月読調の華麗なる日常   作:黄金馬鹿

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日刊ランキング十一位にビックリしました。久々にここまで上の順位に来た。

今回は調ちゃんの番。同人誌持っていた切ちゃんとは正反対でヤンデレ化してしまった調ちゃんの話。

あと、この作品では本来カットインで出てくる技名を口に出していますが、単純に分かりやすいように書いております。かなり今更ですけど……w


月読調の華麗なるヤンデレ生活

 わたしは、切ちゃんが好きだ。

 友愛的な意味合いでは勿論。恋愛的な意味で。言い換えてしまえば下品だけど性的な意味で。わたしは、今は親友止まりである切ちゃんを愛している。切ちゃんのためならLiNKER無しでもエクスドライブ直前まで適合率を上げてギアを纏うことだって出来ちゃう気がする。

 世間的に、わたしのこの気持ちは重いって言われるのかもしれない。変だって言われるのかもしれない。だから、わたしは今の今まで切ちゃんにそういったわたしの内面の深い部分は一切話していない。切ちゃんが初めて声をかけてくれたあの日から変わらないこの気持ちを。未来さんを馬鹿にできない、ではなく未来さんを同類だと思えてしまうこの膨れ上がった愛情を。

 そんな、世間的には重い女であるわたしの朝は早い。

 切ちゃんが起きる前にわたしは朝ごはんの準備をする。切ちゃんが朝起きてお腹を空かせたまま待つなんて可哀想なことがないために、だ。それが終われば切ちゃんを起こすまでわたしは切ちゃんの寝顔観察と撮影に向かう。

 かわいい……かわいいよきりちゃん……

 もうわたしのカメラのメモリには毎日数十枚は撮った切ちゃんの寝顔写真で一杯。これは誰にも渡さない、わたしだけの大切な物。マリアにだって渡さない。

 そうして寝顔を撮って観察している内に切ちゃんを起こす時間になってしまう。これ以上は切ちゃんとわたしは学校に遅刻しちゃう。別にわたしは切ちゃんと爛れた日常を過ごせるならそれでもいいんだけど、今はそんな関係じゃないから切ちゃんを起こす事にする。

 

「切ちゃん、起きて?」

 

 その時にドサクサに紛れて髪の毛を触ったり唇を触ったり。普段じゃ触れない所を触るのを忘れない。

 あぁ、サラサラな切ちゃんの髪の毛を触っていると気持ちいい……唇もプニプニでちょっと湿ってて……おっといけない。これ以上は切ちゃんが気がついちゃう。

 体を揺する振りをしてドサクサに紛れて胸を触る。身長の割には大きい胸に嫉妬しないと言えば嘘になるけど切ちゃんは別に巨乳好きって訳じゃないからわたしは別にいい。

 

「んぅ……しらべ? もうあさですか?」

「そうだよ? もう起きてご飯食べないと遅刻しちゃうよ?」

 

 わたしは手に絡んだ、切ちゃんの抜けた髪の毛をそっとポケットに入れて切ちゃんの傍から離れる。あまりボディタッチが多いと切ちゃんに不審がられるかもしれないからね。

 わたしは早くしてね? とだけ切ちゃんに言ってすぐに自分の部屋に行く。そして机の引き出しを開けて小さな新品のジップロックを一つ取り出してそこに先ほど取れた切ちゃんの綺麗な金色の髪の毛を入れる。本当は食べちゃったりとかしたいけど……そこまでしたら流石に色々とマズい気がするから一応は我慢している。けど来年とかまで我慢できる気がしない。

 取り敢えず今はこうしてゲットできた髪の毛は袋に日時を書いて机の引き出しの、更に隠し引き出しの中に保管する。もうこの引き出しの中もジップロックに入った切ちゃんの抜け毛でいっぱいだ。そろそろ新しい隠し引き出しを作らないと溢れてきちゃうかな?

 それを終わらせてからわたしは切ちゃんのために朝ご飯を盛り付ける。その時、味噌汁には手首をちょっとだけ切ってわたしの血液を入れるのを忘れない。バレないのかって? いつもシュシュを着けて誤魔化してるしバレたとしてもシンフォギアの特訓中にとか言えば何とかなるのがわたし。

 

「はい、朝ごはん」

 

 まだ少し寝ぼけている切ちゃんの座る席に朝ご飯を置く。わたしの血液入りの。

 わたしのご飯にも切ちゃんの血液が入っててほしいなぁとか思っちゃうけど流石に今は叶えられない現実だからあきらめる。

 こうして朝ご飯を置けば切ちゃんは自然と目を覚ます。

 

「おぉ、今日のご飯も美味しそうデスな!」

「自信作」

 

 これも、切ちゃんのために覚えたんだよ? いつもインスタントとかじゃ不健康だからね。切ちゃんには何時も健康でいてほしいから、頑張って覚えたんだよ?

 いただきますと言って切ちゃんは早速おかずに口をつける。美味しいと言ってくれると嬉しくなる。

 

「今日のお味噌汁も美味しいデス」

 

 そして味噌汁に口をつけてくれる。

 あぁ、わたしが切ちゃんの中に……わたしの一部が切ちゃんと一緒に……

 この瞬間が朝の中では一番ゾクゾクする。わたしの物が切ちゃんの中に入っていく。これが嬉しくない女なんていない。最初は躊躇していたけど一度やったらもう病みつき。今から止めるなんて考えられない。端的に言って濡れる。

 けど、そんな興奮を外面には決して出さない。出したら、嫌われるかもしれないから。

 

「ふぅ、ご馳走様デス!」

 

 とか思っている間に切ちゃんは朝ご飯を食べ終わっちゃった。わたしも食べ終えているけど。

 ご飯を食べているときの切ちゃんはとても可愛いからついつい眺めちゃう。勿論、気付かれない範囲で。

 

「じゃあ、着替えてくるデス」

「わたしも着替えるね」

 

 そして、ここからもお楽しみタイム。

 切ちゃんの部屋にはわたしが仕掛けた隠しカメラがいくつもある。普段は切ちゃんのプライバシーを守るために稼働させていないけどこうして着替えるときにわたしも部屋に戻って着替える、とだけ言って部屋に入り、カメラを起動。自分も急いで着替えながらカメラの映像を直接私物のパソコンに移す。

 急いで身支度を済ませたわたしは切ちゃんが着替え終わった所でカメラを停止させて映像を確認。うん。今日もしっかりと撮れている。

 え? バレたら問題にならないかって? その時のプランも考えている。

 まず切ちゃんが泣きついてくる。そして罪を第三者に擦り付けてわたしが切ちゃんを守る宣言。そしてカメラの映像はもう用意してある記録媒体に保存してガッチガチのカギをかけた箱に保管。勿論、二重底にしてその上には黒歴史っぽいことが書かれたノートを置いておく事で切ちゃんにわたしが何か如何わしいものを隠しているという疑惑をかけられても切り抜けられるようにする。

 完璧な作戦。わたしは出来る女だからもう一手二手先の事は既に読んでいる。

 

「調~? そろそろ行くデスよ~?」

 

 おっと、映像を確認していたら既に切ちゃんは準備を終わらせていたみたいだ。

 パソコンの電源を落として何事も無かったかのように部屋から出る。

 

「お待たせ。行こっか」

「デス!」

 

 かわいい。

 制服姿の切ちゃんを脳内フォルダに保管しながら切ちゃんと一緒に登校する。この時間はクリス先輩や響さん達と偶然会わない時間帯。だから二人だけの時間を邪魔される事はない。

 ちなみに、他の装者の人と大人の人たち、それから未来さんにはわたしが切ちゃんの事が好きだという事をバラしている。未来さんっていう強烈な前例がいるからわたしが控えめに乙女ちっくに暴露することでわたしの恋愛感情はすんなりと受け入れられた。暴走だけはしないように、と釘を刺されたけど。

 だから、装者の皆はわたしの仲間。切ちゃんが見つけない限りはそっとしておいてくれるハズ。ふふふ……

 登校の後は退屈な授業を一応聞く。こんな授業を聞くよりも切ちゃんとお話ししていた方がもっと有意義なのに……でも、切ちゃんからの評価を下げる訳にはいかないから一応優等生っぽくは振る舞う。

 そして放課後。切ちゃんとの下校タイムが楽しみで、多分誰から見ても分かるくらいの満面の笑みで切ちゃんに近寄った。

 

「切ちゃん、一緒に帰ろ?」

「えーっと……ちょっと今日は無理デス」

 

 その瞬間、わたしの表情が一気に失われたのが自分でもわかった。

 なんで? なんでなの切ちゃん? わたしの事が嫌いになったの? それとも他の男か女がいるの?

 それなら始末しないと……確か今日はナイフとかは持ってきてないけど撲殺なら鞄と靴で何とかなるから早急に聞き出してソイツを葬らないと……

 

「実はマリアのCDの発売日だって事を忘れてて……調はネットで注文してたじゃないデスか? あたし、面倒で店頭で買おうって思っちゃって……」

 

 その瞬間、マリアのCDをネットで買った過去のわたしを撲殺したくなった。切ちゃんと合わせればこんな事起こらなかったのに……ッ!!

 でも、切ちゃんをここで無理に引き留めても仕方ない。精一杯の笑顔を作って一応は送り出す。

 

「じゃあ、わたしも他の所に寄ってから帰るね」

「分かったデス。じゃあ、あたしは行ってくるデス」

 

 教室から出ていく切ちゃんを見送ってからわたしは気配を消して切ちゃんの後ろを着いていく。へ? どうして気配を消すことがそんなに自然に出来るのかって?

 緒川さんから習った。愛さえあれば忍術だってちょちょいのちょいだよ。

 音もたてず気配も出さずに切ちゃんをストーキングしていく。勿論、切ちゃんにも、誰にも見えないから盗撮し放題。何時もはこうして日常の切ちゃんを写真に収める機会が無かったから丁度いい機会だったのかも。

 カメラとスマホの写真が次々と切ちゃんで埋まっていくことに喜びを覚えながらただひたすらに写真を撮っていると切ちゃんはすぐにマリアのCDを購入して笑顔でCDショップから出た。あぁ、その表情、凄くいい……!!

 ニヤニヤしながらわたしはカメラとスマホのデータを確認する。こんなにも自然体の切ちゃんを沢山撮れた……昔のわたし、案外いい事してくれたかも……

 人様に見られたら確実に終わりな表情を浮かべていても誰も気が付かない。だって忍術で気配消してるから。

 ふふふ……ふひひ……はっ! 切ちゃんは何処!?

 

「ねぇ君、俺たちと一緒にお茶しない?」

「奢ってあげるからさぁ」

「で、デェス……」

 

 い、いつの間にか古典的というか逆に珍しいナンパに引っかかってる!?

 今時あんなの珍しすぎて何とも言えないよ……じゃなくて! 切ちゃんはわたしのもの……手を出そうって言うのなら容赦はなし。忍術と装者としての力でねじ伏せてやる……!

 

「ちょ、ちょっとあたしはそういうの……それに、もう好きな人がいるデスからそんなに誘われても困るデス……」

 

 え? 好きな人?

 切ちゃんの好きな人ってもしかして……きゃっ、両想い……?

 ど、どうしよう……と、取り敢えず今は切ちゃんを助けてその好きな人を聞かないと! 切ちゃんの処女はわたしの物……!!

 わたしは阿修羅閃空的な動きをして一気にわたしと切ちゃんの仲を裂こうとする不届き者の抹殺のために切ちゃんの肩に軽々しく置いている手を掴む。

 

「な、なんだ?」

「切ちゃんが困ってる。すぐに退くなら乱暴なことはしない」

「し、調!? え、でもさっきまで……えっ?」

 

 手を掴んだまま警告する。ごー、よん、さん……

 

「な、何言ってんだこいつ?」

「邪魔すんなよ、どこから出てきたのか知らねぇけど……」

「時間切れ」

 

 ぜろ。

 わたしは掴んだ手の力をそのまま利用して男の人を投げ飛ばす。これも忍術の応用。

 吹っ飛ぶ男の人。それを確認せずにわたしはもう一人の男に阿修羅閃空みたいな動きをして一瞬で接近して腹パンして気絶させる。そして最初に吹っ飛ばした人が起き上がる前に鳩尾を踏んで気絶させる。

 大体五秒くらいかな? もっと本気出せば早く終わったけど、一応人間のできる範囲に留めておいた。

 

「大丈夫? 切ちゃん。あの人達に変なことされてない?」

「さ、されてないデスけど……ちょっと怖いデスよ?」

「切ちゃんはわたしの大切な人だもん。乱暴されかけていたら怒る」

「あ、あたしのためにデスか?」

「うん」

 

 迷いなく目を見てそう言うと切ちゃんは照れて目を逸らして頬を掻いた。かわいい。

 

「じゃあ、帰ろうか。あまり長居してると面倒ごとになりそうだし」

「そうデスね」

 

 そして二人一緒に愛の巣へと帰る。勿論、手を繋いで。

 あぁ、可愛い……それに手もすべすべ……もう最高。でも、これからきっともっと最高なことが起こる。帰ったらすぐに聞き出さないと……それで、それで……うへへへ。

 なんて妄想しているといつの間にかわたし達は帰ってきていた。わたしはちゃんと鍵を内側からかけて防犯をしてから疲れた表情の切ちゃんに何気なしに話題を振る。

 

「そういえば切ちゃん。さっき、好きな人がいるって言ってたけど」

「ぶふっ!?」

 

 飲み物を飲んでいた切ちゃんは噴出した。それすらも可愛い。

 

「き、聞いていたデスか……?」

「うん。それで、差し支えなければ教えてほしいなって」

 

 きっとそれはわたしだから。告白されたらわたしも告白して……それで、晴れて両想い。

 あぁ、楽しみ……今日の夜はお赤飯かな? それとも外で奮発して外食とか。それに、これからの事を考えれば幸せで幸せで……きっと今日は人生で最高の日になる。

 

「え、えっと……ちょっと恥ずかしいデス」

「ほらほら」

「うぅ、調が満面の笑みデス……」

 

 それはもう満面の笑みにもなるよ。やっと両想いで結ばれるかもしれないんだから。

 ほら、言って? わたしが好きだって。言っちゃって? それともわたしから言う? わたしから言っちゃう?

 

「え、えっとぉ……」

 

 えっと?

 

「その、実は……」

 

 実は?

 

「あ、あたしは……」

 

 切ちゃんは?

 

「あー、えーっと……その……」

 

 無駄に溜める。けど、その後に出てくるのはきっとわたしの名前だから安心してその表情の変化を見ることができ――

 

 

 

 

 

 

「ふ、藤尭さんの事が、デスね? その……気になってて……」

 

 

 

 

 

 ――――――え?

 

「み、皆には内緒にしてて欲しいデス! そ、その……あたしみたいなお子様が大人の藤尭さんに気があるなんて少し変かもしれなくて……調? どうしたデスか? 顔色が真っ青デスよ?」

 

 嘘。

 

「し、調?」

 

 嘘。嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。

 そんなのありえない。なんで、なんでほかの人の名前がそこで出てくるの。わたしは精一杯切ちゃんの気を引いていたなのになんでそんな風に言えるのなんでわたしの名前を出せないのなんでなんでなんでなんでなんで……

 

「調? ほ、本当に大丈夫デスか……って、何処に行くんデス!? 調!?」

 

 わたしの事が好きじゃないなんて嘘切ちゃんはわたしの事が好きなはずわたしじゃなきゃ可笑しいはずわたしはそのために色々と裏で動いてきた切ちゃんに自然に好きになってもらえるように動いてきたなのになんでこんな事になんであの男の事が好きになってるのなんでこうなるの。

 でもこれは現実でどうしようもないからどうしたらいいのか分からなくて誰も助けてくれなくてわたしの愛情は全てが無駄になって――

 ――あぁ、そうだ。

 

「えっ……? し、らべ? その木刀はなんデスか? なんで部屋にそんなの置いているんデスか……?」

「ぼうはんだよ、きりちゃん?」

「ぼ、防犯ならなんでそれを振りかぶっているんデスか? じょ、冗談でも止めてほしいデス!!」

「じょうだんじゃないよ? これはおしおきだから」

「ひっ!? め、目が普通じゃないデス……!?」

「ふつう? わたしはふつうだよ?」

 

 わたしの物にならないなら、しちゃえばいいんだ。

 縛りつけて、逃げられないようにして、愛をささやいて、ずっとずっと、わたししか見れないようにして、わたしを好きになってもらえばいいんだ。

 だから、最初のこれはお仕置き。わたしじゃない人を好きになった悪い切ちゃんへの、お仕置き。

 あぁ、怖がっている切ちゃんもかわいいなぁ……でも、これからは切ちゃんの全部はわたしの物。誰にも邪魔なんてさせない。誰かが邪魔して来たらわたしが全部排除してあげるからね?

 それが、わたしの愛だから。

 

「だ、誰か助けて――」

「えいっ」

 

 ばきっ。

 

「ぎゃっ!!?」

 

 逃げようとした切ちゃんの後頭部に木刀が当たって切ちゃんが倒れる。床には切ちゃんの血が流れている。

 少し手に取って舐めてみる……あぁ、美味しい。美味しいよ切ちゃん。

 ふふふ……これからはずっと一緒だよ? ずっとずっと……二人で、一つだよ? 切ちゃん。




ハッピーエンド……?

切ちゃんはこのまま調ちゃんに色々とされたようです。勿論、これは並行世界の話なのでまた次回からは普通の調ちゃんに戻っております。この調ちゃんなら愛情だけでエクスドライブになれる(確信)

次回こそはアイドルデビューな話を書ければいいなぁ……
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