蒼炎の勇者がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:クッペ

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①とかやってるのはアイクがほとんど出てこないから

でも本編として描きたかったのです!


第二十四話~戦争遊戯①~

「「「乾杯!」」」

 

 ベル、リリ、ヴェルフの三人は現在『焔蜂亭』という居酒屋でお祝いの飲み会をしている。

 『ロキ・ファミリア』の遠征組が18階層から地上に帰還した後、ベルたちを探しに来ていたグループの一人のヘスティアが誘拐されるという事件が発生した。

 ベルがヘスティアを救出する際に、ヘスティアは『神威』を表に出してしまった。その所為かどうかは不明だが18階層に黒いゴライアス、通常よりも強い個体が生み出されてしまった。

 そのゴライアスをリヴィラの町の冒険者や捜索に着いて来ていたファミリアの眷属、ベル、リリ、ヴェルフらが協力し何とか黒いゴライアスの討伐に成功する。

 その際『クロッゾの魔剣』を用い、ゴライアスに止めを刺したヴェルフのその行動は、偉業として認められ、晴れてヴェルフはレベル2へと至った。

 

「本当におめでとう、ヴェルフ!」

 

「いやー、まさかこんなに早くレベルアップすることができるとはな!これで発展アビリティの『鍛冶』が取れるぜ、ありがとうなベル」

 

「う、うん……」

 

 発展アビリティの話が出てきた辺りからベルの表情が若干曇ってしまった。その表情の変化を見逃さずにヴェルフはベルに訊ねる。

 

「どうかしたか、ベル?」

 

「えっと……レベルアップしたってことは、ヴェルフはもう僕たちとダンジョンに潜らないのかな……って」

 

 ヴェルフがベルとパーティーを組んでいた一番の理由はレベルアップの際に取得できる発展アビリティの『鍛冶』を取るためだ。その目的が達成された以上、ヴェルフはもうダンジョンに潜る理由は無いとベルは考えたのだ。

 

「レベルが上がって『鍛冶』が取れたからポイなんてしねえよ。お前らが良ければ、これからも一緒にダンジョンに潜らせてくれないか?」

 

「う、うん!勿論だよ!」

 

 その後も宴会はワイワイと進んでいく。その中の会話で今回の探索に神がダンジョンに潜った際の罰則金の話が出てきて、『ヘスティア・ファミリア』及び『ヘルメス・ファミリア』にはファミリアの所持金の半分を罰金として課された。

 

「今回の件でベル様の株もさらに上がったと思います。少なくともあの階層での戦いに参加した冒険者には認めてもらえたのではないでしょうか?」

 

「何だ何だ?どこぞの『兎』が一丁前に有名になったなんて聞こえて来たぞ?」

 

 どこかの席からそんな声が聞こえる。ご丁寧に酒場に響き渡る程度の声量でだ。

 

「新人は怖いもの知らずで良いご身分だなあ、世界最速兎といい、嘘もインチキもやりたい放題だ。おいらは恥ずかしくて真似できねえよ!」

 

 その後もベル・クラネルという名前は出さずに、ベルを揶揄している呼び方での罵倒が続く。ベルも自分の馬頭は聞き流していた。そんな下らない事で楽しい気分を害されるのは御免だからだ。

 

「威厳も尊厳も無い女神が率いる『ファミリア』なんてたかが知れてるだろうな!きっと主神が落ちこおれだから眷属も腰抜けなんだ!」

 

 聞き逃せない言葉が耳に入る。自分のことはまだいいが、主神の罵倒は聞き逃すことができない。

 気が付くと席を立ち、罵倒を繰り返している席へと向かい拳を振り上げていた。

 

「取り消せ!」

 

「いけません!?ベル様!」

 

 リリの制止を振り切りそのまま乱闘へと発展する。ヴェルフも参加し、その乱闘の勢いは広がるばかりだ。

 しかし途中で一人の冒険者が拳を振り上げ、ベルに殴りかかりベルは吹き飛ばされた。

 

「ベル様!」

 

「あれは、『アポロン・ファミリア』のヒュアキントス……?」

 

「レベル3の第二級冒険者だぞ?」

 

「どうした、まだ撫でただけだぞ?」

 

「我々の仲間を傷つけた罪は重い、相応の報いは受けてもらうぞ」

 

 そのままレベル3とレベル2の乱闘が勃発するかと思われた。しかし酒場の一席から机を蹴り上げる音が鳴り響いた。

 

「雑魚がピーピー喚いてんじゃねえ、不味い酒が余計に不味くなるじゃねえか。うるせえし目障りだ、消えやがれ」

 

 『ロキ・ファミリア』の『凶狼』ベート・ローガ。彼がここで間に割って入るなどとは誰も予想できないだろう。

 実際にこの酒場にいる全員があまりの状況に黙りこくってしまっていた。

 

「ふん……がさつな。やはり『ロキ・ファミリア』は粗雑と見える。飼い犬の首に鈴も付けられないとは」

 

「あぁ、蹴り殺すぞ、変態野郎?」

 

「……響が削がれた」

 

 ヒュアキントスは『アポロン・ファミリア』の面々を率いて『焔蜂亭』を後にする。

 その後ベルたちも会計を済ませ『ヘスティア・ファミリア』もホームへと帰った。

 

* * * * * * * * * *

 

 あの酒場の一件から暫くが経ち、あの時の一件は今の所『アポロン・ファミリア』から何も言われていないし、『ヘスティア・ファミリア』からも『アポロン・ファミリア』に対して何も言ってはいなかった。

 しかし現在、ヘスティアが手にしている手紙に書かれているエムブレムは『アポロン・ファミリア』のエムブレムだ。先日『アポロン・ファミリア』のダフネとかサンドラという眷属が『ヘスティア・ファミリア』にわざわざ届けに来たのだ。

 

「神様、その手紙は何なんですか?」

 

「ん?これかい?神の宴の招待状だよ。主催は『アポロン・ファミリア』」

 

 その名前を聞くとベルは一瞬顔を顰めそうになる。が、それを表情に出さずに、ベルはヘスティアに問う。

 

「それで、何か大事なことでも書いてあったんですか?」

 

「うーん……今回の神の宴に眷属を一人連れてくるようにって書いてあるんだけど……時期的に見て狙いは間違いなくベル君だろう。罠が掛かっていると分かっててその罠にかかる動物はいないだろう?」

 

「え?まあ、そうですね」

 

「今になって酒場の一件を引っ張り出してくるのか、それともはたまた別の要件か……サポーター君は『ソーマ・ファミリア』だし鍛冶師君は『ヘファイストス・ファミリア』だし……」

 

「ただいまー」

 

 ベルとヘスティアが頭を悩ましていると、おおよそ一週間ぶりにもう一人の眷属が帰って来た。

 

「ナイスタイミングだよワユ君!」

 

 帰って来たばかりのワユに飛び込んだヘスティア。神は下界にいるが、まさしく神がかりなタイミングだと言えるだろう。

 

「ワユ君、頼みがある」

 

「何、ヘスティア」

 

「『アポロン・ファミリア』の神の宴に一緒に来てほしいんだ」

 

「えー、ベルじゃダメなの?」

 

 それは当然の疑問だろう。ワユは『ヘスティア・ファミリア』に所属してまだ日が浅い。そういう眷属を連れて行くとしたら、それはファミリアの顔と呼べる眷属を連れて行くべきなのだが……

 ワユに対してヘスティアとベルは酒場の一件を説明する。何があったかを知ったワユは渋々ながらもそのお願いを承諾した。




短めですがここまで

途中まで書いていたのですが書いているうちに長くなりすぎると思ったので区切らせていただきました

実はここまでは昨日のうちにかけてました……
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