誕生日特別編は思いつかないので諦めました。
今回は調ちゃんのアイドルデビュー。勿論全ての話と平行世界です。
やっと書きあがった……難産だった。理由としては自分のアイドルに対する知識がアイマス程度しか無いからとも言えるんですけどね!
今日は緒川さんと翼さんと一緒に近くの山に忍術の修行に来ています。わたしの服は黒色の女物の忍者装束にピンクのラインが入ったやつで、翼さんのはわたしの物に青色のラインが入ったもの。緒川さんや風鳴司令以外の男性の前じゃ少し着たくない服だけど……あの二人はわたし達に対しては邪な感情を抱かないから特に恥ずかしくない。強いて言うなら……お兄ちゃんとかお父さんに演技の服を見せるとか、そんな感じかな?
だから特に恥ずかしくは無いしある程度なら恥ずかしいところを見られてもって感じ。
そういう訳でわたしは現在水面走りの練習中。この前はドボンし続けたけど今日こそは……きゃうっ。
「どうして……ぶくぶく」
「私も小さい頃はそうなった物だ」
どうやらこれは翼さんにも出来ないようで。悔しいけど諦めるしか無いのかな……いや、大丈夫。きっと何とかなる……へぶっ。
こ、今度こそ……はうぁ。こ、こうなったらジャーンプ! ばしゃん。
むーっ!
「そうムキになるな、月読」
翼さんは凧で空を飛びながらそう言ってくれるけど顔が笑ってる。そんなにわたしが池ポチャし続けるのを見ていて面白いですか?
「いや、面白いというか……微笑ましいな。なんだか努力し続けている子供を見ている気分になってな」
「……わたしはどうせお子様体系ですよーだ」
「そう拗ねるな。月読なら和服に着替えれば誰でも見間違える位の女になれる」
「……胸が小さいからですか?」
「ははは。その言葉は私にも効く。止めてくれ」
バストが80以上ある人は皆敵……あれ、装者だと未来さんとセレナ以外全員80以上ある?
削ぎ取らなきゃ……その無駄な脂肪を削ぎ取らなきゃ……
「小さくて黒髪。肌も白い。和服が似合わぬ道理が無い」
「……確かにこの間着たときはマリアに似合ってると言われたけど」
確か、あれは茶道の時。抹茶は苦かったから最終的にお砂糖入れちゃったけど……これは翼さんには言えないやつだったっけ。絶対に何か言われそうだし……
だ、だって苦かったんだもん! お砂糖くらい……お砂糖くらい……
今度リベンジ出来る時があったらリベンジしてみようそうしよう。
「どうだ? 私と一緒にステージにでも出てみるか? 月読ならきっとファンも増えるだろう」
「もう、お世辞でもそんな冗談止めてくださいよ」
「……いえ、いいかもしれませんね」
「え?」
翼さんの冗談に笑っていたら結構本気な声……というかお仕事モードの声の緒川さんの声が聞こえてきた。
え、いいかもしれないって……もしかして、わたしの歌手デビューの事?
「しかし調さんを歌一本に絞らせるのは少し……アイドル? 歌って踊れるアイドルなんてどうでしょうか!?」
「え、えっと……緒川、さん?」
も、もしかしてこれって……
「どうでしょう、調さん。アイドルになってみませんか? 勿論、マネージャー兼プロデューサーは僕がやらせて頂きます」
「え、えっとぉ……」
緒川さん、眼鏡掛けてる……これ、結構本気なやつだ……
でも、アイドル。アイドルかぁ……興味がないって言っちゃうと嘘だし。なんか芸能界は闇が深いって聞いたことはあるけど緒川さんがついてくれるならそういうのとは無縁で居られるかもしれないし。
こういう時、ほかの人なら……響さんと未来さんは遠慮しそう。クリス先輩は……どうだろう? 照れて受け入れなさそうではある。切ちゃんは……あれ、結構ノリノリかもしれない? 切ちゃんは結構そういうのに関してはノリが良さそうだし。
「即決は出来ないと思いますのでマリアさんや切歌さんに相談してみてください」
「案外ステージの上で歌を歌うのも楽しい物だぞ?」
「あ、翼さんの次のお仕事はバラエティですよ?」
「何のつもりの当て擦り……!!」
え、えっと……考えて、みます?
****
それから帰って風邪をひきそうではあったけど何とかなって。次の日にマリアと切ちゃんに相談してみた。
芸能界でアイドルを既にやっているマリアとしてはわたしがこういう仕事に興味を持ったのが何だか嬉しいらしく、やってみたらどうかって笑顔で言われた。マネージャーも緒川さんなら安心してアイドルを出来るとも言ってたし、暫く経ったらマリアと翼さんとのコラボも良いかもしれないって。
それで切ちゃんに話してみたら……うん、決めてないのにね。CDは使用用、布教用、観賞用の三枚は買うとかわたしが出る番組は全部録画するとか言ってるし。いや、まだ決めてないんだよ? 話聞いて切ちゃん……あ、ダメだこりゃ。
でも、わたし自身そういうのには興味あるし。今までは装者やってたりそんな事考えている余裕なかったりだったし……いい機会、なのかも? 最近は装者としての仕事も少ないし……やってみようかな? 人生何事も経験って言うし。
と思って緒川さんに連絡してみた。したら物凄く嬉しそうな顔で受け入れられた。あんなに嬉しそうな緒川さんの声、初めて聞いたかもしれない。
「では、調さんはマリアさんと翼さんの後輩という肩書でデビューしましょう」
「えっ……それ、大丈夫なんですか?」
「歌唱力は問題なし。多分バラエティ受けもしますし……それに、こういう肩書があれば変な輩も近付きませんからね」
あの、緒川さん……褒めてくれるのは嬉しいんですけど、途中から結構目が怖いです。あとバラエティ受けってなんですか。
でも、わたしがマリアと翼さんの知り合いなのは事実。マリアと翼さんには既に名前を借りるという事を許可してもらっているらしい。お仕事早すぎです……!
そのままトントン拍子でわたしのデビューは決まっていって……というか元から緒川さんが決めていたらしい道筋を辿ってわたしはデビューすることに。SONGの皆も頑張ってって言ってくれたし並行世界の奏さんからも色々と教えてもらえたし……で、その時聞いたんだけど、なんでも緒川さん。奏さん、もしくは翼さんの後輩的なアイドル、もしくは歌手を育てるのが奏さんと翼さんが有名になった後の夢だったらしくて……それを風鳴司令に聞いてみたら困ったような笑顔で何時も言っていたと教えてくれた。もうデビューまでの道のりも用意しているって言っていたらしい。
忍者で仕事もできる……やっぱり緒川さんって凄い。
それで、緒川さんの色んなコネを使ってわたしはまず最初にCDを出す事になった。いきなりCDなんですか? って聞いたらCDを出して暫くしたら小さな会場でライブをして、そこから色々と……って感じらしい。ツヴァイウイングもこうやって徐々に有名になっていったみたい。
わたしの場合は翼さんとマリアの紹介とかもあるからもう少し楽かも、との事。
「と、いう訳で調さんにはこれから歌の収録とライブの練習をしてもらいます。後は翼さんやマリアさんの出る番組にゲスト出演させてもらう形になりますね。主に料理番組等の」
「結構大変……」
「はい。一応、暫くしたら翼さんとのユニットも組んでもらいます」
「翼さんと?」
でもユニットって事はマリアと同じようなコラボじゃなくて二人で一つのアイドルとしてって事でもあるんだよね?
だ、大丈夫なの? 翼さんって世界的な歌手だよ……?
「同じ事務所の先輩後輩がユニットを組むのは珍しい事ではありません。それに、翼さんと調さんなら外見的にも内面的にも相性は良さそうですし」
うーん……確かにパヴァリアの時は翼さんとは切ちゃん以外で唯一ユニゾン出来た訳だし、相性は悪くないとは思うけど……翼さんとわたしって、外見的にも相性いいとかあるんですか?
「背が高めの翼さんと低めの調さん。それと、声も低くなった翼さんと高い調さんで相性がよかったりもしますし。あとは何より二人とも和が似合いますから」
わ、わたしって和が似合うの……?
わたし、つい一年ちょっと前までは外国に居たんだよ? 確かに名前も外見も日本人だし自然と日本に馴染めたけど……それと和が似合うっていうのは少し違うんじゃ……
でも、緒川さんの目が間違っているとは思えない。この人はツヴァイウイングをトップアーティストまで導いた手腕を持っている訳だからこの人の言う事は合っている……のだろうけど、自分に対する賛美は素直に受け取れないというか恥ずかしいからちょっと受け入れられないというか。
それを言ってみるとそれも調さんのいい所ですよって言われた。恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
「では、曲が出来るまでは基礎レッスンですね。基礎レッスンは歌の方が僕が。体力や呼吸の方は……」
「俺が受け持とう。大丈夫だ、映画で知識は身に付けた」
……これ、アイドルとしてデビューした頃には人外になってるとかないよね? 容易に想像できるんだけど。
「なに、翼も同じことをやったんだ。大丈夫に決まっている」
翼さんって生身でも剣があればシンフォギアとやり合える位には人外に片足突っ込んでたと思うんですけど!? マリアがシンフォギアを纏っていたのに瞬殺できないレベルで翼さんって人外だったと思うんですけど!?
****
あっという間に時間は過ぎてCDの発売日兼ライブの日になった。近くのデパートの屋上にあるミニステージでミニライブをしたら今日のお仕事は終わり。その時にCDの宣伝をする。
アイドルとして歌って踊るというのは、シンフォギアを纏って歌って戦うのとはちょっと勝手が違って苦労した。でも、やっぱりシンフォギアで基礎は出来ているから普通の人よりも遥かに早いペースでわたしは歌って踊れるようになった。なっただけでその後すぐに振付を完璧にマスターしたかと言われれば否定する事になるけど。
ちなみにその間に翼さんのステージのバックダンサーをやったりとかもしていた。翼さんがもうすぐ私の後輩がデビューするとか言ってたけど……期待が重いです。
「……緊張してきた」
「大丈夫ですよ、あれだけ練習してきたんですから」
「案外ステージの上に立ってしまえばどうにでもなるものだ。だろ? マリア」
「ちょっとこの衣装露出多すぎるんじゃない!? 今からでも変更を!!」
「おいマリア。ちょっとは落ち着いたら……」
「狼狽えるなッ!! 今すぐ衣装を!!」
「落ち着けお前の衣装の方がまだ露出多いだろうがマリアァ!!」
……うん。今、控室が無いからステージの裏に居るんだけど、翼さんとマリアがなんか漫才的な事を始めてる。
わたしの衣装、そんなに露出多いかな……? シンフォギア纏うと結構体のラインが出ちゃうし露出もそこそこ多いから感覚麻痺しちゃってるのかな。布がこれだけあると普通に露出何て少ないと思えるし何よりも可愛い。
わたしのパーソナルカラーのピンクを基本にして和風に作られた衣装は案外動きやすい。ちょっとこれで人前に出るのは恥ずかしいかな? とは思わなくもないけど……まぁギアを纏った状態で出るよりはまだ何倍も恥ずかしくないし。
「調さん、そろそろです」
「あ、はい……えっと、外に人っていますか?」
「はい。やっぱり翼さんとマリアさんの後輩っていうのが大きかったんでしょうね。かなり大勢いますよ」
見てみますか? という緒川さんの声に従ってチラッとステージ脇から見えないように外を覗くと、確かにライブ会場とか人気アイドルのステージに比べれば少ないけど確かに人はいた。ちょっと少ないかもと思っちゃったけど、よく考えれば今のわたしは無名の新人アイドル。それを考慮したらこの人数は凄いんじゃ?
ちょっと緊張が増してきたけどそれを消すように深呼吸しながらステージで何をするのかを、カンペを見てもう一度思い出す。
まず、表に出る。それで挨拶をして歌が流れたら歌う。それで歌が終わったらCDの宣伝をして退場。それが一連の流れ。
時間にして十分ちょっと。初めてのステージにしては、多分長い方。
心臓がさっきから五月蠅い。深呼吸を何度も繰り返しながら時間が迫っているのをステージ裏の時計で確認する。あと少し……
「……あっ。調さん。ちょっとあそこを見てみてください」
「へ?」
とか思ってたら緒川さんから声をかけられた。
一体何があるんだろうと思ってまたステージ脇からチラッと外を見てみる。そして緒川さんの指をさす方を見てみると……
「あ、間に合ったデス!」
「よかった~」
「テメェが時間気にせずガツガツ飯食ってたからギリギリになっちまっただろうが!」
「まぁまぁクリス。間に合ったんだから、ね?」
「も、もうすぐ調さんのステージも始まりますし、そういうのは止しましょうよ、ね?」
「……エルフナインに言われちゃ仕方ないな。まぁ、間に合ったし許してやる」
えっ。
な、なんで皆いるの!? アイドルデビューするとは言ったけどどこで何するとか一言も言ってないんだけど!!? も、もしかして……
「僕達が」
「こっそり」
「招待しておいたわ」
「い、いつの間に……!!」
さ、流石に最初のステージは色々とやらかすかもしれないしなんやかんやで恥ずかしいから言わなかったのに……!
よ、余計緊張してきたかも……あ、あわわ。
「まぁ、気持ちはわかる。私も最初はそうだったからな」
「そうね。何事も最初の一回は緊張する物よ」
「で、でもぉ……」
「大丈夫だ。身に沁みついた事はそう簡単には忘れることは無い」
「世界を救う戦いに比べればこの程度朝飯前でしょ?」
そ、それは……そうだけど。ネフィリムを前にした時も、キャロルを相手にした時も、アダムを倒すために並んだ時も。どれも少しでもミスをしたら取り返しがつかなくなる。そんな戦いだった。
それに比べてしまったら、一回のミスならまだ笑顔でなんとかなるかもしれない、楽しいかもしれない。そんな物を前にした程度の緊張なんてまだ軽い物。
「……よし!」
マイクを片手に気合を入れ直す。大丈夫。わたしは出来る。
なんと言ったって、わたしは風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴの後輩なんだから。
自然体でスタッフの人の指示に従って裏から出ていく。
「あ、出てきたデス!」
「おぉ、あの衣装可愛い!」
「はい! 凄く似合ってます!」
「ま、まぁいいんじゃねぇか?」
「クリス、もう少し素直になったら?」
「う、うっせぇ!」
ふふ。皆何時も通り。でも、何時も通りな会話が聞こえてきたからわたしも何時も通りにできそう。
「初めまして、月読調です。今日は、楽しんでいってください!」
そこから先は、あまり覚えていない。
けど、唯一覚えているのは、凄く楽しくて、凄く面白くて。あとチラッと見た皆はテンションが上がり過ぎたのかなんだかおかしいテンションで合いの手……コール? を入れてくれた。でもこういう所でサイリウムはやり過ぎだと思うなぁ……!!
でも、ちゃんとミニライブは成功に終わった。
もうCDの宣伝も終わって後はステージ裏に戻るだけ……え? 緒川さん、そのもう少し待って的な手は何ですか? なんで翼さんは笑顔でこっち来るんですか?
「え? え、ちょ、なに、え!?」
「そう慌てるな月読」
そう言って翼さんがわたしの頭に手を置いて落ち着かせてくれるけど……落ち着けないよ!? 何がどうなってるの!? 観客の人たちもなんだか困惑してるし!
「月読のデビューに合わせて発表させてもらう。私はソロの歌姫をやりながら月読とユニットを組む事となった」
「え、それ今言うんですか!?」
「物事は速い方がいいだろう?」
そ、そういう物なんですか……?
「月読もソロでやりながら私とのユニットを組んで共に歩んでいく。是非とも応援してやってくれ」
「え、あ、応援よろしくお願いします!」
そんなサプライズがあった物のなんとかミニライブは成功に終わった。ミニライブの後にSNSを見てみると、丁度翼さんのサプライズ発表の直後に翼さんがわたしとユニットを組むという情報が流れていたり、わたしのデビュー前から開示されていたプロフィールとかがもう纏められていたりとかして驚いた。
まだユニット名は決まっていないけど、ユニットを組むことが決まったからかわたしに興味を持ってくれた人は少なからず居てくれたみたいだし新人アイドルを紹介したりする番組に呼ばれたりとかなんだかミニライブの直後に色々と事態は好転した。でも……
「月読、ユニット名はこれでどうだ!?」
「いや修羅の双刃って……もうちょっとアイドルっぽい可愛いやつにしましょうよ!!?」
取り敢えずはしゃいでいる翼さんを誰かどうにかしてください! この人、後輩が出来たのが予想以上に嬉しかったみたいです!!
あ、ユニット名は最終的にわたし達のユニゾン曲の風月ノ疾双になりました。もうちょっと可愛いやつが良かったけど……まぁ、わたし達らしいしいいかなって。
ちなみに二人のユニットは一部の人間は絶壁コンビとか言っているそうな。
もしかしたらこの時空は続きを書くかもしれません。
次回は未定。もうネタが無いんぢゃ……!! でもそろそろここだと空気になってしまっているエルフナインと絡んだ話を書いてみたい感がある。セレナ? またパソコンフリーズするのは嫌なんで暫く放置です……!