捻くれた少年と寂しがり屋の少女   作:ローリング・ビートル

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Love can go the distance #7

 μ'sのラストライブとなる舞台・秋葉原には、全国からスクールアイドルが集まっていた。

 まだライブ当日ではないが、あちこちに出店が出ていて、あの賑やかな司会者がリポートしていた。

 

「なんかすごい祭りになってますね。てか、わざわざ全国から集めたんですか?」

「穂乃果ちゃんがスクールアイドルのお祭りにしようって言うから、皆であちこち行ってきたよ」

「行動力ぱねぇ……」

「八幡君もやん。まさか本当にボランティアやってくれるとは思ってたけど……」

「思ってたんですか……」

「でも、友達をつれてきてくれたのは予想外やったね」

 

 希さんの視線の先には、出店の売り子をやっている由比ヶ浜や一色。奥でお米スムージーを作っている雪ノ下がいた。

 

「いや、あれは自己申告と言いますか……」

 

 生徒会メンバーやらその他のメンバーは、前日になっていきなり連絡してきた。今回は学校は何も関係ないので、特に言わなかったのだが……。

 ちなみに材木座はあまりの女子の多さに圧倒されたのか、出店の奥でひたすら裏作業に徹していた。まあ、かなり助かっていてありがたいのだが……。

 

「いい友達ばかりやねえ」

「…………そっすね」

「あら、今日は捻デレ控えめやね」

「そんな塩分みたいな扱いされても……」

「ほらほら、お二人さん?まだ作業は残ってるわよ」

「エ、エリチ……背後からいきなり現れんでよ」

「ずっといたわよ」

「盗み聞きされとったんやね」

「いえ、堂々と聞いていたわ」

「堂々としてれば聞いてていいわけやないよ」

「さあ、それはさておき私達は立ち位置の確認をしておかないと」

 

 強引にスルーしている感じはするが、こういう時の絢瀬さんの表情は頼れる年上の女性で、たまにおかしく見えるのは気のせいなんだと思える。

 

「じゃあ、俺も作業に戻るんで。二人も頑張ってください」

「が、頑張ってなんて……そんな、いけないわ比企谷君、あなたには希がいるじゃない……」

「…………」

 

 前言撤回。やはりこの人はどこかがおかしい。

 

「エ・リ・チ♪」

「はい」

「……他のメンバー集まってますよ。行かなくていいんですか?」

「それもそうやね。じゃあ八幡君、また後で」

「比企谷君、今日は来てくれてありがとう」

「ええ」

 

 こちらにひらひらと手を振り、駆け出した二人を見送ると、さっきまで出店の近くにいた戸塚がいないことに気づく。

 あれ?さっきまでそこにいた気がするんだが……。

 とりあえず俺も戻るか。

 そう思い、出店の裏側に行くとそこには……

 

「あ……」

「……は?」

 

 スクールアイドルの衣装を着た戸塚と、その姿を見て満面の笑みを浮かべる南さんと優木さんがいた。

 え、何?どういう状況?

 戸塚が可愛いという現状以外、理解できずにいると、戸塚は恥ずかしそうに身をよじった。

 

「は、八幡……見ないで。あと忘れて」

「…………」

 

 俺はすぐ後ろを向き、脳内のフォルダに永久保存しておいた

 後から聞いた話によると、戸塚を見て、どうにも我慢できなくなったらしい。

 ……ったく、グッジョブ!

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