今回は説明回
すべてを説明しているわけじゃないですし、説得力が足りないところも結構ある気がします
それでも一応俺なりにできるだけすり合わせた結果がこれなので受け入れてもらえると幸いです
そして、何度でもいいますが、これはアスラクライン主導の二次ではありません
緋弾のアリアの二次です
そこのところお間違えなく
いや確かにクロスですしアスラク成分強めになってるのは否定できないんですけどそもそも書き始めた理由がカツェたんprprですしおすし……(ry
そこに立っていたのは紛れもない俺の妹だ。
だが、ふと違和感を覚えた。
幼い。
そう、俺が記憶しているあいつの姿より幾分幼く見える。
シスコンだったのは自覚していたが、まさか死に際に在りし日の妹の姿を浮かべる程にはロリコンであったとは……自分が情けない。
それでもこの心地のいい夢を終わらせなければ。
俺はあの一瞬、負けたのだろう。
でなければあんな光景を見る羽目になった理由が理解できない。
人が捩れて潰れていく様を、それも親しい人が歪んでいく様を目の前で見せられた頭はまだ混乱しているようだ。
でなければ走馬灯がこんなに長く続くはずはない。
あいつはさっきから扉の前に立って微かに頬に笑みをのせてこちらを眺めている。
あいつは何を言いたいのだろうか。
何も言いたくないのだろうか。
所詮は都合のいい夢だということか。
敗残者は去るのみ。
未練はここに置いていこう。
「藍」
あいつはただ微笑んでいる。
「俺は何も守れなかったみたいだ」
あいつは何も言わない。
「お前にあの時誓ったのにな」
ただ微笑んでいるだけだ。
「みんなは俺が守るって」
何も言ってはくれない。
「お前が身を賭して手に入れた力を使って」
微笑みに綻びはない。
「それが俺に出来る精一杯だったから」
その口が開くことはもうない。
「クソ……お前をすり潰して、元演操者として自身をすり潰して」
天使のように微笑みを浮かべるだけ。
「精一杯やったんだ。なのに、俺ァ負けちまったよ」
なぜなら彼女はもう……
「クソぉ、悔しいなぁオイ。ああ、涙が止まらねぇよ。誰が未練を置いてくだって!? んなもん置いてけるわけがねぇだろうが!? 俺ァあいつらを守りたかっただけなんだ……それが、なんで、なんでこんなことになっちまったんだよぉおおおおおおおおおおお!!!」
俺の記憶の中にしか……
次の瞬間開け放たれていた窓から風が吹き込んだ。
「大丈夫だよ」
「え?」
今聞こえるはずのない声が聞こえた。
窓の外に広がる木々のざわめきが耳にうるさい。
「お兄ちゃんはよく頑張ったんでしょ? だったら報われるはずだよ」
ああ、ついに俺の頭は許されたいがためにあいつの声を流し始めたのか。
あいつはゆっくりとこちらに向かって歩いてくると、ベッドの端に腰掛けた。
「それに、お兄ちゃん……さっきから寝ぼけてるみたいだから言っておくけど、ここは別に死後の世界とかお兄ちゃんの都合のいい妄想の中とかじゃないからね?」
窓から滑り込んできた葉っぱをシーツの上から拾い上げてあいつは言う。
……ん? さっきから聞いていたら何か話がおかしくないか?
報われるはず? 俺は死んだんだろ? だってじゃなきゃここはどこだよ。
困惑が顔に出ていたのか、あいつは仕方ないなぁとばかりに笑みを深めると、事情の説明を始めてくれた。
「いい? まずはじめに説明すると、ここはお兄ちゃんの考えているようなところじゃなくて3周目の世界。お兄ちゃん達がいた2周目の世界が滅んで生まれた世界だよ」
「は?」
さっきから疑問符ばかりが頭の中を行き交っている。
多分傍から見ると、俺の上には巨大なクエスチョンマークが浮かんでいるのだろう。
または俺の頭の周りにいくらかの小さなクエスチョンマークが浮かんでいるかだな。
そんなしょうもないことを考えるくらいには藍の言っていることは理解し難かった。
涙を流して首をかしげる男の図、シュールだ。
そんなことより、3周目? 2周目の世界は滅んだ? じゃあ俺はなんでここにいるんだ?
藍は俺が何を考えているのか手に取るように分かるぞといった表情を浮かべている。
俺もお前が何考えてるのかよく分かるよ、顔に出やすいからな。
「話すと長くなるんだけど、今のところは簡単な説明だけしておくね? まずは、あれは半年くらい前かな? 私が夢遊病に罹った時期があったんだ。周りからはただ普通に遊んでいるように見えてたみたいなんだけど、私にはそのときの記憶がなかった。そのあとしばらくして、夢遊病から解放された時に目の前にあったノートで真実を知ったんだけどね」
一旦話を切る藍。
俺は今の話のどこがこの状況の説明になるのかさっぱり分からなかった。
もしこの時平時並に冷静だったならばここまで聞いただけで事情も理解できたのだろうが、あまりにも突然の事過ぎて全く頭が働いていなかった。
「ノートの中には世界の秘密が記されていた。私の夢遊病の正体、2周目の世界のこと。お兄ちゃん達が日々命懸けの戦いをしていること。全部2周目の私が書いたことだった」
そこまで聞いてやっと把握した。
俺の操っていた機巧魔神
2周目の藍はその力を使って独断で3周目へと渡っていたのだろう。
大人しそうな見た目に反してお茶目なところのある我が妹らしい暴挙だ。
今目の前にいたら梅干をくれてやるところだった。
だが今目の前にいるのは3周目の藍なので自重する。
「2周目の私は
そうか、そうだったのか。
あいつが一時期とても沈んでいた時期があったのはそれが原因か。
「だから2周目の私は考えた。2周目が単独で助からないのならば3周目の世界からなら助けられるのではないか? って」
…………。
「待て待て待て待て、なんだその暴論は。一度滅んだ世界が元に戻るとでも言うつもりか?」
「何を言っているのお兄ちゃん。お兄ちゃんたちだって2周目から1周目の世界を助けようとしていたんでしょう? それとやろうとしていること自体は一緒だよ? ただ、対象の世界が滅んでいるか、滅びかけかの違いしかない。第一さっきは滅びたって言ったけど、今の2周目の状況は3周目からじゃ観測できないから滅んでるかもわからないよ?」
「いやいやそこは大きな問題だろうに……それにだ、俺らの場合は機巧魔神という指針があった。だから1周目と2周目を一緒に救う算段をたてられたんだ。2周目と3周目に一体なんの架け橋があるっていうんだ?」
我が意を得たりとばかりに頷く藍。
どうやらこの疑問を引き出したかったらしい。
「お兄ちゃんだよ」
……さっきから俺は自分が実は馬鹿なんじゃないかと疑っている。
藍の言うことがいちいち一発で頭に入らない。
ちなみに俺が藍が馬鹿なんじゃないかと思うことはない。
藍が馬鹿なはずないし実際俺なんかよりよっぽど賢いしな。
それでだ、俺……? 俺の存在を架け橋にするだって?
「あ、あとは色金だね」
「イロカネ? なんだそりゃ」
イロカネ……初耳の単語だ。
黒科學関連の用語は初見ではなかなかわからないような命名がされているものが多い。
それでも俺が初耳なんてことは相当に珍しい類いの存在なのだろう。
それこそ
こんな俺でも黒科學は一定以上に修めていたからな。
とりあえず藍が言うことには2周目から来た俺とそのイロカネとやらが鍵ってわけだ。
うん、さっぱりわからん。
「色金っていうのはこの世界特有の物質かなぁ、正確には違うけど。2周目の世界と3周目の世界の違いはたくさんあるみたいなんだけど、そのへんの説明はまた今度ね? とりあえず今はそういうものがあるってことで納得しておいて」
「ああ……それはわかった。ただ、そろそろ説明してもらっていいか? 俺はなんで今3周目の世界にいるんだ? 俺は死んだはずだろ。じゃなきゃあの時何が起きたって言うんだ?」
そう、あいつの考えてたことはまだよくわからないけれど、あいつが何を考えていたとしても俺がここにいる理由は説明できない。
なぜならあの時あいつは既に消滅していたからだ。
死人に口なし。
あの時一体あの場で何が起きたのか。
でも藍はそれを説明できるはずだ。
でなけりゃここまで落ち着いて俺の存在を認められるわけがない。
藍は事情をすべて把握しているのだ。
「別に私も全部を説明できるってわけじゃないよ? その場に私がいたわけでもないし。でも、これだけは言える。お兄ちゃんは智春さんに飛ばされてきたんだよ」
「智春に……?」
そうか、なぜその可能性を考えなかったんだ。
黑鐵・改の能力は時空間の制御。
なぜ俺が3周目の世界にいるのか考える中で、一番最初に出てくるべき可能性だ。
余りにも混乱しすぎていてそんなことすら考えられなくなっていたようだ。
もう少しばかり落ち着こう……当初よりはマシになったとは思うが、まだ冷静じゃないようだ。
「2周目の私が言うには、智春さんにはその話を前からしてたらしいよ? お兄ちゃんに内緒にしてた理由までは教えてくれなかったけど、非常の時にはみんなで3周目の世界に逃げ込むんだって計画してたみたい」
「……それじゃあ、なんで俺だけがこの世界に? みんなで逃げたんならここにみんないるべきだろう?」
そう、俺は智春たちが重力球に飲まれ捩れていく様を見た記憶がある。
みんなで逃げたのならあの光景はなんだ?
まさか俺だけを逃がしたなんてそんなことはないはずだ。
だから、最後に聞こえた覚えのある声は幻聴だ。
あとを託した……? 何を言っているんだ。
お前は主人公だろう。
すべてを救ってみせる
そんなところで諦めるなよ。
1周目の世界に行った時のように、ひょっこり現れてまた世界を救いに行くんだろう?
そうだろ、そう信じさせてくれよ智春……こんな妹一人守れないような男に後なんて託してんじゃねぇよ。
お前が自分で救えばいいじゃねぇか……なんで、なんで俺なんかに、こんな無様晒した俺なんかに託しやがったんだよ……くそぉ」
「お兄ちゃん……」
「……なぁ、藍。もうひとつ教えてくれ。この世界の俺はどうなった?」
世界間移動の時に、移動先に自身と同等の存在があればその際にその存在は自身で上書きされる。
つまり……今自分の姿を見て気づいたが、俺はこの世界の俺の体を乗っ取ってここに存在しているというわけだ。
智春なんかはその辺に複雑な事情があるのか、1周目と2周目の智春が同時に存在するなんてことになってやがったが。
「……この世界のお兄ちゃんは確かに上書きされたよ。でも、お兄ちゃんもそれはわかってた。この世界のお兄ちゃんは生まれつき体が弱くて、もう長くなかった。だから私が全部を話したの。そしたら、それが世界のためになるなら俺は笑って消えられるって……それから二人でいろいろなことを話したの。今までのことこれからのこと」
…………。
「だから、私たちは覚悟が出来てたの。お兄ちゃんが気にすることじゃないんだよ。それに、お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ? 多少生まれが違ってもそれは変わらないよ」
俺は……いつも藍にばかり負担をかける。
背負わせなくてもいいものばかり背負わせちまう。
一度それで取り返しのつかない失敗をしているっていうのに、また俺はそれを繰り返してやがる。
なんで藍がこんな儚げな笑みを浮かべなくちゃならないんだ。
今にも消えてしまいそうなほど傷ついた笑顔なんて……なんで俺は浮かべさせてるんだよ。
俺は誓ったんだ。
藍を守るって。
みんなを守るって。
最低限の事情はわかった。
俺のすべきことも把握した。
3周目の世界だからうまくいくなんて確証はない。
俺は2周目の世界と1周目の世界、ついでに3周目の世界をこの手で救ってやればいいらしい。
ああ、簡単なことだ。
この胸には誓いとみんなの想いが渦巻いている。
左手には消えない炎もある。
危機も一時的に去った。
ここからもう一度始めよう。
今度こそは俺が全てを守るんだ。
智春でも、あの主人公ですらもできなかったことを今度は俺が一人でやり遂げてやる。
みんなの手助けもない、紛れもない俺だけのチカラで。
ああ、でも、それも今目の前で泣きそうな顔してる女の子一人慰めてからだな。
世界を救うのはそれからでも、別に遅くはないだろう?
いかがだったでしょうか
感想批評評価批判文句質問疑問指摘、荒らし以外の全てを歓迎しております
それではそれでは
そういえば空の境界のアニメ見てて思ったんですけどうちの主人公の名前どっかの誰かによく似てましたね
何も考えずにプロットから関係ありそうな言葉引っ張ってきて名づけたらこうなったんだよなぁ
別にパクったってわけじゃないんですよ? あとから考えると無関係ってわけでもなかったですけど