旅するは自称常識人   作:チェシャピエロ

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処女作品となりますので、お手数ですが何かございましたら報告を宜しくお願いします。
又、少し短めですがご了承ください。


やぁ、目の前の君よはじめまして。

やぁ、こんにちは。いや、おはようだろうか?それとも今晩は?

まぁここは時間の流れなんて関係の無い所だから、どうでも良いね。

ところで君は他の物語から飛んで此処へ来たのかな。それともまるで砂漠から針を見つけるかのように、此処を見つけたのかな。だとするなら、それはとても運の良いこと(悪い)だね。全くもってニヤニヤが抑えられないよ。

周りは真っ暗。茶会の席に紅茶と甘いお菓子があるだけの空間なんて不気味(素敵)だろう?

ここはお気に入りの場所なんだ。だから君が来てくれて嬉しいよ。全く本当に。

あぁ、そうだ。前置きはいいから早く本題に入ってくれと思っているかもしれないけれど、まずは自己紹介をしようか。(オレ私)はそうだな...ルゥと名乗ろうか。うん、宜しく。君の名前は知っているよ。多分、きっとね。けれど何回も君の名前を呼ぶのは面倒だし、君と呼ばせて貰うよ。

さて、本題だけれど君はどんな物語が好き?

ファンタジーかな。それともSF?あぁ、ミステリーやホラーなんかも面白いよね。

因みに(オレ私)は雑食なんだ。だから好きな物語は特に無いかな。

だからさ、そういう事で(オレ私)は物語を観察してみる事にしたんだ。ただの思い付きだけど、好きな物語を探すには良い案だとは思わないかい?あぁ、想像したら顔がニヤけてきそうだよ。

物語を壊す(コロス)のも良いし、主人公にイタズラ(ちょっかい出す)のも良い。君ならどうする?

そうだ。最近話題になってる転生なんてどうかな。君が転生して第二の人生を謳歌する様を(オレ私)が影から見守る。うん、素晴らしいね。

あぁ、ごめん。話が逸れてしまったね。それではどの物語を観察しようか。色々あって困ってしまうよ。

まぁでも1番最初は皆が好きそうなアニメの世界なんてどうだろうか?

くフッ、楽しみだ(興奮してしまう)ね?

 

 

よく喋る人だと、貴方は思っただろう。彼なのか彼女なのか分からない人物は自分の事をルゥと名乗った。果たしてそれが本名なのかどうかも分からないが。

 

「それで。君はどんなアニメが好きなのかな」

 

静かに、それでいて優雅に紅茶を啜るルゥは貴方に問いかける。

 

(オレ私)はね、これが気になっているんだ」

 

多分知ってる物語だと思うよとルゥは笑った。確かにそれを貴方は知っているが、だからなんだと言うのだ。まさかこれに入り込む訳ではないだろう。だってそんな事有り得ない(二次作品でもあるまいに)

そんな貴方の考えを見抜いたのか否か、ルゥは目を細める。細められた瞳にはエメラルドグリーンが不気味に輝いていた。その瞳に貴方は背中がゾクリと震えるのを感じたが、それは至って正常な反応と言えるだろう。その震えが恐怖であれ快感であれ、ルゥの瞳は見た者を震え上がらせる。そういうモノなのだ。

背中の震えが末端まで伝わり、机の下で握っていた手が震える。

 

「おや、どうしたのかな?気に入らなかった?」

 

いいや、そんな訳がないだろうと貴方は首を横に振る振った。どうしてこうなったのかと自分に問いかけても答えは出ないが、こんな間近であのアニメの世界を覗き見出来るなんてこの先一生とないチャンスだ。まぁ、目の前のルゥと名乗る人物と一緒に覗き見するという、不安な点はあるが。

 

「それなら良かった。なら早速観察といこうか」

 

見惚れるような完璧な笑み。

ニコリと嬉しそうに笑ったルゥは今回観察する事にしたアニメ世界の単行本を取り出すと、物語が始まった記念すべき1ページ目を開きそこに自分の息を吹き込む。すると不思議な事にコマが1つ押し込まれたかのように狭まり、不自然な白紙部分が出来た。

まるで目の前でマジックを見ている気分だ。貴方が興味津々に身を乗り出して単行本を見つめていると、ルゥはクスリと笑って白紙部分に指を滑らせる。別にどうって事もない動作だ。なのに何をどうしたのか指を滑らせた所から黒い何かが広がって単行本を犯す。

あの黒さはそう、きっとインクだ。

 

(オレ私)の血はインクで出来ているんだよ。何とも可笑しいだろう?けどこうやって血を垂らす事で世界に(オレ私)という存在を刻み込めるんだ。それって素晴らしい事だと思わないかい?」

 

ズルズル、ズルズルとルゥの血が白紙に吸収されて形を作っていく。それはまるで人の形のよう。

それを貴方は眉を潜めながら、ルゥは笑いをこらえながら見ていた。

 

「別に無双出来る強さを持っている訳でもない。かと思えば周りの人間を癒せれるような能力を持っている訳でもない。ただ、改ざんするだけの力なんだ。だからこそ(オレ私)はこの力が好きだよ」

 

ああ、出来たね。

ルゥが最後にポツリと呟いた言葉通り、白紙部分にはまるでスケッチを取ったかのように本物そっくりなルゥが描かれていた。よく見るとご丁寧にトーンもどきも描かれている。ものの数分でこんな風に描けてしまうとは、なんとも漫画家泣かせな能力だなと思う。

単行本の1ページ目に描かれたルゥは空を見上げクスリと笑っていた。まるで、空を飛ぶ彼女を見ているかのように。

 

「さぁ、それでは入り込もうか。BLEACHの世界へ」

 

そして池に沈むように、ドプンッとルゥの姿は床へと沈んでいった。

 

 




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