多分タイトルで察してる人は沢山いると思うけど……前二本はあの作品のパロディです。三本目は凄く短いですが、先日自分達に発生した聞き間違いをネタにした小話です。
それではどうぞ。
今日も今日とて学校。そしてお昼になってお昼ご飯の時間になった。
学校に通っていなかった頃は、何をそんなお昼ご飯の時間だけで盛り上がれるのか、と思ってたけど、実際に通ってみると結構テンションが上がる。と、言うのも、やっぱりなんやかんやで疲れる授業が一旦中止でお昼ご飯が入るから、なんだかウキウキするというか。
で、今日のご飯だけど。いつもはお弁当なんだけど、今日はちょっと寝坊しちゃって作るの忘れちゃって。そういうわけで購買で買ってこようという事になった。
そんなわけで。わたしは切ちゃんにお金だけ渡して焼きそばを買ってもらう事にした。
なんで焼きそばかって? ちょっと最近、焼きそばを美味しそうに食べているドラマを見ちゃったせいで焼きそばが食べたくなっちゃったんだよね。ほら、よくあるでしょ? なんだかドラマとかお料理番組とかで見た料理が美味しく見えて、その結果それが食べたくなるってこと。
わたしもその一人。そういうわけで焼きそばが食べたくなった。
さて、まだかな切ちゃん。
「買ってきたデスよ、調!」
あ、噂をすればなんとやら。切ちゃんが戻ってきた。その手には二つの紙製のパックと、割りばしが。
「ありがと、切ちゃん」
お礼を言ってわたしは切ちゃんから焼きそばを受け取る。
……ん? なんか受け取った時、焼きそばが入っているのなら明らかにしないであろう音がしたんだけど。コトっ、て音となんか重量が傾く感覚が……
ま、まぁ気のせいだよね? 焼きそばの具が偏っているんだよね? まさか焼きそばを聞き間違えて何か買ってきたとかじゃないよね?
うん。そうに決まっている。万が一間違えたとしても。炒飯とか、あそこらへんの単品でも食べられるものに決まっている。わたしがおかず単品を食べるような人じゃないっていうのは切ちゃんが分かっている筈だし。
「それじゃあ、いただきます」
なんだか不安が募ってきたけど、気にせずにわたしは割りばしを手にして紙パックの蓋を開け……
……
…………え?
いや、あの、これ……え?
うそでしょ?
「き、切ちゃん?」
「ん? なんデスか調」
いや、なんデスかじゃなくて。
あの、切ちゃんの食べてるのは?
「焼きそばデス」
これは?
「焼き鯖デス」
うん、そうだね。
焼かれた鯖の半身が焼きそばが入る筈だったであろうパックの中に一つだけ入っているね。しかもそこそこ大きいね。身から垂れた油がやけに美味しそうだよ。
じゃなくてさ。
「うん、これって、焼き鯖?」
「はいデス」
「わたしが頼んだのって……」
「焼き鯖デスよね?」
その言葉を聞いた瞬間、わたしの中で何かがキレた。
思いっきり息を吸って、吐いて。そして叫んだ。
「焼きそばだよッ!!」
「デスっ!?」
「わたしが! 頼んだのは! 焼きそばだよッ!! 焼いた! そばだよッ!!」
なんで焼き鯖!? なんでよりにもよって焼き鯖!!?
確かに似ているけどさぁ!! 確かに一文字違いだけどさぁ!!
「あ、あちゃ~。間違えちゃったデス」
「そんな簡単に済ませられる問題じゃないよ!! 由々しき事態だよ!!」
あーもう!! あー……これ!! どうすんのこれ!!
焼きそばだと思って蓋を開けたら焼き鯖!! この、お店でカレーライスを頼もうと思っていたけどカレーうどんしかなくて、渋々カレーうどんを頼んだけどなんかこれじゃないって感じになるのと似たこの感じ!!
分からない? なら今すぐ牛丼の飯テロされた直後にうどんでも食ってきてよ! なんかこれじゃない感がすごいから!!
「だ、だって一文字しか違わないじゃないデスか」
「だからって……あー……もう……なんか……あー……もういいよこれで」
でも、これしかないならねぇ……もう食べるしかないじゃん。買ってきちゃったんだし。捨てるなんてもってのほかだし。
はぁ……焼きそば食べる気満々だったのに……一気にテンションダウンだよ。
「で、ゴハンは?」
「え? ゴハンならそこに……」
……そうじゃなくてさぁ!!
「白メシだよッ!!」
真っ白いゴハン!! 響さんの大好物!! あれはどこ!!?
「いや、それだけデス」
こ、これだけ!!? これだけ!!?
いや無理だから!!
「どうやって単品で食べろっていうの!!?」
「いや、それは……焼き鯖頼んだのは調デスし……」
「焼きッ!! そばッ!! だよッ!! そばにソースを絡めてそのまま焼いたそばの事だよッ!! わたしが頼んだのはそんな焼きそばだよッ!!」
なんで切ちゃんって時々頭のネジが緩くなるかなぁ!!
「じゃ、じゃあまた買ってくるデスよ。お金渡してもらえれば……」
「もうわたしお金ないんだけどぉ!!?」
あーもう!! ほんともう!! どうすんのこれ!! わたし、多分今までで一番切ちゃんに対して怒ってるよ!!
「そ、それならもう最後の手段デス!!」
「最後の手段?」
え? まさか焼き鯖を焼きそばにする最終手段が……?
とか思っていると切ちゃんは懐から携帯を取り出すと誰かに電話を掛けた。
「あ、あたしデス。その、焼き鯖と白メシの交換をデスね」
え?
「はい、教室で待ってるデス」
いや、あの、切ちゃん?
その電話先って、多分だけど……
「お待たせ切歌ちゃん!!」
「うおっ、予想以上に速いデス!!?」
「いやー、丁度今日は未来がおかず作り忘れちゃって困ってたんだよ。はい、というわけでわたしのご飯半分」
え、いや、あの。
嫌な予感が……
「おぉ、本当にいいデスか!? じゃあこれ、約束の焼き鯖デス!」
「うん、ありがと切歌ちゃん! じゃっ!!」
あ、あのぉ……
……わたしが何か口にする前に響さんは行ってしまった。
そして残ったのは白メシのみ……
……
「これで白メシが来たデスよ、調……」
「……焼き鯖は?」
「え?」
いや、だからさぁ……
「焼き鯖だよッ!! おかずの焼き鯖だよッ!!」
「……あっ」
このっ……!! 今度こそは容赦しないッ!!
「切ちゃああああああああああああああああん!!」
「ちょ、調、飛びかかってきちゃ……ぎゃあああああああああ!!?」
っしゃあ焼きそば確保ォ!!
「あ、あたしの焼きそば……がくっ」
****
……お昼は酷い目にあった。
まさか切ちゃんが焼き鯖を買ってくるなんて……
まぁいいや。結局わたしと切ちゃんで焼きそばおかずに白メシ食べたし。白メシは響さんサイズのお弁当の内半分を分けてもらった感じだったけど、一人じゃ量は多すぎたから、二人で焼きそばと一緒に食べて丁度いい感じだった。案外焼きそばおかずにご飯って合うんだね。炭水化物と炭水化物でちょっと後が怖い感じだけど。
で、わたしは一旦ATMでお金下ろしてから帰るという事で切ちゃんとは分かれて帰る事にした。
なんだか久しぶりに一人で帰るから何か軽い贅沢でもしていこうかな、と思って歩いていると、ふと最近リニューアルした喫茶店を発見した。
そういえば、最近の高校生の子ってこういうところに入る物なんだよね?
……よし、決めた。ここでちょっと一息ついていこう。コーヒーはよく分からないけど……まぁ、なんとなるよね?
「いらっしゃいませ~」
さて、じゃあ……エスプレッソでも頼もうかな。これ以外にコーヒーなんてエメラルドマウンテンとかしか知らないし。
えっと……あれ?
エスプレッソ……これ、Sと……T?
え、T!!? Tってなに!!? Sはスモールなんだろうけど……Tって一体!? ティー!? 茶!? いや、違う。えっと、これの読みは……えっと……
「あ、あの、お客様?」
「ぴぃっ!?」
や、やばい。そろそろ頼まないと店員さんからの視線が痛くなる……!
た、多分これはTって読めば大丈夫。多分それが正解……!!
「え、っと……エスプレッソ、の……ティーで」
「え、エスプレッソの……えっとその……トール、でよろしいでしょうか?」
と、トール!!?
Tって、とととととトール!!? いやトールってなんなのなんなんです教えてマムゥ!!
いや、落ち着こう。その意味は後で調べるとして……うぅ……恥ずかしい……で、でも、これ限り。少し恥ずかしくても頼めれば問題なし……!!
「あ、あははは……え、エスプレッソのティーでも飲もうかなって……口に出ちゃって……」
って何言ってんのわたしの口ィ!!
苦しい……苦しすぎる……! ここで弁明なんてしなくてもいいから……!!
「じゃ、じゃあ……エスプレッソの、ティーの……スモールで……」
あぁ、恥ずかしい……! 飲んだらすぐに出よう……!!
「え、えっと……エスプレッソの、ショートでよろしいでしょうか?」
しょ、ショート!!?
スモールじゃなくて!? 何故ここでショート!!?
また恥かいたよ!! 三回目だよ!!
もうどうすんのこれ! これじゃあこの店員さんから見たわたしって、完全に痛い子というか恥ずかしい子だよ! 恥ずかしい子なんて切ちゃんだけで十分だよ……!!
あーもう頭がこんがらがってよく分からないよぉ!!
「じゃ、じゃあ……! スモールのショートで……!!」
いやスモールのショートって何ぃ!!?
「は、はい。ではエスプレッソのショート……あっ」
え? その「あっ」ってなに? 何かマズいことでも言った!?
「あの、その……ホットかアイスかはどちらに……」
「ホットで!!」
よかった! ここは流石に分かる!!
でも、どうしてホットかアイスか聞くだけでそんなやっちまった、みたいな声出したんだろう。それぐらいなら別に普通に聞けばいいんじゃ……
まぁ、これでもう大丈夫かな。エスプレッソの、ショートの、ホット。うん。完璧な注文。席に行ったら落ち着いてコーヒー飲んでこの事は永遠に記憶の奥底に封印しておこう。
「その、ホットとなりますと……サイズの方が……」
え? ホットになるとサイズが?
変わるの? もしかしてSとTの他に何か……あっ、Lかな? 一番大きなサイズが追加されるのかな?
でも、それならさっきと同じような注文をしたら大丈夫だよね?
「ソロと、ドッピオになりますが……!!」
ソロと……ドッピオ!!?
ど、ドッピオォ!!?
ドッピオってなにドッピオって何語ドッピオって一体何を指しているのぉ!!? っていうかソロもなに!!? 一人でコーヒーを飲みに来た寂しい人間に対するサイズってこと!? っていうかサイズがソロとドッピオってもう訳が分かんないよ!!
ど、ドッピオ……ソロ……一体なんなの……どこの国の言葉なの……っていうかコーヒーの注文がここまで難しいなんて考えもしていなか……あっ。
本日のコーヒー……? こ、これだ!!
「え、えっと……じゃあ……その……やっぱり本日のコーヒーで……」
こ、これなら……これなら万が一でもまた恥をかく事なんて……
「ほ、本日のコーヒーは……その……エスプレッソとなっておりますが……!!」
…………
………………
「じゃ、じゃあ、それで……」
「さ、サイズの方が……ソロと、ドッピオがございますが……!!」
で、ですよねぇ……
あぁ……うん。その、ね……
「……もう、適当に見繕ってください」
「わ、分かりました……」
……最初からこうしときゃよかったよ。
はぁ……もう恥かきっぱなしだよ……とりあえず席に着いて……あー……
はっずかしい……もうどうしようこれ。もうこの喫茶店来れないよ……はぁ……
「こちら、エスプレッソになります」
……あぁ、来た。
「ごゆっくりどうぞ」
……うん、来たね。手のひらよりも小さなサイズのコップに入ったコーヒーが。
「……ちっせーーーーーー…………」
……もう一口で飲んで帰ろう
……
…………
………………
……………………
「……超、にげぇ…………ッ!!」
……もう、これからは自販機でいいや。
セレナ・カデンツァヴナ・イヴの華麗なる日常その3
「セレナ、もう注文は決まったかしら?」
「うん、決まったよ。わたし、この
「え? そんなものあったかしら……分かったわ。注文してくるわ」
「いいの? ありがと。じゃあ席を取って待ってるね」
――数分後――
「お待たせ、セレナ。はい、これ」
「わぁ、ありが……えっ、これなに」
「なにって……
「いやわたし頼んだの塩鯖定食なんだけどぉ!!? っていうかよくそんなのあったね!?」
――完――
はい。今回は日常のパロディでした。焼きそばだよ!! とドッピオは有名は話ですよね。
そして三本目は……はい。先日作者が友人と飯食いに行った時に聞いた空耳でした。塩鯖定食がしょうさご定食に聞こえてみんなで笑ったってだけです。丁度マキオン帰りだったんで、ツボったんですよ。そんだけです。ちなみにしょうさご定食の漢字はあてずっぽう。
焼きそばだよ!! とドッピオは友人から好きなギャグ漫画とその話を聞いた時に出てきたのでそのまま使いました。塩鯖定食は忘れてくれ。
次回は未定、の予定でしたが、現在途中まで書いているのが、銀魂のアニメ153話「寝る子は育つ」のパロディ、月読調の華麗なる睡眠と、銀魂のアニメ35話「外見だけで人を判断しちゃダメ」のパロディ、月読調の華麗なる尾行の二種です。没にならなければ投稿します。
最近暗い話ばかりだったからね。明るい話を書いていきたいと思ったんだ。そしてサラッと謹慎解除のセレナでしたとさ。