが何やら叫んでいるが俺は隊列の前の方へと突き進んでいく。
「団長、あれ私たちがやっちゃっていいよね?」
「さっきのは物足りなかったんだ。別に構わねえよなあ?」
「まあいいだろう。じゃあ――」
「待ってくれ。俺にやらせてくれないか?」
褐色の肌の少女や狼の耳をはやした青年……彼はラグズなのか?彼らを押しのけフィンに聞く。
「勝てるのかい?」
「さあ?やってみなくては分からんだろう」
「ちょっと!蒼炎の勇者だか何だか知らないけどすっこんどいてよ」
「お前の出る幕じゃねえ、引っ込んでろ!」
「ならば、俺があいつらを倒せばお前らは俺に戦わせてくれるのか?」
「「「はぁ!?」」」
近くにいたものから声が上がるが俺には関係ない。敵ならば容赦なく倒す。それだけだ。
「あっはっはっは!いいよ、アイク。戦いたければ戦ってくれて構わない。ティオネ、ティオナ、ベート。ここは彼に任せよう」
「団長!?」
「正気!?」
「……チッ」
目の前にはミノタウロスと呼ばれた牛のモンスターが七体。背負っていたラグネルを抜き、相手へと切りかかる。
何かまだ一話しか投稿してないのにすごい反響
流石はアイク。人気投票一位なだけありますわ(蒼炎ビジュアル)