横島MAXな魔法科生 番外編!!   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
真夜編の続きです。


真夜のバレンタインデー前編

(貢さんに釘を刺したのに、横島さんに見つかってしまうなんて……

あれ程、横島さんの半径1㎞以内に近づかない様にと伝えましたのに)

 

(しかし、致し方がありませんわ。USNA軍スターズの監視が貢さんの任務ですから。

そのスターズの拠点にUSNA軍制服組の大物、バランス大佐が姿を現し、そこに横島さんが訪れたと言うのだから……、予想では、対パラサイトの三陣営協力体勢の事前打ち合わせでも行ったのでしょう)

 

(幸い、横島さんは貢さんを見逃してくれたのですから、今は良しとしましょう。

ですが、スターズの拠点監視はこれでより一層難しくなりましたわね。

貢さんにはスターズ監視から離れてもらい。パラサイトの動向を探る方に力を入れてもらいましょう。)

 

真夜は貢からの報告を受けた後、プライベートルームのソファーに腰を下ろし。

思考を巡らせていた。

真夜は分家の黒羽貢や新発田勝成に日本に潜伏するUSNA軍と在日USNA軍の幹部の動きを探らせていたのだ。

一つ目は、USNA軍が探している『灼熱のハロウィン』を起こした人物について、何処まで把握しているのか。

二つ目は、パラサイト事件をUSNA軍が独自に探っている動きを見せているのは何故なのかだ。

二つ目については、日本に帰って来た横島から、USNA軍とパラサイト事件の関係を大凡の真相を聞いた深雪に、報告を受けていたため、今はその裏取りをさせていた。

 

黒羽貢は、USNA軍の大物であるバランス大佐の動きの追跡を行ってる最中に、横島に出くわし、監視していた事がばれてしまったのだ。当の横島には自分が監視されていたと勘違いをされていのだが。

いずれにしろ、貢はUSNA軍の監視を行う事が出来なくなったのだ。

 

 

 

 

(横島さんにお会いしたいですわ。せめて、お話だけでも……)

 

真夜は横島の名前が報告に上がり、ますます横島と会いたい衝動に駆られていた。

 

 

(九島先生はずるいですわ。

本当に横島さんと親しい友人関係を築くなんて……、どうやら個人的に連絡を取り合ってる風ですし。

私もプライベート電話番号とメール番号を交換したいですわ)

 

真夜は横島との連絡手段を持っていなかった。

いや、四葉家の情報収集網を使えば、簡単に手に入るだろうが、それをあえてしていなかったのだ。

横島の承認なしに、勝手に調べたと思われたくなかったのだ。

 

(深雪さんや達也さんなら知ってるはずですわね。

それとなしに聞いて見るのも……ダメですわ。今のわたくしの立場は飽く迄も深雪さんと達也さんとは他人の関係)

 

 

 

真夜はそんな思いをし、居ても立っても居られなくなり、新たな横島の動向情報がないかと、それとなく聞くために、深雪に連絡を入れる。

 

「深雪さん、こんばんは。お時間いいかしら?」

 

『ご当主様、ご機嫌うるわしく』

 

「達也さんはどちらに?」

 

『ガーディアン司波達也は本日、FLT開発部に出向しておりますが、まだ帰宅しておりません』

 

「あら、深雪さんを置いてお出かけですか」

 

『いえ、決してそのような。私も今日は1人になりたいと思っておりましたので……』

 

「そうですか……?深雪さん、後ろに映っている物は何でしょうか?」

 

『その…少々料理をしておりました』

 

「達也さんは幸せものですね。深雪さんに料理を振舞っていただけるなんて、何の料理をされていたのですか?」

(男の人は女性に手料理を振舞われると喜ぶと聞いた事がありますわね。横島さんもそうなのでしょうか?)

 

『チョコレートを作っておりました』

 

「あら、達也さんは甘いものがお好きでしたか?」

 

『明後日にはバレンタインデーなのでチョコレートと作っておりました。学校でお世話になった方々にプレゼントするためです』

 

「バレンタインデーですか」

(確キリスト系の祝事でしたわね。日本では女性が男性にチョコレート菓子などを贈る風習があったと記憶しておりますが。)

 

『はい』

 

「達也さんにプレゼントされるのですね」

 

『……はい』

そう返事をする深雪は顔を赤らめていた。

 

真夜はそんな深雪を見て何かを思いつく。

(これですわ!これならば横島さんに違和感なくコンタクトが取れるかもしれません!)

「わたくし、用事を思い出しました。深雪さん。ごきげんよう」

 

『は、はい』

真夜から何の用事なのかも聞かされないまま、話を切り上げられ、深雪は少々訝し気な顔をしていた。

 

 

 

 

真夜は早速ネットでバレンタインデーについて情報収集を行った。

(女性から殿方に愛の告白をする日!?思いの丈をチョコレートにのせプレゼント!?バレンタインデーとはこのような催事でしたとは………)

 

真夜はバレンタインデーの存在は知っていたが、内容まで詳しく知らなかった。

思春期時代の真夜は、この世のすべてを恨み呪っていた。

特に男を激しく嫌悪していたため、このような事には全く興味が無かったのだ。

 

(わたくしが横島さんにチョコレートを!)

そう思うと真夜の空虚な心に温かい何かが流れるような感覚が芽生える。

 

(……しかし、受け取っていただけるかしら。……ですが、この日は殿方に拒否権が無いようです。……少ないチャンスを最大限に生かし、最大限の効果を上げるのが四葉のやり方、いえ、わたくしのやり方ですわ!)

 

 

真夜は自室のベルを鳴らす。

 

「お嬢様、お呼びでしょうか?」

第一執事の葉山がノックし真夜の自室の扉を開ける。

葉山は古くから四葉家につかえる執事で、齢80前、四葉家の最古参である。

真夜が幼いころから付き従い、四葉家内での真夜の信頼が最も厚い人物である。

 

「チョコレートを作ります。最高の素材と最高のレシピを用意してください。期限は明日までです」

 

「かしこまりました。さっそく手配いたします。最高のパテシエに作らせましょう。ベルギーまたはフランス何方になさいますか?」

葉山は粛々と返事をする。

 

「パテシエは要りません。わたくしが作ります」

 

「………はい、ではパテシエにはレシピと調理手法映像を送らせます」

葉山が直ぐに返事をしなかった事はここ10数年なかった。

それ程真夜の『わたくしが作ります』が衝撃的だったのだ。

真夜は一度たりとも、キッチンに入ったことが無い人間だ。その真夜がチョコレートを自ら作ると言ったのだ。長年仕えてきた葉山の衝撃はどれ程の物か……

 

「よしなに」

 

「それでは失礼いたします」

真夜の自室を後にした葉山は、何故か目頭が熱くなっていた。

急いで真夜のチョコレート作りへの手配を家人に命じて行く。

 

 

 

 

翌日。

真夜は本家自宅のキッチンに入る。

ちょっとしたレストランの厨房ぐらいの大きさが有るキッチンには、高級なチョコレートの素材やらが所狭しと置かれていた。

 

「お嬢様、ご希望の物はすべて用意いたしました。こちらが調理する上に必ず必要なお召し物です」

葉山はそう言って、フリルのついたリボンの刺しゅうなどをあしらったピンク色のエプロンを真夜に見せ、それを真夜に着せる。

 

「そうなのですね」

漆黒のドレスの上にピンクの可愛らしいエプロンを着た真夜を見た葉山は、目頭を押さえていた。

 

「チョコレートと一口に言っても、種類が沢山あるのですね」

真夜は葉山が用意したチョコレートのレシピ表を眺める。

 

「はい、お嬢様」

 

「葉山さん、若い男の子に贈りたいのですが、どのようなものが喜ばれますか?」

 

「……達也殿にでしょうか?お嬢様が贈られるものであれば何でも……」

 

「うふふふっ、違いますわ。バレンタインデーのチョコレートです。気なる殿方に、ですわ」

少々悪戯っぽく微笑む真夜。

 

「!!??……失礼しました」

葉山は細い目を最大限に見開き驚く。真夜から、バレンタインチョコレートを贈りたい気になる男が居たという事に……あの男を嫌悪し近づきもしなかったあの真夜が、しかも今迄見た事も無い素直な微笑みを浮かべながら気になる男がいると言ったのだ。

真夜の今迄の人生を見て来た葉山にとって、心臓が飛び出るくらい驚愕な出来事だったのだ。

 

「うーん。どうでしょうか?若いのだから量が必要ですわよね」

真夜はレシピ表を見ながら楽し気にしていた。

 

「………お嬢様、若い殿方とはどのような方でしょうか?」

葉山は深呼吸をし、心を落ち着かせてから、真夜に聞く。

 

「強くて、元気で、楽しくて、とても優しい方ですわ」

真夜がこう答えるが、葉山に思い当たる節が無い。

 

真夜は続けて……

「うふふふふっ、わたくしの事を何でも知ってる葉山さんにもわからない事があるのですね。横島さん。横島忠夫さんですわ」

 

「!!??……お嬢様、まさか……失礼いたしました。前年末の京都でお会いしたあの少年でしょうか」

 

「そうですわ」

真夜は若干頬を染めていた。

 

「!?……承知いたしました。この葉山、全力でサポートさせていただきます」

葉山は力強くそう断言した後、今だレシピ表を見ながら楽し気に何を作ろうか考えてる真夜を余所に、キッチンを出て、四葉家本家に従えてる家人全員を呼びつけ、命令を下す。

 

 

5分後……

葉山の携帯端末にある情報が入る。

四葉家本家の英知を集め、横島忠夫についての情報と、年頃の若い男が、年上の女性からバレンタインデーで何を貰えば喜ぶかをリサーチさせたのだ。

横島については、あらかじめ標準的な情報はあったが、食べ物の嗜好などは調べようがない。

ただ、年上好きなのではないかという予想をしている。

そして、導きだした答えは、年上のお姉さんに貰って嬉しいチョコランキング堂々1位の大人の香りがするチョコレートケーキだった。

葉山はその情報を見て、大きく頷く。

 

「お嬢様、こちらのチョコレートケーキなどはいかがでしょうか?若い殿方は清楚な大人の魅力ある女性に惹かれるものです。チョコは2種類用意いたします。こちらのチョコは少々苦みのある大人を表現し、もう一つは程よい甘さで、癒しと包容力を表します。ケーキに使用するスポンジは柔らかい印象も与え、間違いなく喜ばれるでしょう」

 

「それですわ葉山さん!このチョコレートケーキに致しましょう」

 

「承知いたしました」

 

こうして、真夜のチョコレート作りは始まったのだ。

 




勿論後編がありますw
真夜さんの魅力が出てればいいですねw
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