蒼炎の勇者がダンジョンにいるのは間違っているだろうか 作:クッペ
ジルとかライとかメグとかレテとかニケとかイナとかサザじゃないからね?
「ダンジョンにか?」
「そうなんだ。この前の遠征で何人か武器を駄目にしてしまってね、それで武器の補修を頼んだんだけどその値段が存外高くてね。それと、うちのファミリアの備蓄も遠征前に比べると少し少なくなってきてね。アイクも今はお金が無いだろ?ダンジョンで稼いだ金額のうち何割かは上げるから、一緒にどうだい?」
団長であるフィンが自らアイクに声をかける。つまりはお願いという名目上の命令ということだろう。
それにアイクの懐事情はいまだ無一文。基本的にリヴェリアのスパルタ教育を受けて、外出する気力が無いのでお金を使うことは無いが、有って困るものではない。
傭兵団をやっていた頃は仕事が無いときなんかは本当にお金が無かった。そのため若干貧乏性になっている部分は否めないが、いざという時のために先立つものは必要だろう。
「分かった。今からか?」
「うん、準備が終わったら正門まで来てくれ」
「了解した」
と言ってもアイクが準備するものなどはあまりない。鎧、肩当てを付けてラグネルを背負うだけだ。
正門まで行くとフィンの他にリヴェリア、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤが待っていた。
「すまない、待たせてしまったようだな」
「いいや、むしろ時間がかからなさ過ぎてるけど、まああなたなら大丈夫だろう」
特に号令をかけることもなくフィンを先頭にダンジョンへと向かい歩き始める。
「あの、アイクさん!」
「レフィーヤか?どうかしたか?」
「い、いえ!この前の『怪物祭』助けてくれてありがとうございました……あのままアイクさんが来てくれなかったら、私あのまま――」
「俺の方こそ悪かった。もっと早くそっちに向かうべきだったな」
「『猛者』とフレイヤ様に絡まれていたんですよね?それなら仕方がないですよ。それよりも『猛者』と戦って勝てたことが驚きです」
「あいつはそれなりに強かったな。ただ、いつも手合わせをしていたうちの団員の方が厄介だったな。力で押してくるあいつは、まだ対処がしやすかった」
「アイク、その団員って誰?女の子?」
「ああ、年はアイズと同じくらいか……暇さえあれば俺と戦いに来てたな。あいつの技の正確さと速さには苦労させられていたな」
「私とその子、どっちが強い?」
「今の段階ではあいつだな。ただこの先どうなるかは分からんな、それに今のあいつの実力も分からんからな。ただ相当強いぞ。一緒にアスタルテを倒しに行ったメンバーに入ってたからな」
この時、彼女の話をしたことが後々のフラグになるのだが、この場にいるメンバーには知る由もない。
* * * * * * * * * *
「うりゃあああー!」
ティオナが新調されたウルガを振り回しモンスターを次々と灰に変えていく。ここまでフィン、リヴェリア、アイクは何もしていない。
「うーん、やっぱり手ごたえが無いなあ……」
「浅層じゃ仕方がないわよ。それよりも先に進みましょ」
今はまだ浅層。彼らトップレベルの冒険者からしたら手ごたえが無いのは仕方がない事だ。
「とりあえず18階層のリヴィラの町で休息を取ろう。それより深く潜るのはその後でも構わないからね」
17階層の階層主、ゴライアスも他のパーティーが倒した後のようでまだ湧いていない。一行はそのまま18階層に到達する。
18階層はモンスターが湧かない階層であるため、ダンジョン内に町が存在する階層だ。ただしその街で買い物をすると法外な値段を吹っ掛けられるためこの街で買い物をする冒険者は限りなく少ない。
リヴィラの町の様子がおかしい。『ロキ・ファミリア』の一行が来てからというものの、自分たちが避けられているらしい。
「団長、何かあったんでしょうか?」
「分からない、何かあったのは確かだろうけど。とりあえず情報収集をしようか」
町の一角へと歩みを進めていく。情報収集をするために歩いていると突然宿屋から男性が出て来た。
「ボールス!」
ボールスと呼ばれた男性はこちらを見ると目つきを鋭くしてくる。
「おい、これをやったのはお前たちか!?」
「これとはいったい何のことだい?」
「殺しだよ。この宿屋で人が殺されていたんだ」
突然出てきた殺しという言葉に一名を除いて息を呑む。アイクは一歩前出てきてボールスに話を聞こうとする。
「殺し?誰が殺されたんだ?」
「ああん?見かけない顔だな……新人か」
「一応な。それで殺された人物というのは」
「この中だよ。誰かに頭を潰されてやがる」
「ここに居たということは冒険者だろ。誰かステータスを見れる奴はいないのか?」
ステータスを見ることができればその者の名前、ファミリアなどの身元は判明する。しかしステータスにはほとんどの場合主神によるロックが掛けられており、特別な薬品を使わないとみることができない。
さらに背中に刻まれているステータスは『神聖文字』で書かれているため、『神聖文字』を解読できなければ意味が無いのだが。
「私が見よう。案内してくれ」
リヴェリアが名乗りを上げる。この中で満足に『神聖文字』を読めるのはリヴェリアのみだ。アイズは少しは読めるらしいのだが。なおアイクは全く読めない。
「ちっ!こっちだ」
ボールスは出てきた宿屋を指さし、先導するように歩みを進める。とある一室を開けると中には顔に布をかけられうつ伏せに倒されている死体が転がっていた。
その者を指さしこいつだと呟く。人の死体を見慣れていないレフィーヤは思わずといった風に眼を見開いていた。
ボールスはステータスのロックを解除する薬品を懐から取り出し、死体の背中に振りかける。隠されていたステータスが浮かび上がり、リヴェリアがそれをのぞき込むように上から眺める。
「『ハシャーナ・ドルリア』、『ガネーシャ・ファミリア』、『レベル4』」
「レベル4!?」
オラリオにはレベル4以上の冒険者はそう多くは無い。最も多いのは『ロキ・ファミリア』か『フレイヤ・ファミリア』のどちらかだろう。
しかし『フレイヤ・ファミリア』の眷属たちはあまりダンジョンに潜らない。最も疑われるのはここに居る『ロキ・ファミリア』だ。
「お前らか!?お前らがやったんだろう」
「言いがかりは止せ、俺たちがやったという証拠もないくせにあまり大きな声で叫ぶな」
「うるせえ!新米冒険者風情が!そうでもねえと説明付かねえだろ!?レベル4をいとも簡単に倒せるのなんかここではレベル5以上の冒険者だ!」
「そいつが殺されたのは昨日だろ?俺たちは昨日はダンジョンに潜ってはいない」
「ここに居る奴らじゃくても、誰か違うやつがやったんじゃねえのか!?」
「そう言えば俺、あいつが女と入っていくのを見た」
やじ馬から目撃情報が上がる。もっと早く言えと思わざるを得ない。
「女だと?ということはお前か?お前か?それともお前か!?お前は……無いな」
リヴェリア、アイズ、レフィーヤの順に視線を向けて行き、ティオナに視線を向けたところでこの言い種である。
「ちょっと!どこ見て言ってるのよ!?」
暴れ出すティオナを後ろから羽交い絞めするティオネ。そのティオネのとある部分を眺めながらボールスは鼻の下を伸ばしている。
「お前は……ありそうだな」
「ああん!?私が団長以外のやつに触れさせるかっつうの!?ぶっ殺すわよ!」
今度はティオネをティオナが抑える。
「あはは……ご覧のとおり、彼女たちに男を誘惑するのは不可能だよ……」
フィンは頭を押さえながら呟く。リヴェリアとレフィーヤはエルフだ。認めた異性以外の肌の接触を極端に嫌う種族だ。さらにレフィーヤの場合は性格的に不可能だろう。アイズの場合はそう言ったことを全く知らない。双子の姉妹は今の反応からわかるとおりだ。
「この部屋、そして彼の荷物の荒らされ具合からして、こいつが持っているものを探したけど見つからずに、癇癪を起こしたってことか?」
「……仮にそうだとしたら、この犯人はまだこの町の中にいる。殺してまで手に入れたいものがあったんだ、そう簡単にあきらめないだろう。ボールス、急いで町を封鎖するんだ。そして冒険者を一か所に纏めてくれ」
リヴィラの町のとある一角に、冒険者たちは集められた。集められた冒険者たちは『ロキ・ファミリア』の冒険者の手によって身体検査をされている。
しかしそこにアイズとレフィーヤが見当たらず、アイクは辺りを見渡すが視界に入る限りはいない。
「フィン、アイズとレフィーヤが見当たらないが」
「……そのようだね」
フィンも辺りを見渡すが姿は見えない。
すると突然冒険者が集まっているところ町の一角にモンスターが出現する。それは『怪物祭』でアイクたちが対峙したモンスターと同じ、花型のモンスターだ。
FEH神将アイク出てきましたね。まあやってないのでどうでもいいんですが
それよりも暁のムービーと声が違い過ぎてビビった。そりゃあ十年も経てば声の出し方忘れるかと勝手に納得する。
んでもって導きの塔に入ったメンバーは
強制出撃のアイク、ミカヤ、サザ、サナキ、クルトナーガ、イナ
それにプラスでラグズ王族のカイネギス、ティバーン、ネサラ、ニケ
後はエリンシア、ミスト、セネリオ、ワユは最低限乗り込んだということにしておいてください。
後のメンバーは読者の皆様の妄想にお任せします。ワユを連れて行ったってことが大事なので他はぶっちゃけどうでもいいんですけどねwww