横島MAXな魔法科生 番外編!!   作:ローファイト

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続きです。




深雪編④

6月中旬……

 

そろそろ、九校戦の選手選考準備が始まる頃です。

部活連が主導で始まるのですが、第三者の目が必要という事で、生徒会執行部も正式に協力要請が来ました。

 

去年の新人戦では、モノリスコードで本来の選手が負傷と相手側違反により、代替えで急遽出場することになったニ科生であるお兄様と吉田さん、西城さんが優勝をし、さらに、モノリスコード本戦では、横島さんが出場し誰も考えもしなかった活躍を見せ、優勝に導きました。

それを考慮し、今年はニ科生も含め、いろんな角度から、選手を選ぶ事に決定しました。

 

私と雫とほのかはほぼ決定なのだそうですが、一年生は未知数な事もあり、選考は難しいようです。

昨年の部活連会頭であった十文字先輩は、現会頭の服部先輩に魔法の優劣だけで選手を決めるなと言づけていたそうです。

多分それは、横島さんの事を仰ってるのだと思います。

横島さんは、昨年のモノリスコードでは魔法らしい魔法を使わずして、戦略、戦術を駆使して活躍していたのです。

それがあったからだと。

 

雫は氷室さんを推してます。

今年から採用されるシールドダウンという競技です。

試合場で盾を持ち、組み合うような体制でお互いの盾のみを近接魔法攻撃し、盾を落としたり、盾を奪う、盾を破壊、相手を試合場の場外に落とすなどで勝負が決まる試合です。

近い競技と言えば相撲ですね。

 

雫が言うには「要の腕力はゴリラより強い。素手でコンクリートの柱を割ったのを見た」

そんな事があり得るのでしょうか?魔法を使わずに腕力だけでそのような事を。

彼女の風貌ではとてもそのような事が出来るとは思えません。

 

一応参考までにと氷室さんに会うために、私は生徒会書記の七草泉美さんと一緒に雫と氷室要さんが所属する風紀委員に訪れました。

 

「要、シールドダウンに出るべき」

 

「私は出るつもりはありません。部活にも参加してませんし、他に私より硬化魔法が得意な生徒は幾人もいます」

 

「要は、硬化魔法使わなくてもいいでしょ、氷室の術があるから」

 

「氷室の術を使うつもりはありません」

 

「横島さんに聞いたことがある。要のあのバカ力は氷室の術じゃないって、BS魔法みたいなものだって」

 

「……なぜ、私にこだわるんですか?北山先輩」

 

「要はライバル。ライバルが弱いと思われるのは嫌だ」

 

「それは北山先輩の我がままです」

 

「まあまあ、北山さんも要さんも」

吉田さんが雫と氷室さんの言い合いを止めに入ります。

吉田さんが下の名前で女の子を呼ぶのはエリカ以外では氷室さんだけ。

吉田さんは憧れがある氷室の名は言いにくいそうです。

 

「あーー、本当にあんた達面倒ね。氷室、一度やってみなさい。生徒会には許可取っておくから、ほら、そこに深雪もいるし、OKよね。深雪」

風紀委員長の千代田花音先輩が面倒そうにそう言って、私に許可を求めてきました。

 

「わかりました。魔法戦用の格闘場の使用許可を取っておきます」

もともと、氷室さんの実力を見るのが目的だったので、これはこれで渡りに船ですね。

 

「あの、千代田先輩、司波先輩困ります」

氷室さんは抗議の声を上げる。

 

「ほら、氷室も決まったことにごちゃごちゃ言わない。相手は吉田!やって上げなさい」

 

「えーーーー僕ですか?それはちょっと……あの」

吉田さんは何故か珍しく慌てふためいていました。

 

「なに吉田。一年生の相手もできないの?同じ古式魔法師でしょ?」

 

「いや、あの……僕じゃ役不足というか……北山さんはどう?」

 

「私は見てる。幹比古がやればいい」

 

「えーーーー?僕は硬化魔法とか得意じゃないんだけど……死んじゃわないかな?」

 

「では、吉田さん。私が代わりでは?氷室さんはどう?」

私は吉田さんに代わる事を提案し、氷室さんに同意を求めた。

直に氷室さんの力を感じる方がいいでしょうしね。

 

「私はやりたくはないのですが……強制ならばしかたがないです」

氷室さんはため息を吐いてました。

 

「……達也、いや、レオを呼んだ方が良くないかな?その要さんのって魔法じゃないよきっと……それと外でやった方が良いと思うよ。多分格闘技場が壊れちゃうし」

雫も言ってましたが、魔法では無いとはどういうことなのでしょうか?吉田さんはかなり怯えているように見えますが……それと魔法に対し何重も強化され、ニブルヘイムにも耐えれる格闘技場ですが、それが壊れるとは。どうも話が見えません。

 

 

吉田さんの意見を取り入れ、屋外格闘技場を使う事にしました。

幸いにも西城さんがまだ学校に居てくださったのと、この競技の本戦男子で出場予定の十三束鋼さんにも来てもらいました。

 

体操服に着替えて貰って、本番と同じ盾を持ってもらいました。

新人戦女子は攻撃と防御に分かれたダブルスのみですが、今回はシングルスで試合をしてもらいます。

 

西城さんと一緒に居たエリカや美月も見に来てます。

部活連の服部先輩も来られ、お兄様も私の横に来られました。

そして試合開始です。

 

先ずは十三束さんと氷室さんで……

 

吉田さんが試合の合図をした瞬間。

氷室さんが十三束さんの盾を粉々に粉砕しました。

早すぎて良く見えませんでしたが、氷室さんはどうやら掌底を放ったようです。

 

ほのかや七草泉美さんや他のギャラリーは皆茫然とその様子を見てます。

私も一緒です。お兄様は目を細めていました。

吉田君は額に手をやって、自分でなくてよかったと……

雫はゆっくり満足そうに頷いてました。

美月は目をキラキラとさせ、エリカは目を大きく見開き驚いていました。

西城さんも驚き何故か愕然としてました。

 

とうの十三束さんはその場で座り込んで、茫然と粉砕した盾を見ていました。

 

「十三束のレンジゼロという魔法はありとあらゆる魔法を接触の瞬間に解体する。俺の分解魔法もレンジゼロに阻まれるぐらいだ。あれは魔法じゃないな。流石は氷室の次期当主か。横島が暴走しないように見てやってくれと言った理由がようやく分かった」

お兄様は口元に笑みを浮かべながら解説してくれました。

 

「お兄様。魔法じゃないとは、どういうことですか?金属製の盾があんなふうに」

 

「氷室の秘術、いや、体術の類だろう。九重先生が気というもので、物質を内側から破壊する体術があると言っていた。魔法だけに注視してる魔法師連中には到底理解ができないだろうがな。横島が良い例だ」

 

「そうかもしれませんね」

私はそのお兄様のお話に自然と納得してしまいました。

 

何故なのか……

それはピクシーから頂いた横島さんの半生の合成映像で、そのような場面が魔法だけでは理解できない現象を起こす人たちや、相変わらず涙を四散させながら走って逃げる横島さんの映像をみていたからです。でもあれは作り物なのに。妙にリアルなんです。

横島さんが幽霊の子のために涙を流してたシーンがありました……そう言えばあの幽霊の子、確かおキヌちゃんと呼ばれていました。氷室家13代目当主の氷室絹……名前が一緒。偶然なのでしょうか?




深雪はどんどん横島の半生の本を映像で見てますね。
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