蒼炎の勇者がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:クッペ

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そろそろこの小説の漆黒さんぶっ殺したくなってきました

息抜きとして何和香閑話書きます、何故かって?
息抜きですよ息抜き……

べ、別に、原作9巻以降読んでないとか?オラトリアに関しては7巻以降読んでないとか?そんな事実は一切ないんですからね?


閑話①

 

 オラリオ郊外、現在オラリオは隣国の『ラキア王国』という国からの攻撃を受けている。

 ラキア王国は神アレスが納めている国で、国の軍人全員に『神の恩恵』が授けられている。しかしその眷属たちの殆どがレベル1かレベル2。いくら国全体でオラリオに攻めて来ようとも、オラリオにいる第一級冒険者たちには到底かなわない。

 ラキア王国は過去六度もオラリオに侵攻してきている。その六度、全て撃退されているにも拘らず、神アレスは懲りることなく攻め続けてくる。

 現在、侵攻の防衛に当たっているのは主なファミリアはオラリオの二大派閥の『ロキ・ファミリア』と『フレイヤ・ファミリア』だ。

 そしてラキア王国の進軍を最前線で食い止めているのはアイクとガレスの二人だ。

 

「ぬぅん!」

 

 ガレスが掛け声とともに斧を振り回す。軍馬に乗ったラキア帝国の軍は上段のように吹き飛ばされていく。

 アイクの方は掛け声などは特に上げないが、来る敵を一人一人丁寧に撃退していた。元の世界の騎馬兵は一撃与えてその場から離脱という戦法を取り、その移動力を持ってこちらから迎撃することは少々困難だったため、必要以上に警戒しているのだ。

 それともう一つ、まとめて吹き飛ばすと誤って敵兵の命を取ってしまう恐れがあるからだ。アイク自身納得はいっていないのだが今回の侵攻での怪我人を治療するのは、オラリオにとって収益がプラスになりギルド側からも主神からも、ファミリアの団長からも敵兵の命を取らないよう命令を受けている。

 

「……ここまで戦いづらい戦争は初めてだな」

 

「なんじゃ、随分と文句がありそうな言い種じゃな」

 

「文句と言うか……まあ文句なのだろう。今までの戦争では向かってくる敵は撃退ではなく命を奪っていた。あまり褒められたことではないが、そっちの方が慣れている。このように手加減して戦うこと自体全く慣れていないからな」

 

「お主は手合わせなどでも容赦なく攻撃していたからのう」

 

 ガレスはアイズやワユとアイクの手合わせ、もとい模擬戦(殺陣)を見ているためしみじみとした雰囲気でそう言い放つ。

 二人とも戦場にいる空気ではない。次々と敗走していく敵兵を追いかけることもしない。

 遠い本陣から銅鑼の音が戦場に鳴り響く。この銅鑼は最前線での戦いが終わりという合図でもあり、他の陣営に対するその場で待機という意味合いも込められている。

 

「というか俺がこんなに最前線に出てきてよかったのか?『ロキ・ファミリア』は俺を秘匿したいんじゃなかったのか?」

 

「文句ならリヴェリアに言え。最も、この間の歓楽街の一件が尾を引いているうちは不可能じゃがのう」

 

 アイクを最前線に送ったのはリヴェリアだ。歓楽街でアイクが春姫を助けた一件以降、リヴェリアとアイズの機嫌が少々悪いのだ。

 

「別に文句があるわけではない。ただ大丈夫なのかという確認だけだ」

 

 アイク自身別に自分の存在がばれても少々面倒だと思っている程度だ。何も理由も無く人や神を殺そうとする殺人鬼ではない。

 ただお伽噺と言う伝承の所為で神のアイクに対する評価が少々辛辣になっているだけなのだ。

 その時に他のファミリアが合同で侵攻を食い止めるこの作戦の、最前線と言う目立つ位置にアイクの存在を秘匿したい『ロキ・ファミリア』の面々が送り込むというのは違和感しかない。

 そしてこれは完全にリヴェリアの八つ当たりである。リヴェリア自身ラキア王国の侵攻でアイクがミスをするとは露ほどにも思っていないが、それでもこういった下らない奴辺りをしないと気が済まない程度には、機嫌が悪いのだった。

 

* * * * * * * * * *

 

「大将ー!いるー?」

 

 ここは『ロキ・ファミリア』の本拠、『黄昏の館』。ラキア王国の侵攻はいまだ続いているが、今は敵軍の殆どの兵が負傷したのか侵攻は止んでおり今まで防衛に参加していた面々も一旦自分のホームに帰って来ていた。

 そしていつも通り、ワユがアイクを訪ねて『黄昏の館』を訪ねて来た。普通に門番に話を通せばいいだけなのだが、ワユは『黄昏の館』にいるであろうアイクをこのように呼び出している。

 そして少し待っていると、ロキとアイクが一緒に出てくるのもいつも通りなのだ。

 

「ワユたん、今日も来たんやな。いつもいつも飽き、へんな……」

 

 しかし今日はワユ一人ではなく、後ろにフリルが付いたエプロンドレス。俗にいうメイド服を着た狐人が顔を真っ赤にして少し俯き、大きなリュックサックを背負い立っていた。

 

「なんだ、春姫も今日は一緒なのか?」

 

「は、はい!アイク様、先日はありがとうございました!」

 

 頭を深く下げアイクに礼を言う。しかしアイクの表情は若干曇ってしまう。

 

「春姫、頭を上げてくれないか。その『お辞儀』とかいうやつは正直苦手でな」

 

「は、はい……申し訳ありません、アイク様」

 

「所で、なんでロキは固まってるの?」

 

 先ほどからロキは春姫の方を見たまま動かない。呼吸すら止まっているのではないのだろうかと思えないほど肩すら動いていない。

 

「け、」

 

 そしてロキが再起動したと思ったら唐突に叫び出し、春姫の方へ飛び込んでいった。

 

「獣耳美少女来たーーーーーー!!!!!!」

 

「ひゃあああああぁーーーーー?!?!?!」

 

 ロキに飛びかかられ、春姫は後ろへと押し倒される。そのままマウントポジションを取られ胸を揉みしだかれている。

 

「ぐふふふ、おっぱいも意外と大きいやん」

 

「ひゃああああーー!?ロキ様ですか!?は、放してください!」

 

 胸を揉むのでは飽き足らず、狐人特有の太めだが鮮やかな毛並みの尻尾を撫でまわし、頭に生えた狐耳を擽り始めた。

 

「ひゃ……そ、そこ、だ、め……」

 

「ええ声で鳴くやんか~、なあなあ、うちの子にならへん?」

 

「なりません!」

 

 戯れている春姫とロキを放置し、アイクとワユは二人で話を進めている。

 

「それで、今日は何の用だ?」

 

「あたしがここに来たからには目的は一つだよ!……って言いたいところだけど、今日はお金稼がない?あたし回復薬とか買ってたら金欠になっちゃって」

 

「そんなに大量に買ったのか?」

 

「ほら、いつもはあたしたちが自分で自分の分持って行くからあまり多い数は持って行けないけど、今日は春姫が荷物持ちしてくれるっていうから大量買いしちゃったんだよね」

 

「ちょっと、助けて下さいー!」

 

「ぐふふふふ、久々に抵抗しないかわいい子に会ったわ。これは満足するまで――」

 

「ロキ、少しうるさいぞ」

 

「ぐふっ!」

 

 館の前で騒いでいたため、中から出てきたリヴェリアがロキの頭を杖で殴った。本気ではないとはいえレベル6の冒険者の一撃にロキは頭を押さえてその場に蹲った。

 

「うぅー……痛いやん、リヴェリア……」

 

「騒ぎ過ぎだ、中まで声が響いていたぞ」

 

「あ、リヴェリアじゃん。久しぶり」

 

「久しいな」

 

「そうだ、リヴェリアも一緒にダンジョン行かない?お金稼ぎに行こうよ」

 

「済まないが、今日は雑務が多くてな。また今度――」

 

「あたしと大将と春姫で――」

 

「まあ偶には気分転換も必要だろう。最近はラキアからの侵攻ばかりで息が詰まる思いだったからな」

 

「え?今雑務がどうこう――」

 

「ラウルにでも押し付ければいいだろう。どうせただ判子を押すだけの仕事だ」

 

「まあリヴェリアが良いならいいけど」

 

「ついでに他のメンバーも誘ってきてもいいか?皆も息抜きが必要だろう」

 

 そう言い残しリヴェリアは一旦『黄昏の館』に引っ込んでいった。ロキは頭を押さえながらよろよろと立ち上がり、春姫はロキを警戒しきった目をしながらアイクの後ろへと隠れた。

 

「ワユ、潜ると言ってもどこまで潜るつもりなんだ?」

 

「うーん……60階層位?あたしと大将がいれば余裕だと思うんだよね」

 

 ワユがその言葉を発した瞬間、ロキと春姫はピシリと固まった。そして二人を信じられないようなものを見る目で見る。

 

「確かに行けるかもしれないが、せめて50階層程度で止めておいてやれ。60まで行ったらうちの首脳陣が泣くぞ」

 

「なあワユたん、アイクの言う通り、行くとしてももうちょっと浅い階層で止めておかへん?今回は金稼ぎに行くだけやろ?春姫たんのレベルがいくつか知らへんけどそこまで深く潜る必要あらへんやろ?」

 

「ワユ様お願いです!潜るにしてももう少し浅い層でお願いします!そこまで深く潜ってしますと春姫は生きて帰ってこられません!」

 

「そういうわけだ、だからいくとしても59までだ。それより先は遠征で辿りつかないとお前が怒られるぞ」

 

「アイク様!?」

 

「お待たせー」

 

 リヴェリアに連れてこられたのは団長であるフィン、アイズ、ティオネ、ティオナ、レフィーヤだ。いつぞやの時も金稼ぎのためにダンジョンに潜った時と同じメンバーになってしまった。

 

「雑務の方は良いのか?」

 

「目の前で凄い剣幕で迫ってくるリヴェリアと、ラウルに雑務を押し付けるの、どちらを選ぶかい?」

 

 考えるまでも無く押し付ける方を選ぶ。そもそもアイクは雑務は嫌いだ。

 

「で、そこの狐人の子も着いてくるの?」

 

「は、はい……ワユ様に頼まれて、同行させていただくことになりました。サンジョウノ・春姫と申します。どうかよろしくお願いいたします」

 

 ティオネとティオナとレフィーヤは気さくに声をかけているが、アイズは若干不機嫌になりながら春姫を見据えている。決して睨みつけているわけではないから春姫の方は気が付いていないが。

 

「で、ワユ。具体的に何階層まで行こうとか言う計画はあるのかい?」

 

「いいや全く。とりあえず大将からは59までは良いとか言われてるけど――」

 

「「「「良い訳無いだろ!!!!」」」」

 

 アイズとレフィーヤ以外の四人がそう叫び、結局春姫のレベルが1ということもあってこのメンバーで春姫を守りながら余裕を持って潜れる階層の30付近に潜ることになった。




今回から書き始めた閑話は少々キャラ崩壊があるかと思います。

後書きでそれを謝らせてもらいます
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