我、無限の欲望の蒐集家也 作:121.622km/h
──これは、4月8日の出来事である。
本来であれば、なのははアリサとすずかと共にプールに赴き、ジュエルシードを発見するのだが、今は4月プール開きなど行っているはずもなく、市民プールは全滅。
となれば、行く場所は一つしか無い。
全季全天候型屋内ウォーターレジャーランドの名を冠する温水プール。
なのはside
「来てやったわ! わくわくざぶーん!」
「温水プールかぁ。これなら春でも遊べるね」
「・・・わくわく?」
「ざぶーん・・・」
「さぁ、我の嫁達よ。一緒に泳ごうではないか!」
「ハッ。貴様と泳ぐのではない。この俺と泳ぐのだ」
「邪魔をするな
「貴様こそ!」
と言うわけで、ギルガメッシュさんの経営するプールにやってきました!
プールに行こうと話したら、アリサちゃんやすずかちゃん。陸君や若菜ちゃん以外の要らないものまでついてきてしまったのは誤算だったけど。
「私らはあんた等のどっちの嫁でもないわ」
「アハハ・・・」
「そう照れるではないぞ、皆平等に我の嫁なのだからぁっ!?」
「ハッ。自分の持ち物に手を焼いてどうする中田ぁっ!?」
「貴様も同じではないか笑ってやるフハハ」
どっちもどっちなの。聞きたくも無いし視界にも入れたくないの。
「やぁ、大丈夫でしたかお嬢さん。この施設はこう言った輩が出ないようにしてあったつもりなのですが、彼等は幼いため見逃したようで。いやぁ、ごめんなさい?」
「う、うぅん。大丈夫よ。一応、クラスメイトなの。嫁、嫁五月蝿くて鬱陶しいだけで、特に実害はないから離していいわ」
「そうはいかないんですよ。今僕は少し怒っているんで」
子ギル君だ。あ、でも、前回の記憶がないんだよね。
じゃあ、親しげに話しかけたら怒られちゃうかもしれない。
ギルガメッシュさんは怒らせると怖い。怖いというか死にかける。って如月さんが言ってたから、気を付けよう。如月さんが死にかけるって事は、私なんかプチッと潰されてしまう。
「アリサ! お前なら分かってくれると信じていた!」
「・・・・・・やっぱり良いわ。好きにして。私達に全く関係ないから」
「「アリサ?!」」
「アリサのあれは照れ隠しだ。それにすずかやなのはも我がいなくなると嫌がる! 何て言ったって我の事を愛しているのだからな! だから──」
・・・・・・今なんて言った?
ピキリと、空気が凍ったような音がした気がするけど、気のせいなの。
「誰が誰を愛しているって? 私が? 貴方を? ふざけないでほしいの、誤解が生まれると嫌だからこの際ハッキリ言うけど、私は、君のことなんかどうでもいい」
私の世界で一番は如月さんだから。その次に家族や友達がいる。君達は友達でも何でもなければ、鬱陶しくて煩わしいだけの
ゴミの方が捨てることが出来るだけ、ましかもしれないし。
「散々迷惑をかけておいてその自覚がない上に、自分に不利な状況が降りかかると助けてほしい?自己中心的なのもいい加減にして。私は、間違っても貴方達を好ましく思うことは今後一切ない。そういうことなので、煮るなり焼くなり埋めるなり、好きにしてください」
「・・・・・・はーい。分かりましたぁ」
「な、なのは!?」
「少し・・・頭、冷やそうか」
「・・・・・・・・・」
少しどころかしっかり反省してほしい気はする。
「なのは・・・」
「んー?」
「いや、聞かないことにするわ」
「そうしてくれると嬉しいな」
アリサちゃんは賢明な判断なの。というか、すずかちゃんは目を輝かせてるし。陸君と若菜ちゃんはちょっと引いてる? どうして?
何か失礼なことを考えている気がするの。
4月8日(金曜日)晴れ
今日は如月さんに相談したときにもらったチケットを使って、アリサちゃんとすずかちゃんと陸君と若菜ちゃんと私の五人で海浜公園近くのプールに遊びに行きました。
ウォータースライダー各種を楽しんで、波のプール。皆でリレーもしました。そして、思いっきり泳いだ後には、ビーチバレーです。すずかちゃんとアリサちゃんは同チームにしてはいけません。ドッチボールでその事は良く分かっているのです。
水の化物(ジュエルシード製)が水着の中に入ってきたときは、思わずディバインバスターをブッパしてしまいました。アリサちゃんもすずかちゃんも驚いてた。気を付けなければ。
sideout.
これは、4月9日の事だ。
コアクリスタルを改造したジュエルシードの模造品は、今回一周目の時系列通りに発動するように調整してある。理由として、多くいる特異者の目を欺く役割を果たしてもらうためである。
初めの方は事件になのはが参加していなくても、問題ないのがこの世界の優しいところである。
そんな事はさておいて、いつも通りの朝──戻ってきて早々に蘇生した火憐ちゃんと月火ちゃんに叩き起こされて、自炊で朝食を作り、如月兄妹と+@で食事を取った。そして現在、火憐ちゃんの組み手の相手をしながら雑誌を読んでいた。
『ご主人。電話です』
「・・・分かった」
「何が分かったんだ兄ちゃん!」
「ああ、そのまま攻撃を続けてこい。僕はちょっと電話をする」
火憐ちゃんの攻撃を遠くへ弾くようにして時間を稼ぎ、雑誌をしまって携帯を取りだした。
流石にスマホや体内通信はこの時代というか世界に無いので、時代に合わせた通信機器を購入して使っている。2000年代はどれだけ新しかろうとG9を使っている。ただ、好きだから。
まぁ、僕の携帯電話の機種を説明したところで微塵の興味も無いだろうから、さっさと電話に出て話を進めるとしよう。
「おはよう。如月です」
『なのはですっ!』
「なのはちゃんか。おはよう。プールは楽しかったかい?」
『はいっ! とっても楽しかったです! えと、あそこって』
「ああ、我等が英雄王がオーナーを務めてる。実質的な運営は子ギルに任せたくせに、作るときは自ら市役所まで行って「我が金を出すからレジャープールを作れ」って言ったらしいからね」
『さ、流石ギルガメッシュさんです・・・』
電話の向こうで、ちょっと呆れた様子の声がする。
まあ、ギルガメッシュはやることなすこと突拍子もない癖に、実現力はある奴だから。
・・・・・・手に負えないんだよねぇ。
「アイツのことはどうでも良いか。何かご用かな?」
『もしかして取り込み中でした?』
「ん? あぁ、妹と組み手中だけど、さっきまで雑誌読んでたし、あまり気にしなくて良いよ」
『そ、そうですか。じゃあお願いがあるんですけど。えっと、ちょっと模擬戦を・・・・・・』
「あぁ、勿論良いよ。これからか?」
先日、模擬戦くらいなら付き合えるとは言ったけど、まさか三日も経たずに連絡が来るとは思ってなかった。なのはは鍛錬に対して前向きだな。
『あ、はい。出来れば、今日のジュエルシードくらいは参加したいので・・・・・・』
「じゃあ夕方までに終わらせなきゃいけないね。お昼はどうする? 作っていこうか?」
『如月さんの手作りお弁当ですか?! 勿論食べます!!』
「あはは。元気だね、なのはちゃんは」
「兄ちゃん兄ちゃん。そろそろあたしの方に集中してもらうぜ!」
「残念だけど今日はここまでだ、火憐ちゃん。僕はちょっと女の子と遊ぶ用事が出来ちゃってね」
奈惰嶺を使って火憐ちゃんを吹き飛ばす。
とはいっても全力は出していないから、文字通り吹き飛んだだけ、着地できないようにしたから、気絶くらいはするだろう。ま、僕の妹である火憐ちゃんはそうそう簡単に死ぬタマではない。
瓦礫の中に沈んだ火憐ちゃんをその辺にいる誰かに任せて、台所に向かう。
冷蔵庫に作り置きしておいたおかずの中で、弁当に入れても問題ないものを少し大きめの弁当箱に詰め込んで、駐車場へ向かう。
一人で動き回るなら自転車で十分なのだが、なのはちゃんを連れて動くのに自転車はないだろう。
というわけで、車に乗り込んでなのはちゃんを迎えに行く。
高町家の近くまで来て、なのはちゃんからの電話に折り返しで掛ける。
「なのはちゃん。今どこだい?」
『え。お部屋です。何処かに待ち合わせですか!?』
「待ち合わせというか、まあ家の前に出てきてもらえると嬉しいかな」
『え!? ちょっとだけ待ってください!』
「なのはちゃんは何を着てても似合うから、お洒落する必要はないよ」
『気持ちの問題なんです!』
『
『それでもお洒落したいのー!』
「まぁ、待つよ。早く来すぎた僕も悪いわけだしね」
『今すぐ行きます!』
転がり出るように玄関から飛び出してくるなのはちゃん。
「お待たせしましたっ! ・・・車?」
「そうさ。助手席に座って。そのままちょっと出かけるから」
「はーい!」
なのはちゃんが助手席に座ったのを確認して、車を発進させる。
「・・・なんていう車なの?」
『It is Nissan Fairlady Z.』
「ふぇあれでぃゼット?」
『
「へぇ~。あれ? 何でレイジングハートが知ってるの?」
『
「そう言えば・・・驚くことがいっぱいで忘れてたよ・・・」
コイツのナビシートに人を乗せること自体久しぶりのことだけど、結局、コイツに乗った女の子は八九寺だけだったような気もする。
っていうか、何か可愛いことしてないか?
『
「え? 何で? レギオンって科学技術が凄く進歩していたんですよね?」
「進歩していたから、人の目が利便性より夢に向いたんだ。星を飛び出す夢にね」
「宇宙ですか!?」
「ああ。宇宙技術の発達が進み、それを利用した公共交通機関が発達して、車はマニアのための乗り物になっていったからな」
「車が・・・。バスとか電車の方が便利なんですか?」
「ああ。そこら中に地下鉄の入り口やバス停があるし、家族での外出は基本的に公共の交通手段で行ってた。自家用車、なんて言葉はこっちに来て初めて知ったくらいだ」
「へぇ~」
「さて、トンネルも見えてきたからそろそろ蒐集書の中に入るぞ」
「はい!」
トンネルの中に波紋を展開し、そこに車ごと突っ込む。
繋がる先はもちろん直江津に存在するとあるトンネル。
そこを抜ければ5月10日になのはちゃん達を取り込んだ蒐集書の内部が広がっている。
「───綺麗」
「雪景色みたいだろ? 僕はあの空、案外気に入っているんだ。たまに青空が恋しくなるけどね」
「私も好きです! とってもとても綺麗で!」
「・・・そっか」
見慣れた校門をくぐって、職員用駐車場に車を止める。
何台か見慣れた車も置いてあるが、これも当時のままってやつだ。
本来は忘れていてもおかしくないくらい昔の景色なのだが、僕はその記憶を、つい最近思い出したばかりなので、そこで聞こえていた学友達の喧騒が、今でもふと聞こえてくるようだった。
自転車置き場辺りが特に懐かしい。
「・・・あの、この学校って」
「・・・私立直江津高校。僕の母校だ」
「そっ、そうなんですね! どんな学校だったんですか?」
「どんな学校・・・か。直江津はこの辺じゃあ名の知れた進学校でさ。授業は難しかったし、校則もまあまあキツかったし、それでも僕の青春を過ごした場所さ」
「えと、あのその・・・・・・」
ん? この感じ、もしかしてなのはちゃん僕を励まそうとしてる?
「なのはちゃん」
「はっ、はい!」
「確かにこの学校は僕の思い出の場所だし、この星で全てを失ったようなものだけど、君が親身になって考えるようなことじゃない。だってこれは、鬼を助けた僕がこれから先ずっと向き合うべき罪だから」
例えあの時、爆破事故が起きて無くても僕はいつか皆に置いて行かれていただろう。吸血鬼もどきの人間になることを良しとした、僕への罰なんだから。
「そ、それでも! 如月さんには笑顔でいてほしいです。そんな、今にも消えてしまいそうな顔をしないでください!」
「え。僕そんな顔してたの? いや、そうだとしても、なのはちゃんが気にすることじゃあない」
「すっ! ・・・すすす・・・好きな人には笑っていてほしいって思うのは、おかしくないでしょう!?」
「・・・・・・なのはちゃんはイケメンだな。でもそれは女の子の方が喜びそうだ」
参った参った。なのはちゃんってばまるで炎みたいだな。少しでも燃料があれば、周りの空気を大量に吸い込んで一気に燃えさかる。
そんななのはちゃんと、懐かしみながら校舎の廊下を歩いて、車を止めた駐車場とは校舎を挟んで反対側にあるグラウンドに出る。
ここは、ドラマツルギーやエピソード、ギロチンカッターと戦った場所。
そして、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと殺し合った場所だ。
「さて、なのはちゃん。戦闘訓練がしたいと言うことだけど、どのくらい全盛期に追い着いた?」
「四割です!」
「へぇ。二日で四割か。流石なのはちゃん。伊達に家が道場をやってないね」
「それだけじゃあありません。如月さんのお力添えがあったから、私強くなれたんですから」
「それでもこれだけの時間でここまで成長したのは君自身の力だ」
「にゃはは」
照れくさそうに笑うなのはちゃん。
僕はそんな彼女をちょっとだけ放って、作業に移る。と言っても、原型の複製を手元に作り出すという、第五次聖杯戦争時に対ギルガメッシュ戦で蒐集書の中で行ったものである。
この前、アルトリア・オルタナティブとの戦闘中に武器を呼び出すのに時間がかかったのは、僕が唯一複製できない──恐らくしたくないと思っているとエネに言われた、妖刀「心渡」をちょっと遠い場所から呼んでいたからだ。
思い出がいっぱい詰まっているものは、流石に複製したくないのかもしれない。
「さて、なのはちゃん。どんな武器が良い? 剣か、弓か、槍か、杖か、暗器か」
「全部が良いです。私は全力の如月さんに勝ちたいから」
「・・・・・・ああ、それでこそなのはちゃん。美しい
「行くよ。レイジングハート」
『All right.』
「セットアップ!」
『stand by ready,set up.』
白いバリアジャケットを纏ったなのはちゃんは、既に戦闘態勢。
僕も近くに複製した一振りの日本刀を手に取る。その銘は「天國」打刀特有の造形を持ちながら、片面ではなく両面に刃を持つ特殊な刀である。
「如月さんは刀一本で良いんですか? また何かのロールプレイ?」
「いや? 何のロールプレイでもなくて、ただ純粋に刀を持っただけ。何だったらなのはちゃんに合わせて魔法の杖でも持とうか? 僕は戦いの武器を選ばないからね」
「そう・・・ですね。でも、いいです。絶対に負けません!」
「元気が良いことは悪いことじゃあないけど、疲れないようにしなよ」
「分かってます」
じゃあ、始めよう。
なのはちゃんは腰だめに構えたレイジングハートから、思いっきり桜色の魔力砲撃を放ってきた。
正直言ってめっちゃ怖かった。避けるとか避けないとかそう言った次元の問題ではなく、気付いてから避けたのでは遅い程、範囲の大きな砲撃魔法だった。
「・・・ハハ。末恐ろしいよ全く」
「レイジングハートッ!」
『Divine Shooter』
「シュート!」
「ああ、そうだなのはちゃん。この空間内で、飛び道具を使うと僕に勝てないって方程式があるの知ってた?」
「・・・え? 何で!?」
「この空間に入ったもの全てが僕の蒐集物になるからだ。返すよ、ディバインシューター」
「ひゃあ!?」
なのはちゃんが撃ってきたディバインシューターを、そのままなのはちゃんに向かって放つ。全てを使ってとなのはちゃんはリクエストしてきたのだから、こう言った趣向は在りである。
「砲撃魔法が不利だなんて・・・」
「いやいや。流石に直射型の砲撃魔法は僕にもどうしようもない。集束砲撃なら、溜めもあるから余裕で奪えると思うけどね」
「・・・・・・じゃあ、レイジングハート。
『Mode change,sword.』
レイジングハートの形が変わる。
それに伴って、なのはちゃんのバリアジャケットにも変更点が追加された。
レイジングハートはソード。なのはちゃんはブレイドと言ったが、その形状は剣と言うよりは刀。
僕が今持っている両刃の「天國」とは違った生粋の太刀。長さは八十五センチメートル程。
なのはちゃんの魔力を纏い、桜色にほんのりと光る刀身を持ち、金色の装飾と赤い宝石が目立つ。それに付随するように、似たような刀がもう三本。長さも同等であるところから見て、予備なのかそれとも何本か使い回しをするのか、決めつけるにはまだ早いかもしれない。
一方でバリアジャケットだが、それらの刀を吊すための革製に見えるベルトが腰回りに追加され、刀の取り回しが利きやすいように手にあった装甲がなくなっていた。髪も後ろで一つに纏められ、鋭く相手を睨む目は剣士の家系であることを再認識させる。
「砲撃魔法はやめるのか?」
「如月さん相手には、沢山の手数が必要みたいですっ!」
「良く分かってるね。その通りだ。無限の手札を持つ相手に立ち向かうには、同じだけの手数か、それらをまとめて吹き飛ばす究極の一が必要になる」
「貴方はその究極の一すら持っているくせに!」
なのはちゃんが振るう剣は、武道の剣ではなく、殺人の剣。
御神真刀流の直系の娘である彼女が振るう剣は自ずとそうなるのかもしれない。
"如月"の訓練を受けると同時に、"高町"の道場で動きを見ていたのならば、再現も不可能ではないだろう。それもこれもなのはちゃんの中に眠っていた才能が開花したお陰だ。
御神流では使われない太刀を振るい、流派の特徴である暗器と体術を組み合わせたなのはちゃんの戦技は、組み合わせ次第で既存の流派を大きく超えることも出来れば、逆に纏まらずにバラバラになってしまう。それをまとめ上げるのも、なのはちゃんのセンスってやつだ。
己の身一つでは為し得なかった流派の動きを、魔法をアシストに使うことで可能にし、攻撃をしてくるなのは。
「──
一度距離を取ったタイミングでなのはちゃんの声と同時に、魔力が動く。
まさかと思って瞬時に確認すればそこに間違いなどあるはず無く、なのはちゃんの純正魔術回路が正常に作動し、強化魔術を行使していた。
「マジかッ! あいつ等、僕に内緒で魔術の鍛錬もしてたのか!」
「チィッ! バレたらしょうがないの!
「御神流は神速だろうがっ!」
「結果は同じなら手段は選ばないの!」
「如月に染まってるなぁ」
「将来は如月なのはなの!」
「嫁入りかよ」
「嫁だなんて・・・!」
「今更何を恥ずかしがるってんだ」
誰かに聞かれていたら誤解を生みそうな発言をしながら、僕は小学生女子と戯れていた。字面だけ見るとやはりヤバいやつだが、やってることも
それよりもなのはちゃんが扱う魔術を気にしよう。
魔導師の修行で鍛えた直感的な魔力操作が、体内を巡る魔力をより正確に機能させるよう操る。
魔術師と魔導師のハイブリッド混合型魔術。相変らずリンカーコアから生まれた魔術回路の原理は分かっていないけれど、元々なのは体にあったメイン75、サブ100以上の魔術回路は、正常に機能し今現在を持って彼女に力を与えている。
「───
「───器官接続、共鳴終了」
「───
「───
何を教えてるんだカルデアの馬鹿共は。リンカーコアと魔術回路を繋ぐ?
死ぬぞ。
死なないのか。
何故やろうと思った。
何故やらせようと思った。
そして何故成功した。
なのはちゃんが"僕の知らない何か"になっていく気がする。いや、リンカーコアを持ってたら僕も試してみることの一つではあるんだけど、それを小学生の女の子にやらせるって・・・。
理不尽だろうと僕はあいつ等全員無差別に一回は処すことにする。止めなかったやつも罪だ。
「それが本気か。なら僕も全力でもって答えよう」
「・・・負けません!」
「──是は魔法に非ず。」
「──夢へ飛び出す科学で造られし翼。」
「──行き過ぎた故のその末路。」
「──滅びとなって降り注ぐ」
互いに準備は出来た。これが戦いの結末となるだろう。
「
「
「
───二つの閃光がぶつかり合う。
どちらも星を破壊する力を持つとされる一撃。
リンカーコアと魔術回路。
蒐集書内に満ちる魔力さえも集束して放たれた「
レギオンにおいて実際に宇宙侵攻に使われたとされる「
その破壊力は同様とは言えずとも、ぶつかり合った二つのエネルギーは、大陽のような閃光と共に大爆発を起こして二人の姿を隠してしまった。