又、少し短めですがご了承ください。
やぁ、こんにちは。いや、おはようだろうか?それとも今晩は?
まぁここは時間の流れなんて関係の無い所だから、どうでも良いね。
ところで君は他の物語から飛んで此処へ来たのかな。それともまるで砂漠から針を見つけるかのように、此処を見つけたのかな。だとするなら、それはとても運の
周りは真っ暗。茶会の席に紅茶と甘いお菓子があるだけの空間なんて
ここはお気に入りの場所なんだ。だから君が来てくれて嬉しいよ。全く本当に。
あぁ、そうだ。前置きはいいから早く本題に入ってくれと思っているかもしれないけれど、まずは自己紹介をしようか。
さて、本題だけれど君はどんな物語が好き?
ファンタジーかな。それともSF?あぁ、ミステリーやホラーなんかも面白いよね。
因みに
だからさ、そういう事で
物語を
そうだ。最近話題になってる転生なんてどうかな。君が転生して第二の人生を謳歌する様を
あぁ、ごめん。話が逸れてしまったね。それではどの物語を観察しようか。色々あって困ってしまうよ。
まぁでも1番最初は皆が好きそうなアニメの世界なんてどうだろうか?
くフッ、
よく喋る人だと、貴方は思っただろう。彼なのか彼女なのか分からない人物は自分の事をルゥと名乗った。果たしてそれが本名なのかどうかも分からないが。
「それで。君はどんなアニメが好きなのかな」
静かに、それでいて優雅に紅茶を啜るルゥは貴方に問いかける。
「
多分知ってる物語だと思うよとルゥは笑った。確かにそれを貴方は知っているが、だからなんだと言うのだ。まさかこれに入り込む訳ではないだろう。だってそんな事
そんな貴方の考えを見抜いたのか否か、ルゥは目を細める。細められた瞳にはエメラルドグリーンが不気味に輝いていた。その瞳に貴方は背中がゾクリと震えるのを感じたが、それは至って正常な反応と言えるだろう。その震えが恐怖であれ快感であれ、ルゥの瞳は見た者を震え上がらせる。そういうモノなのだ。
背中の震えが末端まで伝わり、机の下で握っていた手が震える。
「おや、どうしたのかな?気に入らなかった?」
いいや、そんな訳がないだろうと貴方は首を横に振る振った。どうしてこうなったのかと自分に問いかけても答えは出ないが、こんな間近であのアニメの世界を覗き見出来るなんてこの先一生とないチャンスだ。まぁ、目の前のルゥと名乗る人物と一緒に覗き見するという、不安な点はあるが。
「それなら良かった。なら早速観察といこうか」
見惚れるような完璧な笑み。
ニコリと嬉しそうに笑ったルゥは今回観察する事にしたアニメ世界の単行本を取り出すと、物語が始まった記念すべき1ページ目を開きそこに自分の息を吹き込む。すると不思議な事にコマが1つ押し込まれたかのように狭まり、不自然な白紙部分が出来た。
まるで目の前でマジックを見ている気分だ。貴方が興味津々に身を乗り出して単行本を見つめていると、ルゥはクスリと笑って白紙部分に指を滑らせる。別にどうって事もない動作だ。なのに何をどうしたのか指を滑らせた所から黒い何かが広がって単行本を犯す。
あの黒さはそう、きっとインクだ。
「
ズルズル、ズルズルとルゥの血が白紙に吸収されて形を作っていく。それはまるで人の形のよう。
それを貴方は眉を潜めながら、ルゥは笑いをこらえながら見ていた。
「別に無双出来る強さを持っている訳でもない。かと思えば周りの人間を癒せれるような能力を持っている訳でもない。ただ、改ざんするだけの力なんだ。だからこそ
ああ、出来たね。
ルゥが最後にポツリと呟いた言葉通り、白紙部分にはまるでスケッチを取ったかのように本物そっくりなルゥが描かれていた。よく見るとご丁寧にトーンもどきも描かれている。ものの数分でこんな風に描けてしまうとは、なんとも漫画家泣かせな能力だなと思う。
単行本の1ページ目に描かれたルゥは空を見上げクスリと笑っていた。まるで、空を飛ぶ彼女を見ているかのように。
「さぁ、それでは入り込もうか。BLEACHの世界へ」
そして池に沈むように、ドプンッとルゥの姿は床へと沈んでいった。
感想、誤字報告受け付けております。