我、無限の欲望の蒐集家也   作:121.622km/h

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副題:戦闘終了と夜の学校


005

相反する二つの力によって生まれた爆発で、半壊しかけた直江津高校であるが、複製が破損箇所を補い、元の形に修復されていく。僕はその様子をグラウンドに寝転がって眺めていた。

 

本来なら、その様子を眺めるのに寝転がる必要など無く、むしろ座っていても良いのだが、爆発の衝撃を盾で防いだ僕と違い、まともに受けてしまい気絶したなのはを受け止めるために全力ダイブしたら、降ってきた刀に足を切断されてしまった。

 

だから、足を無くした僕は動くことも出来ずに、気絶したなのはちゃんを抱きかかえたまま、僕は修復されていく母校を眺めていたのである。

 

 

「ん・・・・・・?」

 

「目は覚めたか? 抱きしめているのは受け止めるための事故だと理解してもらえると嬉しい」

 

「へ・・・? え・・・あ・・・にゃ、にゃぁ・・・・・・」

 

『Are you okay, Master?』

 

「にゃあ・・・」

 

Oh,(あらま)Master can not be used.(マスターが使い物になりません)

 

 

全身の力が抜けたというべきか、とにかく脱力したなのはちゃんは、再度僕に寄りかかってきた。

 

というか、どうして使い物にならなくなったんだ?

 

 

She wa(マスターは)s hugged by a favorite person(好きな人に抱きしめられていたんですよ)?』

 

 

あ、そうか。なのはちゃんの初恋は僕だったっけ。

 

納得したよ。あまりしたくない納得だったけど。

 

・・・じゃあ、とりあえずなのはちゃんが再起するまで待つとしよう。

 

 

『OK.』

 

 

 

なのはside

 

何!?

 

何!?

 

どーなってるの!?

 

ここはまさか天国なの!?

 

もしかして私死んじゃったのかな!?

 

目が覚めてみたら如月さん(好きな人)に抱きしめられていました。

 

うん。全然分かんない。

 

でも、幸せだからいいや・・・・・・。

 

 

「おーい。なのはちゃん? 僕の上で寝られるとその、困るんだけど」

 

 

夢なら覚めないで・・・・・・。

 

 

「現実だから。今君が旅立とうとしてる場所が夢なんだけど」

 

「・・・・・・え。

 

「本当にこれ、夢じゃあないんですか?」

 

「逆にどうして夢だと思ったのか、聞かせて欲しいような欲しくないような」

 

「えっと。どうしてこんな事に」

 

 

べ、別に嫌なわけじゃあありません。むしろ

 

ъ(゚Д゚)グッジョブ!!

 

です。

 

 

「気絶した君が、頭を打たないように受け止めたつもりだったけど、レイジングハートが僕の足を切り裂いてくれたから、再生に時間がかかっていてね」

 

「え!? あっ! ・・・綺麗・・・」

 

「血みどろの脚を見てそんなことが言えるって、なのはちゃんは普通の小学生じゃないよな」

 

「失礼ですよ!」

 

 

だって、本当に綺麗だったのだ。綺麗な赤色だった。白銀を背負った神様みたいと思ってたけど、やっぱり如月さんも私と同じ人間だと分かって安心したのもあるかもしれない。

 

 

「おい、お前様。突然呼び出されたから何かと思えば、女児と戯れておるとは何事か」

 

「やぁ、忍。お小言は後で聞くから、今は僕の回復力上げてくれないかな?」

 

「・・・・・・仕方あるまい。お主のロリコンは今に始まったことではないからの」

 

「如月さんってロリコンなの!?」

 

 

やった! じゃあ、私にもチャンスがッ・・・・・・。

 

あれ? 如月さんって不老不死なんじゃ・・・じゃあ私成長しちゃったら意味ないじゃん!

 

 

「お前様。こやつ大物じゃのぅ」

 

「知ってる。僕の脚の断裂部をみて綺麗って言う子だぜ?」

 

「・・・うむ。それはもう大物じゃ」

 

 

忍さんが自分の腕をプラモデルのように引っこ抜いて、大量の血を如月さんの足にかけると、足はズルリと生えてきた。どういう理屈なのかさっぱり分からないけど、血に何かあるのかな。

 

仕事を終えたといった調子で、忍さんは如月さんの影の中に沈んでいった。

 

 

「さて、訓練としては満足してくれたかい?」

 

「はい! 魔術も魔法も使えて満足しました!」

 

「よし、じゃあお昼にしようか?」

 

「はーいっ!!」

 

「お昼じゃと?」

 

 

如月さんの母校──直江津高校の階段を登り、慣れた調子でドアを開けた如月さんの後に続いて、屋上へ出る。グラウンドに出たときよりも風は冷たく、少し強く吹いているような気がした。

 

 

「あれ・・・風・・・・・・」

 

「惑星一つ蒐集するとその辺も変わるみたいなんだよ。鳳陽に似たものも空にはないのに、気候の変化や風も吹く、四季だってあるし、雨だって降る。雲が多い雨の日は、ここが本の中だってことを忘れてしまうくらいに現実(そと)と一緒さ」

 

「にゃ・・・」

 

 

如月さんは屋上に座ると、魔法陣からバスケットを取り出した。

 

そうやって取り出すことも出来るんだ・・・。

 

バスケットから取り出されたお弁当は、とっても美味しそうだった。

 

 

「昔取った杵柄さ。食事は人の三大欲求の一つ。しっかり取らなくちゃ駄目だったから」

 

「我が主様は妹御のために料理を覚えたようなものじゃからのう」

 

「あいつ等マジで何にもしねーんだから、僕が覚えるしかなかったんだよ」

 

「アハハ・・・。美味しいです!」

 

「口に合ったのなら良かった」

 

 

待って、待って。戦闘は勝てるわけがないって断定したとしても、私、女の子としても如月さんに負けてない? 

 

いや、前は料理も教わったから、それなりに出来るはず・・・。家事も手伝うようになったし。

 

そんなことを考えていたら、ボンヤリと食事を終えてしまった。

 

・・・・・・でも、おいしかった。

 

 

「満足したか?」

 

「モチのロンですっ」

 

「それはよかった。・・・じゃあ、家まで送っていくよ」

 

「はーいっ!」

 

 

校舎をくぐって駐車場に止めていたフェアレディZの助手席に乗る。

 

如月さんが運転席に座って忍さんが後ろに乗った。

 

後ろに乗るところはないはずなのに、その小柄さをいかして無理矢理収まってる感じで。

 

 

「儂は少々の痛みには屈せぬ。それに、我が主様が人を乗せて事故るとは思えんしのう」

 

「人が乗ってなかったら事故するんですか・・・?」

 

「高速を爆走したり、峠を攻めたりすることはあるかなぁ・・・」

 

「それ全部してません?」

 

「してるねぇ」

 

 

私も知ってる有名な車漫画二大巨頭を両方やってるなんて、如月さんは贅沢なの。

 

 

「・・・ところでお前様。このような娘っ子とどこで出会ったのじゃ? 拐かしたのであれば、儂は主を断頭台に連れて行かねばならぬ」

 

「ちょっと戻ってね」

 

「嘘ではなかろうな」

 

「お前に嘘をつく必要があるか?」

 

「ないのう」

 

 

何か羨ましい。私は成長しちゃうのかな・・・。如月さんが18歳のままでも、私は20歳30歳って年を取っていくのかな・・・・・・。

 

 

「やだっ!」

 

「急にどうしたのじゃ」

 

「さぁ、思春期の女の子は難しいから」

 

「儂とこやつは同い年ぐらいじゃぞ」

 

「見た目と精神を同じにしちゃいけないぞ、この合法ロリ」

 

「合法ロリは嫌いかの?」

 

「好き」

 

 

如月さんは忍さん達のこと大好きだよなぁ・・・。私もこう・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いやん!

 

 

「・・・・・・思春期とはこう言うものじゃったか?」

 

「・・・"如月"にはこう言うこと教えるアホがいるのは知ってるだろ」

 

「なんで私の考えてることが筒抜けなんですかぁぁぁぁああああああ!!!?」

 

「僕に隠し事は出来ないよなのはちゃん。僕は魔法使いなんだから」

 

「ですよね!」

 

 

流石如月さんです!

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「純粋はお前様の敵じゃのう」

 

「・・・・・・知ってたはずなのになぁ」

 

 

その後、何事もなくお家に送ってもらって、夜まで時間を潰すことになりました。

 

 

 

──夜。

 

ジュエルシードの反応を確認したなのははユーノを連れて全速力で向かっていた。

 

 

「レイジングハート、物理保護利いてる?」

 

『Yes. of course. I will not put on a single scar on the body of the master.(マスターには傷一つつけさせません)

 

「ありがとう、レイジングハート」

 

No problem.(大した事ではありません)

 

「ユーノ君大丈夫?」

 

「な、のはっ・・・こんなに・・・早く飛んでっ、大丈夫・・・なの?」

 

 

なのはの肩に掴まった状態で、空気の抵抗を思い切り受けているユーノ。口の端だとか顔の皮膚だとかが目も当てられないことになっているが、なのはからは見えていない。

 

 

「物理保護が利いてるから・・・私は大丈夫だよ?」

 

Please do your best.(頑張ってください)

 

「こっ・・・の、僕が発掘してあげたんだぞ・・・っ!」

 

『Thank you.』

 

「なのは。もうちょっとゆっくあーっ!!」

 

「どうしたのユーノ君?!」

 

Do not worry.(大丈夫です)

 

「そう?」

 

「・・・・・・レイジングハート。助けてくれるならもうちょっと優しく・・・」

 

 

あまりの速度に肩を掴んでいた手が外れ、後方に投げ出されたユーノはレイジングハートが作ったチェーンバインドによって、なのはの後を引かれる形でついていくことになった。

 

私立聖祥大附属小学校。なのは達の通う小中高大一貫校である。正直に言って、女子限定であり、小学校だけ共学のエスカレーター学校である。

 

そんな所謂お金持ち学校に夜忍び込もうとしている影が、世界の主人公高町なのはである。

 

 

「なのは?! なんでここに・・・って、その格好!」

 

「あっ・・・陸君に若菜ちゃん・・・。え、えへへ・・・どうしても気になっちゃって」

 

「そっか、でも、気を付けてよ? なのはは魔法を使い慣れてないんだから」

 

「あ、うん。気を付けるよ」

 

 

実際はここにいる誰よりも強いのだが、こっそり練習したと言い訳するには期間が短すぎるため、それも不可能。なのでなのはは縛りプレイをする羽目になった。

 

 

「なのはは何が出来るの?」

 

「え!? えっと・・・」

 

『Divine Shooter&Flier Fin』

 

「遠距離くらいだな」

 

「え、えと。そうなるかも」

 

 

せっかく修行したのに。

 

とはなのはの意見ではあるが、レイジングハートの冷静な判断で、それなりに戦えると認識されていると思いたい。

 

 

「さて、いくか」

 

「ええ」

 

「え、もうやるの? ジュエルシードの反応は確かにあったけど、どこにあるか分からないよ?」

 

「「探し物は勘と足で見つける」」

 

「そんな刑事さんみたいな・・・・・・」

 

 

それから約一時間近く。校舎の中を歩き回ったが、ジュエルシードは見つからなかった。

 

 

「足で探してなかったんですけど・・・?」

 

「ま、まあ校舎の中にないことは分かったじゃねーか!」

 

「それよりも反応がずっと一定なのが気になるのよね」

 

「今度は勘ですか・・・?」

 

 

何故か丁寧な言葉遣いで、低い音を出し続けるなのは。

 

歩き回って疲れたのだろうか。

 

朝からトレーニング模擬戦トレーニングで普通に疲れているのかもしれない。

 

 

「反応が一定?」

 

「ほら、見て。学校の中に入ってから、ずーっと。まるでジュエルシードがついてきてるみたい」

 

「じゃあ私達はジュエルシードのお散歩をしてたってことですか・・・?」

 

「違うと思うけど・・・。っていうか、なのはアンタ大丈夫?」

 

「・・・大丈夫です」

 

「絶対大丈夫じゃないわよ・・・・・・」

 

「反応が一定って事は、俺達はジュエルシードの中にいるのかも」

 

「おぉ。じゃあ、ふーいんしましょう」

 

「そうだな!」

 

「なのはも疲れてるし早く終わろう」

 

 

その後、無事封印して帰りました。

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