我、無限の欲望の蒐集家也   作:121.622km/h

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副題:会合再び。


006

4月10日朝。

 

いつも通りと言っても過言ではないが、そう考えれば久しぶりでもある騒々しい「目覚まし妹」でもって起床した僕は、火憐ちゃんともつれ合いながら、朝食の場である食堂へと突入した。

 

食堂で暴れるなと、番人から怒られはしたものの、朝食自体は落ち着いて取る事が出来た。

 

そろそろ向かうかと席を立ち、アーネンエルベに向かおうとした矢先。

 

昨日も会った最近電話番号を交換した少女から、電話がかかってきた。

 

 

「・・・おはよう。どうかしたか?」

 

『あ、えと。その。今日、集合でしたよね?』

 

「ああ。一応な」

 

『その、アリサちゃんと若菜ちゃんに引っ張られて、サッカーの応援に行くことになって・・・』

 

 

暗に興味ないのに。という声が聞こえてくるが、仲の良い友達の付き合いだし断りづらかったのもあるのだろう。アリサと言えば、昔誘拐されてたあの少女だろうか。

 

 

「ふむ。いいよ。こっちで進めておくし」

 

『終わり次第駆けつけますので! ユーノ君は向かわせます!』

 

「あ、ああ。じゃあそうしてくれ」

 

 

なのはちゃんは元気だなぁ・・・・・・。

 

一息で言い切ったのではないかと思う程、なのはちゃんは朝から元気だった。

 

 

 

──同日、朝。

 

この日高町なのはは憂鬱だった。

 

本来、彼女の予定では如月奏音の待つ喫茶店へ赴き、友人であるフェイトやその母プレシアなどを交えて、報告会と今後の相談会をするはずだったのだ。

 

しかし、生憎最近付き合いが悪いことを気にしたアリサと若菜、従うしかないと言った様子の他の友人達の手によって、自らの父高町士郎がオーナー兼コーチを務めるサッカーチーム。翠屋JFCの応援にかり出されることになってしまっていた。

 

 

「・・・・・・き、如月さんと会いたかった・・・」

 

Did not you see him yesterday?(昨日会ったではないですか)

 

 

ベッドにうつぶせになって、体の全力を抜いた状態でそう愚痴るなのは。

 

いつの間にか彼女の最優先は奏音になってしまっているようだった。

 

 

「それはそうだけど・・・。本当はね、毎日会いたいんだよ?」

 

So why(ではなぜ)?』

 

「迷惑かもしれないし・・・」

 

Let's tell him that you are absent today.(とりあえず、欠席連絡をしましょう)

 

「そ、そうだね。無断欠席が一番悪いことだもん」

 

Well then, I will contact him.(それでは、彼に連絡します)

 

「にゃ!? ま、待って待って」

 

 

なのはの制止も虚しく、レイジングハートは登録されている電話番号へと通信を入れた。

 

その結果、大体三コール目で掛けた相手が電話を取った。

 

 

『・・・・・・おはよう。どうかしたか?』

 

「あ、えと。その。今日、集合でしたよね?」

 

『ああ。一応な』

 

 

レイジングハートを通してなのはの耳に電話先の音声が聞こえてくる。耳を打つ好きな人(奏音)の声に、なのははどことなく嬉しい気持ちを持ちながら、同時に迷惑を掛けてしまう自身を責めていた。

 

 

「その、アリサちゃんと若菜ちゃんに引っ張られてサッカーの応援に行くことになりまして・・・・・・」

 

『ふむ。いいよ。こっちで進めておくし』

 

「終わり次第駆けつけますので! ユーノ君は向かわせます!」

 

 

側にいたフェレットのユーノをがっちりと掴んで、レイジングハートに見せるなのは。

 

映像通信はしていないのでそんなことは伝わるはずもない。

 

 

『あ、ああ。じゃあそうしてくれ』

 

「は、はい!」

 

 

若干うわずったような声で、通話をおえたなのはは「ほぅ・・・」と息をつく。

 

その息は電話が終わってしまったことに対する溜め息と、顔に集まっていた熱を逃がす息の二つの意味が見て取れた。

 

さて、そんな朝だったなのはは今、河川敷にあるグラウンドに友人達と共にいた。

 

グラウンドのコートでは、助っ人という名の割り込みを果した中田。正式メンバーである神宮寺。高町士郎によって押し込まれた陸の三人がイレギュラーとして走り回っていた。

 

 

「我にボールを回せ! 回さぬか雑種(モブ)共!」

 

「貴様はただ走り回ってろ!」

 

「何だと贋作者!」

 

「・・・・・・真面目にやれよお前等・・・」

 

「・・・男子は元気だねー」

 

「ああやってれば、あのウザい馬鹿共もまだマシなんだけど」

 

「ホント、黙ってればイケメンなのにねー」

 

「え゙」

 

 

アリサの放った一言に、なのはの動きが止まった。

 

ギリギリと、さび付いたロボットのように首が動いて、アリサの方を向く。

 

自らの耳がおかしくなった。勘違いだと信じながら、なのははアリサの顔を窺う。

 

 

(イケメン。誰が? 陸くんがだよね?「間違っても田中(バカ)神宮寺(アホ)のことじゃないよね?」

 

「・・・なのはがあいつ等のことどう思ってるか良く分かったわ・・・・・・」

 

「り、陸君のことだよね!?」

 

「いや、あいつ等だけど・・・」

 

「嘘だッ!!」

 

 

顔を覆って泣き崩れるように地面に座り込むなのは。その顔は青を通り越して白くなっていた。

 

 

「なのは? 黙ってればって言ってるでしょ。あいつ等が黙ると思う?」

 

「・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・納得できないの」

 

「あと、田中じゃなくて中田だからね」

 

「あれは田中で良いの」

 

「なのは、アンタ最近妙に黒くない?」

 

「そんな事無いの。ほら、にぱー☆」

 

「それよ、それ」

 

 

アリサはビシリと笑顔のなのはを指差して、

 

「私は今のアンタが血のついた鈍器を持っていても違和感ないわ」

 

そう言った。

 

 

「酷いよアリサちゃん!」

 

「でも実際、アンタ怖いわよ?」

 

「すずかちゃぁ~ん」

 

「アリサちゃん!」

 

「なんですずかはなのはの味方なの?!」

 

「え、だってなのはちゃんカッコイイ・・・」

 

 

頬を朱に染め上げて、恍惚した表情で自らに寄りかかるなのはを見つめるすずか。

 

それを見たアリサは、目にも止まらぬ速さですずかの肩を掴んで自分の方を向かせた。

 

 

「すずか駄目! お父さんが百合の花(そっち)は駄目だって言ってた!」

 

「お姉ちゃんは行け(GO)って言ってたよ?」

 

「いやいやいや・・・・・・」

 

「あのね、アリサちゃん。五年生の先輩が言ってたんだけど──男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」

 

「駄目ーっ! 戻ってこーいっ!!」

 

 

すずかの肩を持って、前後左右に揺さぶるアリサ。道を外そうとしている友人を元に戻そうと必死である。

 

 

「アリサちゃん。なのはちゃんは、イケメンさんなんだよ?」

 

「訳分かんないわよーっ!」

 

「好きになってもしょうがないと思うの」

 

「しょうがなくないわよ!? 戻ってきなさい! とにかく! いいわね!?」

 

「・・・・・・・・・はーい」

 

 

未だに納得していない様子のすずかに対し、諦めはないが呆れた様子のアリサがふと目をやると、そこにいたのは当事者でありながら姿勢を正し、我関さずの態度を崩さないなのはだった。

 

 

「なのは、あんたも何か言いなさいよ」

 

「スズカチャンハカワイイネー(棒)」

 

「きゃっ 」

 

「すずか騙されちゃ駄目よっ?! めっちゃ棒読みじゃない!」

 

 

その後、足を引っ張り合う中田と神宮寺を放って、そこそこの活躍をする陸。

 

翠屋JFCのキーパーのスーパーセーブもあり、試合は4対2で翠屋JFCの勝利で終わった。

 

本来の役割である、応援という任務をそこで終えたなのはは、そこで解散して一目散に奏音の待つ喫茶アーネンエルベに向かうつもりだった。が、行く手を阻む(アリサ)によって強制的に祝勝会に連れて行かれることになってしまった。

 

場所はなのはの父親が経営する喫茶翠屋。

 

 

「行きたいところはここじゃないの・・・」

 

 

と、なのはがポツリとこぼしたのは、喫茶店という同系列の店だったからだろうか。

 

だとしても自分の親が経営する店に対しての発言ではない。

 

運ばれてきたケーキを前に談笑するアリサとすずかと若菜。表面上ではなのはも楽しんでいるようだが、彼女の並列思考回路はこの場からの撤退方法を模索していた。何百もの案を出しては脳内でシミュレートし、潰していく。

 

たったひとつでも策があれば良い、初恋の青年が待つ喫茶店へ行くために。

 

なのはにとって唯一の救いは、いつも絡んでくる特異者達がチームメイトに捕まっていて、身動きが取りづらい点だろう。

 

 

「・・・そういえばなのは」

 

「なに?」(・・・50)

 

「あのフェレットはどうしたの?」

 

「え? あぁ、ユーノ君? お留守番だよ」(・・・30)

 

「あれ? もうお家にいるの?」

 

「うん。拾った次の日にはもうお家にいたよ」(・・・15)

 

「へぇー」

 

(・・・7。後がないの!)

 

 

高速でシミュレートを行うなのは。だんだんと実行できる案が絞られてきてしまった。

 

何事も自分が使える手札は多い方が良くて、敵の策は少ない方が良いものである。

 

 

(2! こうなったら没案を組み合わせて・・・)

 

「なのは。そろそろ解散だって」

 

(・・・! やっとなの!)

 

 

大会での勝利を誓い、解散する一同。

 

一目散にアーネンエルベに向かおうと駆け出すなのは。

 

だが、突然足を止めてしまう。その視線の先にはバッグから取り出したなにかをポケットに入れ、マネージャーの少女に駆け寄っていくキーパーの姿。

 

そんな彼等がいる辺りでジュエルシードのらしきものの気配を感じたなのはだったが、その場ではジュエルシードが発動しなかったことに加え、己が早くアーネンエルベに向かいたかったことから「気のせいだよ」と二人を見送ってしまう。

 

そして、なのはは友人達に手を振って、己が出せる全速でアーネンエルベに向かったのだった。

 

 

 

 

時間は戻って、喫茶店アーネンエルベ。

 

如月奏音が常連として良く通い、並行世界と繋がる唯一の喫茶店。時間の流れが店の外と中では違うため、長時間の会談などにも向いているとは奏音の談である。

 

 

「そういうわけで、なのはちゃんは今日は欠席。代わりにユーノ君がなのはちゃんに今日の会議の結果を伝えてくれるらしい」

 

「任せてください」

 

 

人の姿に戻ったユーノ・スクライアは妙に自信気な表情でそう言った。

 

今回アーネンエルベに集まったのは、如月奏音、ユーノ・スクライア、プレシア・テスタロッサ、フェイト・テスタロッサの四名だ。

 

 

「アリシアちゃんは?」

 

「あの子はそう簡単に連れ出せないわよ」

 

「・・・確かに」

 

「・・・・・・それで、なのはの方はどうなんですか?」

 

 

不安そうに、高町なのはの現状を奏音に確認するフェイト。

 

そんなフェイトに対し、奏音は手の平を向ける。

 

 

「ハッキリ言えばなのはちゃんは、恐らく既に全盛期の六割に達していてもおかしくない」

 

「そうですか!」

 

「君はそんななのはちゃんと戦うわけだけど、大丈夫か?」

 

「はい! 勿論です」

 

「それならいい──なら!」

 

 

満足そうに奏音とフェイトは頷き合う。

 

そしておもむろに奏音は自分達が座るテーブルを強く叩く。

 

 

「ッ?! 何を?!」

 

 

それに呼応するように、仕掛けが作動し机のテーブルが観音開きの要領で開き、隠されたホワイトボードが姿を見せる。そこに取り出したマーカーで奏音はとある作戦の題名を書き連ねた。

 

 

「"ライバル!?もうひとりの魔法少女なの!"大作戦・・・?」

 

「・・・えっと?」

 

「きたる4月16日に向けて万全の準備をするために、こう言った手法をとらせてもらう!」

 

「・・・テンション高いですね・・・」

 

「一度使()ってみたかったんだよ。この仕掛け」

 

「元々ついてたんですね・・・これ・・・・・・」

 

 

ホワイトボードマーカーを指で器用に回しながら、奏音はテーブルから変形したホワイトボードを眺めていた。

 

暫くして、奏音はホワイトボードイレイザーで書いていた作戦名を消し、新たになにかを書き込んでいく。

 

 

「まず初めに。無理に反抗しようとしない限り、アリサ・バニングスが発案し月村すずかが場所を提供して、高町なのはと特異者すらも巻き込んだ茶会が開かれるだろう」

 

 

ボードに書かれた文字は「舞台:月村邸・庭」

 

ジュエルシードが異常なく発動するのであれば、舞台は全く変わらない。

 

無いとは思うが、万が一茶会が開かれなかったら、世界がどうなってしまうのか分からない。

 

 

「まぁ、万が一の心配はする必要はない。どの世界でも16日に茶会は開かれていたからな。さて、舞台の問題は解決した。そして次に問題となるのは対戦メンバーだ」

 

「えっと・・・?」

 

「"如月"の教育を受けたのは、今回はなのはちゃんとフェイトちゃん──君達二人だけだ。これをアドバンテージと取るかどうかは人それぞれだ。それに、なのはちゃんには特異者が最大で四人、着いてくるかもしれない」

 

「そうなるといくら使い魔が一緒でも、フェイト達には厳しい戦いになるわね」

 

「ナチュラルにそこにレイシアを含めないのは、流石だと言っておこう」

 

「流石・・・なんですかねぇ・・・」

 

 

感心したように頷く奏音を横目で見ながらユーノはそうこぼした。

 

 

「・・・さて、問題解決の方法だ。正直、フェイトはなのはを抑えることで手一杯になると思う」

 

「・・・えっと、そこまでなのはは?」

 

「強いだろうな。もしくは、なのはの強さが僕の過大評価で互角の戦いになるとしても、特異者達まで気を向けるのは相当の無茶だ」

 

「・・・・・・わかりました」

 

「如月から何人か派遣するのも一つの手ではあるんだが、彼等には君達を援護する理由がない」

 

「無条件で協力する如月さんの姿に疑問を抱く可能性も?」

 

「ああ。例え戻ってきた、と説明したとしても、それ以上に『勝手にやってろ』が凄い。男性陣とは悪友系の絆だから馬鹿やる事は出来ても、真面目な相談はちゃんとしないと駄目なんだ」

 

「女性陣は?」

 

「ほぼ無条件の信頼って怖いんだよ?」

 

「・・・貴方達の関係も難儀なものね」

 

 

等価交換を身上にし、蒐集物を得てきた奏音からすれば、必要な事だったとはいえ、恋に落とした少女達から向けられる恋情という名の盲目な信頼は、受け入れがたいものなのかもしれない。

 

 

「それに、一人に頼んだら連鎖反応が起きそうで・・・・・・」

 

「厄介な身内を持っていますね・・・」

 

「ホントそれ」

 

「・・・・・・で? 結局どうするのかしら? レイシアに任せるの?」

 

「陸と若菜は良いとして、バカとアホがどう動くか予想できない。せめてもう一人欲しい」

 

 

なのはと同じように、中田と神宮司の呼び方が蔑称になっている奏音。もしかしたら奏音の方が先だった可能性もあるかもしれないが、どちらにせよ彼らに対しての容赦が無い。

 

 

「ん? 二対一を心がければ・・・」

 

「一応あいつ等はチート持ちなんだよ。いくら教育を受けていても、対策無しでかかるのは愚の骨頂だ。それに、相手取る予定なのは如月を知らない組だからな」

 

「なるほど・・・」

 

「あなたの白紙の本はチートだったのかしら・・・?」

 

「戦闘になったとき、相手の武器を真っ先に奪えるという点では。だからまあ、目玉の一つである複製品は、原型に限りなく近いだけで、本物には及ばないんだけど」

 

「あら。そうなの? どのくらい? 爆弾が花火くらいになるのかしら?」

 

「そうだな。劣ると言ってもそこまでのものじゃないさ」

 

「グレードが落ちるんじゃないの?」

 

「そうだな一冊十万文字程度の小説を想像して欲しい。それがオリジナルだ。蒐集書の複製品は、その中のたった一文字がかすれて読みづらい。そんな感じだ」

 

「それ、要するに全く劣化していないってことですよね?」

 

「いやいや、バカな。ちゃんと劣化してるだろ。一文字読めないんだぞ?」

 

「正確には読みづらいってくらいなんでしょう?」

 

 

それなら全く劣化していない。プレシアはそう言って口の端をつり上げた。

 

一瞬の油断が命取りになるような戦場に巻き込まれる、そんな事件の前に鬼を助けたことで、死ぬことに対して鈍感になったため奏音は、チートが仕事をするところを見たことはない。

 

 

「・・・でもそうなると、やっぱりアルフとレイシアに任せるのは難しいかな?」

 

「・・・・・・ああ。多分な」

 

「持ってる力が持ってる力・・・だから」

 

「力に溺れたところを突けるかどうかも怪しいからな。ある程度力の概要を知っていて、なおかつ慣れていない隙を突けるセンスを持った相手が良い」

 

「また難しい注文ね。如月さん。貴方自由に使える傀儡(かいらい)とか持ってないの?」

 

「傀儡・・・ねぇ」

 

 

そう言われて自分の指示を素直に聞くものを思い浮かべる奏音。

 

基本的に出てくるのは先ほども話に出た女性ばかり。

 

自由にと付くぐらいだから、彼女達に頼むことで起きる抗争を避けることも意味するだろう。

 

 

「プレシア。貴女の言う傀儡とは、例えばどのようなものを指すんだ?」

 

「文字通りの傀儡兵とかかしら。オートマタ系の」

 

「時の庭園にある機械兵士のこと?」

 

「そうよフェイト」

 

「機械兵か・・・。よし、なら俺の手持ちの戦力(カード)を切ることにする」

 

「そう。じゃあ話し合いは良いのかしら?」

 

「ああ。だが、終わる前に最終確認をしよう」

 

 

奏音はそう言って、ホワイトボードに情報をまとめその場の面々に確認を取る。

 

 

「当日はコレで行く。問題はないな?」

 

「ええ」

 

「うん」

 

「はい」

 

「ならばよし」

 

 

こうして「ライバル!?もうひとりの魔法少女なの!」大作戦は始動する。

 

 

「遅かったの!!」

 

店の扉を開けて、飛び込むように入店するなのは。

 

店の中を見渡しても、お目当の人物は一人もいなかった。

 

 

「・・・・・・間に合わなかった・・・・・・」

 

『Is that okay? My master.』

 

 

項垂れるなのはにレイジングハートが声を掛ける。

 

 

「・・・・・・なに?」

 

An email has been sent from Kanata(奏音からメールがきました). Would you like to read it(読み上げましょうか)?』

 

「え・・・・・・。見せて!」

 

『OK.』

 

 

レイジングハートが空中に表示したメールの本文を、なのはは読む。

 

【打ち合わせは終わったから、アーネンエルベにくる必要はないよ。また用事があれば電話しておいで。勉強とか、模擬戦くらいなら付き合えるから】

 

 

「・・・・・・よしっ。元気出た」

 

『That was good.』

 

 

※ジュエルシードは被害が大きくなる前に若菜と陸が回収しました。

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