ちょっと過去に戻りたい   作:黒彼

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遅くなってすいません!!
今回のお話で本当にセリフに悩み、…段々こんなの待っている人なんているのかなんて疑問に思ってしまいまして…。
ですがこの作品が評価されているのを見て、頑張ろうという気持ちになりました!
お気に入り登録して下さっている方、感想やアイディアを書いて下さってる方、評価して下さっている方、本当にありがとうございます。励みになります!


ちょっと魔がさしました

 

「これ…いいの?お金払ってもらって…」

「あぁ、別にいい。金はまだ余っている。まぁ時間が巻き戻ってしまったらどうなるかは分からないがな」

 

ん?おぉ、オッスオッス、クラウディアだよ!

今?ミランダの服を見繕ってるんだよ。

黒い服もいいんだけどね、周りに暗い印象を与えちゃうからそこから変えてしまおうと。

ラピスラズリ色のローブ・モンタントにそれより少し薄い色のストール。そして髪型をハーフアップにしてブラウン色のバレッタで髪を留めれば、印象がガラリと変わる。靴はパンプスにした。

転びやすいならヒールの低いパンプスに。

裾を踏んでしまうなら少し丈を短くすればいい。

青系統にした理由は青は気持ちを落ち着かせる効果があるから。初めは緑にしようか悩んだが明るい緑しかなかったから、青にした。普段落ち着いた色を着てる人が派手めな色の服を着ると落ち着かないと思う人がいるから、一応落ち着いた色にしておいた。

 

「わぁ!」

「ミランダ、綺麗よ!」

「え、えぇ、ありがとう…」

「では、次に仕事を探そう」

 

雰囲気が変わったミランダを見て、街の人達は驚いている。

元が美女なのだ。暗い雰囲気を取ってしまえば、あとは儚げ美人しか残らない。

綺麗だと褒められたミランダは顔を綻ばせ、穏やかな雰囲気を纏っている。

あのミランダをバカにしていた子供達は、持っていた棒を落として顔を赤くしている。

残念だったな!今惚れた所で遅いんだよ!マリくらい性格を良くしてから出直しな!!

その頃にはどうなってるか分からないがな!!(嘲笑)

あぁ、愉悦愉悦。心が弾む。なんて心地がいい!

 

「仕事なんだけど、就いたことの無い所はある?」

「え、あ、ここと、ここと…」

 

フムフム、給仕が少ないな。という事は働くのなら給仕がいいのか。

まぁ、建設などは男手を求めるだろうし、この中で私以外ぶっ通しで出来ないだろうな。

……イノセンス無しの場合の話だよ?

 

「…少し考えたのだがいいか?」

「何?」

「繰り返された時の記憶はミランダ以外は残っていないんだろう?」

「えぇ」

「それなら同じ職場で働いても良いんじゃないか?」

「どういうこと?」

「繰り返された記憶が向こうには無いという事は、雇った記憶もなければ解雇した記憶もない。ならば、一度やり、手順が少しでも分かる所に何回も勤め、ミスしたところを直していけばいいんじゃないか?」

「「!!」」

 

同じとこで働けばいいのにって読んでて思ってたんだよね。

ミランダは真面目過ぎるんだよ。俺だったらそんなズルをやる。

良い事ではあるんだけど、そういう人って報われないことが多いんだよね…。

 

「そうですね!そしたら仕事の範囲も増えますよ!」

「じゃあ、本当の10月9日以降に受けた仕事も範囲に入るわね!」

「えぇ!あぁ、何で気付かなかったのかしら!」

 

………だからといって、それが旨くいくとは思わないけれど。

原作でミランダがアレン達へ宛てた手紙に書かれていた”私を試すため”。

もしそれが合っていたのなら、こんな後出しジャンケンのようなことを、(イノセンス)は許すのだろうか。

 

 

 

結果は失敗。

何故か電話は繋がらないし、就活目的で店に入ろうとすると見えない壁に阻まれ、買い物目的なら入れたから一旦入ってから店の人に頼もうとしたら、声が出ない、紙に書けないので伝えられない。いっその事、店先で叫んでやるとアレンが試そうとしたらまたしても声が出ない。

徹底的にイノセンスに邪魔された。

何時間か奮闘したが駄目だったので諦めて、他の仕事を探した。

 

「期待させてすまなかった」

「謝る事じゃないですよ!次を見つければいいんですよ!」

「そうよ!そもそも私の事を考えてくれた案なんだもの、嬉しかったわ」

「…そう言ってくれると嬉しいよ、ありがとう」

「!」

 

え、急にミランダの顔がガ〇スの仮面風になったんだけど。

おそろしい子!みたいに手を口元に持ってくるポーズしてんだけど。何があった。

 

「…何か変な事を言ったか?」

「え!?あ、いえ、その…私お礼言われたことが無かったから…ビックリして…」

「」

 

そうでした――!ミランダ、それ気にしてたんだった―――!!

え、ヤバくね?………ヤバい?ヤバいの…か?

 

「…?ミランダは誕生日を祝われたことが無いのか?」

「え?あるわよ?」

「では、感謝されたのは初めてではないな」

「「え?」」

「え?」

 

え、アレン達も疑問符浮かべてるよ。

あっれ?おっかしいなぁ?前世からの俺の常識は非常識であった?うわ、ショック。

先生達も言ってたから合ってると思ってた。

 

「誕生日は”生まれてきてくれてありがとう”を伝える日だと思っていたのだが…」

「え」

「だってそうだろう?生まれる前に赤ん坊が死ぬ確率は500人の内の1人。まあまあ高い確率で死んでしまう。そんな中、無事に生まれ、すくすくと育つ。こんなに嬉しい事はないだろう?先生も言っていたが、誕生日は相手に出会えたことを感謝する日だと私は思っている」

 

聞いていた3人はとてもポカンとした顔をしている。

………………恥ずかしっっ!!

何語っちゃってんの俺!恥ずかしっ!!うわ――!穴を掘って入ろうかな!?

主人公じゃないんだから俺に合わないこと言わなくていいんだよ!あ――、恥ず!!

 

「………何だ、急に黙るな」

「いえ、その…」

「ディア…」

「何だその顔は。その”この人、こんなキャラだっけ”みたいな顔で私を見るな。らしくないのは分かっている。羞恥で少年を殴ってしまいそうだ」

「何でですか!?」

「しょうがない、お前が悪い」

「責任転嫁!?」

 

開き直って何が悪い?にしても、アレンは完璧にツッコミ属性になったな。

にしても、そのにやけた顔を止めろリナリー。

いつまで硬直しているんだミランダ。

 

「いい加減動くぞ。仕事が見つからなくなる」

「あ!急がなくちゃ!」

「ミランダ、行くわよ」

「…ハッ、えぇ!行きましょう!……ディア、ありがとう」

 

アレン達が急いでミランダを連れてどこかに小走りで向かっていく。

何に感謝されたかは分からないけど、笑顔なのは良いことだよね!

 

――俺達を観察しているような視線を感じながら、俺はアレン達の後に続いた。

 

 

 

結局、原作通り仕事を見つけては辞めさせられるというのを繰り返し、現在6件目のあの売り子をやっている。

そうだ、今日、ロードが出てくる。

とりあえず改善策としてはミランダから離れないことだな。アレンに売り子をやる時間をずらしてもらえれば何とかなるだろう。では、その穴埋めを誰がやるか。

………俺ですよねー。…ハァ。

 

 

ミランダSIDE

アレンくん達が来て数日、色んな事が変わった。

街全体で起きている異常。私以外誰も気づいてなくて、理解してくれる人がいなくて、寂しくて、寂しくて…。

本当に気が狂いそうになった時に現れたのが彼等だった。

アレンくんは約束してくれた。

リナリーちゃんは話を聞いてくれた。

ディアさんは、…私にありがとうと言ってくれた人。

こんなに優しい人に会ったのは、初めてだった。

ディアさんは特に、優しかった。ご飯を買ってきてくれて、服を見繕ってくれて、”ありがとう”をくれた…。こんなの、両親以外初めてかもしれない。背筋がいつも伸びていて、前を向いている……私が嫉妬交じりの羨望を向けている人。

この人達は私が何度も失敗しても、見放さないと思う。

イノセンスの事もあるんだろうけど、彼らは絶対に人を見限らない人だと数日過ごしただけで分かった。

私を揶揄う人達のように、私を馬鹿にしない。

私の両親のように、私を諦めたりしない。

こんなにいい人達に会えるなんて、私の運を使い果たしてしまったんじゃないかと内心冷や冷やしてしまう。

この人達の為にも、この奇怪を解決したい。

もう5件も仕事が続かなかった。今度こそ、頑張るんだから…!

 

「は―――い、いらっしゃい、いらっしゃーい」

「ピテール劇場のホラー演劇、”カボチャと魔女”は本日公演――!」

「チケットいかがですか~?」

 

今、6件目の仕事をしている。売り子のお仕事。絶対失敗したくない!

隣でディアさんが玉乗りをしているから視線が集まっている。

それをチャンスに必死に声を掛ける。普段あまり話さないから少し辛いけど、頑張って声を上げる。

私の勢いに驚いた人もいた。私自身も驚いている。こんなに大きな声を出せたんだ。新しい自分をここ最近で何度を見つける。

―――あぁ、私、出来るんだ。

嬉しいな、出来る自分がいる。何にも出来ないと思って諦めてたのに、出来たんだもの。

 

「ごくろーさん、ごくろーさん!休憩していいよ!イイよ君達!チケットの売り上げも絶好調だ!売り上げ良かったら正社員にしてあげるよ」

「本当ですか!?」

 

いつもは言われない称賛に、胸が熱くなる。

でも、ふと、この奇怪が解決した時の事を考えた。

問題が解決したら彼らはすぐに此処を去るだろう。それでは、今までの恩を返すことが出来ない。

付いていきたい。だけど、あの怪物と戦うとなると怖い。

――私に戦う度胸があったなら、彼らと共に戦えるのに……。

 

――――どこかで、時計の音が鳴ったような気がした。

 

 

主SIDE

さぁ、埋め合わせは終わった!

今、アレンがミランダの傍にいて、俺はアレンが居るはずだった場所にいる!

AKUMAがミランダを狙う可能性があるかもしれないから離れるなと忠告しておいたから、そうそう問題が起こる事はないだろう!

準備は整った!さぁ、ミランダを襲ってみるがいいさ!返り討ちに遭うだろうがな!!フハハハハッ!!!

 

「ディア?」

「…何だ?」

 

危ない、古代王(慢心)がログインしてた。

 

「あの玉乗り、どこで覚えたの?」

「格闘を身に着けている時の息抜きにな。体幹を鍛える為に丸だったり筒状だったりの物に乗っていたりしていたからアレくらいなら簡単に出来る」

「…ディアは何を目指してるの?」

 

何をって決まってるじゃん!言峰綺礼さ!

言峰綺礼を全て知ってるわけではないから、コレも出来るのではとかアレも出来るのではと、もしかしたら美化してるかもしれないけど言峰ボディを貰ったからには沢山の事をやってみたい。出来るなら沢山挑戦したいしね!

 

「さぁな、……にしてもAKUMAが一向に現れないのは気になるな」

「そうね…退却したあのAKUMAの動向が一切掴めないのは可笑しいわね」

「何か面倒な予感がするな」

「何もなければいいんだけど…」

 

アッ、お客さん、それフラグって言うんデスヨー!

まぁ、そんなのなくても、

 

 

「あっ、ね――、そこの玉乗りぃ―――!”カボチャと魔女”のチケット、どこで買えばいーのぉ―?」

 

来るんですよね――!

フリルの付いたシャツにミニスカート、ボーダーのニーハイ。ボーイッシュな髪に某忍者に出ている輪廻眼のような目を持つ少女――ロードが現れた!

アァー、ヤッベ、メッチャ緊張するよー!

 

「あぁ、お嬢さんには難しかったか。では、案内をしてくる」

「頑張ってね」

「お嬢さん、お手を」

「ん――」

 

ロードに手を差し出して、案内をしようとする。

俺の手を見たロードはキャンディーを持ってない方の手を出して俺の手の上に置いてくれた。

おぉ、手、ちっさい!身長差がハンパない!30cm!スゴイ!

え?さっき怖がってただろって?敵前にいる恐怖とキャラに会えた歓喜で混乱中なんだよ!!

もう!俺、キャラに遭遇する度に混乱し過ぎ!しっかりしろ!優雅たれ!それはキャラが違う!!

 

「何だと!!!売り上げ金をスリに盗られただと!?」

「す、すいません…」

「バカヤロウ!!」

 

……おいおいおいおい!!?

何でアレンが近くにいたのにスリに遭ってんだよ!?何の為に俺が代理したと思ってんだ!?

 

「おい、何をしているんだ」

「っ、ディアさん!」

「僕が少し目を離した隙にやられてしまったみたいで…」

「…とりあえずスリを追え。私が少年の代わりにミランダに付く。……気をつけろ」

「はい!」

 

アレンはミランダにスリの特徴を聞いて、すぐに走っていった。

…あぁ――、よくよく考えてみたら始めからリナリーを付けるべきだったな。

リナリーのイノセンスを使えばすぐに捕まえられるし、何より……アレンは不幸体質だった

アイツに金関係は任せられないんだった…。主人公ェ…。

これ、慢心王のがフラグだったとか言わないよね…?

 

 

「役立たず」

 

蔑む目がミランダを貫く。

誰もフォーローもせず、彼女を見下してる。

あぁ、本当に…、ムカつく。

 

 

ミランダSIDE

「役立たず」

 

いつもの視線、いつもの言葉。

やっぱりね。

結局、私は何もやっても駄目なのよ。なのに頑張っちゃって…バカみたい。

もうイヤ…。

こんな私が頑張ったところで誰も期待したりしないのにね…。

 

「フン、アルバイトに全資金を管理させた愚図な正社員よりいいだろう」

 

…え?

 

「何だと!?」

「アルバイトに金を全て任せて、いつもより客が集まってからって有頂天になっている正社員よりマシだと言ったんだ。聞こえなかったのか?良い耳鼻科に行くことをおススメしよう」

「生意気な!クビにするぞ!!」

「ほう、生意気と感じたからクビ、立派なパワハラだな。訴えれば勝てるな。…いつまで座り込んでいるんだ、ミランダ?」

 

差し伸べられる手。

私を守ってくれた?私を庇ってくれた?

何でこんなに優しいの?私、役立たずなのよ?貴方達に沢山迷惑かけたのよ?

なんで?どうして?

 

「どうして?どうして私を庇うの?」

「どうして…?決まっているだろう。ミランダは沢山の努力をしている。諦めず生きている。それを、何故、誰も評価しないと思った?」

 

心が熱くなる。血が勢いよく巡ってるんじゃないかってくらい、体が熱い。

私の顔、絶対赤くなってるわ。

やっぱり、私、この人達と一緒にいたい。一緒に戦って、成長したい!

そう言っても大丈夫かしら?いえ、弱気でいちゃ駄目よ!その自分を変える為に付いて行きたいと思ったんだから!

 

「…ディアさん、私、」

へぇー、ディアっていうの、コイツ

 

…私は今何を見ているのかしら。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

何で後ろにいる女の子はディアさんを刺しながら、嬉しいことがあったかのように笑っているの?

 

「さてと、ディアでこのまんま遊んじゃお!じゃあ、あんた、イノセンスのこと知ってるでしょ?教えてよ。さもないと…勢い余ってディア、殺しちゃうかも

 

 

お腹に生えていたモノを抜かれ、ディアさんは倒れていく。

神様、助けて下さい。

どうか、ディアさんだけでも、助けて下さい。

 

 




さぁ、主人公どうなるんでしょうか!?(小並感)
今回、本当に誕生日の話の流れは悩みました。
色んな人に誕生日について聞きました。
その中で友人が○○さん(アニメキャラクター)の誕生日!って言ったのには驚きました。
…己より推しか…。流石、類友…。
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