横島MAXな魔法科生 番外編!!   作:ローファイト

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ご無沙汰しております。
本編終了後直ぐのお話しです。


【番外編】真由美デート編 前

 

(横島くん。二つ年下の後輩で、最初はちょっと手のかかる弟のような感じだったのだけど、今は彼が愛おしくて仕方がない。この気持ちをどうすれば……)

真由美はベッドの中で、横島の事を思い浮かべると悶々とし、中々寝付けなかった。

 

真由美はベッドから起き、部屋に明かりを灯し、カーディガンを羽織りながら机へと向かう。

椅子に座り空間ディスプレイを立ち上げ、情報端末を操作しだす。

空間ディスプレイには横島の顔写真と共にプロフィールが表示されていた。

【横島忠夫、16歳、国立魔法大学付属第一高校、1年F組の二科生、来月4月からは2年生に……。血縁者無し。救済の女神の氷室家の家人であり古式魔法師、本人は陰陽師を名乗るが詳細は不明、氷室家本家との関りからは遠縁である可能性が高いとのこと。

戦略級魔法、世界最強の防御系魔法と名高い『救済の女神』の史上二人目の使い手。

戦略級魔法『救済の女神』は防御系魔法とされているが、実際には究極の精神感応系魔法である事が判明している。実績として、フェイ兄弟の捕縛、ルー・ガンフゥの捕縛、横浜事変で『救済の女神』を発動し、大亜連合のレールガンによる砲撃を無力化、さらに侵攻部隊を無力化、2月末には自ら指揮をとりパラサイト事件を解決。その戦闘能力は1人で国防軍の師団級であると目されている】

これは七草家のデータベースに登録されている横島に関する情報だった。

 

【ヨーロッパの魔王天才錬金術師ドクター・カオスと世界最強の魔法師の一角である人造人間魔女マリアとは親交が深く、国防軍やUSNA軍からも脅威と……】

 

(横島くんが脅威?横島くんは人を守る時にしかその力を使わないわ。あんなに凄い力を持ってるのに力を誇示しないどころか全く偉ぶらないわ。悪ふざけが過ぎる事も有るけど、それは実は彼の優しさからくるもの。……たまに見せる寂しそうな瞳は寄り添ってあげたくなる。でも、私を守ってくれた時は私よりもずっと年上に……大人びて見えた)

 

(……横島くんはいつも明るく振舞っていたのだけど、高校に入る前に大切な女性を2人亡くして、女性の好意を怖がっていると……、それをマリアさんから聞いた時、何故かさらに横島くんが愛おしく思えてならなかった。普段の横島くんとのギャップがその…私を余計にドキドキさせる……)

 

(そう、私は横島くんに恋をしている。本来私は十師族七草家の長女であり恋などをしてはいけない立場、親に決められた有力魔法師族と婚姻する定めなのだけど、幸い横島くんは氷室家の家人であり、本人も戦略級魔法師であって、あの策謀家の父も喉から手が出る程欲しい人材なものだから、積極的に後押ししてくれるみたい。だからそのあたり憂いは無いわ。

それで、横島くんに卒業式の日に勇気を振り絞って好きだと告白したし、それからも今迄通り横島くんの夕飯を作りに毎日横島くんの自宅に通っているのだけど……、進展はない……はぁ……)

 

(横島くんに好意をよせているのは、私だけじゃない。北山雫さんにリーナさん、それと北山さんから聞く限り、氷室家次期当主の氷室要さんに、横島くんの武術の姉弟子である妙神竜姫さんも……。マリアさんから横島くんへの好意は恋とは違う様に見えるけど、油断ならないわ。もっか恋のライバルで強敵なのはリーナさん。あの積極性は脅威だわ。留学期間を終えUSNAに帰ったハズなのに、横島くんの自宅に入り浸ってる始末……。如何にかしないと)

 

(私、そう言えば横島くん以外で恋なんてしたことがないわ。これがきっと初恋。だから、恋人を作るなんて経験はないから、この後どうすればいいのか……誰かに相談といっても、お父さんに相談はちょっと……あっ!そうよ!)

 

翌日真由美は友人を食事へと誘う。

 

 

 

ここは新宿のとある高級レストランの個室。

「ごきげんよう、摩利」

「直接会うのは卒業式以来か真由美、わざわざこんな場所まで用意して、相談とはいったいなんだ?」

白のワンピース姿の真由美の前に、動きやすそうなトレーナーにパンツズボン姿の渡辺摩利が席に着く。

 

「えっと、その相談と言うのはね……」

「ん?なんだ、言いづらい事なのか?七草家の任務関連の手伝いか?」

少々顔を赤らめ言葉が淀む真由美に、摩利は訝し気に聞き返す。

 

真由美は意を決したように立ち上がり、摩利に迫る勢いでこんな質問をする。

「摩利!千葉修次さんにどうやって告白して、恋人になって貰ったの!?」

 

「な!?な、なにを言ってるんだ真由美!!」

真由美の予想外の質問に、さらにこんな気恥しい質問を投げかけられ、さすがの摩利も顔を赤らめ慌てふためいていた。

 

「摩利は、修次さんと付き合ってデートに出かけたりしているのでしょ!だから、どうやって修次さんと付き合うようになったのか、どういう告白をして、修次さんに恋人になる了解を得たのか教えてほしいの!」

そう、真由美は親友の摩利に恋の相談を持ち掛けたのだ。

今迄、真由美は横島に関する恋愛事を誰にも相談してこなかった。

気恥ずかしいというのもあるが、相手が二つ年下の横島で、しかも今まで男性扱いをまるでしてこなかった相手であり、今更感があったからだ。

そうもいっていられない状況に、意を決して親友に相談を持ち掛けたのだ。

イケメンの恋人がいて絶賛恋愛中の渡辺摩利であれば、男の落とし方が分かるのではないかと……

 

「そ、そのだな……。ん?真由美、好きな奴が出来たのか……達也君か?」

 

「ち、違うわ」

 

「では誰だ?……ん?…ま、まさか横島か!?」

摩利から見て、真由美が意識していそうな人物は達也か横島だろうとは思っていたが、まさか横島を本気で恋愛対象として見ていたとは思いもしていなかった。

 

「そ、そうよ!でも、私、恋なんてしたことがないからどうすればいいのか見当がつかなくて、それで恋人がいる摩利だったら、何かいい方法を知ってるんじゃないかと」

 

「本当に横島か!?」

 

「本当よ。何か変!?」

 

「変って、まあ、そのだな……、まあ、悪い奴では無いが、まさか真由美がな」

 

「だって、仕方がないじゃない!好きになっちゃったんだから!!」

 

「いや、悪かった。でも、北山にあの留学生も横島を狙っているんじゃないのか?」

 

「そうよ!だから手遅れになる前に、早く手を打たないといけないのよ!」

 

「成る程、よくわかった。だが、あまり教えられることは無いぞ」

 

「どうして?」

 

「私は普通にシュウ(修次)に付き合ってほしいと告白しただけで、特別な事は何もしていない」

 

「いきなり告白して付き合えたってことじゃないでしょ?それまで、修次さんに何らかのアタックをかけていたのでしょ?」

 

「確かにそうだ。……いや、うーむ。どうだったか、私はシュウの事が好きになったのは、何となくだからな、最初は千刃流の先生と生徒の立場だったが、いつの間にか好きになって、シュウと一緒に居たくて、ずっと付きまとって居た感じだ。シュウの方も私の事をその……女として見てくれていたみたいだしな……」

 

「成る程、女性として見てもらうのがいいのね」

 

「いや、それはシュウの場合だからな、横島の事は知らん。あいつは大体、すべての女をスケベな目線で見てるだろう」

 

「そうだけど!そうじゃないの!うーん、どう言ったらいいのか……、横島君はああ見えて一途でピュアなのよ」

 

「何を言ってるんだ?横島がピュアとか、全く真逆だぞ」

摩利がそういうのも無理もない。

普段の横島のスケベな行動から、ピュアという言葉が全く縁遠く聞こえて当たり前だ。

 

「横島君のあの行動は、裏返しなのよ。横島君は本当は女性とお付き合いすることを恐れているの……この頃は大丈夫な気がするけど」

 

「はぁ?どういうことだ?女性に恐怖?横島の奴がか?」

 

「私、マリアさんに聞いたの、横島君高校に入る前に大切な女の人を二人次々と亡くしたらしいのよ。それがトラウマで元の本来の力も出せないとか……」

 

「ちょ、ちょっと待て、あれで本来の力が出せていないだと!!横浜の彼奴は人間の能力の限界を遥かに超えていた!冷静に考えれば考えるほど身震いが止まらなかった!それを……」

 

「そうじゃないの……マリアさんは横島くんは本来戦いをするような人じゃないって、私もそう思う。パラサイト事件の時に、横島君と一緒に戦ったのだけど、横島君の戦っている姿はどこか寂し気で……つらそうなのよ」

真由美はこの言葉の続きに、だから寄り添ってあげたいという言葉を口に出さずに心の中で続ける。

 

「……マリア、魔女マリアだな。ドクター・カオスも横島の旧友らしいが、ふぅ、そうか……、確かに奴はセクハラまがいなことをやるが、どこか本気じゃなかった。奴が本気の力を出せば私など、奴に簡単に組み伏せられていただろう……なるほど、そういうことがあるのかもしれないな、よく考えれば横島は真由美には行き過ぎた行動に出ることはなかったな」

 

「……もしかして、私に魅力がないからなのかしら……」

真由美は徐々に顔が青ざめていく。

確かに横島は真由美に摩利に対してのようなセクハラに出ることはなかった。

それは、真由美に魅力がないからではない。

横島はセクハラをしても大丈夫な人物なのかを本能的に嗅ぎ分けて実行に移していたのだ。

横島のセクハラに傷つく女性にはまず行わない。

笑い飛ばすか、殴って済ますような人物にしか行わないのだ。

 

「そんなことはないぞ。真由美は男子受けが良かった。学校でもモテていただろ」

 

「そんなことはないわ!私、男子から告白を受けたことないもの!私に魅力がないから、男の人から見たら私なんて私なんて……だから横島君は」

真由美は顔面蒼白になり涙目の半泣き状態に……。

 

「真由美、落ち着け、それは真由美が十文字の許嫁だったからだ。あの十文字だ。男子どもは二の足を踏んでだな、そういう目的で近づくことすらできなかったからだ」

摩利は真由美を落ちつかせようと、席を立ち、真由美の肩にそっと手を置き諭す。

確かに真由美は十文字克人と許嫁関係であった。

だが真由美も十文字もお互いその気が全くなく、事実上の解消状態であり、両家の親もそれをほぼ黙認し、体面上、高校卒業まで形だけの許嫁関係を保っていたにすぎない。

高校卒業とともに正式に許嫁関係を解消されたのは、つい最近の事だった。

そんな事情など当時の生徒たちは知りようもなく、真由美に恋心を抱いた生徒たちは、十文字の存在に、何もできずにあきらめざるを得なかったのだ。

 

「でも、私は横島君の好みじゃないのよね……」

 

「そんなことはないだろう。去年の4月だったか、真由美とデートと聞いて、あの喜びようだ」

 

「でも、横島君はなぜ私には、摩利にみたいにスキンシップしてくれないの?」

 

「あれはスキンシップとかそういう次元の問題じゃないぞ。セクハラというものだ」

 

「でも……でも……」

 

「だったら、もう一度横島とちゃんとしたデートをしてみろ、それで奴の反応もわかるだろうし、いい雰囲気になれば、恋人になれと告白もできるだろ?」

 

「……でも……でも」

 

「真由美自信を持て!大丈夫だ!真由美は女の私から見ても美人で魅力的だ。それに横島の奴は北山については妹扱いだ。それに留学生も横島と同い年なんだろ?横島の行動を見るに奴は年上好みだ」

 

「……うん、でも横島君一人を連れ出すのは今は難しいわ」

真由美は摩利の励ましに幾分か持ち直したようだ。

だが、横島をデートに誘うには、今はいろいろと問題がある。

横島のマンションは常に友人の誰かが居座っているのだ。

雫やリーナがいれば間違いなく妨害されるだろう。

しかも、最近は妙神竜姫も訪れるようになり、親族の氷室要も春休みを利用して遊びに来ていた。

あと、真由美は眼中には全くないが、六道芽衣子も邪魔をしてくるだろう。

 

 

「それに、真由美の父親も後押ししているのだろ?妹たちも横島と顔なじみだ。なんとかなるだろう。私もバックアップする」

真由美の父、七草弘一は間違いなく、横島を七草家の婿へと虎視眈々と狙っていた。

真由美の三歳年下の双子の妹、香澄と泉美も横島と意外と親しい仲だ。

摩利の協力に七草家の総力を使えば何とかなるだろう。

 

「そうね。きっと何とかなるわ」

真由美は自信を取り戻し、頷く。

 





横島を巡り争っているライバル達の現在の状況は……

北山雫。
横島と同級生、一番最初に横島に好意をよせ、真由美は過去にそれを後押ししたこともあった。
北山財閥のご令嬢で、親も公認のようだ。
横島との関係は仲のいい兄妹にも見える。

アンジェリーナ・クドウ・シールズ。
横島と同学年の留学生。その実はUSNAが誇る戦略魔法師であり、エリート魔法部隊スターズの総隊長でもあった。
記憶喪失中の横島にUSNAで出会い、その頃から積極的に好意を示してきている。
横島自身は妹のような扱いだが、リーナは積極的に横島に好意を示していた。
真由美はUSNAの動向は知らないが、USNAのバランス大佐は横島を取り込めるなら取り込みたいと考えていた。

マリア。
ドクター・カオスの相棒にして、カオスの手によって創造された人造人間。
世界最強の魔法師の一角で、魔女マリアの名で恐れられている。
その実は、常識人でその振る舞いは真由美の目からしても淑女然とし、横島からも全幅の信頼を得ていることがわかる。
だが、横島との関係は恋人などには見えず、親友という言葉が当てはまると真由美は思っている。

妙神竜姫。
横島の武術の姉弟子で、真由美も横島の自宅で二度程しか顔を合わせていないが、小柄でかわいらしい人物だと……。
横島からは敬意を払われているが、恋人同士には見えない。今のところ真由美は脅威に感じていない。
その実は小竜姫という神様で、横島とはマリア同様に付き合いが長い。
嫉妬深く、歴史の裏では第一高校や日本は幾度となく嫉妬の嵐で滅亡のピンチに……。

氷室要
次期氷室家の当主。
現在中学3年生で、この春から第一高校に入学する。
七草家の調べでは横島は氷室家本家筋の遠い親戚と推測。
横島が氷室本家でずっと過ごしてきたと推測しているため、真由美は一番横島と付き合いが長いのが要だと勘違いしている。
実際には、横島と要が一緒に過ごしたのは2か月程度である。
真由美は要と横島のマンションで一度しか顔を合わせていない。
要は高身長でスタイルもよく、真由美から見ても美女に見えるが、明らかに横島からは年が離れた妹扱いであり、要からも横島に対しそっけない態度をとっていたため、恋のライバルだとも思っていない。
要はかなりのツンデレであるため、横島自身、その好意にまったく気が付いていない。

六道芽衣子
六道家当主28歳。
最強の式神使い。
真由美とは相性が悪い。
横島に何かと結婚だ婚約だとまとわりついて来る質の悪い年増だと、真由美は思っている。
恋のライバルというよりも、お邪魔虫扱いだ。
だが、芽衣子自身かなり頭が回り、積極性もあり、意外と横島はこの手のタイプの押しに弱かったりする。


真由美が全く意識はしていないが……
四葉真夜
四葉家当主、達也と深雪の叔母にあたる。
達也がいろんな意味で最大限に警戒している人物である。
横島に疑惑のチョコレートケーキを送った張本人である。
横島とはいろいろと因縁があるようだが……。

司波深雪
皆の記憶に残っていないが、横島にファーストキスを奪われた美少女。

司波達也
達也と横島の関係を一部のコアな女生徒から達×横だと思われてる。


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