モンスターハンター 健啖少女とハンターさん   作:ストスト

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未完だけど気がむいたらやります。


健啖少女、初めてのクエスト。

ルイがハンターとなってから早数日。

俺は初めてルイをクエストに連れて行くことに

した。

 

そろそろ本気で家計がヤバいからだ。

あと、ルイのハンターランクのせいもある。

あれのおかげで俺はちょっと……いや、

意外に……正直に言うとかなり凹んだ。

 

「おーい、ルイー。行くぞー‼︎」

 

「待たぬか、ザント‼︎女性を待つことぐらい

出来ないのか貴様は‼︎」

 

「いつも遅くまで寝てるお前が悪いんだろ?

しかもお前ときたら……」

 

瞬間、ルイが顔を真っ赤にして殴りかかってきた。

 

「ああああ、言うな言うなあああ‼︎」

 

「だから朝まで寝てるおま……いだッ⁈

ちょ、待て力加減というものをお前は……‼︎

あだだだだだだだだだ止めろ噛み付くのだけは

止めろーーーーーーッ‼︎」

 

「お2人とも、朝から元気そうで良かったですニャ」

 

入り口からそっとこちらを眺めているアルフ。

いや、見てないで助けて欲しい。割と切実に。

 

「フシャーーーーーーッ‼︎」

 

「猫かお前はッ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後。

なんとかルイを諌めた俺は、彼女を伴って

遺跡平原にいた。

 

俺の装備はレウスS装備に大剣の<クロームレイザー>。

ルイの装備は余っていた素材で作った

ブラキS装備にこれまた大剣の<ブラスウォル>。

 

受注したクエストはドスジャギィ一頭の狩猟。

少々装備と釣り合っていないと思うが、

ルイがどのように立ち回るのか一旦見てみて、

それから彼女に問題点があれば是正するつもりだ。

 

俺はそう心に誓いながらドスジャギィ達の縄張りの

一歩手前のエリアへと足を踏み入れていた。

 

「ルイ。ちゃんとついて来てるか?」

 

「問題ない、ちゃんとついて来ておる」

 

ルイはそう言いながらいつのまにか採集していた

黄色のキノコを食べて……って。

 

「お前それはマヒダケだよッ‼︎早く吐き捨てろ‼︎」

 

だがルイはその忠告に耳を貸さず、口の中で

咀嚼していたマヒダケをごくん、と嚥下すると

何故かむふんとドヤ顔で俺に向かって、

「ふふふ、ザントよ。貴様は我が身体を舐めて

いるようだな?この程度の麻痺毒など私に

とってはちょっとした香辛料程度だ」と

言い放った。

 

今は人間の身体なのだからと俺は心配していたが

言われてみれば確かにルイの身体は常人とは

かなり異なる。それならば……‼︎

 

「わたひふらひのつよさがあれば、ろくへの

たいへーもなかなかの……」

 

……。

 

「ダメじゃねーかよおおおおお‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後。

 

「く……私とした事が……この程度の毒すら

消化できんとは……‼︎」

 

「今は人間の身体なんだからちょっとは

自重してくれよ……」

 

ドスジャギィと遭遇するのを避ける為に

移動した洞穴の中で、悔しそうにしながら

ようやく痺れの取れたルイが立ち上がる。

 

「おかげで時間まで食らってしまったわ。

とっとと行くぞ」

 

「誰のせいなんだか」

 

その言葉を無視しながらルイは俺を置いて

ずんずんと先に行ってしまう。

あまりにも無用心過ぎるので、俺は洞穴を

出た辺りで彼女を引き止めようと

走り出してーーーーーー。

 

 

 

 

出口のところで止まっていたルイに追突した。

 

「ごふっ⁉︎」

 

「あだいッ⁉︎」

 

洞穴から差し込んでいた日光のせいで視界が

一瞬眩んだのがいけなかった。

ルイは俺に追突されて声は上げたものの

前へと倒れはしなかった。

曲がりなりにもハンターのタックルを

食らって倒れないとは、流石元イビルジョー。

 

「何をするザント‼︎」

 

「すまん。だけどいきなり立ち止まる方も

悪いだろうが」

 

その言葉にルイは片方の眉をピクッ、と上げると、

呆れたように溜息をついた。

 

「……なんだ、貴様には聞こえてなかったのか?

今、声が聞こえた。かなりの大物だぞ」

 

そう彼女が言い終わると同時、俺の耳にも

微かに声……否、咆哮が聞こえてきた。

それは俺とルイが目指していたエリア、

ドスジャギィ達の縄張りからのもの。

 

「……ルイ、急ぐぞ」

 

俺は短くルイに伝えると、

周りを警戒しながらも走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーガパリ、と顎門を開き、

先刻仕留めたドスジャギィの臓腑に喰らいつく。

そうして噛みちぎった肉を纏めて呑み込んで、

橙の色の身体に青のストライプ模様の走る

飛竜は満足げに唸り声を上げた。

 

……闖入者の<轟竜>ティガレックスは、俺達の

ターゲットであるドスジャギィを俺達が

会敵するよりも先に仕留め、腹の内に収めていた。

 

「……ごくっ」

 

ティガレックスの食事風景を眺めていたルイが

唾を呑み込んだ。

 

「……腹、減ったのか?」

 

ティガレックスからは死角となる岩陰に

隠れながら、俺は隣にいるルイに耳打ちした。

 

「ああいった食事を終えたばかりの

獲物の胃の腑の中にある肉は程よく柔らかくて

美味いのだ。それを思い出して、涎が……」

 

「よし帰ったらすぐに飯食べよう」

 

……ルイの話はともかく、ティガレックスと

相手をするとなると少々きつい。

俺は余りティガレックスを狩った経験はないし、

それだって全てが4人態勢で臨んだりしたもの。

仲間がハンター経験の浅いルイだけでは難がある。

 

「ルイ。ここは一旦退いて……」

 

刹那、ティガレックスに何かが迫る。

それを認めると同時に、ティガレックスは

大きく息を吸い込むとーーーーーー。

 

「……ッ⁉︎馬鹿、ルイ戻れえええッ‼︎」

 

そこまでいって漸く俺は血気はやったルイが

ティガレックスへと吶喊していった事に

理解が及び、全力で叫ぶが。

 

 

 

 

掻き消される。

圧倒的な音量で。

ティガレックスの咆哮、()()()()()()()()

ダメージを受ける程のそれで。

咆哮は俺の声をかき消し、俺を凍りつかせた

のみに留まらない。

当然ながら近くにいたルイは、咆哮による

音圧で殴られて、軽い身体が宙へと舞った。

 

どさり、とルイが倒れる。

ティガレックスは咆哮を終えると、目の前に

いる獲物向け、顎門を開き……‼︎

 

「ッ、うおおおおああああーーーーーーッ‼︎」

 

後一寸でルイにその牙が届く所で、俺の

<クロームレイザー>に顎をかち上げられ、

その衝撃に怯んで後ずさった。

 

「クッソ……ルイ、平気か⁉︎」

 

「……ん、あ……頭ガンガンする……」

 

ルイは目を回しながらも、ゆっくりと立ち上がり

背中の大剣を引き抜いた。

時を同じくしてティガレックスもこちらを

見据える。

 

こうなればもう、道は一つしかない。

 

「……奴を狩るぞ。とことん付き合え」

 

「私が蒔いた種だからな。責はしっかりと

取るよ。……アレを喰らう(狩る)事でな」

 

ティガレックスが再び咆哮を上げる。

それこそが俺とルイの、初クエストの

始まりであった。

 

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