我、無限の欲望の蒐集家也   作:121.622km/h

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副題:そらのちょうせんじょう


ふぇいとシード
001


突然だが、天使という存在の有無について考えてみようと思う。正直なところ俺は天使という存在を、神の使いという存在を信じていない。ちりほどもない。信じたことは一度もない。俺の天使に対する懐疑心は隙がないと言っても良いだろう。

 

だが、どうしてそんなに天使を信じていないのかと問われれば、これはもうちょっとした禅問答になること請け合いである。

 

「類は友を呼ぶ」という言葉が地球にあるが、この言葉を「友であれば類である」と解釈すれば、あの神の使いに友がいるとは思えず、よって類があるはずもない。となると必然的に天使がこの世に存在すると証明する方法が、単一的存在を観測するしかない故に、奴の信憑性も薄れるだろう。

 

そもそも神がいるからその使いがいるという発想そのものが、もう旧態依然とした姿勢であることは、既に証明されている事実でもある。魔術が証明している。神からの言葉を届けるのは天使ではなく本人であることが多いことからも瞭然であるように、今や主の御使いなど必要ではないのだ。これは遠からず、全神学者も認めることになるであろう、揺るぎのない事実である。空腹も暇も、直接伝えられる。対面して会話することで人は新たな叡智を学ばんとしているのだ。ともすると、今後、天使のイメージが消滅するかもしれない。だからこそ人は神の使いなど忘れるべきであり、だからこそその天使を信奉する教会や広める聖書は、人の学びを阻害する悪鬼羅刹の類いであると言わざるを得ない。

 

気持ちは分かる。

 

美少女天使が空から振ってこないか考える気持ちはわかる。

 

しかし今こそ人は勇気を持ち、起こるか分からない神秘に縋るのを止めるべきではないだろうか。──決別の時が来たのだ。

 

もういいじゃないか、空を見上げて妄想しなくても。己の力・知識の全てを注ぎ込んで作り上げてみるのはどうだろうか。没頭したところで、精々一笑に付されるくらいだ。寧ろ、笑いものにならない人生の方がつまらないだろ?

 

みんなの笑顔を見ながら生きていたいじゃないか。

 

だから、俺達は天使に向かってこう告げよう。

 

懐疑ではなく、感謝の念を込めて。

 

 

「ありがとう。そしてさようなら」

 

「・・・・・・さようなら?」

 

 

さて、そろそろ本線に合流しようじゃあないか。本日の日付は四月二十七日。つい昨日、なのはとフェイトの模擬戦があったばかりである。その結果はといえば高町なのはの勝利・・・ではなく判定の結果引き分けである。一体何を判定していたのかといえば、意識の有無であり「先にダウンした方が負け」という約束の上に成り立っていた勝負だったため、直撃と魔力切れという別々の理由ではあるものの、両方熱くなりすぎたために己の体調管理がなっていなかった結果だろう。

 

その失態に、なのはは頭を下げたし、フェイトもなのはを煽ったのは自分だと、共に頭を下げた。好敵手とはこうあるべきなのかもしれないと、勝手ながらそんな事を思った。二人して頭を下げたが、教導員達は特に気にせずに「新たな課題が見つかった」と、「直せば良い。時間はある」と、少女達の背中を叩く。特に、個人的に自分の技を教えていたと思われる、アルトリア〔ランサー〕とメドゥーサ〔ランサー〕はそれぞれに彼女達を褒めていた。

 

厳密には気絶のタイミングなど一緒ではないだろうが、お互い気絶してしまったのだし、引き分けにしておこうという、職員達の応援の気持ちである。管制室は俺の発言で混乱してしまっていたのだが、一般職員は相変らず期待以上の仕事を見せてくれて、しっかりとデータは残してくれていたらしく、ギルガメッシュが褒めておけと伝えてくれた。彼等にとって労りよりも褒めの言葉の方がかけてもらえば嬉しいものであるということは理解している。

 

そういえば、十中八九──寧ろそれ以外に理由などないだろうが、白野が好き発言のせいで、周囲の、今の今まで見ない振りをしてきた、少女達のアピール。それがそろそろ無視ができそうにないくらい露骨、かつ過激になってきた。逆に発言を受けた当の本人である白野は、今までより遥かに接触が減ってしまっていた。

 

しかし、他の子達に譲っているというよりかは、自分から触れに行くことが不可能になったようだ(幼馴染を異性として意識しだした中高生のようにである)、今朝も「おはよう」といつも通りに声をかけたら呂律の回っていない口で、恐らくおはようと言おうとしたのだろう謎言語を返されてしまった。遠目で見かけただけで逃げられてしまうし、イケメン魂だのおっさん魂だのと言われていた白野はどこへやら。恋愛初心者かと言わんばかりにウブな少女がそこにはいた。

 

 

さて、俺の妹がこんなにも可愛いとかしている場合ではないので、一旦置いておくとして、本日もまたコアクリスタルを使ったしれぇん↑を、なのは達に与えていこうと思う。前回はアーサー王を召喚して、手綱を握りきれずに──失敗とは言いたくないが、大きな課題を残してしまったあれを今一度、今度は別の手段を用いて違う方向性で攻めてみようと思う。

 

コアクリスタルのそもそもの使い道。それは魔力で動くものの動力源であり、デバイスという専用の格納機構が備わっている物でしか扱えなかったが、魔力で動くようにシステムを組み直し、格納できるように改造した物であれば、コアクリスタルを動力源として、活動させることができる。ということにようやく辿り着いた。

 

そして、前回が地上戦闘だったので、今回は空戦をメインとすることは決まっている。ここで先程の話に繋がる──というか、繋がらざるをえない。人型で、空を飛ぶとい条件で思い当たるのが、彼女しかいなかった。ただそれだけの、情けない理由である。

 

起動実験と試運転の後に、試練の開始としよう。

 

 

『了解しました。マスター』

 

 

 

 

陸side

 

今日こと四月二十七日は原作の流れをくめば、時空管理局から派遣された戦艦アースラが到着する日付だ。如月が介入していなければ、アースラから先行したクロノでも、なのは達を止めることができたかもしれない。今さらそんなもしもを語っても、全く意味をなさないけど。

 

さて。この前、黒王と俺達を戦わせた彼──如月奏音が、次は一体何をしてくるのか。その辺りを予想するのは流石に不可能に近いけれど、瞬発的な対応力は必要となってくるに違いない。

 

若菜を守るためにも・・・。

 

 

《何をそんなに悩んでるの?》

 

《・・・いや、何でもないよ》

 

《そ、じゃあ授業に集中しなさい》

 

《・・・・・・ああ》

 

 

念話をしてきた若菜の方を見れば、その横顔に見惚れてしまう。俺は別にロリコンではない。若菜が可愛すぎるだけなのだ。その証拠に、若菜の声を聞いた途端。分けていた思考が一つになった。

 

 

《・・・それで、予定では今日なのよね?》

 

《俺の知ってる原作(知識)ではな》

 

 

今日の夕方、海浜公園でジュエルシードを巡った二人の戦闘中、時空管理局のクロノ・ハラオウンが乱入するというのが、如月が存在しない世界線でのなのは達の歴史である。

 

まあ、全く参考にならないことは分かりきっているので、口には出さないでおく。

 

 

そんなこんなでいつも通りの授業を終えた放課後。普段通りに如月邸に寄ろうとして道を曲がったその時、ジュエルシードの反応を感知した俺達は現場に向かって駆け出した。

 

ユーノが結界を張り終え、俺達が全員バリアジャケットを纏い戦闘態勢に入ったとき、百を超えるシューターではない何かが、明らかにシューターの速度を超す速さで、突っ込んできた。

 

 

「追尾弾!?」

 

「シュートッ!」

 

 

自前のスピードで躱したフェイトが驚きの声を上げる。彼女に迫った数発はなのはが撃ち落としたが、まさか今の全てが追尾弾だったりするのだろうか。運良く、躱すタイミングが遅かった俺達に向かってきた弾丸は、そのまま地にぶつかって爆散したために確認することはできない。

 

 

「この前は地上・・・次は空かぁ・・・」

 

「陸! しっかりしなさい!」

 

「・・・おう」

 

 

やる気が出ない。そんな事はありゃしないけど、愚痴るくらいは許して欲しい。突拍子もない事をしでかす人だとは思っていたけれど、ここまでだとは予想していなかった。

 

 

「間違いなく"彼女"からジュエルシードの反応だ!」

 

「また、倒す系のミッションかい!?」

 

「ああ!」

 

「一体どうやったら、あんなものとジュエルシードを関連づけられるんだろうねぇ!」

 

「これはあくまで推測だけど、"彼女"の動力源がジュエルシードなんだと思う!」

 

 

撃ち出される無数の追尾弾を、躱したり相殺しながら皆で"それ"を睨む。黒い翼を広げて、こちらを無表情に見つめる、少女の形をした敵を。

 

 

「えぇ!? そ、それ・・・勝てるの!?」

 

「そんなにヤバいの!?」

 

「フェイトはまだ知らなかったか! 一応、彼女のスペックを教えておく。意味が分からなくても頭の隅っこに置いておいてくれ!」

 

「わ、わかった」

 

「基本性能は圧壊深度3000,無酸素活動時間、連続720時間,最高速度マッハ24」

 

「マッハ?」

 

「あ、知らないのか! マッハ1が時速1224㎞だよ!」

 

 

恐ろしいとしか言いようがない。

 

 

「陸! 今、撃ってきてるのは!?」

 

「永久追尾空対空弾! その名を「Artemis」。

 

「他にも超々高熱耐圧縮対艦砲の「Hephaistos」。

 

「攻撃だけじゃなく守りも堅くて、絶対防御圏の「aegis」。

 

「・・・あと、これは使われないと思いたい。国一つ丸ごと消し飛ばすほどの破壊力を持つ弓矢型の最終兵器「APOLLON」がある」

 

「多分、それは使われないわよ。あの人、あんなでもこの星が大好きみたいだし」

 

「ああ・・・そうだな」

 

 

ここが如月奏音が用意した結界の中であることを考慮すれば、使われる可能性があることは黙っておこう。士気を下げてまで伝える必要のあるものではない。

 

 

「ちなみに、今言ったのはあくまでオリジナルのステータス。目の前にいる"彼女"はどのくらいの強さなのか俺にもハッキリとは分かってない」

 

 

ジュエルシードが、一体どれだけの出力を持つ動力源なのか。そんな事も分かっていない。

 

その敵の名を──

 

 

「Ikaros=Melan」

 

 

sideout.

 

 

 

さっき自ら天使の存在を否定しておきながら、何をしているのかと言われるかもしれないけれど、よく考えてほしい。彼女はエンジェロイド、天使の()()()ものなので無問題である。

 

戦略用エンジェロイドタイプθ"イカロス=メラン"は「空の女王(ウラヌス・クイーン)」と呼ばれる愛玩──ではなく。戦略用エンジェロイドタイプα"イカロス"を再現するために作られたエンジェロイド。搭載されている可変ウィングの核の出力は"α"に及ばないが、出力を受け止める外核が"α"より強固なおかげで"θ"は"α"以上の戦闘能力を有していた。

 

最も、搭載されたプログラム「Pandora」によって自己進化した"αⅡ"には、全ての性能において勝ることはできなくなった──しかし、今積んでいるのはコアクリスタル。積めば積むほど出力を増す訳の分からない性能を持つエネルギーコアである。イカロスを勝る部分も一部はあった。

 

 

さて、彼等がイカロス──"α"と手合わせをしたことがあるかどうかは不明だが、もし何かしらの手段でもって彼女の戦闘を目撃していれば、"θ"のメランともある程度は戦えると思う。

 

それに、空戦魔導師という職があるらしいので、「空の女王」に迫る強さはもっていて損はない。逆に持っていた方が何事にも有利に働くであろう。それも件の管理局に就職するとすればであり、このまま地球で過ごす分には要らないかもしれない力ではある。

 

それにしたって、「Artemis」は強すぎるのではないだろうか。敵を近接戦闘範囲に飛び込ませずに延々と追い回す。後ろを取られそうになると、見事なまでの機動で後ろを取り返すのを見れば、純粋にメランが強いんだと思われる。

 

何故なら、どんな攻撃も防ぐ「Aegis」敵を逃さない「Artemis」近距離は近距離で肉弾戦は強い。流石「空の女王」相手が悪かったかもしれない。もう少し手心を加えても良かったかもしれない。そう思うほどのには一方的だった。

 

 

アドバイスでもあげようか。コアクリスタルは規定以上の魔力を受けた場合、一時的に機能を停止させるという機能が付いているということを教えてあげれば何とかするだろうか。

 

 

「危なっ! 死ぬって! 無理難題ふっかけすぎだあの鬼畜クソジジイ!」

 

「ちょっと、口が悪いわよ! どこで聞かれてるか分からないんだから、せめて鬼畜なお兄さんにしておきなさい!」

 

 

よし。アドバイスは無しだ。別に怒っているわけではない。怒ってないよ。大丈夫。

 

 

「陸くん、若菜ちゃん! おしゃべりしてないで真面目にしてほしいの!」

 

「「ごめん」」

 

「二人とも、本当に反省してる!?」

 

「「してる」」

 

「ホント・・・?」

 

「なのは! 馬鹿二人に構ってないで!」

 

「ゴメン、フェイトちゃん!」

 

「「誰が馬鹿だ!」」

 

 

声を掛け合いながら力を合わせてメランに挑む小学生達。少年誌でも高校生が担当しそうな激しさの画で、少しだけ安全を危惧し始めたが、魔法少女物なので意外とアリかもしれない。

 

 

「ユーノ君! 何か思いつかない!?」

 

「無茶を!」

 

「相手はジュエルシードと変わらないんじゃ・・・」

 

「!」

 

「あ」

 

「?」

 

「「「それだ!!」」」

 

 

どうやら何か思いついたようだ。

 

Artemisを躱しながら攻撃の姿勢は崩さないまま、思いついた作戦の実行に移っているのだろう、不規則に見えるが、何かしらの目的を持って移動しているのが見える。

 

 

「いこう、レイジングハート」

 

『All right,Master』

 

 

一方で、チームの中で最高火力の持ち主とも言えるなのはが空中で停止し、若菜が守る。なのはの足の下には魔法陣が広がり、足場の役目を果していた。フライヤーステップを使わないとなると、使用する魔法はバスター系か。

 

そして、フェイトも特大攻撃の準備をしていた。普段通り、バルディッシュに魔力刃を出現させ、更に魔法を併用してその切断力をあげていく。

 

 

そしてとあるタイミングでそれは一瞬にして行われた。

 

ユーノと陸が拘束魔法(これも事前準備がいくつもされた上で発動させた奇蹟に近い)を使って、メランの動きを止めた。

 

 

「なのは!」

 

「フェイト!」

 

「バルディッシュ!」

 

『Yes Sir』

 

「レイジングハートッ」

 

Shift to VECTOR CANNON Mode(偽・ベクターキャノンモードに移行)

 

 

レイジングハートがその声と共に、形状を変化させる。その形は見覚えがあるどころか、実際に使用することも頻繁にある、趣味武装の一つ。

 

 

All energy lines connected(エネルギーライン、全弾直結)

 

 

男のロマンとも呼ばれるその名は──ベクターキャノン。

 

 

Landing gear and climbing irons locked(ランディングギア、アイゼン、ロック)

 

「迸れ、閃光! "雷帝の騎士裁判"」

 

 

なのはの準備が進む中、フェイトが最大限切れ味を増幅させたバルディッシュを構えて技を放つ。面白半分で教えたが、俺へのダメージが大きいから、後で変えさせよう。

 

 

Inner chamber pressure rising normally(チャンバー内、正常加圧中)

 

 

ジャッジメント・ナイツ・オブ・サンダーは駄目だ。音楽はカッコイイが、少女の口から放たれて良い単語じゃない。「黒衣の魔導師の放った"雷帝の騎士裁判(ジャッジメント・ナイツ・オブ・サンダー)"が、」とかまるでネット小説で稀に見かけその際に何故か自分の過去を恥じることになる字面じゃあないか。

 

 

Life-ring has started revolving(ライフリング回転開始)

 

 

フェイトの放った技は「Aegis」を切り裂き、数秒ほど機能を停止させる。数秒で何ができるのかといえば、既に準備中の少女が一人。

 

 

Ready to fire(撃てます)

 

「いっけぇぇぇええええ!!」

 

 

放たれた魔力の奔流はメランを消し飛ばすほどの威力。もちろんそのまま消し飛ばしてしまう訳もなく(流石に人型の物を躊躇なく失える器量は持っていない)、とりあえずコアクリスタルのみをその場に残して、メラン本体の方は書の中に回収した。

 

 

「や、やったの!?」

 

「ばっ、それ生存フラグ・・・!」

 

 

陸が慌てて爆煙の中に目をこらす。無駄な心配だったが、まあ当然の反応でもあった。というか、存外早くに勝利したので、正直なところ驚いている。これも修練の結果なのだろうか。

 

煙が晴れればそこには、機能を停止したコアクリスタルが浮遊している。それを見て、なのは達は戦いの終了を確信する──しかし、その浮かぶ物体がなんなのか、ようやく飲み込んだ時、驚愕と困惑がその思考を埋め尽くしたようだった。

 

 

「え? ジュエルシード?」

 

「な、なんで・・・?」

 

 

二十一個、まとめて保管してあるはずのそれがなぜここにあるのか。そんな彼らの混乱を他所に、時間は無情にも進んでいた。コアクリスタルの側に黒い影が出現した。より正確に言えば、黒い、コートを纏った人影であった。なのは達より、少しばかり年上に見える少年だった。

 

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。この場での、これ以上の戦闘行動の停止を命じる。全員、速やかに武装を解除し、投降してほしい。そして、詳しい事情を聞かせてもらおうか」

 

「管理局・・・!」

 

 

時空管理局。そういえばユーノからそんな名前の組織があるような話を聞いていたな。治安維持と法務執行を担う管理世界の法の番人にして、人事を扱う独裁組織──とも取れる怪しげな機関。

 

 

《・・・・・・フェイト》

 

《うん。どうしよう》

 

《いや、逃げようフェイト! 一応・・・捕まるわけにはいかないんだし》

 

《でも、アルフ。任意同行ってやつだよ?》

 

《私達は事情を聞かれたらまずいじゃん!》

 

《!》

 

 

顔にでる少女だからなんとなくわかるが、やはりフェイトは天然のようだった。好敵手と表現して濁してはいたけれど、一応フェイト達は立場的に窃盗犯に当たるの。如月は安全確保の為に迅速に行動しただけである。もし文句を言われても、俺のように開き直って「お前のものは俺のもの」と言える心持ちも大事だと思われる。

 

 

《なのは、どうする?》

 

《えーと・・・》

 

《あの人達のことだよ》

 

《いや、それはマズいでしょ》

 

 

そんな事をしていれば、一応今回の中心物であるコアクリスタル──周知的名称はジュエルシードをクロノ少年が回収しようとしていたので、天の鎖を使って砕いておく。

 

 

「なっ! なんだ!?」

 

 

「なんだかんだと聞かれたら」

 

「答えてあげるが世の情け」

 

 

「世界の破壊を防ぐため」

 

「世界の平和を守るため」

 

 

「愛と真実で悪を貫く」

 

「ラブリーチャーミーな敵役」

 

 

「オウギ!」

 

「カナタ!」

 

 

「銀河を駆ける怪異譚の二人には」

 

「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ」

 

 

「なーんてのう!」

 

「そうなんですっ!」

 

「と、僕達は決め顔でそう言った」

 

 

わざわざ背景まで用意して。と、ロ●ッ●団を知っている人から言われるかもしれないが、結局は自己満足のための行動であるため、俺は非常に満足である。最後のポケ●ン担当場所にロリ三人組がどこからともなく出てきたが、全く気にしてない。

 

 

「ポ、ポ●モン・・・?」

 

「●ケット団だね・・・」

 

 

ちなみに俺達の口上にクロノが注目している間に、フェイト達は離脱した──かしこい。

 

 

「何者だお前達は!」

 

「・・・いや、今名乗っただろうが」

 

 

聞いていなかったのだろうか。それとも突然の状況に理解が追いついていなかったのか。何にせよ相手のいうことを鵜呑みにするのもよくはないが、聞き流すのは最もよくない行為である。まあ、結論として人の話は聞いておけ、それがどんな話でもだ。

 

ああ、でも、話があちこちへ飛んだり、矛盾したりしたり、ダラダラ喋った挙げ句似たようなことを何度も言う奴の話は聞かないでいい。例えば学校の校長とか。

 

 

「仕方がない。ではもう一度名乗ろうか。我が名はかなかな! 星の管理者を生業とし、森羅万象の蒐集を行う者!」

 

「またふざけてんじゃねーかッ!」

 

「・・・・・・ハァ。カミナはワガママだねぇ。さて、改めて──俺の名前は如月奏音。この惑星の管理責任を持ち、治安維持を任されていて、間接的だが法務執行にも携わる「星の管理人"如月"」のトップだ。よろしく頼むよ、時空管理局の執務官とやら」

 

「っ・・・・・・! っ・・・・・・!」

 

『クロノ、色々聞きたいことはあるだろうけれど、今は抑えてちょうだい。如月さん。あなたも、説明してくださいますね?』

 

「でもかあさ・・・艦長!」

 

『クロノ』

 

「・・・はい」

 

「・・・・・・まあいいさ。義務はなくても権利はあるからな。全てとは言えんが話してやるよ」

 

 

そうして、俺達は次元潜航艇と呼ばれる管理局所有の戦艦、アースラに搭乗して、現在に至るまでの事情を説明することになった。

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