そんな事は置いておいて、今回は心霊体験の続き。調ちゃんが故人(内二人はもう出たことがある)と遭遇します。
あと前回の話は予約投稿普通にミスりました。反省はしているが後悔はしていない
サンジェルマンさん達がわたしに憑りついてから暫くが経過した。時折無理矢理カリオストロとプレラーティに体を奪われてはその後お風呂場に放置したりと割と一人の時よりも楽しい事になっているのは素直に認めるけど心休まる時間がかなり奪われました、はい。
今もカリオストロとプレラーティはわたしが買ってきたインスタントの食事を食べている。なんやかんやでサンジェルマンさんも。最近切ちゃんが部屋の中に居て温かくしてても寒そうにしているのは本当に申し訳ないと思う。今度わたしが抱き着いて温めて……
「少女がしてはいけない顔になっているわよ」
はっ、いけないいけない。こんなみっともない所は切ちゃんには見せられない。
取り敢えずこの間買ってきた(買わされた)ゴスロリ服はクローゼットの中に入ってまだお披露目されていない。いつか切ちゃんに見せて感想を聞きたいところだけど……やっぱり恥ずかしい。
「調、調」
とか思ってたらプレラーティがいつの間にかパソコンの電源を入れて何かのページを表示しながらわたしをつついてきた。敵対している頃は名前で呼ばれる事なんてなかったけどこうして憑かれて色々と話しているうちに名前で呼ばれるようになった。カリオストロもそうだし、サンジェルマンさんも。
わたし自身この人達はこの人達なりの正義を貫いてきた人で、根っからの悪人ってわけじゃないからそれに対して嫌な思いも何もしていない。むしろこうして距離が近づいてちょっと嬉しい感じもする。
だけどカリオストロとプレラーティって元男なんだよね……とてもじゃないけど今の外見からは考えられない……
「今度これを食べに行きたいワケだ」
そう言ってプレラーティが指をさした画面にはグルメ紹介サイトが写っていて、そこには一つのラーメン屋の名前と写真が載っていた。別にそういうの食べに行くのはいいんだけど……これ、ちょっと移動だけでもかなりの時間かかるんだけど。っていうか連れて行ったとしてもどうしたらいいの? プレラーティは人目がある場所だと物には触れないし。
「体を貸してほしいワケだ」
嫌だよ。
「何故」
何回それで悪戯されてきたと思ってるの?
ゴスロリ服事件から始まってある時は訓練中に体を奪われて変な技を使われて後日筋肉痛になったり切ちゃんがお風呂に入っている最中にお風呂に突撃かましたり……まぁその時はナイスって思ったけど……まぁ、そうやって色々とわたしの体でやらかしているからどうしても体を貸したくない。最近は寝ている間に幽体離脱まで自在に出来るようになっちゃったし明らかに人じゃない物が見えるようになってきてちょっと怖くなってきたし。
襲ってくるような悪霊はサンジェルマンさんが全部何故か持ってるラピス……ラピ……ラピなんとかの銃で追っ払ってくれているけど……あとは変な背後霊とかに憑かれそうになってたわたしと切ちゃんを初めとしたわたしの知り合いを助けてくれたし。けどプレラーティとカリオストロは何もしてくれないし。
「……サンジェルマンさんならいいけど」
「何故サンジェルマンだけなワケだ」
「日頃の行い」
「クソっ!! 何も言い返せないワケだ!!」
自覚あるんならもう止めてよ、ホント。あなた達はわたしの温情でこうやって幽霊生活出来てるんだって自覚させてあげてもいいんだよ?
「結構怖い上に何も言い返せない脅迫なワケだ」
「まぁ調ちゃんには感謝してるけど? それと悪戯心は話が別なのよ」
「必殺、ソルトフィンガー」
「ああああああああああああああああああああああ!!?」
取り敢えずカリオストロにはソルトフィンガー(塩を握った手でアイアンクロー)でお仕置きをしておく。カリオストロの体がビックンビックンしてて面白い。
さて……でもどうしようかな。体貸すのはちょっと嫌なんだよね。貸している間とっても暇だし。体を貸した状態で何か食べるとわたしにもそれは感じられるんだけどなぁ……ただあっちから体の自由を奪い取ることは可能だけどこっちからは結構難しいんだよね。単純に霊体でのアレコレのやり方が分からないだけとも言えるんだけど。やっぱり四六時中霊体の二人にはちょっと敵わない。
でもちゃんと体を返してくれる辺りこの人達が本当に悪人じゃないって事は分かる。それに、悪戯が全部わたしにとって悪い結果を生み出したって事もないし。
「……なら、お店に入ってからラーメンを食べてお店を出るまでは体を貸してあげる。ラーメンを食べる以外の事をしたらソルトフィンガーの後に簀巻きにして顔にお札貼ってお風呂場に放置する」
「それでいいワケだ」
「タスケテ……タスケテ……」
「何やかんやで甘いわね、貴女も」
取り敢えずプレラーティだけじゃカリオストロから文句言われるかもしれないからカリオストロにもちょっとだけ貸してあげよう。カリオストロって服や小物選びのセンスが凄いいいから。
……ほんとにこの人達、元男? 生まれた時から女じゃないの?
****
そんな訳で翌日。休みの日だから早速プレラーティの言ったラーメン屋に行くことにした。カリオストロには今度服を買いに行くときにわたしの代わりに服を選んでもらう事で手を打った。なんだかんだでわたしも体を貸す事に何も感じなくなってきたなぁ。
取り敢えず朝ご飯を食べて暫くしてから出かける準備をしてから部屋を出る。既にプレラーティがウッキウッキなんだけど……まぁ気にしない。サンジェルマンさんも溜め息吐いてるし。
「あら、調。何処か出かけるの?」
「うん。ちょっとね」
部屋を出てすぐに偶々来ていたマリアとすれ違った。何気に三人に憑かれてから初めて会うんだけど……うん、ずっと気にしていない、というかちょっと見たくなかったから三人にも出来る限り無視するように言っていたんだけどそろそろ現実を直視しよう。マリアに憑いている人をしっかりと見よう。
「月読さん、やっぱりパヴァリアの人達に憑かれてる……気づいてないのかな? っていうかパヴァリアの人達もわたしに気づいていない?」
マリアの後ろをふよふよと浮いている存在。最後に見た時から全く変わっていない幽霊。
まぁぶっちゃけるとセレナなんだけど。
憑かれた影響か幽体離脱出来るようになった影響か知らないけどマリアに憑いているセレナが見えるようになった。朝マリアが来てからセレナが「あ、月読さんやっほー。まぁ気づいてないだろうけど」とか言ってくるからその時飲んでいたお茶を吹き出しそうになったよ。何とか耐えたけど。
で、その後すぐに小声で三人に無視しておいてって言っておいたから三人とも意図的にセレナを無視してくれているけど。
なんでそんな事をしたかって言ったら、取り敢えずセレナとは会話したかったけどマリアにわたしが虚空と話している可哀想な子に見られないため。あとセレナを驚かせたいから。
「じゃあ行ってくるね」
そしてマリアの横をすれ違う前に三人と目配せしてなんだか偶然できてしまった秘儀を発動する。
「えぇ、行ってらっしゃい。気を付けるのよ?」
「わたしの仲間入りはしないでね……あれ? なんでわたし掴まれて……っていうか月読さんの手から透明な手が生えてる!?」
これぞ秘儀、腕だけ幽体離脱。なんかちょっと前に無理矢理体を奪ってきそうだったカリオストロに対して抵抗していたら出来ちゃった腕だけの幽体離脱。これをやっている間、生身の腕に対する感覚がないし動かせないから腕がプランプランしてるけどマリアは特に気にしていない様子。
そのままセレナを引っ張って玄関の外まで引っ張り出してから腕を気合で元に戻す。これやってる間腕が冷たいような生暖かいような変な感じになるからちょっと苦手なんだよね。
「ふぅ……」
「えっ、えっ、な、なにが……」
「セレナ、わたしに憑けない? 出来れば色々と話したいんだけど」
「つ、憑けない? って……っていうか月読さん、わたしが見えてるの!?」
「うん。多分そこの三人に憑かれた影響」
「どうも」
「そこの三人」
「なワケだ」
あ、三人ともノリがいい。
取り敢えず憑く対象の変更だけど、どうやら幽霊側は結構自由にできるらしくてカリオストロとかは切ちゃんに憑いたりして遊んでいた。けど憑かれたから見えるようになる、とかは無いらしくてやっぱりわたしみたいにちょっと特別な感じの子か霊感がかなり高い子じゃないと見たり体の貸し借りは無理みたい。
それで三人が憑く対象の変更方法を教えてセレナは何とかわたしに憑く対象を変えることが出来た。
で、ここからはサンジェルマンさんに体の自由権を奪ってもらって強制幽体離脱してから移動中にセレナと会話することにした。
「えっと、つまりこの三人に憑かれたから幽霊が見えたり体の貸し借りが出来るようになったって事?」
「うん。だから今日初めてセレナが見えた」
「へぇ。でもわたし嬉しいな。月読さんと久々に話ができて」
「わたしも、セレナとまた会えて嬉しい」
二人でふわふわわたしの肉体の後ろを浮かびながら話す。別に生身で話してもいいんだけどそうすると完全にわたしが痛い子になっちゃうから。
で、カリオストロとプレラーティに体を貸すと確実に何か余分なことをするから信用できるサンジェルマンさんに体を奪ってもらった。カリオストロとプレラーティがぶーぶー言ってたけど今度貸してあげるから黙ってて。
「ふぅん、あの子の妹さんねぇ。何年憑いているのかしら?」
「え、あ、七年前から、です」
「そんなに硬くならなくてもいいのよ? もうわたし達死んでいる者同士なんだし」
「死人仲間なワケだ」
ふよふよとカリオストロとプレラーティがセレナに絡む。なんというか、この二人がセレナと絡むって意外性しかないというかなんというか……というか違和感だらけ?
でも暫くするとカリオストロとプレラーティとセレナは結構仲が良くなっていた。
「それでマリア姉さんってば自分のあの宣言が動画サイトでMAD素材になってるの気にしてるみたいで」
「もっとこっそりやっておけば良かったワケだ」
「いやー、それはもう黒歴史確定ね」
「ネットでそれを見るたびわたしは腹筋が壊れそうになる」
「わたしも!」
「お前ら身内に容赦ないワケだ」
いやー、だって面白く笑えるように編集してあるんだもん。マリアのアレとココ〇オドルを合わせたマリアオドルとかもあったけどゴリ押しもゴリ押しでついつい笑っちゃったし。それを見た切ちゃんもお腹抑えながら蹲って震えてたし。多分あれを翼さんでやってゴリ押ししてもわたし達は笑うと思う。
止まらないマリアBBとかもう本当にゴリ押し過ぎて……
「おい、ちょっと気になるのが見えるんだが」
とか色々と話してたらわたしの体で歩いているサンジェルマンさんが小さくわたしに声をかけてきた。
え? 気になるものってなんですか?
そう聞くとサンジェルマンさんは小さくわたしの前を指さした。あれは……エルフナイン? エルフナインが二人……?
疲れてるのかな……なんかエルフナインの後ろに赤い服を着たエルフナインが浮いているように……ってあれエルフないんじゃなくてもしかしてキャロル!? キャロル、本当にエルフナインに憑いていたの!?
「あ、キャロルさんだ」
「え、セレナ知ってるの?」
「エルフナインさんに憑いてからね。なんやかんやあって仲良くなったの」
まさかの知り合い。
確かパヴァリア三人組はキャロルとは一度会ったことがあるんだっけ? だからサンジェルマンさんが気になるって言ったのかな? 取りあえずサンジェルマンさん、わたしの演技してエルフナインと話してくれますか?
「大丈夫だ。ちょっと違和感があるかもしれんがそこは勘弁してくれ」
大丈夫です。その間にキャロルと話もしておくので。
数回咳払いして声の調子をわたしの物と謙遜ない物にしてからサンジェルマンさんはエルフナインに近づいた。
「エルフナイン。こんな所にいるなんて珍しいね」
おぉ、完璧にわたしの口調だ。そのままお願いします。
「あ、調さん。実は今日はお休みを頂いたんですよ」
「……なぁ、オレの目には見覚えのある居ちゃいけない三人と生身があるのに幽体になってるのが見えるんだが」
並んでいるエルフナインとキャロルはエルフナインの今の体がキャロルの物だからか瓜二つにしか見えない。けど、キャロルは表情が強気というか眉が吊り上がっているというべきか。そんな感じだからまだ見分けはついている。
で、目尻を抑えながら困惑しているキャロルににやにやと変な笑顔を浮かべながらプレラーティとカリオストロが絡む。
「気のせいじゃないわよ~、キャロル~?」
「ちょーっと顔を貸してほしいワケなんだが?」
「ひっ!? お、お前ら近づくな離れろそしてコイツはどうして幽体離脱していやがる!? というかこの肉体は誰が動かしてんだ答えろセレナァ!!」
あ、ここはちょっとエルフナインっぽい。あとプレラーティとカリオストロはやってる事完全に悪役だから。
取り敢えず二人に拳骨を落としてセレナに説明だけしてもらう。あと、サンジェルマンさんはエルフナインに違和感を抱かせないようにまだ話せている。やっぱりこの人すごい。
「……なるほど? つまりお前らはコイツに憑いていると。で、今コイツの体はサンジェルマンが憑依している状態で、セレナは一旦コイツに憑く対象を変えたと」
キャロルはセレナに説明された事をしっかりと理解したらしくて何度か頷きながら今のわたし達の状況を把握した。お前ら滅茶苦茶な事やってるなおい。という声には心底同意しておく。
ちなみにキャロルがエルフナインに憑いたのはエルフナインに自分の体を明け渡してからで、思い出は憑依した時に戻ってきたらしい。けど長らくわたし達と戦っていた間の口調だったからか口調は昔に戻さず今のままにしているらしい。
「……言っておくがこの間の事は謝らんぞ。オレはパパの復讐のために力を振るっただけだ」
「うん、分かってる」
この間の事……つまりは魔法少女事変の事。
あれは最後はキャロルの世界に対する、キャロルのパパさんにした仕打ちへの復讐と、それを止めようとするわたし達の戦いだった。要するに意地の張り合い。だから、それが過ぎた今、わたしから言うことは何もない。
「っていうか、お前も災難だな。寄りにもよってこいつ等に憑かれるとはな」
「まぁ、色々とあってね」
「そうか。まぁ、せめてこいつ等に体を横取りはされるなよ。そうなったらエルフナインが泣く」
「随分とエルフナイン思いなんだね」
「……ま、まぁ、今のアイツの体はオレのだしな。ちょっとは気を遣う」
なんだか妹の事が大事だけど指摘されると顔を赤くして黙っちゃうお姉さんみたいで可愛い。
「じゃあ、ボクはちょっと行くところがあるので」
「うん、わかった」
ここら辺でもうサンジェルマンも時間稼ぎが限界らしくこっちを見てきた。なら、そろそろキャロルとお別れしないと。
まぁ、またエルフナインと会えばまた会えるし、お別れも気楽。
「じゃ、また会おうね」
「まぁ、どうせエルフナインと会えば会うことになる」
やっぱりキャロルは素直じゃない。
エルフナインとキャロルに手を振って別れる。
でも、セレナがマリアに。キャロルがエルフナインに憑いていたって事は……もしかして、あの人も実は憑いていたり……
「ん? そこにいるのは月読か?」
あ、翼さんだ。サンジェルマンさん、演技続行で。
サンジェルマンさんが頷いたところでわたしは翼さんの方を振り向く。そして、やはりと言うかなんと言うか……
「あれ? なんで調は幽体離脱してんのに体が動いてんだ? ってか憑かれすぎじゃね?」
幽霊の奏さん登場。うん、知ってた。
今日三度目の説明を奏さんにしている間サンジェルマンさんには翼さんと話をしていてもらう。説明をしたところでなるほどなぁ、と奏さんが頷いた。というか、何気にわたしと奏さんって初対面だよね? なんだか初対面な感じしないけど。
ちなみに説明の方は大体セレナがやってくれた。連れてきてよかった。
「ほーん。そんな事出来るのか」
「多分出来るのはわたしだけですけど」
「ならさ、今度アタシにも体貸してくれよ。翼のやつ、行くところが偏っててなぁ……」
「いいですけど……わたしの体で翼さんと会って変なことしないでくださいね? 絶対に後で面倒なことになりますから」
「分かってる分かってる。んじゃ、そろそろ翼も行くっぽいしまたな」
「はい、また」
「セレナも。またあいつ等のステージの後ろでダンスでもしようぜ」
「あー、いいですね。あれ結構楽しかったですから」
えっなにそれ。
「今度風鳴さんとマリア姉さんのステージの動画見てみてください。多分わたし達映ってますから」
「二人で逆光のフリューゲル踊ってたりな」
えっ、この人達幽霊生活楽しみすぎじゃない?
そんな感じで翼さんwith奏さんは歩いて行った。
「こんな感じでよかったか?」
「はい、ありがとうございますサンジェルマンさん」
「憑かせてもらっているんだ。この程度なら構わない」
そんな訳であとの道もサンジェルマンさんに歩いてもらってプレラーティの目的であるラーメン屋に着き、プレラーティは感想を一々口にしながらラーメンを美味しそうに完食した。その味はわたしにも分かったけど、プレラーティが凄い美味しそうに食レポするものだからカリオストロとセレナがわたしの体の取り合いになってわたしとサンジェルマンがそれを全力で止めたりっていう珍事件は起こったものの、まぁなんとかなった。
ちなみに帰ってから。
「……ホントに奏さんとセレナが後ろで踊ってる」
「偶に気付く人がいるのも面白いんだよねぇ」
ネットを見たら二人の後ろを踊っている幽霊が見えたとか言っている人がちょっとだけだけど本当にいた。なんというか……お茶目? なのかな? まぁセレナの知らない部分が知れたから良かったかも。
あ、セレナはちゃんとマリアに返したよ? 今度体を貸してって言われたんだけど……わたし、一体何人の幽霊に体を貸せばいいの? まぁいいけど。
体を貸してしまうことに慣れてしまった調ちゃんでした
そしてキャロルが初登場&セレナ再び。今回はパソコンはフリーズしませんでした。あと私服なのか冬服なのか分からないけど新しいセレナの立ち絵可愛い。やっぱりギャグでキャラ崩壊しなきゃセレナは可愛いんやなって……
さて……次はどんな話を書こうかな……メイド調ちゃんも出たことだしメイドな調ちゃんでも書く? でも公式がやってるからなぁ……またひびしらでも書く? それともグラビティレズじゃない未来さん……?