ちょっと過去に戻りたい   作:黒彼

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…調子に乗ったせいかインフルエンザになりました。驚きです。
調子に乗っては駄目ですね。反省。
主人公の口調を若干忘れて迷子に(_ _。)


ちょっと聞いてほしい

ハイ!Good morning!あ、今は夜だった。

仕切り直しでhello、クラウディアだよ。

さてと、まず今の状況を説明しよう。

休暇を終えた先生(男)が綺麗なお姉様になって帰ってきてから数日、妙にキラキラした視線を感じるようになった。発信源はお姉様。何でだ。

相談に乗ったから?でも俺、お姉様になる相談受けてない気がするんだけどな…。

それ以外は変わったことが無く、いつも通り掃除をしようとしたら後ろからドサッて何かが落ちる音がした。

最初は強盗かと思ってビクビクしながら後ろを振り返ったのだが誰もおらず、あるのは小さめで分厚い真っ黒な本だった。

誰かの忘れ物かと拾おうとした瞬間、ある光景がフラッシュバックした。

 

 

「今回、転生するにあたり守って欲しいことがあるの。残りの寿命1759年6ヶ月を次の生で使い切ってほしいの。確かに"縁"は転生を繰り返させるけど今回、貴方は切れてしまった。これは異常事態で滅多に無い事例なの。なんとか貴方の親族に割り振りましたがどうしてもこの年数は貴方が消費しなければいけないのです」

 

 

……そうだ!思い出した!それ、俺の武器だ!!

 

説明しよう!

俺は転生にするに当たって1759年6ヶ月分の寿命を転生場所で全て消費しなければいけないのだ!(エルの言葉を軽く言っただけ)

その寿命を使い切らない限り、どんなことをしても死なないらしい。

流石にそんな時を過ごしたくないと思った俺はあることを思い出した。

…寿命を削る技ってあったよね?

一部から批難されるかもしれないが俺はこれを決行した。知り合いがどんどん寿命を向かえ、俺一人残されるなんて考えたくもないし、人と関わらないなんて俺の選択肢にはない。

そこで出てくるのが、この本、俺が考えた俺の武器だ。

これは俺の声に反応して固有結界を発動し、俺と敵を閉じ込めてそこで敵に懺悔させるというものだ。神父と言ったら…懺悔じゃん?

固有結界の中に入ったモノの罪がこの本に表記され、その罪によって苦しんだ被害者の感情を流すという、我ながらきch…ゲフン、怖いものを作ったと思う。

あと時間の経ち方が結界の外と内とでは違う。中で一分経ったとしても、外では一秒しか経っていない。それだけ?と思う人がいるかもしれないが固有結界の内に一時間いても外では一分しか経ってないのは大きいと思う。敵を入れずとも仲間を内に入れ、休息させることも出来るし意外と使えるのだ。チートは要らない。俺は主人公みたいにはなりたくないし。

寿命と関係ないじゃないかって?あるんだな、これが。

この固有結界は三時間しか持たない。(外の時間で言うと三分)何故かというと一時間毎に一年寿命を削っているからだ。一度に3年もの寿命を削ると身体共にダメージが凄いのだ。一気に3年、年を取るなんて…考えたくないな。腰と膝が痛くなる。

…それにしても、これが現れたってことは、

 

「戦うのか…」

 

そうなのだ。転生した世界が戦闘物なら聖書、みたいに様々なジャンルごとに別の物をエルに伝えていたのだ。(魔法物なら術式が早く書けるように速記とか)

 

「戦いは嫌だなぁ」

 

勿論死なないからと言って痛みがない訳ではない。とても平和な世界で生きていた俺に戦いの中、大きな怪我をしないなんてのは難しいんじゃないだろうか。

…今考えてもしょうがない。とりあえずは体を鍛えて子供達を守れるくらいに強くなろう。その為には武器(コレ)を使い慣れなきゃね!

 

 

あ、

ちょっと!

来ちゃダメだって!ねぇってば!

 

先生達を固有結界の中に入れちゃったよぉ。泣きたい。

 

 

この事が切っ掛けでここがどの世界か分かるなんてその時は分からなかった。

 

 

???SIDE

そこは真っ暗な場所だった。少し語弊がある。印象が黒だ。

前にはステンドガラスと大きな十字架、周りに沢山の窓があるが外の景色は見えない。

扉もなく、近くにいた先生とクラウディアも見えない。

これは夢なのだろうか。さっきまで私は施設の外を巡回していたはずなのだ。その時、クラウディアを見つけたのだけど、どこで見つけたのか真っ黒の本を持っていて、とても真剣な目で見つめていた。

最近イメージチェンジをした同僚(イメージというか…性別)が目を輝かせ、あの子に近づこうとしていて何となく私たちも続いた。どうにもイメージチェンジに関わっているのがあの子らしくまるで尊敬のような崇拝のような感情を持ったようで懐いており、よく近くに行こうとしている。普通は逆なのではと思うが本人は満足しているみたいなので良しとしよう。

そうなのだ、私は外にいるはずだ。だからこれは夢なのだ。まるで囚人のように拘束されているのも(.............)何かの間違いだ。

 

リィー――――ン

 

どこからか、ベルの音が聞こえる。――まるで開幕を伝えるかのように。

 

次に聞こえたのは、――あの子の声だった。

 

「その傷を切開する。さあ、懺悔の時だ」

 

どうしてなのかしら。

気が動転していたのかもしれない、普通は可笑しいと思う。

でも私は、

あの子が私を(私の)罰してくれる人(救世主)だと思ったのだ。

 

 

主SIDE

どうしよう!先生を入れちゃったよ!!まだ扱い方も分かってないのになんてこった!

中はエルに伝えたように真っ暗な教会。蝋燭が灯っており神聖な雰囲気だ。

前には先生の内の一人、アンナ先生が拘束されていた。あー!!ごめんなさい先生!でも先生は何をやったんだ?

この空間の中での拘束される対象はこの世界にとっての悪(..........)なのだ。敵は拘束された状態のほうが俺の安全が保障されるからな。

その証拠に残りの二人は拘束されていない。ということはアンナ先生はこの世界に対して害を為しているということになる。

…巻き込まれたとか、嫌々だと良いんだけどなぁ。ずっと一緒だった先生を罰するなんてなぁ。

まあ、内容を見てみないと分からないし読もう。

”子供達”  ”伯爵”  ”broker”

……ん?

伯爵?どこかで聞いたことがある。この世界でも先生達の間で話が出ていたが、この世界じゃないと俺の勘が訴えている。

だとすると前世ということになるが…はっきり言うと前世を全く覚えてない。ふとした瞬間に思い出したりはするが、全部覚えているわけじゃない。

この世界のことで頭が一杯だったし、もう何年も前だ。俺の頭は前世でも優秀じゃなかった。

とりあえず流し読みじゃなくてちゃんと読もう。

 

 

…嘘だろう先生。

そんなまさか、先生が……!

…事情があるのかもしれない。とにかく話を聞かなきゃ。

 

あぁ、

「その傷を切開する。さあ、懺悔の時だ」

 

主よ、この者に救済を

 

 

第三者SIDE

少女の声が空間の中で響く。

この場は、二人の人間によって支配されている。

一人は拘束されている女。もう一人は真っ黒で分厚い本を持っている少女だ。

少女は本を持ったまま、女のところまで近づく。女は少し怯えたような顔をしながら口を開く。

 

「クラウディア、これは夢なの?」

「いいえ、夢ではありませんよ、アンナ先生」

 

微笑みながら自身に近づく少女に恐怖を感じたのか、口調がやや早めだ。

 

「クラウディア、夢ではないなら、ここは何処なの?」

「とてもとても、不思議な空間ですよ、アンナ先生」

 

会話をしながらも進む少女をどうにか止める手はないかと、沢山の質問をする。

 

「クラウディア、その本はなぁに?」

「とてもとても、不思議な本ですよ、アンナ先生」

「クラウディア、他の先生は何処?」

「アンナ先生の後ろにいますよ。眠っていますが」

「クラウディア、何で私は拘束されているの?」

 

ピタリと止まった少女。でも表情は変わらず微笑みを浮かべている。

緊張状態がピークに達したのか、女の表情が豹変する。

 

「何で私は拘束されているのよ!誰!?誰がやったの?!」

「…」

「答えなさい!クラウディア!」

「…誰がっていうのは答えられないの、アンナ先生。でも拘束されている理由は答えられる」

「なら、答えなさい!クラウディア!」

「だってアンナ先生、」

 

人殺しですもの。

 

「人……殺し…?」

「えぇ、人殺しです」

 

女は動揺している。が、直ぐに表情を戻し、少女に問う。

 

「な、何を言っているのかしら。」

「事実ですよね?」

「何処にそんな証拠が!!」

「キャリントン」

「!?」

 

キャンベル、エマーソン、ガードナー、ハドソン、マクドネル

 

「…一部ですが、この名前に聞き覚えがありますよね?」

「……知らない」

「嘘はダメですよ、アンナ先生。分かる筈です」

「……分からない」

「だってこの名前は…今いる施設の子供のファミリーネーム。そして、その子供達の両親を殺害したのはアンナ先生ですよね?」

「やってない!!」

 

緊張のせいなのか、声を張ったせいか、女は息が切れている。少女は女の大声に驚かず、淡々と告げる。

 

「あぁ、可哀想に。あの中にはまだ赤ん坊だった子もいたのでしょう」

「新月の夜、あの子達は枕を涙で濡らす」

「町で家族連れを見つけると羨ましそうに見ている。自分の両親に似ている人が居たら声をかけるの。でも、違う。居るはずがない。だって貴女が殺したのだから」

 

少女が女を冷やかな目で見つめながら言うと、女は先程の勢いが消え、怯えるように体を小さくさせる。

それでも少女は女を責め立てる。責めて、責めて、責めて、責めて、

 

「…どうしてぇ?」

 

女は口を開いた。

 

「どうして、私が、責められるの?ただ私は、施設を守りたかっただけなのに」

「…この本には罪しか書かれていないの。だから教えて、アンナ先生。どうして罪を犯してしまったの?」

 

女は少し躊躇ったが、ゆっくりと語り始めた。

 

あの施設を設立したのは女の祖母だった。

祖母はとても優しくて、その祖母の事を女は尊敬していて自分もいつかあの施設を守っていこうと誓っていたらしい。でも実際は、とても脆かったのだ。優しすぎる故に、沢山のお金を使っており赤字だったのだ。それでも二人でなんとか切り盛りしていたが、祖母は立てなくなり、女だけで借金をどうにかしなければならなかった。新しく来た人を経済的な理由で断ろうとしたら”あの人なら受け入れてくれた”と祖母と比較され、断ったことを伝えると祖母はどうして手を差し伸べなかったのかと怒鳴り散らす。誰も味方がおらず、途方に暮れていた時に出会ったのが”伯爵”だった。

 

「こんばんワ♡」

 

まるでピエロのように奇想天外な服装に、人間に見えない容姿。紳士のような態度を取っていたが、中身とはまるで違うものを見せられているようなとても奇異なモノだった。

そのモノは”伯爵”と名乗り、私にこう持ち掛けたのだ。

「人を殺した分、お金を払う」と。

何を馬鹿な事をと、私は最初拒絶した。そんな道徳に反していることなんて出来ないと言うと、伯爵は真っ白な歯を見せるように(元々見えていたが)私に近づいてこう言った。

「そんなことが言える余裕あるのですカ?♡」

余裕などない。ある訳がないのだ。

「ただ、マッチ一本を家に放ればいいのでス♡」

…誰にも見られなければバレナイカシラ?

 

気付いたら私は炭のようになった家の前にいた。

私の傍で、小さな子供が泣いている。その子に煤が付いていたから火事の時逃げてきたのだろう。そして…火を付けたのは私なのだろう。

 

その時の子供を、私は引き取った。数日後にこの施設に多額の寄付があったと聞き、皆は喜び。私は吐いた。

 

「…それを繰り返して、借金も何とか返済できたからもう止めたいと伯爵に言ったのだけれど、それを逆手に今度は脅されて…。」 

「……アンナ先生は反省しているんですね?」

「いいえ!!それだけじゃない!後悔もしたし、あの子たちの人生を壊してしまったことも理解している!だから私は、あの子たちを大事に育てると決めたの!」

「…分かりました先生。私はアナタを赦しましょう。そして、私なら先生が人を殺さないで済むかもしれません」

「!ほんとうなの!?」

「えぇ、伯爵に”ある言葉”を伝えれば…。でもその後に奇異なモノ(.....)を伯爵によって送られるようになりますが、それも私が退治すると約束しましょう」

 

女は解放されたという風に安堵していたが、心配そうに少女に聞く。

 

「ほ、本当に大丈夫なの?」

「えぇ、私は伯爵の敵側の人間なので戦う手段があるの、この本でね」

 

少女らしからぬ自信に満ち溢れた顔に、女は聞いた。

 

「どうして、クラウディアはそんなことが出来るの?」

「まだ出来ると決まったわけではないけれど、出来ますよ。だって私はあの男(...)リスペクト(.....)して、そして今まで努力をしてきたのだから」

 

言い切った少女の顔が輝いているように見えた女は、この子は助けてくれると確信した。

 

 

 

 

 

目が覚めたらそこは庭だった。子供たちが鬼ごっこをしている。

さっきまでのは夢だったのだろうかと落胆し、起き上がろうとすると、周りに先生二人が寝っ転がっていた。

集団で昼寝なんてと思い、起こそうとすると声を掛けられた。

 

「さぁ、先生、道化を倒しに行きましょう!」

 

 




自身に満ち溢れていたのではありません。推しのキャラクターと自分で考えた武器を語った際に、キラキラしただけです。
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