彼女に出会った高校生活   作:ビタミンB

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はい、ドリフェス開催を心の底から喜んだ作者です。スター1万個くらいしか無いけどあことおたえ待ってろよ…!!

という事で今回は特に内容が無い話になります(宣言)
まぁ番外編はこんな駄文というか、緩い感じで思いついた文を書いて投稿していく形になると思うんでお願いします。あと話毎に時系列とかも変わってくるんでその辺もよろしくお願いします。

では銅像。



始まりの朝

 

 降り注ぐ日差し。夏も終盤に向かい命を燃やすような熱が地面を照らす中、一つの足音がアスファルトに染みていく。

 

 決まった顔のニュースキャスターが言うには今日が今季最強の気温らしく、夏に入ってからめでたく3回目の最高気温更新日だった。全く向上心のある季節である。やめろよお前、コスモ燃やし過ぎだから。限度を知ってくれ。

 

 上からの熱と地面からの照り返しで灼熱サンドイッチされたこの時期は暑苦しいブレザーを着ずに、涼しげなワイシャツ姿で生活している。だが実際は涼しくなんかなく、ビルや建物のせいで風が遮られるこの地域一帯ではそんなもの気休め程度にしかなっていなかった。ただし屋上は別だ。あそこは天国と言っても過言じゃない。日光さえ度外視すれば校内で一番過ごしやすいだろう。

 

 やがてそんな思考を繰り返す足音が立ち止まる。見慣れた路地に俯いていた顔を上げると、夏の日差しを受けて尚、その輝きを増している銀髪が視界を満たす。そっと目を合わせると、静かに言葉を投げかけた。

 

「早いな」

「あなたが少し遅れてるのよ。…眠たそうね」

「ちょっとゲームしてたら朝になってた」

「やりすぎよ…。体調管理はしっかりしてちょうだい」

「練習に支障が出るからだろ?わかってるよ。ちゃんと寝るから大丈夫」

 

 学校でだけど、と内心付け加えて歩き出す。確かに睡眠不足のせいで態度が弛んだ俺があのスタジオにいれば迷惑だろう。みんなが頑張っているのにその士気を下げるような真似は許されない。氷川さんとか超怒るだろうなぁ…。そして何よりそれだと友希那に申し訳なかった。

 

「それもあるけれど……単純に体調を崩して欲しくないからよ」

「……はい」

 

 横目で俺を見ながらそう呟く彼女を見て、途端に嬉しさが込み上げて来る。すかさず顔を反対側へ逸らすことで緩んだ口元を誤魔化した。

 こういう所がズルイと思うんです。

 

 俺と友希那……湊さんがこうして一緒に登校するようになってから一週間ほどが立つ。永遠に続けと願った夏休みも非情に終わり、再びスクールライフが始まっていた。スクールデイズではない。そこ気を付けて。

 あの時決めた名前呼びもちゃんと徹底しており、ぎこちなくはあるが呼ぶことは出来ている。

 

 一通り落ち着いた顔を元に戻すと、ちらっと金の瞳を宿す顔を横目で覗き込んだ。

 

「友希那こそ昨日遅くまで曲作ってただろ」

「作ってないわ」

「嘘つけ。目の下に薄っすらクマできてるぞ。体調には気をつけてくれよ、俺だって困るんだから」

 

 主に可愛い成分が補充できなくて困る。既に生活の一部に組み込まれているこれを奪われたら連鎖的に俺も体調を崩してしまう事は間違いない。

 いや、でもお見舞いに行けると思えば悪くないのか…? いつか彼女が俺の家に来たように、俺も湊家に行けるという事なのか!? くっ、悩ましい。

 

「…気をつけるわ」

「分かればよろし」

 

 なんとかお返しができた、と満足感に浸っていると、横で先程の俺のように顔を背けている友希那が目に入る。……うん、行動パターン同じなんですね。

  そんな彼女を優しく眺めて、俺は毎朝の決まった言葉を口から零した。

 

 

 

 

 

 

「遅れたけど、おはよ」

「…ええ。おはよう」

 

 

 

 

 

 

 ● ○ ● ○

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても慣れないわね、その名前呼び」

「前も呼んでたことあったでしょ。ほんの数回だったけど」

「あの時とは違うわ。気持ちも、関係も」

「…確かに」

 

 変わり映えしない通学路にそんな会話が交わされる。

 

 俺もあの時とは変わったのだろうか。0から1は生まれないが、1の先は無限にある。元より持っていたこの気持ちは確実に昔よりも確実に膨れ上がっていた。それが思いを伝えたことで勢いが増し、今も少しづつ形を変えている。

 そういう意味では俺がこの名前呼びに抱く意味も理由も本質も、僅かに変わったのかもしれない。

 

 今では付き合えてこそいるが、俺と彼女の関係はそこまで大きく変わっていなかった。挙げるなら登校や昼ご飯を共にするくらい。一緒にいる時間は増えたが、彼氏彼女らしい事が出来ているかと聞かれれば言葉に詰まってしまう程度の進展具合だった。

 

 でもそんな現状だけで十分満たされている俺がいて、しばらくはこのままでもいいんじゃないかな、なんて考えていたりもする。つまるところ、未だにヘタレは治っていなかった。

 

「そういえばリサはどうしたの? 部活の朝練ない日は一緒に登校してたんだよね?」

「ええ。最近はまた朝練ばっかりだけど、ない日は3人で行けばいいでしょう」

「いいの? 女子同士で積もる話とかは…」

「構わないわ。それに、リサと2人で話す機会ならいくらでもあるもの」

「あ、家隣なんだっけ」

「ええ。昔はよくベランダ越しに話をしていたわ」

「は? なにそれ羨ましい。引っ越そうかな」

 

 言った途端、友希那が若干引いたような目で俺を見る。やめて! 傷つくから! 普通に傷つくから! ……ジト目もいいな。

 

 会話に区切りがつくと、ふと冷静になって空を仰ぐ。相変わらず人気の無い道に2人。ただ歩いているだけなのに幸せで、嬉しくて、まるで此処にいるのが自分じゃ無い誰かの出来事のような気さえして、ただそれだけで心が弾む。うまく言葉にしようとしても表し難いこの気持ちを、俺はそっと抱いていた。

 

 そんなことを考えていると、ふと手が何かに触れる感覚が走る。

 

「……っ」

「?」

 

 どうやらいつのまにか俺が友希那の方によっていたらしい。距離は殆ど無くなっておいり、今の感覚も俺の手が友希那の手に触れたんだと分かった。

 

「ご、ごめん」

「え、ええ。気にしてないわ」

 

 反射的に出た言葉と、それに返す詰まった言葉。やはり俺たちは変わってないらしい。この関係になっても相変わらず初々しく、不測の事態にどうしようもなく弱い。

 

 でも、それより先に進んでみても良いかもな…なんて思いで、ビビる心を振り切って俺はそのまま手を伸ばす。そして、次の瞬間には小さな手を握っていた。

 

「っ、修哉」

「…言うな。俺だって恥ずかしいんだから」

 

 それでも手は離さない。恥ずかしさを飲み込んだのか、友希那も同じように握り返してくる。だがやはりなんとも言えない空気が走り、その場に沈黙が訪れた。

 

「…しりとりでもする?」

「下手くそかよ…。しりとりとか会話の最終手段じゃんか。古今東西ゲームしようぜ」

 

 しりとり。別名『会話の墓場』とも言われる言葉遊びをするにはあまりに早計過ぎるだろう。その点古今東西ゲームなら勝るとも劣らない、絶妙なラインを攻めていた。

 

「それもあまり変わらないじゃない。……ネコの名前でしりとりとかは…」

「しりとりは変わんないのかよ。てかそれ俺わかんないからね? しりとりできるほどネコって種類あるのかよ」

「あるわ。ネコは無限大よ」

「お、おう。そっか」

 

 声のトーンが目に見えて上がる。見開かれた目は俺を捉え、興奮に握られた手は俺の右手にかける圧を増してくる。普段は冷静な分、この手の話題の時にガラッと変わる性格とのギャップが、俺はたまらなく好きだった。

 

「そんなに好きなのに家でネコ飼わないの?」

 

 つい疑問に思っていることを聞いてみる。これだけ好きなんだ、飼わないのではなく飼えないという線が強いかもしれない。例えば実はネコアレルギーでしたー、とか。なにそれ辛すぎだろ。

 

「……家にネコ……ふふっ、にゃーん」

 

 瞬間、今までにないほど表情が緩む。自宅にネコがいるシーンを想像したんだろう、その頬は若干赤く染まっているように見えた。

 くっ、ネコの分際ででしゃばりやがって…!

……動物に嫉妬とか俺もう末期かよ(冷静)

 

「おっ、校門見えてきた」

「んんっ……そうね」

 

 無理矢理、あからさまに話題を逸らす。いや仕方ないだろ、 あのままじゃ俺は嫉妬と同時に萌え死んでいた。

 

 集合時間にやや遅刻したせいか、いつもより心なしか同じく校門に向かう生徒が多いように見える。

 ぬるい風が吹き付ける中、俺たちは校門をくぐるとそのまま校舎へ向かった。

 

 いつもより妙に視線を感じるなぁ、なんて思う俺は、手が繋がれたままだという事に気付かずにそのまま昇降口の中へと歩みを進めていく。

 

 

 静かに刺さる好奇の目を背に、俺の1日はまた幕を開けた。

 

 

 

 





どうだい? 中身がないだろう?(誇らしげ)

いざ書こうとしてもなに書けばいいか迷っちゃうのよね、番外編って。書きながら「自分にはストーリー性ある話書く方が向いてるなー」なんて思ってました。
って事でそのうちストーリー性ある話投稿しようと思ってるんで、楽しみにしててください! (?)

ではまた次回
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