それから数日後……。
やたら賑わっている廊下には新しい生徒会メンバーの名前と役職が貼り出されていた。
生徒会長・雪ノ下雪乃
副会長・由比ヶ浜結衣
生徒会書記・一色いろは
生徒会庶務・比企谷八幡
「どうしてこうなるかね……」
「あはは……ま、まあ、いいじゃん。皆仲良く当選って事で……」
「そうですよぉ、先輩。終わり良ければ全て良しっていうじゃないですか」
「いや、そもそも何でお前がちゃっかり当選しちゃってんの?これってお前を当選させない為の依頼だったんじゃねえの?」
「え?だってほら……皆さんとなら楽できそう……楽しくやれそうですし、内申点……皆さんがやるのに、私だけやらないのも後味悪いというか~」
「…………」
この子、本音が隠しきれてない。てか、隠す気ないよね……まあ、別にいいけど。
「あの、比企谷君。本当にいいの?当初の予定とはだいぶ違う結果になってるけれど…」
「ああー……まあ、これはこれでいいと思う。そもそも資質でいえば、お前がやるのが適任だからな」
「でも、せんぱぁい。なんで一年の私が役付きで、先輩が庶務なんですか?」
「ん?まあ、あれだ……色々雑務に追われそうなんでな」
「はあ、よくわかんないですけど」
結局、他に候補者が集まることもなく、それならもうこのメンバーでということになり、このような結果になった。
すると、由比ヶ浜がぽつりと呟いた。
「奉仕部のほうはどうなるのかな?」
「……別に、そのままにしとけばいいんじゃねえの?毎日生徒会活動やるわけじゃないし」
「そだね。ゆきのんの紅茶飲めなくなるのやだもんね」
「それが理由なのかしら……まあ、いいけど」
「あ、それじゃあ私も奉仕部参加しま~す」
「お前、サッカー部あるだろ」
「たまにですよ、たまに」
……とまあ、こんな風によくわからんが、さらに騒がしくなりそうな展開になった。
*******
「♪~~」
「希ちゃん、ご機嫌だね~」
「ええ、それに何というか……綺麗になった気がします」
「にゃ~」
ことりちゃん達から声をかけられ、自分がにやけていた事に気づく。よかったぁ、いい方向に受け取ってもらって。でも、気をつけんといかんね。
「の~ぞ~み~」
こんな風に絡まれちゃうから。
「はぁ……今夜はウォッカで一杯やりたい気分だわ」
「はいはい。まだ未成年だからやめようね。よしよし」
元生徒会長の危険発言を宥めながら、優しく鮮やかな金髪を撫でた。
理由はまあ……想像つくだろうから伏せておきます。
とにかくウチがやるべきことは、エリチの名誉のために、ボロが出ないようにフォローすること。もう手遅れの可能性が非常に高いけれど。
「はぁ……恋をして、終わりを告げ、願うことは……」
「はい、ストップ。それよりにこっちは?」
「たしか、穂乃果達と……いえ、はじめてのおつかいかしら」
これはボケているのだろうか?それともバグっているのだろうか?どちらかわからないからツッコミづらい。いや、そもそもウチはボケて魅力を発揮するキャラだから、そこ取らないで。
すると、廊下の向こう側から、穂乃果ちゃんとにこっちがドタバタと走ってきた。
「みんなー!次の会場決まったよ!」
「あら、どこかしら?」
一瞬で切り替わったその表情は、もう既に立ち直っていると告げている気がした。
……さすがエリチやね。
「あと希。後でお泊まりの時の事、詳しく」
「え?」
とりあえず、誰から聞いたかだけ後で取り調べしておかなきゃ。