世界線的には今までのどの世界線とも平行世界です。
そういえば調ちゃんの誕生日って明後日でしたよね……誕生日特別編間に合うかなぁ……
メイド調ちゃん出ませんでした(絶唱顔)
明日は年に一度のバレンタイン。大好きな人、もしくは友達にチョコレートを贈る日。
今年も未来さんが何か怪しいチョコを作っているから響さんが色んな薬の中和剤を用意しているけどそれはわたし達には直接関係が無い事。むしろ干渉したら確実に未来さんに何かされるから響さんが今年も貞操を散らさないようにバレンタインデーを終えるのを願うしかできない。去年、クリス先輩が響さんを助けるために未来さんの邪魔して十割コンボで病院送りにされたし。当時の映像を見たけど人間って生身で空を飛べるんだって思っちゃった。
まぁそんな事はいいとして。去年は収容所に居たからチョコレートは作れなかったけど今年は作っちゃいます、バレンタインチョコ。勿論、作るのはSONGの人達……全員分は流石に無理だから手作りは風鳴司令と藤尭さん、友里さん、緒川さんの四人。他の人はお店の小粒な物。後は装者の皆とエルフナインの分は手作り。
その中で、一人分だけはちょっと力を入れる。俗に言う、本命チョコ。
そう、切ちゃんに。何時ものお礼と、わたしの気持ちを込めて。
女の子同士だと可笑しいって言うだろうけど……まぁ、未来さんっていうもっと凄くてヤバい人がいるからわたしの気持ちなんて些細な物で可愛い物、だと思う。あの人の気持ちはなんていうか……重すぎる? 誰かが言ったグラビティレズっていう言葉が本当にピッタリ過ぎて笑えない。
まぁ未来さんの事はどうでもいい。どうでもよくないけどどうでもいい。わたしはわたしの気持ちを全部込めてチョコを作る。いつもは可愛いけど、戦っていたり真剣な時はかっこいい切ちゃんに。
「切ちゃん、喜んでくれるかな?」
「まぁ、喜ぶんじゃねぇの?」
そんな本命チョコは何時もの台所じゃなくてクリス先輩の台所を借りている。切ちゃんには当日まで秘密にしておきたいからクリス先輩のチョコ作りを手伝うっていう条件付きで台所を借りた。
今、台所どころかクリス先輩の部屋全体にチョコの甘い匂いが充満している。けど甘い物が好きなわたし達は特にそれが苦痛じゃない。苦痛じゃないけどチョコを食べたいっていう欲求に駆られてしまう。別に食べてもいいくらいには余分には買ってきたんだけど、あまり食べると太っちゃうから……
「お、このチョコ美味いな」
太っちゃうから……
「余分に買っといて正解だったな」
太っちゃ……
「お前も休憩がてら食わねえか?」
「……食べます」
別に今度の訓練で張り切ればいいから食べちゃおう! あぁ、甘いチョコがブラックコーヒーと合って美味しい……訓練頑張らないとなぁ……
****
あの後はなんやかんやでチョコは完成した。所々でつまみ食いしたりクリス先輩がカカオ90%のチョコを食べて涙目になってたりとか本当になんやかんやあって朝から始めたチョコ作りは結局夕方近くまでかかったけど何とかなった。
クリス先輩は特に本命とかはないそうだけど、翼さんと風鳴司令の分はちょっと気合が入っていた。なんでか聞いてみたらあの二人には結構お世話になったから、らしい。確かにわたしもあの二人には結構お世話になったから他のチョコより少しだけ気合を入れた。あと響さんの分はなるべく未来さんに勘違いされないように二人で細心の注意を払った。本命に少しでも見えると後で勘違いした未来さんがスライド移動で迫ってくるから……クリスマスの時に響さんに日頃のお礼を込めて少し気合の入れたプレゼントしたら未来さんが後日スライド移動で迫ってきたのは怖かった。ちょっと泣いた。
まぁそんな事もあったけどやっぱりわたしの本命は切ちゃんへのチョコ。かなり気合を入れて作った。クリス先輩が三人分くらいチョコを作り終えてもまだ足りない位には気合を入れた。横でクリス先輩がちょっと引いてた。
で、帰り際に一日早いけどクリス先輩にチョコを渡した。クリス先輩からもチョコを貰った。その時のクリス先輩の笑顔はちょっとドキッとしました。
それでチョコの匂いを漂わせながら部屋に帰ると切ちゃんもチョコを作ってたのか部屋中チョコの匂いがすごかった。けどわたしは気づかない振りしてその日は晩御飯を作って一緒に食べてお風呂に入って寝た。ゴミ箱はチョコの箱とかで一杯だったよ。
次の日の学校。
「響さん、チョコです」
「あ、ありがとね調ちゃ……」
「チョコ……? 響に……? もしかして……」
『ヒッ』
響さんには何とか無事にチョコを渡せた。未来さんにも同じように作ったチョコを渡して何とかなった。本当にこの人危ないよ……
それで響さんと未来さんからもチョコを貰った。二人のチョコも美味しく頂きました。その後、わたしよりも遅れて部屋を出た切ちゃんが二人にチョコを渡してたけどリプレイみたいな光景が見えた。わたしは逃げた。
後は仲のいい同級生の子とかお世話になってる先生とか、学校が終わってからすぐにマリア、翼さん、エルフナイン、SONGの皆さんにもチョコを渡し終えた。喜んでもらえてよかった。
これで作った分は一個を除いて全部配り終えた。けどそれと同じに近い分だけチョコを貰った。本当に訓練頑張らないとなぁ! じゃないと太っちゃうからなぁ! 太っちゃうからなぁ……最近、ちょっと二の腕がプニプニになってきました……お腹はプニらないようにしないと……
そ、それで残りの一個。それは本命だから最後まで残しておいた切ちゃんの分。
切ちゃん、受け取ってくれるかな……本命だけど気づいてくれるかな……どきどき。
「ただいま~デス」
切ちゃんが帰ってきた。どうやらわたしよりも少し遅れてSONGの本部に行ってチョコを渡してきたらしい。手の紙袋には他の装者や親しい人から貰ったチョコが入っている。
「おかえり、切ちゃん」
わたしはドキドキをどうにかこうにか掻き消すためにお料理をしながら切ちゃんを出迎えた。今日のご飯はパスタ。
今日のパスタは外国のパスタをトマトソースで。
「おぉ、今日はスパゲティデスか?」
「うん。切ちゃんはトマトソースが好きだったよね?」
「そうデス!」
勿論知っているから初めからトマトソース一択だよ。
で、外国のパスタだけど、調理方法は鍋の水にオリーブオイルも入れて麺がくっ付かないようにして、それで後は塩を沢山。
結構多めに塩を入れて海水くらいしょっぱくしてしまう。で、後はパスタを茹でる。その間に作っておいたトマトソースを取り出したりお皿を取ってきたリ色々としている内にパスタはちゃんと茹で上がりました。
後はちゃんと二人分に分けてソースをかけて完成。わたし流トマトソースパスタ。
「はい切ちゃん」
「おぉ~、美味しそうデス!」
守りたい、この笑顔。
それじゃあ二人で手を合わせていただきます。そして時々喋りながらそのままごちそうさま。我ながらいい出来だった。切ちゃんも食べ終わったからお皿を回収して水に浸けておく。後で洗っておこう。
さて……いつチョコを渡そうかな……!! 結構タイミング逃しちゃったな!!
「――それで響さんがご飯にザバーっとかける物をそのまま食べちゃったんデスよ!」
「えぇ……あれ単品で食べれる物だっけ……」
ご飯にザバーっとかける物……一部では正体不明のナニかとか言われてるけどわたしはちゃんと正体は分かってる。その正体はなんと……
「ちなみにその後響さんはぶっ倒れたデス」
「それ大丈夫なの!?」
「あまりにも後味が悪かったみたいデス」
ご飯と食べると美味しいのに単品だとそんなに後味悪いんだ……
「まぁご飯代わりにガツガツ食べてたし仕方ないデス」
そ、そうなのかな……気にはなるけどやってみたいとは思わない。で、さっきまで何を考えてたんだっけ?
まぁいいや。取り敢えず今は切ちゃんにチョコを渡す時を考えないと……
今丁度わたし達の会話は一旦終わって何となく変な空気になったからそれぞれ携帯を弄ってる。何時もはこんな事しないでテレビを見たりするんだけど、なんだか今日の空気は何時も通りとは言えなかった。何でだろう……わたしも切ちゃんも、何かタイミングを見図ろうとして困り果てた結果になっている……そんな感じが?
でもそれを感じているのはわたしだけかもしれない。タイミングを見計らっているのは事実だし……あ、このレシピいいかも。今度作って……じゃなくて。
……よし! もう言っちゃおう! 女は度胸、だよ!
「切ちゃん!」
「調!」
……被った。なんてタイミング……!!
二人同時に名前を呼んだからかもっと変な空気に……どうしようこれ。
切ちゃんの目が泳ぐ。わたしの目も泳ぐ。既にわたしの膝の上にはバレないようにそっと机の下から取り出した切ちゃんのための本命チョコが。手の熱で溶けないようにはしておいたけど……あ、改めて渡そうと思うと緊張する。
あ、あわわ。どうしよう……助けてマリア……
「て、テレビでも付けるデス!」
切ちゃんがこの空気に耐えられずにテレビに逃げた。
テレビの電源を入れるとそこには丁度マリアの新曲のCMが。
『この私、マリア・カデンツァヴナ・イヴのニューシングル『狼狽えるな!』は絶賛発売中よ! 振り返らない、全力疾走でCDショップに駆け込みなさい!!』
『同時発売、風鳴翼ニューシングル『カッコいいチョキ』。マリアのCMの後とは、何のつもりの当て擦り!!』
「いやシュール過ぎない?」
「なんか二人とも最近バラエティ方面に走っているような気がするデス……」
しかも二人の曲、普通にいい曲だったんだよね。曲名だけ見たら明らかにギャグだけど。
でも、二人のおかげで空気も柔らかくなった。今度はこっちから。
「切ちゃん」
「なんデス?」
うん。掴みはバッチリ。後は、渡すだけ。
「はい、これ」
可愛くラッピングしたチョコの入った箱を手渡す。切ちゃんは結構驚いていた。
「バレンタインのチョコだよ」
「あたしにデスか?」
「うん。受け取ってくれる?」
「勿論デスよ!」
切ちゃんは笑顔でチョコを受け取ってくれた。
よかった……これでミッションコンプリート……
「じゃあ、お返しにあたしからもチョコデス!」
「へ?」
チョコを渡したと思ったらチョコを渡された。
え、わたしに?
「う、受け取ってくれるデスか?」
そ、そんな顔を赤くして言われたらそんなの……!
「勿論だよ!」
可愛すぎて鼻血でそう……!!
「そ、その……」
ん? まだ何か……
「ほ、本命、デスから! その、あの! それだけデス!!」
そう言うと切ちゃんは自分の部屋に向かって走っていった……え?
今本命って……え? ほ、本命!?
あ、あわわ!? あわわわわわわわ!!?
「わ、わたしも本命だよぉ~!!」
か、顔があっついよぉ! でも幸せだよぉ!!
こ、今度告白しよう……! りょ、両想いだから……思いっきり大胆に! ふふふふふふ……!
きゃー! きゃー!!
****
「し、調ぇ……こっちまで聞こえてるデスよぉ……」
でもあたしも幸せデス……!!
何気にこの二人が両想いな世界線は初。今まで切ちゃんが同人誌持ってたり調ちゃんがヤンデレになってたり調ちゃんの心情しか分からなかったりだったので。
今度はひびしらも書きたいなぁなんて思いながら次は間に合えば調ちゃんの誕生日特別編。
ちなみにこの話を投稿したのは13日の昼……残り期限はあと三日! 果たして間に合うのか! そしてご飯にザバーっとかけるものの詳細は公式で語られるのか! そしてアイドルデビューはいつ書き終わるのか!! 俺の執筆速度と脳は三日で展開の構成と執筆を終わらせる事は出来るのか!!