このタイトル通りです。
極楽大作戦その1
横島が留学扱いになってから5カ月が経ち、2学期の初めのころ、第一高校の面々は珍しく、司波家に集まっていた。
そして達也から、皆にこう切り出した。
「皆、集まって貰ってすまん。協力してほしい」
「いいわよ。どうせ暇だし」
エリカは赤い髪を伸ばし、今では深雪と髪の長さが同じくらいになっていた。
「ちょっと楽しみだよね。ドクター・カオスが作ったVRMMOなんでしょ?」
幹比古は一年前に比べ、ひょろっとした印象が抜け、身体つきも多少がっしりとして来ていた。どうやら幹比古は多少なりともVRゲームには詳しい様だ。
「そうですね。吉田君」
美月は一年前に比べ、少々大人びた雰囲気になって来ていた。胸部ももちろんさらに成長している。
美月もどうやらVRゲームをやっていた口のようだ。
「俺さ、ゲームなんてやったことがないんだけどよ」
レオの印象はほぼ変わらないが、身長は伸び、鍛えた肉体は一回り大きくなっていた。
「私も、あまりゲームはやった事が無い」
雫は一年前と容姿はほとんど変わらず、相変わらず眠そうな目でそう答える。
「達也さん。私もそんなに慣れてないかな?達也さん、教えてくださいね」
ほのかは身長も少し伸び、さらにスタイルが良くなっているようだ。
「私も初めてなので、深雪はお兄様に教えて頂ければ助かります」
深雪も一年前に比べ、大人の女性へと徐々に成長していっていた。
「ああ、問題ない。初めての人間が居てくれると助かる。所謂βテストという奴だ。ゲームをやって、ゲーム性や問題個所、バグなどを探して欲しい。ドクター曰く、バグなどは存在しないそうだが、ゲーム性の評価をしてほしいらしい」
達也はそう言って、リング状の大きなゴーグルのようなゲーム機を皆に渡す。
これは今年発売されたばかりの新型フルダイブ型のVRゲーム機の本体だ。
このゲーム機を装着し、ゲームを起動すると、ゲームの世界に入ったかのような体験が可能なのだ。
そして今回、そのゲームソフトをドクター・カオスが開発し、そのテストを達也に頼んだのだ。ドクター・カオスに頼まれれば達也は首を縦に振るしかない。
そこで、同級生の友人達に頼んで、こうして集まって貰ったのだ。
因みに、この4月から司波家には桜井水波という達也たちの一つ下で、達也たちの従兄妹という立場の居候がいるが、今日は出かけて家に居ない。
その実は、水波は四葉家が送り込んだ深雪のガーディアンであるが、達也と深雪の友人達が集まるという事で、気をきかせて出かけたのだ。
このVRゲーム機、一年ちょっと前に問題となったVRゲーム機の後継機だ。
問題とは、ゲーム内で死亡すると現実世界で死ぬような設定がなされていたのだ。
だが……、猿顔の『ハヌマン』というプレイヤーが一瞬でクリアしてしまったため、死亡者ゼロで全員助かったのだ。
それでも、殺人未遂事件として世間を騒がせた、ちょっといわくつきのゲーム機であった。
「俺もドクターから詳しい内容は知らされてない。何でも画期的なVRゲームらしい。ゲーム内でチュートリアルがあるそうだ。ゲーム機を装着し、それぞれ用意したベッドとソファーに横になってくれ」
達也はそう説明し、女子陣は客間に用意した簡易ベッドに、男子共はリビングのソファーや簡易ベッドに寝転がる。
「「「「「「リンク・スタート」」」」」」
皆は一斉にそう声を上げ、ゲームを起動する。
すると皆はゲーム内にフルダイブしタイトルが表示される。
『極楽大作戦』と……