月読調の華麗なる日常   作:黄金馬鹿

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弁明だけさせてくれ。

俺は本当にギャグを書くつもりだったんだ。

でもなんか気が付いたらこうなってたんだ。

悪気は無かったんだ……!!


月読調の華麗なる極限生活

「無人島での、生活ですか?」

「あぁ」

 

 入院しているわたしの元に、風鳴司令がお見舞いに来てくれた。

 そして言った言葉が、それだった。

 わたし達が一か月間生活していた無人島。そこでの暮らしを懇切丁寧に教えてくれと。まだ寝ているらしい響さん達から話は聞けないから、わたしから聞きたい。風鳴司令はそう言った。

 

「はい、大丈夫ですよ。えっと……どこから言えば?」

「……辛いだろうが、最初から最後までだ」

 

 そう言われてふと思った。

 そういえば、二週間目あたりからわたしの記憶はかなりあやふやだった。

 だから、思い出すという事も含めて、わたしは話す事にした。

 

 

****

 

 

 事の発端は、風鳴司令が唐突に口にした特訓からだった。

 夏休みの真っただ中のとある日。外に出るのも億劫な程の暑い真夏日に、わたし達は風鳴司令にとあるフェリーの発着場に呼び出された。交通費は支給してくれていたし、何よりその日から一週間近くのカレンダーの空白があったが故に、断る理由が無かったから。わたし達装者+エルフナインはフェリーの発着場へと向かった。

 忙しいハズの翼さんとマリアがそこに居たのは、多分上手いこと緒川さんがスケジュールを調整した結果だと思う。

 そして、フェリーの発着場に着いたわたし達に、風鳴司令は笑顔でこう言った。

 

「今日から一週間、SONGが保有する無人島で特訓を行う!!」

 

 とは言っていたけど。

 実際は特訓という名のバカンスであり、自然の中で山菜を採ったり魚を銛で突いたり。そうやって自然を楽しみながら体力を付けていこう、という魂胆だったらしい。平行世界に行ったり事件を解決したり外国へ飛んだりと、何かと忙しいわたし達装者とエルフナインの様子を見てのことだったらしく、風鳴司令は建前とも言える特訓の事項を口にした後、まぁ楽しんで来い、とわたし達の背中を押してくれた。

 風鳴司令と緒川さんは、まだ仕事が少しだけ残ってるらしく、夕方までには無人島へ行って合流する、と言ってくれた。暫くの引率は翼さんとマリアで大丈夫だろう、と思っていたらしい。

 けど、この時の、風鳴司令と緒川さんを含めた全員はこれから数十分後に起こる悲劇を予測なんてできるわけがなかった。もしも引率に緒川さんか風鳴司令がいたのなら。わたし達はあの極限生活を強いられることなんて、無かったんだと思う。

 全ては、十人程度が乗れる船に乗ってから十分ほど経ったときだった。船の無線に、SONG本部で待機していた藤尭さんからの連絡が来たのは。

 

『船の周囲にノイズの反応がある! 至急ノイズの殲滅をしてくれ!!』

 

 海上での戦い。わたし達は自衛のためにもそれを選択するしかなかった。

 水着型ギアを纏えるクリス先輩、マリア、翼さんを筆頭に、わたし達は海上での戦いをした。特に戦いにくそうだったのは、響さんと未来さん。響さんはその戦闘スタイルから海上での戦いに苦戦し、未来さんも神獣鏡の火力の低さからノイズを相手に苦戦していた。しかも日よけの無い炎天下での戦い。徐々にわたし達は疲弊して。水着型ギアの三人も息を切らせて。

 

「あぁもうちょっせぇ!! もう全力で周囲一帯ぶっ飛ばすぞ!!」

「雪音の意見に従うぞ! 立花、お前は私に合わせろ!!」

「もうイライラしてるんで全力でぶっ放しますよ、翼さん!!」

「あたしと調もコンビネーションで決めるデス!!」

「うん、いこう切ちゃん」

「ビームで焼き払ってやるわ!!」

「同じく!!」

「あ、あの、あまり火力を高めると船が転覆する恐れが……」

 

 そのせいか、クリス先輩の提案がやけに魅力的に感じてしまって。わたし達は全員が大技を構えてしまった。

 そして。

 

「SURFING PRIEST!!」

「双星ノ鉄槌ッ!!」

「DIASTER BLASTォ!!」

『ザババサンムーンッ!!』

「HORIZON†CANNON!!」

「流星!!」

 

 クリス先輩がミサイルを発射して。翼さんと響さんが息を合わせて天羽々斬とガングニールの広範囲の殲滅攻撃を私用して。わたしと切ちゃんで先端が丸鋸になった鎌を超巨円投断のように思いっきり投擲して。マリアと未来さんがビームを発射して。

 その結果。ミサイルが海中で爆発して、殲滅攻撃とザババサンムーンが津波を起こして、ビームが海中で謎の爆発を起こして。

 エルフナインの忠告を無視してしまった結果発生した大きな津波は、思わず呆然としてしまったわたし達を船ごと巻き込んでいき、そのままわたし達の意識は一旦途切れてしまった。

 そして目が覚めた時には。

 

『……ここ、どこ』

 

 わたし達全員が、どこかも分からない無人島に打ち上げられていた。

 後から聞かされたんだけど、実はこの無人島。わたし達が行く予定だった無人島のお隣だったらしくて、船を運転していた職員の人は運よくそっちに流されたから特に困った事はなかったらしい。手当もSONGが出したらしいし。

 でも、当時のわたしはそんな事いざ知らず。もしかしたら帰れないかもしれないという恐怖だけが残って。全員が顔色を真っ青にした。

 

「た、立花! 小日向! 雪音! 月読! 今すぐ飛んで助けを呼んできてくれ!!」

「無茶言わないでくださいよ翼さん! ここがどこかも分からないのに飛べませんよ! 特にわたしは体力を大量に消費するんですよ!?」

「そうですよ! 幾ら何でも無茶です!!」

「アタシのミサイルだってんな万能じゃねぇよ!! もし海のど真ん中で力尽きたらどうすんだよ!!」

「わたしのシュルシャガナなんてミサイルの数倍遅いんですよ!? 確実に海に落ちちゃいますから!!」

 

 こんな感じで。わたし達は混乱に混乱を極めて、どうしたらいいのかも分からず、ただ空を飛んだり海を渡ったりできそうなギアを持っている人にどうにかしてくれとギャーギャー責任を押し付けるだけだった。

 でも、こうしても仕方がないと、誰かが謝ったのはそれから二時間も経ってからだった。未来さんやわたし達、F.I.S組はギアを纏うにはLiNKERが必要不可欠だから、結局訓練用LiNKERの効果時間が切れてから、わたし達四人が落ち着いて。それを見て、ギアを纏ったままだった響さん達がこれじゃあどうにもならないと落ち着いて、ギアを解除して。

 それから、偶々マリアが持ってきていた緊急用の体内洗浄機でどうにかLiNKERの毒を体から出して、ようやくわたし達は落ち着いた。

 もしもここでわたしと未来さんの、自由に飛行できるギアを持った装者が飛んで行ったらと思うとゾッとしない。だって、わたしと未来さんは二時間でLiNKERの効果時間が切れたのだから。多分、運よく他の無人島に着地したとしても、そのまま一人で何もできず……っていうのが大いに考えられた。ついでに、翼さんが飛んで助けを、と言った際に指さした方は見事に太平洋のど真ん中に続いていた。

 

「と、とりあえず皆さん。一旦持っている物を共有しましょう。もしかしたら、どうにかなるかもしれません」

 

 そうして、何であんなに荒れていたんだと全員が全員、自己嫌悪を始めた辺りで、唯一ずっと冷静でみんなを止めようとしてくれていたエルフナインが声をかけてくれた。この中では唯一特殊な力を持たないけど、それでも一番落ち着いているエルフナインにみんなで安堵して。とりあえずエルフナインに従おうって決めて、わたし達は荷物を広げた。

 でも、特にこれといった、この状況を打開する物は出てこなかった。

 みんなが持ち込んだお菓子。着替え。歯ブラシとかの日用品。それ以外には、携帯端末や本、ぬいぐるみといった、この状況を打破するにはどうしようもない物だらけだった。

 

「……じゃあ、このお菓子を緊急時の非常食として確保しておきましょう。それで、ここからは食料確保班を決めます」

「お菓子があるなら大丈夫じゃ?」

「お菓子がある間に誰かが来てくれるとは限りませんから」

 

 本当にエルフナインは冷静だった。多分、慌てまくった結果、一周周って落ち着いたんだと思う。本人もそう言っていたし。

 そうして。装者は食料確保班を海と山の二つに分けて、体力のない人でこの海岸に仮拠点を作る事になった。

 まず、山は響さんとマリア。海は翼さんと切ちゃん。わたし、クリス先輩、未来さん、エルフナインで拠点作成、SOSサイン作成、火おこしを担当することに。

 ギアを自由に纏える三人が分かれる事でパワーバランスを調整する、というエルフナインの采配は、今思えば本当にピッタリと合っていた。

 響さんとマリアが非常食としてお菓子を幾つか持って山へ向かい、翼さんと切ちゃんが水着ギアと水着に着替えて素潜りして、わたし達が拠点の作成。ここでわたしは持ってきていた訓練用LiNKERを一本使い、大至急でエルフナインの監修の元、木を切ってアームで拠点を組み立てた。

 

「これ、意外と疲れる……!」

「頑張ってください! これがないと割と本気で死を覚悟しますから!」

 

 屋根と壁。これがないのは流石にキツい。そう判断したエルフナインによってわたしは着々と木を組み立てていく。

 そして未来さんが拾ってきた漂流物で大きなSOSサインを組み、重火器でとっとと火を起こしたクリス先輩がわたしに合流して同じように、わたしより少ないアームで拠点の組み立てを手伝ってくれる。

 そうしてなんとか。わたし達は仮拠点、SOSサインを完成させ、火おこしも終わらせた。

 仮拠点はかなり頑丈に作った。試しに響さんが押しても引いても壊れないくらいには丈夫に作った。どうしてこんな拠点を作るための知識があったのかをエルフナインに聞くと、チフォージュ・シャトー建設の時の名残とか。

 そうしてわたし達は自分達の役目を終わらせた……んだけど。ここからの状況がかなりマズかった。

 まず、響さん達が帰ってきた。手ぶらで。

 

「あーその……えっとね? 一応島の端まで行ってきたんだけど……」

「この島、直径で一キロちょっとしかないわね。かなり小さい島よ」

「それで、食べられそうな草とか探したけど、明らかに毒々しい物しかなくて……」

 

 そう。この島、とても小さかった。

 そのため、響さんとマリアが全力でこの周りを駆け回ったけど、得た物はなにも無く。一応確認を、と持ってきた確認された野草やキノコは見事に毒があるとしか言えない物で。一応、エルフナインが錬金術で簡単に調べたけど、見事に致死性の毒が含まれたアウト物件だった。

 こうして、山の方は完全にアウト。一応虫の類がいたとは言ってたけど、うら若き乙女たるわたし達はそれを食べる気にはならなかった。なお、虫にも毒があったもよう。

 そして、海班の二人だけど……

 

「フグと腹の足しにもならないうえに捕まらない小魚しかいない」

「流石にこのフグは食ったら死ぬデス」

 

 この直後、流石にこれはマズいと思ったのか響さんとエルフナインが海へ突っ込んだけど、結果は同じ。人間が食べて満足できるようなサイズの魚はいなかった。

 と、いうのも。この無人島の周辺の海域は先程の津波とノイズの出現によって大きく乱れてしまったらしく、小魚以外の魚は全部どこかへ行ってしまったらしい。だけど、辛うじて残っていた魚を翼さんと切ちゃんは取ってきてくれた。でも、それはみんなで分け合ったらすぐに無くなってしまった。

 そうして、全員が空腹に涙をこらえながら暇な時間をボーっとして過ごし、一日が終わる。

 こうしてわたし達全員が、食料の確保がほぼ不可能なこの無人島で、無期限のサバイバルを強いられることになった。そして、そのサバイバルは、地獄の幕開けでもあった。

 まず二日目。

 

「みなさん、なるべく動かないでください。極力エネルギーを使わずに助けを待ちましょう」

 

 エルフナインの言葉に従って、わたし達は極力動かずにその日を終わらせた。水は、エルフナインが何も食べずに作った海水を真水に変える装置で八人分をなんとか補った。

 三日目。

 全員が空腹の限界を感じた。一日何も食べないだけで人間と言うのは大分精神をすり減らす。

 

「……ふらわーのお好み焼きが食べたい」

 

 そんな響さんの寝言は、全員のすきっ腹に直撃して。でもお菓子は非常食だから手を付けられず。全員が何も言わずにそのまま寝るだけの日を過ごした。雨が降ってほしかった。

 もし、ここに居る人の中で癇癪を起こす人が居たら、間違いなく大参事になっていたと、今さらながら思う。

 四日目。

 まだ助けは来ず。これ以上食わないのは流石にマズいと、みんなの意見の一致で、お菓子を分配して食べた。丸一日以上も何も食べていなかったからか。お菓子の味は今まで食べたお菓子よりも断然美味しくて。でも、食べ過ぎたら生きられないと思って。空腹が紛れる程度食べて、終わった。

 五日目。

 その日も何も食べなかった。でも、響さんがとうとう木を齧り始めた。

 

「ねぇ、知ってる? 木って、噛めば噛むほど味が出るんだよ」

 

 うつろな目でそう言う響さんを止める気力は、みんなには無かった。

 とうとう火も消えた。ギアを使える人に起こしてもらおうとしたけど、響さんは限界。翼さんとクリス先輩もギアを纏えるだけの体力が無くて。わたし達は火の無い中で寝付いた。とても寒かったのだけは覚えている。

 六日目。

 響さんと切ちゃん。それからマリアが我慢できずにお菓子を全部食べてしまった。でも、残りの五人のお菓子は残っているから、それを分けた。涙を流して謝る三人にイラつかなかったと言えば嘘だ。でも、ここで怒っても仕方ない。仕方の無い事だと。全員で言い聞かせて。

 その日は、三人が全力で取ってきた魚三匹を、響さんのガングニールで火を付けて焼いて食べた。数日振りの魚は、とても美味しかった。これでお菓子の分は完全にチャラになった。どうせ、三人が食べた分と同じ量のお菓子を、今日全員で分けて食べるつもりだったのだから。

 七日目。

 魚を食べて少し余裕が出たわたし達はなんとかその日を耐えた。でも、誰も何も話すことは無かった。

 八日目。

 朝起きると、未来さんが何かを食べていた。

 むしっ。ぱさっ。むしっ。ぱさっ。そんな音を立てながら未来さんはみんなに背を向けて何かを食べていた。一瞬、未来さんが何かお菓子を盗んだんじゃ、と思い、いったんみんなで未来さんを羽交い絞めして食べている物を確認した。

 食べていたのはぬいぐるみだった。

 ぬいぐるみの綿を。毟って、口に運んで、飲み込んで。極限の環境下で、何の訓練もしていなかった未来さんが一番に限界が来たのだと。全員がようやく理解した。

 でも、ぬいぐるみって食べられるんだと。虚ろな目をした未来さんを見ながら思ったわたしは。どうしようもなく、ぬいぐるみが美味しそうに思えてしまった。

 九日目。

 耐えられなかった。

 ぬいぐるみを、食べた。

 美味しくなかった。マズかった。

 口の中の水分は持っていかれるし。お腹痛くなるし。吐きそうになるし。そもそも味しないし。

 でも、何かを食べるという行為がわたしの精神をなんとか保ってくれた。

 だけど。もし、そのままぬいぐるみを食べ続けていたら。わたしはきっと助けが来る前にリタイアしていたと思う。だから、それを止めてくれたみんなには感謝するしかなかった。

 十日目。

 久しぶりにお菓子を食べた。

 泣くレベルで美味しかった。

 でも、それでお菓子はなくなった。残ったのは、全員が持っていたポテチ一枚だけ。なんとか全員で魚を二匹確保して明日の食料に回したけど。あと二日もしたら、きっとみんなは狂う。まだこれがあるから動ける。生きれると。希望そのものだったお菓子がなくなったのだから。

 十一日目。

 魚を食べた。水を飲んだ。ポテチを食べた。それしか記憶には無い。

 十二日目。

 何もしなかった。できなかった。

 十三日目。

 本を食べた。まずかった。

 十四日目。

 木を食べた。お腹を壊した。

 十五日目。

 海水を飲んだ。逆に喉が渇いた。

 十六日目。

 服の一部を食べた。お腹が痛くなった。

 十七日目。

 ぬいぐるみを全部食べた。お腹が痛い。

 十八日目。

 フグを響さんが食べてしまった。

 十九日目。

 未来さんが同じようにフグを食べてしまった。

 二十日目。

 翼さんが発狂した。山へギアを纏って走って行って、そのまま何かを食べながら帰ってきた。

 二十一日目。

 わたしは着替えを全部食べた。クリス先輩が笑いながら気絶したっきり動かなくなった。多分眠たかったんだと思う。

 二十二日目。

 マリアがお菓子の袋を食べた。

 二十三日目。

 切ちゃんが何か赤いのを食べていた。そのあと切ちゃんも気絶した。

 二十四日目。

 エルフナインが笑いながら頭を壁に打ち付けていた。そういうお年頃。

 二十五日目。

 みんな静かになった。

 二十六日目。

 落ちていた石を食べた。

 二十七日目。

 残っていたLiNKERの中身を飲んだ。吐いた。

 二十八日目。

 切ちゃんが食べ残した赤いのを食べた。焼いたら美味しかった。

 二十九日目。

 よく見たら食べ物は転がってた。

 三十日目。

 久しぶりに満腹になった。でも吐いた。なんでだろう。

 三十一日目。

 風鳴司令が助けに来た。風鳴司令はわたしを見て言葉を失っていた。その後に謝りながらわたしを抱きしめてくれた。久しぶりに人の温もりを感じた。

 そうしてわたしはヘリに乗せられてSONGの医務室に運ばれた。

 そのあと、わたしは胃洗浄とかさせられたけど、最終的には気絶して。そうして目が覚めて今に至る。

 

「……あれ?」

「……」

 

 そうして話していて思い出したけど。

 二十三日目に切ちゃんが食べてたのって、なんだっけ。

 二十九と三十日目に食べたのって、なんだっけ。なんで仮拠点の中に食べ物が転がっていたんだっけ。

 なんで、みんなが途中から……

 

「え? あ、まさか……うそ」

 

 あの赤かったのって、お肉じゃなかったっけ。

 でも、あそこにお肉なんてなかった。あるとしたら……

 

「あ、あぁぁ、あああああああああ!!?」

 

 思い出した。

 わたしは。わたしは、生きるために。

 もう動かなくなってしまったみんなを、この手で裂いて――

 

「すまない……本当に、本当に……すまない……!! 俺が……俺がついていてやれば……!!」

 

 そうだ。

 響さんは、フグをとってきて、そのまま食べて、死んだ。

 未来さんは、その後を追って、死んだ。

 翼さんは、その現実に耐え切れずに発狂して、そのまま毒キノコを食べて死んだ。

 クリス先輩は、三人も死者が出てしまったという現実に耐え切れず。精神が死んで廃人になって。そのまま息を引き取った。

 マリアは、虚ろな目でお菓子の袋を食べて。喉に詰まらせてそのまま死んだ。

 切ちゃんは、そうやって死んだ響さんと未来さんを食べて。生で食べたからそのまま感染症で数日後に死んだ。

 エルフナインも発狂して。頭を打ち付け続けて死んだ。

 わたしは、そうやって死んだみんなを焼いて食べた。腐った肉は、本能的に捨てた。そして、肉は焼いて食べた。だから、ぎりぎり大丈夫だった。

 そうして、わたしだけが、生き残った。

 

「……」

 

 わたしは、そっとベッドのそばにあったシュルシャガナを取った。

 

「……調君、ギアを持って何を」

「various shul shagana tron」

 

 そしてLiNKERもないまま。わたしはギアを纏って。

 

「ま、待て! 早まるんじゃ……」

「――ごめんなさい」

 

 誰かに謝りながら。シュルシャガナの丸鋸で自分の首を斬り裂いた。

 あぁ、そうだ。あの日。みんなを食べた日。

 わたしが見た赤色は、これだ――




えっとね。本当にギャグで終わらせる気だったんです。銀魂の、女性陣全員が太ってポテチ一枚でとんでもないキャラ崩壊起こすってアレ。アレやろうとしたんですよ。最終的に全員気絶して全員助けられる予定だったんですよ。

でも気が付いたら未来さんが某GAのあの子みたいにぬいぐるみ食ってたんですよ。ビッキーがフグ食ってたんですよ。なし崩しに全員死んだんですよ。なんか明らかに普通なら死んでる事してるけど調ちゃんだけ一応生き残ったんですよ。

次こそはギャグやりたいなぁ……!! 流石にキャラが死ぬシリアス二連発は書いてて心折れる……!!
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