横島MAXな魔法科生 番外編!!   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。

すみません。
今回は92話『横島、真夜と出会う』の焼きまわしです。
真夜視点の思いが中にはいっているだけで、7・8割ぐらいそのまんまですね。




真夜の攻防

無事?横島にナンパをされた四葉真夜と六塚温子は、横島の後ろについて行き、京都国際会議場に併設しているレストランに入る。

レストランまでの歩きがてらにも他愛の無い話をする横島。

それを微笑みながら聞いている真夜。

 

 

「ボク横島、東京の第一高校から来て、会場の警備担当しているんです!!あれ?綺麗なお姉さんの方は昨日どこかであったような?」

横島はレストランの席に着いて直ぐに、着ている制服を指さして、改めて自己紹介をする。

真夜については昨日すれ違った事を思い出した様だ。

 

「ウフフフフッ、そうかもしれませんわ。わたくしは…真夜、此方はお友達の温子さん、横島さんとおっしゃるのですね。第一高校からとは魔法の腕も覚えがあるのですね」

真夜はそうとぼける様な言い回しをしていたが、横島と話す時は嬉しそうにほほ笑みを絶やさない。

(この心に響く声、記憶の彼とまったく一緒、温かい。)

 

「その、警備担当と言ってたけど、私たちと居て大丈夫なの?」

温子の方は、真面目にそんな事を言う。

 

「綺麗なおねえさんが真夜さんで、カッコイイおねえさんが温子さん!!ちょうど休憩時間になったんで大丈夫っす!!」

横島はそんな温子の言葉を聞いていないかのように元気よく答える。

 

「綺麗だなんてありがとう横島さん。わたくし、あまりこういうところに来ないので、迷ってしまっていたの、だから声を掛けていただいて助かりましたわ」

真夜は恥ずかしそうに微笑む。

(こんなにもお世辞が嬉しいなんて……)

真夜は幾度と無く男共に綺麗や美しいなどと言われてきたが、無難に返答しつつ、一切心が揺れることは無かった。しかし横島のこれには、どうも参ってしまっているようだ。

 

「こんな綺麗なおねえさん達が、こんな面白くもなんともなさそうな所にどんな用事できたんですか?」

横島も楽し気な雰囲気を醸し出しながら、美女二人に聞いた。

実際には横島は二人が只者ではない事に気がついており、先ほどのナンパを実行するまでの時間は、悪意や害意があるかを霊視や霊気で探り、観察していたのだ。

害意は無いと判断してはいたが、高レベル魔法師がこんな所に、しかも美しい女性が二人でとは警戒しないわけには行かなかった。

違和感を払拭しきれない横島は、目的は自分なのかもしれないと感じながらも、それを確認するために、こうしてナンパをし、今はワザとこんな言い回しで聞き出していたのだ。

 

「え?面白くないって、魔法科高校にとって大事なイベントよ、私も卒業生だからその事はよく知っているわ」

温子は横島の言動に訝し気に思いながら真面目に答える。

 

「温子さん折角のお話なのに、そんなつまらないお話はよしましょう」

真夜は温子にやんわりとその話題を止める様に言う。

(もう、温子さんはそんな無粋な話をするなんて、彼との会話に入ってこないでほしいわ)

 

 

 

そんな時だった。

 

「そこまでだ、二人共」

そんな話の間に不意に声が掛けた人物がいた。

九島烈が横島たちの席の前に現れたのだ。

 

真夜は一瞬の不快な顔をするが直ぐに元の微笑んだ顔に戻る。

(……これはいけないわ。横島さんとの会話に夢中で、警戒をおろそかにしてましたわ)

 

 

温子は明らかに狼狽していた。

 

「なんだよ、じいさん、せっかく美女二人と楽しいお話をしようと思ったのに!!」

横島はそんな九島烈に軽口を叩く。

 

「ふむ、横島くんも気がついておろう……ここでは人の目があり過ぎる、別室についてきたまえ」

そう言って、横島たちを席に立つよう促す。

 

「あら、先生。若者同士でお話をさせていただけないのですか?」

真夜はおどけた様に言いながら九島烈を見上げる。

 

 

「若いか……まあいい、君たちも来たまえ」

 

「強引だな、じいさん」

横島は愚痴をこぼす。

 

「あら、仕方ないですね」

真夜もそう言って席を立ち九島烈について行く。

温子もそれに習い真夜の後について行った。

 

 

 

 

そうして、国際会議場内にあるVIPの応接間に通され、高級そうなソファーにそれぞれ座る。

この時既に、魔法協会京都本部の十師族に横島の映像を送り届けることが出来なくなっている。

 

「で、じいさん、なんだよ話って、この綺麗なおねえさん達と知り合いみたいだけど」

 

「横島くん、彼女らは十師族の長だ」

 

「あら、先生、そんな事を言ってしまっていいのですか?」

真夜はワザとらしく驚いたような顔をして九島烈に言う。

 

「私は既に隠居の身だ……横島くんとは対等でいたいのでな」

九島烈は真夜にそう返答する。

 

「ごめんなさい。だますような事をして、改めまして、わたくしは四葉家当主をしています四葉真夜です。横島さん」

(横島さんならきっと許してくれるはず)

真夜は素直に謝りつつ、自己紹介を改めて行う。

 

「私は六塚温子、六塚家の当主よ」

温子はさっきの態度とは違い若干ツンとした態度をとる。

 

「へ~、こんな綺麗なおねえさんたちが、当主なんだ!!俺、てっきりじいさんみたいな奴ばっかりだと思ってた!」

横島はいつも通り平然と軽口を叩く。

彼女らが十師族の長を名乗ってもいつも通りなのだ。

普通気後れなどするのが当たり前なのだが……

 

「君は驚かないの?私たちは十師族の長なのだけど」

驚きもしない横島に温子はそう尋ねた。

 

「十師族だからって、取って食われるわけじゃないでしょ……むしろ、おねえさん達だったらに喜んで食べられたい!!」

相変わらずの横島節だ。

 

「あら、まあ」

真夜は一瞬驚いた顔をし、その後は終始嬉しそうにしていた。

 

「あなたねー」

温子は呆れた顔をする。

 

 

「……帰って、十師族の面々に言うが良い、横島くんに小細工は通用しないと」

九島烈は珍しく語気を強くして、厳しく二人に言う。

 

「先生、小細工ではないわ、わたくしは純粋に横島くんと話したかっただけ」

 

「君は気づいていただろ」

九島烈はそんな真夜の言葉を無視し横島に問う。

 

「流石におねえさん達が十師族の長とは知らなかったけど、大きな霊気が会場に接近すりゃ、警戒せざるをえない、これでも一応この会場の警備を任されていたんで」

横島は九島烈の言葉に答える。

横島は真夜と温子がこの会場に来る頃からマークしていた様だ。

流石十師族の長、霊気(エイドス)の内包している量がやはり通常の魔法師に比べ段違いに高いため、それがあだとなり横島に気付かれていたのだ。

 

「わたくしたちの事、気づいておられたのですね」

横島ならそれくらい出来るだろうと真夜は思いつつも、ワザとらしく驚く表情をする。

 

「最初っから……」

温子は横島に存在がそんな初期に気付かれていた事に驚きを隠せない。

 

「京都に入ってからずっと監視されっぱなしだったし、さっきまでもね。

迷惑なんでやめて欲しいんですが、他の十師族の方々にも言ってくれませんか?監視されるのはどうも……それと氷室家が狙いなら、俺に当たっても、意味ないですよ。そう言うことは当主通さないと」

横島は途中から口調を変え、真夜達に監視している事をやめるよう言う。そして、氷室家に取り入るのに自分にアプローチしても意味がない事を伝えた。

この手の事は横島に簡単に見破られてしまい逆効果になってしまうのだ。

 

「監視されていてるって分かっていても、あんな行動が出来るのね」

温子はムスッとした顔で、京都木屋町でのナンパなど数々の行動の事を指して横島にこう言った。

 

「他の方々はどうか知りませんが、わたくしはあなたに会いに来たのです。そんな失礼な事はいたしませんのよ」

真夜は微笑みながら、それは誤解だと横島に伝えたのだ。

真夜の目的は横島に会う事、唯それだけだ。

記憶の彼と横島とが同一人物かを最終的に見極めるためでもあるのだが……

真夜の目的はこの時点で達成されたと言っていいだろう。

 

しかし、罠は仕掛けてある。仕掛け先は十師族だ。

十師族に情報を伝える云々は方便であり、十師族の総意の前で堂々と横島と顔合わせが出来る様にする。これで、今後真夜自身が横島と堂々と会える土壌を作り、一度、認めてしまった以上十師族はそれを公に止めにくくなるのだ。

ナンパをされるなどと無茶もいいリスキーな提案をし、十師族を混乱させつつ、正常な判断が鈍っているうちに実行したのだ。まんまと、十師族全員が真夜の画策に嵌ったのだ。

 

「綺麗なおねえさん達だったら、個人的なお付き合いならいつでも大歓迎っすよ!!」

横島は先ほどの軽い口調に戻していた。

 

「まあ、お言葉に甘えようかしら、横島さんはわたくしの事をまだ、おねえさんと呼んでいただけるのですね」

真夜は嬉しそうに声を上げる。

(やさしい方、おねえさん…か……あの時は彼の方が年上だったのに、今は私のほうが大分上になってしまったわ)

 

「今後は横島くんにこのような行いは慎みたまえ、友人に手を出されるのは気分がいいものではない」

九島烈は二人を批判しそう言い放った。

 

「はい、でもわたくしも、先生のように親しみを持って、おねえさんと呼ばれる仲になりたいですわ。横島さんにおねえさんって呼ばれるのはとても新鮮で嬉しかったのです」

真夜は九島烈の言葉に懲りもせずそう言い、色白の顔にはほんのり赤みがさしていた。

(でも、先生が来てくださってよかったのかも知れませんわ。横島さんはわたくしが四葉だと聞いても態度が全然かわらないのですもの、これで体面を関係無しに四葉真夜として色々と話せますわね)

 

温子は横島に最初っから自分たちの存在気付かれていた事と、京都から監視者を付けていた事が、ばれていた事、そして、ここまで九島烈に信頼されている事に警戒心を持つのであった。

 

 

「すんません人待たせているんで。昼ごはん一緒に取る約束していたんですよって、うわ!!休憩時間もう終わっちゃう」

横島は思い出したように、警備タッグを組んでいる香取小鳥と昼食を一緒に摂る事を約束した事を言う。

 

「フフフフフッ、それなら大丈夫よ、お詫びに横島くんの休憩時間を延ばしてもらうわ、もちろん、香取さんもね。わたくしもその席にご一緒させてもらっていいかしら?」

真夜は横島に休憩時間延期引き換えに昼食に同席させる様に言う。

(なごりおしいわ。まだまだ、その声を聞いていたいわ)

 

「うーん、休憩時間延ばしてもらえるし、おねえさんならいいか」

横島は少し考えたが、了承の返事をする。

 

「私も、同席させてもらおうか」

九島烈は真夜を見やりながら横島にそう言う。

真夜を警戒しての事なのだろう。

 

「さすがにじいさん有名人だから、小鳥さんがびびっちゃうよ。また今度で」

九島烈は一般的に顔も知られている超有名人だ。流石にまずいだろう。

 

「ならば、今晩どうかね」

 

「ああ、いいぜ」

 

「先生ばかりズルいですわ」

真夜は拗ねた様な表情をするが可愛らしい様に見えるから不思議だ。

 

「君は今から行くのではないのかね」

九島烈は呆れた様に言う。

 

 

そして、横島、真夜と温子は元のレストランに戻ることになる。

真夜としては九島烈の襲来は予想外だったが、結果的には横島との関係が良い方向に向かっていた。

 

しかし、この後、あのような事になるとはこの時点では誰も予想だにしていなかった。

 

 




次回は横浜騒乱とその後の話になる予定です。

真夜チョコ誕生まで後2、3話です
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