我、無限の欲望の蒐集家也   作:121.622km/h

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副題:子守のバイト


006

ストーカーとは、一般的に人につきまといをする人の事を指し、自宅を探りSNSを辿りターゲットのありとあらゆる情報を手に入れようとするため、関わり合いになりたくないと考える人しかいないだろう。もう、そういう人で良いからモテたいという残念な人は置いておいてである。

 

そもそもストーカーと呼ばれる単語、その元々の語源は動物や人に危害を加えるために忍び寄ること(ストーク)を指すという。

 

しかし、危害を加えないただ見守るだけ、というのも対象にされた本人からすれば、案外精神がゴリゴリ削られるもので、そういった行為、対象を含めて、いつの間にか犯罪者を指す言葉として世の中に浸透していった。

 

ただそれが、小学生にもならない幼児に適応されるのかどうかは分からない。現状を正確に伝えたとして、幼児にストーカーされていますなんていう現実が簡単に信じられるとは思えない。伝えても、恐らく鼻で笑われるか、逆にお前がストーカーではないかと疑われるだろう。

 

そもそも今の現状をストーキングされていると認識するかどうかはあくまで主観であり、客観的に見てNOであれば口を閉ざすしかない。まあ、この海鳴市は犯罪者が最も少ない町なので、客観視が甘くなりがちなのかもしれない。

 

 

さて。現実逃避は止めよう。

 

現在は天気が崩れやすくなる六月某日である。

 

いくら全て蒐集書に入れて持ち運びが出来るとはいえ、流石に手ぶらで街を歩くのはどうなのだという世間からの目を気にした結果、ショルダーバッグに財布とケータイと、鍵と傘を入れて、今日は目的地に向かって歩いていた。

 

後方数メートルのところをてちてちと、髪を二つ結びにしたお嬢さん──その顔は良く見慣れているなのはちゃんである、がついてきているのである。

 

初めは突撃してこなかったために別人かと疑ったりもしたのだが、別人である可能性を探す方が難しく、百パーセント。欠けたとしても九十九パーセントなのはちゃんだった。

 

目的は全く見当がつかないというわけではなく、ついこの間まで出会えばお話しだったのだが、恐らく今は見つけたので行動を把握しているといったところだろう。

 

まさしくストーキング行為な気がするのだが。

 

 

「・・・・・・さて」

 

 

どうしたものかね。

 

今年の春に出会ってから、なのはちゃんは毎日のように外出し、藤見町を子どもながらに歩き回って如月奏音を探しているらしい。らしいというのはあくまで伝え聞いただけなので信憑性が低いからである。

 

ともかく、彼女が毎日毎日一人で出かけるというのは色んな意味でマズいのではないのかという結論が出てくる。というわけで、解決策ともなるであろう元々の目的地でもあった冬木の名を冠する教会へと足を運んだ。

 

 

「あら。いらっしゃい如月奏音。何か用ですか」

 

「入り用だってさっき連絡しただろ。というか、その手に持った聖骸布。何しようとしてたんだ言ってみろ」

 

「・・・チッ」

 

「今舌打ちしたか? なんでした? おい、言えよ。お前、俺を釣り上げようとしてたな?」

 

「釣り上げようとした? 人聞きの悪いことをいわないでください」

 

 

じゃあ、一体何をしようとしたというのか。

 

マグダラの聖骸布は男性特攻の拘束具であり、確か使用者が女性なら更なる効果を発揮したはずだ。そんなものをこれから人が訪ねてくるというときに取り出している意味を問いたい。膝を突き合わせる必要はないかもしれないが、問いたい。

 

 

「わたしはただ、教会に侵入しようとする不審者を捕まえようとしただけです」

 

「俺が不審者だって!? ちゃんと連絡も入れて、今から向かうという旨まで伝えた歴とした客のつもりなんだけど!?」

 

「貴方が来る前に、不審者が来る可能性もあったのです」

 

「周りに俺以外いなかったんだけど」

 

「・・・・・・そう。ではわたしの勘違いでしたか」

 

 

謝罪を要求する。とまではいかなくても、何か一言あっても良いのでは、とは思ったが、彼女言峰カレンもしくはカレン・言峰・オルテンシアともそこそこ長い付き合いなので、謝罪させようとすると話が脱線することを分かっているので、本題に入ることにする。

 

 

「あー、カレン」

 

「馴れ馴れしく呼ばないでください。関係者だと思われたら嫌ですから」

 

「既に関係者じゃねえか! 言峰の時点で如月との関わりは否定できないのに、事実を周りに隠蔽しようとするなよ!」

 

「いちいち突っ込まないでください。恋人だと思われます」

 

「・・・例え親戚だとしても突っ込みを入れるときは入れるよ。何も恋人に限ったもんじゃない」

 

「主の教えでは男女が仲良く話すことそれすなわちそういう関係だと」

 

 

なんだって。いつの間にキリストはそんな小学生的な発想方法を世界に広めていたんだ。知らなかったぞ。いや、もしくは男女が仲よさげに話しているのを見て嫉妬して、アイツ等カレカノだな。とかテキトーな事を言ったという説もあるかもしれない。

 

その場合、キリスト自身が神に聖書の教えに背いているような気もしなくもないが。

 

 

「──まあ嘘ですけど」

 

「知ってた!」

 

「五月蝿いです。教会では静かにしなさい」

 

「今更過ぎる! ・・・ハァ。お前と話していると──(・・・あー)ひたぎの事を思い出すよ」

 

「下着を思い出す? 新手のセクハラですか?」

 

「言ってねえよ!」

 

 

いや、聞こえなくもないか。しかし、例えそう聞こえようともそんな事を言っていないのは確かなのである。

 

 

「そんな事より今日はだな──」

 

「きゃっ!」

 

「・・・きゃ?」

 

「おぉ、着ていたのか如月奏音」

 

「言峰。あれ、なのはちゃんじゃん」

 

 

某小学生探偵のようにつまみ上げられているなのはちゃん。そのつまんでいる人物が、この冬木教会の神父、言峰綺礼である。

 

いや、知ってはいた。いたのだけど。カレンとの会話でちょっぴり頭から抜け落ちてしまった。

 

 

「・・・知り合いかな?」

 

「ちょっとしたな」

 

「園児と知り合った? 一体どんな犯罪をしたんですか」

 

「誘拐・・・は聞いていないな。そんな事があれば預かる側のこちらへの報告もある」

 

「セクハラの可能性もありますよ。あろう事か園児を脅し口を閉じさせている可能性もあります」

 

「最低だな、如月奏音」

 

「俺が犯罪を犯した前提の会話を止めろ! お前達の考えていることの九割が間違いだ!」

 

 

実際に、なのはちゃんにセクハラをした覚えは無いし、誘拐・・・と取れなくもないような行為をした覚えはあれど、保護者の元へ返すことを前提とした同行だったのだから。長々と語れば語るほど言い訳がましく聞こえてくるので、そろそろ止めておこう。

 

 

「・・・いいから。もう、本題に入らせてくれ」

 

「ふむ。確かバイトの申し込み・・・だったな?」

 

「惜しいな。仕事を紹介してくれ、だよ」

 

 

いつまでも家に引きこもってるわけにもいかないし、かといって海鳴市中を歩き回るのにも限界がある。というわけで、仕事探しのためにこの教会を訪れたというわけである。

 

 

「ギルガメッシュはいないのか?」

 

 

アイツなら、顔も広いから職場を紹介してくれそうだと思ったんだが。別に大人の方でなくともいいのだが。

 

 

「・・・いや、その必要はないぞ如月奏音」

 

 

なのはちゃんをカレンに預け──どうやら保育園を抜け出したらしく連れ戻されていった、言峰はそう言ってよく見る笑顔で口を開いた。

 

嫌な予感がする。

 

 

「丁度職員を探している職場を私が知っている」

 

「・・・本当か?」

 

「ああ。嘘はつかんよ。それに、とても簡単な仕事だ」

 

「へぇ。どんな」

 

「一人の児童の面倒を見る仕事だ」

 

「家庭教師みたいな?」

 

「そんなものだ」

 

 

それならば確かに簡単な仕事かもしれない。児童というくらいだから相手は小学生だろうか。その歳のこどもの相手なら任せて欲しい。

 

 

「よし、決まりだな」

 

「ああ、よろしく頼む。いつから行けば良い?」

 

「明日でも良いぞ。貴様はたった今から我が教会の保育園で育児をしてもらう」

 

「なっ・・・!?」

 

 

いや、別に構わないと言えば構わないけれど、まさか冬木保育園に職員として通うことになるとは思わなかった。というか、その場合毎日言峰と顔を合わせるのか。切嗣氏は泣いて嫌がりそうな仕事である。

 

 

「彼女は脱走が多くてね。今年の春から毎日のように脱走を繰り返しているのだよ」

 

「えぇ・・・」

 

 

なんだよ。その厄介そうな園児は。脱走するのが分かっているのであれば、さっさと対策をとればいい話だろう。

 

 

「一応園児二人に職員一人という対応をとっているのだが、彼女だけは目を離すわけにも行かなくてね。丁度いいところに来てくれた」

 

「まあ、うん。それは・・・」

 

「君の知り合いだよ。高町なのは。君がこれから当分の間面倒を見る少女だ」

 

「この話は無かったことで!」

 

「──まあ待ちたまえ如月奏音。君は一度交わした約束を反故にするのかね?」

 

 

いや、それはしたくないけれど。高町という名前は今一番関わり合いになりたくない名前である。というか、親しくしたくない名前でもある。高町家は頑固なんだよ。そして楽観的でない。天敵と言っても過言ではない。

 

しかしだ。これはなのはちゃんを好みの性格に育て上げることが出来るチャンスなのではないだろうか。文字通り光源氏計画だ。如月家の規模も六条院並だしあながち間違いではない。

 

 

「・・・わかった」

 

「葛藤が少ないようだが。よからぬ事でも思いついたか?」

 

「どうしても俺を犯罪者にしたいみたいだな!」

 

「いや、私の勘違いのようだ。まさか現実で光源氏をやろうとしているわけではあるまいし」

 

「その反応! 俺の心を読んだのか!!」

 

「すまないな。顔に書いてあるのだ」

 

「なんだって!?」

 

 

相変らず、この顔は掲示板のように思っていることを周りに伝えるのだろうか。ポーカーフェイスくらい身に付けていると思ったのだが。

 

それともやはり読心術でも身に付けているのだろうか。

 

 

「さて、では明日から。頼んだぞ」

 

「・・・ああ」

 

 

少し憂鬱ではあるが、仕方がないと割り切って取り組むことにしよう。

 


 

次の日。あのバイト面接とも言えない出来レースから一日も経っていない次の日の朝である。

 

 

「はよーございまーす」

 

「何故、朝から貴方の顔を見なければならないのです、如月奏音」

 

「朝から飛ばすな、カレン。別に、ここの保育園の問題児の面倒を見ることになっただけだよ」

 

「・・・それでは、毎日貴方と顔を合わせなければならないんですか?」

 

「嫌なのか、嬉しいのか。どっちなんだよその顔と声は。混ざってるぞ。表に出す感情は一つに絞れよサドマゾシスター」

 

 

会いたくないやつに会えて嫌なのは分かるが、悦んでいるのも同時に分かるとか、感情の制御が出来ていないのではないだろうか。自分の感情が周りに分かりやすいのは、良いことなのか悪いことなのか、調査して論文にでもしたい気分である。

 

 

「素直に変態と罵ってくれても良いんですよ」

 

「朝からそんな人を罵倒しようとは思わねえよ。そんな事を朝っぱらから考えて実行するのは、どうしようもない真性のドSくらいだ」

 

「しかし、そうですか。問題児・・・。光源氏でもするつもりですか」

 

「流石に嫁にしようとまでは考えてないけどな」

 

「ええ。それが良いのです。貴方がどうしようもないロリコンだったとしても、ペドフィリアでなければそれで良いのです」

 

「どうなんだろうな。忍は八歳くらいの年齢だけど・・・」

 

「・・・」

 

「なんだよ」

 

 

流石に、本当の小学生には手を出すわけがないだろう。忍は合法だから。合法ロリだから。アイツはむしろ望んでくるから。

 

 

「いえ。なんでもありません。我が教会の敷地内で不埒な行為は働かぬように」

 

「するわけないだろ」

 

「どうしても我慢できなければ・・・」

 

「裾を持って何をするつもりだ!」

 

 

どうしても下ネタに走ろうとするカレンに先を促すことで、動きを封じる。

 

カレンの案内で保育園の方に移動する。初めて来たけれど意外としっかりと経営されているようで驚いた。

 

 

「おう坊主。何しに来たんだ?」

 

「仕事だよ。問題児の面倒をね」

 

「あー、あの子か。頑張れよ」

 

「ああ」

 

「働きなさい、駄犬」

 

「ちょっと駄弁っただけだろうが!」

 

 

カレンに急かされるクー・フーリンを横目に、エプロンを着て少し身だしなみを整える。

 

 

「馬子にも衣装ですね」

 

「仕事してください? カレンさん」

 

「敬語を使わないでください、鳥肌が立ちます」

 

「悪かったな。一応上司って事で気を遣ったんだが」

 

「私達の間にそのような気遣いは不要です。もっと乱暴にしなさい」

 

「殺されるわ!」

 

 

誰にかと言えば父親に、である。こうやって軽口の範疇である漫才のような会話も既にグレーゾーンであるのだから、言峰も案外親バカなのかもしれないと、勝手にそんな事を考えた。

 

 

「おはよう。時間通りだな、如月奏音」

 

「遅刻するよりマシだろ?」

 

「だが、五分前行動は基本であったと認識しているが?」

 

「ああ、そうだっけ。まともに学生として過ごしたのが千年以上前なんで、忘れてたよ」

 

 

最も、今はもうその頃の記憶なんか思い出すことも出来ないのだけど、そう言えば社会では五分前行動は基本だったような気もする。働かなくても死ぬことがない力のせいで怠惰に過ごしすぎたのだろうか。もう少し、真面目に生きるべきかもしれない。

 

 

保育園の職員として相応しい、アップリケがついたエプロンを身につけて、軽くストレッチと深呼吸を繰り返す。なのはちゃんと会うのに、そこまでの覚悟が必要なのかと問われれば、否かと答えるかもしれないが、それでも心の準備だけは怠らないようにしておかなければならない。

 

 

「そんなに息を吸って。私の匂いでもかぎたいんですか?」

 

「・・・ただの深呼吸だよ」

 

「・・・・・・そうですか」

 

 

微妙に納得していなさそうだし、同じくらいどことなくすれ違っているような気もするが、これ以上話を広げると、同時に傷口まで広がりそうなので黙っておこう。

 

 

朝七時から八時、登園と呼ばれる時間が訪れ、続々と親御さん達が自分の子ども達を預けにやってくる。もう入園してしまっているのだろうけど、一回本当にここに入園して良かったのか、預けて良いのか考えてみて欲しかった。

 

 

「おはようございまーす」

 

「ああ、おはようございます」

 

「おはようございます」

 

「おう、おはよう」

 

「おはよー」

 

「ん、おはよう」

 

 

登園してくる園児達を出迎えながら、ふと思う。今更ながらこの仕事を受けて大丈夫だったのだろうかと。言峰が言うにはなのはちゃん一人を見張っていればそれでいいとは言っていたが、それは仕事と言えるのだろうか。

 

まあ、ゲームとかでは妙に拘束の緩いバイトとかも存在するし、良いのかもしれない。テキトー。内輪の問題だし。簡単にすませてしまってもそれはそれで問題はないのかもしれない。

 

 

さて、長々と前振りにもならない前語りが終わったところで、簡潔に本題を申し上げよう。

 

簡潔に綴るにはあまりにも勿体ない、細部まで語りたい話ではあるのだが、前語りのせいで文字数が多くなってしまったのだ。要するに語りすぎれば字余りになってしまう。

 

本来ここでこうして説明しているだけで字数は多くなってしまうので、本題に入ろう。

 

 

あのあとあと、無事なのはちゃんと対面し、結果として彼女の付き人、もしくは家庭教師の如くなのはちゃんの保育園での保育係へと、配属されたのだった。

 

以上




冬木教会の修道女についての記述


彼女にとって"如月奏音"とは恩人であり、自らが信ずるべき対象であり、初恋の人である。

彼女が奏音と出会ったのは七つの頃。

小さな教会で運命的な出会い──少なくとも彼女にとっては、を果たしたのだった。


「童話のサンドリヨンのように下働きをしていた自分の元へ、白馬にのって迎えに来た王子様」


それが、彼女から見た"如月奏音"の認識だった。

実際、迎えに来たのは彼女の父親に頼まれたからで、乗っていたのも白馬では無く爆音の鳴り響くモータード・キュイラッシェであったが、それでも彼女の枯れかけていた乙女心を再燃させるには十分すぎる量だったらしく、一夜にして彼女は恋に落ちた。

それがただの少女の、ただの恋であったのならば、彼女が歳を重ねるにつれてその感情もまた別のものへ変化していたかもしれなかった。

しかし、彼女の境遇と、奏音の彼女への対応が、奇跡のようにかみ合い、彼女は奏音がまるで神であるかのように信仰するようになったのだ。

自らの父親は教会の神父であるし、彼が娘である彼女に同じく教会のシスターであることを望んだために、教会に属してはいるが、彼女は教会の信じる神より"如月奏音"を信仰していた。もし神を『人に不可能な超常的な力を扱う存在』と定義するのであれば、彼は間違いなく神ではあった。


そして、彼女が奏音へと溺れる最大の要因とも呼べるのが彼女の異能──被虐霊媒体質である。

奏音はこの異能を、聖堂教会のように利用するわけでもなく、少女が真に選択することが出来る日がくるまで封印することにした。

が、少女にとって奏音の言うことは絶対であり、封印のための道具──月を模したチャームであるを「肌身離さず持っておくように」という彼女の身を案じた言葉を、まるで天啓であるかのように忠実に従った。


そして、その異能によって引き起こされたかもしれない様々な障害を、彼女が知ってしまった時も彼への信仰心は変わらなかった。深くなることも浅くなることもなかった。信仰心は、である。

奏音の行動によって未然に防がれた障害──つまりは「別世界の彼女の記憶」を知識として知った彼女、その彼への感情は信仰と恋が混じり合い、愛欲に似た感情へと変化していた。


彼女にとって別世界の経験は知識でしかないはずが、混ざり溶け合った結果、異なる自分が持った感情に振り回され、彼女にとっての禁忌──奏音を蔑むこと、を犯してしまったりもした。

が、言われた本人が大して気にしておらず、それどころか懐かしむように楽しそうな反応を返したので、以降彼女は奏音に対しての口調は別世界の自分を参考にしているようだ。


教会のシスターでありながら教会の信奉する神を信じず、ただ一人を懸想し信仰する。

彼女は己の信じる奏音()にならば、無茶苦茶にされても良いと本気で思っている。



「・・・・・・・・・うん。酷い男だね、無意識にやっているところが特に」
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