それでは、あのシーンでは皆さんご一緒に叫びましょう! ではどうぞ!!
どうも、頭から変な音が鳴るようになった月読調です。
入れ替わりが起きてから暫くが経ったけど、あれから頭をどこかにぶつけたりぶつけられたりする事はなく、わたしは特に何の事件もない平和な時間を過ごしています。それこそ、シンフォギアでの災害救助とかはあったり錬金術師とのちょっとしたいざこざはあるけどね。
切ちゃんのお尻にも最近は何も刺さってないし。切痔なんてもう過去の遺物。あれから唯一変わったのはわたしの頭から何かカラカラと音がするくらいで。多分その音も命に別状は無いハズだし放っておいてもいいよね。
で。今日は翼さんとお出かけ予定。なんでも、ご近所でやる世界の名刀博物館って物に行きたいらしくて。でも一人だと、ファンの人にバレたりとかしたら対処しきれないからボディーガード的な物の仕事も含めて一緒についてきてほしいと。で、それを了承したのがわたし。
緒川さんと行けばいいんじゃ、と誰かが聞いたけど、緒川さんは最近結構忙しいらしくて手が空けられないらしい。それこそ翼さんに問題が起きればすぐに駆け付けてくれるだろうけども。
「すまない、月読。待たせたか?」
「あ、翼さん。いえ、今さっききたばかりですよ」
とか思ってたら、既に待ち合わせ場所で待っていたわたしを見つけた翼さんが走り寄ってきた。翼さんは、常日頃から会っている人ならすぐに分かるけど、そうじゃない人なら他人の空似程度にしか思わないような絶妙な感じの変装をしている。やっぱり有名人だから、ちゃんと変装しないと大変な事になるからね。
待ち合わせ場所は、会場から少し離れた建物の前。そこそこ待ち合わせスポットとしては有名な場所だから、そこそこ周りに人がいる。けど、誰も翼さんに気が付いていないのを見ると、翼さんの変装技術は相当だって分かる。忍者が身近にいるからかな。
「では行くか。あまりここに居ても仕方ないからな」
「そうですね。そこそこ人も並んでいるみたいですし行っちゃいましょうか」
翼さんが来るまでの二分くらいでわたしはちょっと情報を集めていたんだけど、なんか今回の博物館はそこそこの人が来ているらしい。なんでも、今日展示される刀はどこかのゲームでも出てきた刀らしいから、そこから興味が転じたって人がいるみたい。ちなみに、翼さんは人がそこそこ居るって聞いてちょっと嬉しそう。やっぱり趣味……なのかな? それに近い物のいい所を沢山の人に知ってもらえるのは気分がいいみたい。
いつにもなく上機嫌な翼さんにつられてわたしもちょっと機嫌がよくなる。刀……というか刀剣の類に関してはちょっといい思い出ないけど……主に切ちゃんのお尻関連でね。だけど、折角だし楽しまないと。真剣なんてそうそう見る機会ないわけだし。
「ふむ。会場前というのにそこそこ並んでいるな」
「にしては嬉しそうですね」
「そ、そうか?」
照れ照れと頬を掻く翼さん。こういう可愛らしい感じの翼さんを見ていると、なんとなくマリアが時々可愛いって言っているの分かる気がする。
でも何でだろう。いきなり嫌な予感を感じたのは……
「今回展示されるのはかの刀匠村正が……ん? 月読、後ろだ!!」
「へ?」
意気揚々と語り出した翼さんだったけど、いきなりわたしの後ろを見て声を上げた。一体何が……
えっ。
「ちょ、どうしてここにワンちゃ――」
振り返ると、そこには大きなワンちゃんが。
わたしの体の半分以上はあるワンちゃんがわたしに飛びかかって、そのままわたしを押したおして……
「にゃあん!!?」
あ、頭がぁ……がくっ。
****
あぁ、まただ。月読がまた頭を打って医務室送りになった。
今回は大型犬にいきなり押し倒された拍子に頭を打った形になる。私がついていながらこの有様……防人の名が泣いてしまう!
「とか言いながら逃げようとしないでくださいよ先輩」
だって絶対に私達を巻き込む何かが起こるだろうが。それが分かっているのに医務室に居られるか! 私は一足先にマリアが待っているアメリカに飛ばせてもらうぞ!!
「防人防人言うんなら責任取って残れよ。おい、マジで逃げんな先輩」
逃げようとしたら雪音に腕をガッチリと掴まれて逃げられなくなった。くっ、やはり私もここに残っていきさつを見届けなければならぬのか……変にマリアに情報が行けば絶対に私と雪音がマリアの相手をする事になる。XDマリアの相手をした装者は絶対入院している現状、なるべくここから逃げ出したいのだが。
というか責任とは言っても私関係なくないか? 今回の犯人は犬だぞ? しかもそれに押し倒されて頭を打つなんて誰が想像できる? だから私も逃げていいだろう。
「だとしても当事者として残れっての」
う、うむ……そうなるな……
こういう役回りは私ではなく雪音や立花の物だろう。私はこういう時はいつも時間が合わないから、もうすぐ仕事だからと言って逃げ出せるような人間なのに、まさかこうして雪音につかまってしまうとはなぁ。
月読が何事もなく起きてくれれば私も残りの休日を日本で暮らす事ができるのだが……もしも何かあれば、最悪の場合は入院したままこの休暇を消化してしまう事になる。それだけはどうにかして避けたい所ではあるのだが……前回のように一週間くらい長続きするのであれば私も悔しがって高跳びできるのだが……
「う、うぅん……」
「むっ、気が付いたようだな」
「みたいっすね。さて、今回は何が起こるやら……」
できれば何も無い事が好ましいのだが……
正直怖いな。私は月読が頭を打って何かしらの事件を巻き起こした際は基本的に当事者ではなく海外に行っているか気が付いたら終わっていたからな。こうして何かしらの症状を起こしている月読を見るのは、雪音と入れ替わっているのと今回ので二回目だ。
「ここは……あれ? クリス先輩に翼さん?」
「そ、そうだ月読。調子はどうだ?」
会話下手か、私。いや、会話下手だった。
「えっと、わたし……大きなワンちゃんに突撃されて頭を打って……」
「お、覚えているのか。特に性格も変わった様子もないし幼児退行しているようにも見えない……」
「ついでに入れ替わっている感じもないっすね……これは頭を打ったら問題を起こす非常識人間卒業か……?」
それならどれだけ良い事か……とりあえずはエルフナインを呼ぼう。雪音、頼んだ。
「うっす。んじゃ呼んできます」
頼んだ。
さて……月読。何か問題はないか?
「問題、ですか? 特に何もですね。強いて言うなら、頭から聞こえてた音が聞こえなくなっただけですね」
あ、頭から……? それは前回も言っていたが冗談だったのでは……
いや、何も言うまい。もし本当なら月読の頭のネジ的な物が今まで外れていたという事になる。いや、聞こえなくなったのならどこかにハマったという事なのでは……?
考えるのは止めよう。人体って凄いとだけ思っておけば差し支えないだろう。ないようにしてくれ。
「そ、そうか……だが、何も無いのならよかった。何かあれば皆が心配するからな」
「あ、あはは……これからはワンちゃんにも気を付けますね」
そうしてくれとは言いたいが、流石に今回みたいな事はそうそうないだろう。気に留めておく程度にしておいてくれ。
さて。そろそろエルフナインを呼びに行った雪音が戻ってくるはずだが……どうだ?
「先輩、戻りましたよ~」
うむ、丁度戻ってきたな。
エルフナインは……なんだ? ノートパソコンで尻を抑えながら歩いているが……もしかしてもう何か刺さったのか……?
「いえ、刺さるかもと思って事前に防御を……」
あぁ……経験者は語るというやつか。
私達とて今まで経験が無かったからと油断はできぬな。後で緒川さんにズボンの裏に鉄板でも仕込んでもらおうか。いや、シンフォギアの攻撃力が加わるとなると鉄板のせいで余計に大きな傷を負う可能性も……いや、これについては後でにしよう。とりあえず暁への見舞いの品だけを考えておこう。
「それで調さん。調子はどうですか? 何か異常は自覚できますか?」
「異常は特にないけど……強いて言うなら、頭がスッキリした感じかなぁ。なんでだろう?」
頭がスッキリした?
それはまさか記憶が幾分か飛んでいるのでは……いや、それだったら月読も自覚する事だろう。なんやかんやで濃い日々を送ってきた一人だ。どこかの記憶が飛んでいればすぐに気が付く物だ。
だが、頭がスッキリしただけ……というのなら、特に問題が無いのではないか?
「そうですね……とりあえず、ボクの研究室に来てください。そこで色々と調査をしましょう」
「エルフナインの研究室でか? メディカルルームの方が設備は整ってんじゃねぇのか?」
「ボクの研究室には、過去の経験や観測データから元に作り出した装置が幾つかあるんです。何かしら人格や記憶といった頭の異常がある際、それを観測するための装置もこの間作りました」
なに? そんな便利なものがあるのか……
では何故先に医務室に運んできたのだ?
「やはり頭の怪我ですと、精密検査が必要ですから。ボクの装置を使う前に外傷はチェックしないといけないんですよ」
そうか……錬金術とて怪我を全て治せるわけではないからな。そこは科学の出番、ということか。
考える事が早計だったな。考えを改めねば。
エルフナインに一言謝り謙遜を返された後、私達はエルフナインの研究室に向かう事になった。その際月読は周りを見渡していたが……何か気になる物でもあっただろうか? 少なくとも私にはいつもと同じ光景にしか見えないが。聞いてみても月読自身よく分からないらしく、首を傾げるだけ。
うぅむ……明らかに月読の様子がおかしいと思うのは私だけだろうか? エルフナインや雪音は今までのインパクトのせいでこの違和感に気が付けていないのでは……いや、経験者たる二人を疑う訳にもいくまい。私はいざという時エルフナインの尻を守る役目を果たそう。
「ここです。じゃあ皆さんは適当にくつろいでいてください」
研究室に着くと、エルフナインは散らかっている机の上を漁り始めた。
くつろげと言われても……二人が座るので手一杯なソファが一つしか置いていないな。元より人を招くことは少ないのだろう。仕方ないと言えば仕方ないが……
年頃の女子としてこの部屋はどうしたものか……研究室とは言え、もう少し私物が置いてあっても良いのではないだろうか。適当に本棚の文献を手に取ってみるが、中は小難しい理論が書かれた本のみ。小説や伝記といった物は一切存在しない。
これは……叔父様も私物を置く程度なら許可しているだろうに、ここまで研究の邪魔になるような物を置かないとは。エルフナインは仕事熱心というか、ワーカーホリックだな。その内倒れたり発狂しなければいいのだが。
「あ、ありました。調さん、このヘッドギアを被ってください。後はボクの方で調べますから」
「うん。えっと……こうだね」
「え? あ、はい。結構複雑なのによくわかりましたね……説明する気だったんですけど」
月読は幾つものパーツがひしめき合っている被り物を何も言わずに完璧にかぶって見せた。
うむ……なにやら色々な電極やらロックやらでそう簡単にかぶることはできないようなデザインなのだが……よく月読は一目見るだけで分かったな。
「では後は……あ、あれ? 起動しない……どうしてだろう? 電源はちゃんとしていて、接続もできていて、本体の電源も入っていて……あ、プログラムでエラー!? もしかして未完成のまま保存してしまってそのまま……!?」
とか思っていたらどうやら問題が発生したようだ。思わず私と雪音、そして月読がエルフナインのパソコンを覗くが……なんだこれは。
英語が変な改行やらカギカッコやら何やらで並んでいて……これは人間が読むものなのか!? エルフナインはこれを全部理解しているのか!? ダメだ、見ているだけで頭が痛くなってくる……エルフナインはこんな物と四六時中睨めっこしているのだな……
「うぅ……どこでエラーを吐いているのか……」
「エルフナイン、その手前の行。誤字が入ってる。あと最後の方の書き方だと変な無限ループが発生して起動すらしないよ」
ん?
「え? ……あ、ホントだ。誤字と……確かにここのプログラム、変にループしちゃってますね。えっと、修正して……って調さん、分かるんですか!? リディアンってC言語の勉強してましたっけ!?」
「C言語? してないけど……あ、あれ? なんでこんなこと分かるんだろう……?」
いや、ちょっと待て。
どうして分かるんだろうじゃなくてだな。それは私達が一番聞きたいのであって……ん?
最初は幼児退行。次に記憶喪失。そして性格変化。入れ替わり。全部頭が関連している事が起きているとなると、もしかして今回月読に起こっているのは!?
「月読。1054×2972の答えは? 暗算で」
「3132488です。あ、あれ?」
「エルフナイン、答えは合っているのか?」
「ちょ、ちょっと待ってください! えっと……あ、合ってます……」
間違いない。
今回月読に起こった現象は!
「月読は頭を打ったことで天才になったのだ! 間違いない!!」
「うっそだろぉ!!?」
****
月読が天才になった。その報はすぐにマリアを除いた月読が頭打った時用のグループに送られた。
まさか頭を打つことがプラスになるとは思いもよらなかったのだろう。装者の皆……というか立花、暁、小日向はかなりオーバーな様子で驚いていた。
それも無理のない事だ。今までマイナスに働いていた物がいきなりプラスに働いたのだ。信じられないかもしれないが、本当だ。現に月読は……
「LiNKERの持続時間、ここの成分をこうすると少し伸びるんじゃないかな?」
「確かに……でも、ここを弄ってしまうと毒性の物質が多くなってしまうんです。でも、これなら……これをこうすると」
「あ、じゃあここもこうしちゃえば……できた!」
「こ、これは凄いです! これでLiNKERの安全性を損なう事無く持続時間を十分も延長できました! ボクだけじゃこんな発想できませんでしたよ!」
私と雪音がついて行けない会話を繰り広げながら何か作業をしている。
どうやらウェル博士の残した体に優しいLiNKERの改良に成功したらしい。二人の天才によればこの程度数時間で終わってしまうのか……末恐ろしいな。
「じゃあ次はこの聖遺物の解析を手伝ってもらってもいいですか? ちょっと一人だと厳しい物がありまして……」
「うん、任せて。今のわたしはフィーネにだって追いつけるくらいだよ」
それは割と洒落になっていないような気がするな……
櫻井女史と今の月読、エルフナインのペアは果たしてどちらが上なのだろうか……いや、きっと櫻井女史なのだろう。あの人は本当に凄かったからな。比べてしまっては悪いが、エルフナインよりも技術力や知識ははるか上を行っていたと思う。
というか月読は元フィーネの器だろうに……その方面でも結構洒落になっていないぞ。
「先輩、一応オッサンには報告してきたっす。暫くは好きにしてやれと」
丁度その時、叔父様に事のいきさつを説明し終えた雪音が戻ってきた。そして叔父様の言葉は、好きにしてやれと……ふむ。
「好きに、か……では放っておくのが一番か?」
叔父様の事だから、エルフナインを手伝った分の給金も出るだろう。タダ働きという訳でもなく、楽しんでいるのだから止めるのも無粋だろう。
「かもしんねーっす」
どうやらそれは雪音も同じようだ。
雪音は立ったまま腕を組んで私達に背中を向けてパソコンを叩く二人を見つめる。私も見つめるが……なにをやっているのかサッパリだ。とりあえず、物凄い勢いで画面が動いているのは分かる。
「一応、何かあった時のためにアタシはここにいますけど……先輩はどうします?」
「残ろう。緊急時の人手は多い方がいいだろう」
「なら適当に飲み物買ってきますわ。オーダーは?」
「緑茶で頼む」
さて……月読とエルフナインは日付が変わるまでに作業を終える気はあるのだろうか……?
****
結論から言おう。
悪い予感は的中した。
ワーカーホリックのエルフナインと天才化して今まで分からない事が全部分かるようになった弊害か、エルフナインと共にする作業が楽しくなってしまった月読は寝る時間を削って作業をし続けた。
一日目は私達が寝てしまったことで気づけなかった。私達が寝た後に寝た物だと思い込んでいたからな。
だが、二日目、三日目を過ぎると流石に分かってくる。二人は食事すら研究室の中で済ませて、薄気味悪い笑みを浮かべながらひたすらにパソコンと向き合っている。机の上にはカロリーメイトやらエナジードリンクやらが並び、いつの間にか紙の束や本の束が私達と月読達の間に壁を作ってしまう始末。無理矢理にでも止めたいのだが、紙の束を倒してしまうとまた何か問題が起こってしまいそうで手が出せない。叔父様達も自分たちの事で精一杯らしくこちらに来れない。
「あわわわ……ど、どうするデスか!? あたしの声も届かないデスよ!?」
そのため急遽呼んできた暁に声をかけてもらったのだが、月読はそれにすら気が付かない。
いかん……いかんぞ。このままでは割と本気で過労死の線が見えてきてしまう。それだけは防がなければ……!!
「もう強行突破しかねぇだろ!!」
「だがあの机には大量の小型聖遺物が置いてあるのだぞ!? 下手に爆発したらどうする!!」
「何もシンフォギアを使う訳じゃねぇんだ! この紙の束をあばばばばばばばば!!?」
雪音が紙の束に触れた瞬間、紙の束から謎の電撃が放たれて雪音を襲った。
なんだか雪音の骨が見えたような気がするが……それどころじゃない! なんか黒煙が上がってるぞ!?
「ゆ、雪音ぇ!?」
「クリス先輩!? 大丈夫デスか!?」
「し、しびれびれぇ……」
い、一応無事なようだな……だがもう暫く雪音は立ち上がれないだろう。痙攣までしているからな。
だが、こうなってしまうとどうするべきか……シンフォギアを使って強行突破しか……いや、そのせいで本部になにか甚大な被害が行ってしまう可能性すらある。もし聖遺物が無くなりでもしたらSONGの立場はとても危うい物になってしまう……
こういう時、奏やマリア、立花ならどうする……!? 一体どうしたら……!?
「もうこうなったら被害も何も知らんデスよ! Zeios igalima raizen tron!」
暁が聖詠を唄いイガリマを纏う……ま、待て暁! それで突撃した所でどうする気だ!?
「天才になってしまったからこんなことになってしまったんデス! もう一度この……適当な本の角で殴打すれば元に戻るはずデス!!」
「いや待て暁! それは死人が出るやつだ!! 鈍器で殴っているのと変わりないぞ!!?」
「そんな事知らんデス! 調を戻さない限りは!!」
「戻る前にお陀仏するから待て! 待つんだ暁ィ!!」
私の制止も空しく、暁は紙の束を蹴散らし、電撃をシンフォギアで耐えながら突撃し、そのまま月読の後ろで本を上段に構えた。
エルフナインは……寝ている? いや、気絶させられている? 何故? もしかして月読が無理矢理寝かせたのか……? いや、そんなことはどうでもいい! 暁を止めねば月読の命が割と本気で危ない!!
「やっとわかった……わたしが頭を打つと切ちゃんのお尻が切痔になるのは全部この世界を作った神……大本となる戦姫絶唱シンフォギアというコンテンツの中の一部、この二次元の世界を作った神に生み出されたこの世界でのおやくそ――」
「元に戻るデス、調ぇ!!」
「ごふっ!?」
私がギアを展開する間もなく、暁は何か独り言を叫び出した月読の頭を暁が殴打し、ギアを解いた。
月読はそれを躱す事はできず、そのままパソコンのキーボードに顔面と額をぶつけ、後頭部から血を流しながら気絶した。さ、流石にやりすぎだぞ……!?
「はぁ……はぁ……これで調は過労死なんてせずに――え?」
その瞬間だった。
月読がキーボードに頭を打った瞬間、何か変なプログラムが作動したらしく、電撃が走り壁のあちこちが爆発。その爆発は入口の方まで連鎖していき、扉そのものが爆発。左右に分割して稼働する扉は爆発によって吹き飛び、そのまま回転しながら暁の方へと飛んでいき――
「アッーーーーーーーーー!!?」
……また切痔だな。
天ノ逆鱗よりはマシだが……とりあえず、叔父様と救護班を呼んでこよう。今回は怪我人が多い……!!
****
月読の怪我は思ったよりも大したことはなく、傷跡を縫う事もなく数日のうちに傷跡もなく塞がった。エルフナインも寝落ちしていただけらしく、特に健康に対する害は見当たらなかった。
しかし、雪音と暁は違う。
雪音は全身に高圧の電気を浴びたことで全身やけどだったり痺れだったりで一週間以上の入院。そして暁はいつもの切痔……なのだが、今回は刃物ではなく厚い鉄板とも言える物が突き刺さるという新たな領域に踏み込んでしまったせいか完治までに二週間以上を要する切痔となってしまった。
切痔は二週間で完治する物なのだろうか……?
とりあえず、深夜テンションとはいえ危険なものを作ってしまった月読とエルフナインは叔父様からちょっとしたお説教をくらったのだが……ここで新事実が判明した。
どうやら暁の一撃は良い具合に月読が天才化していた期間の記憶を弾いたらしく、月読は何も覚えていなかった。何かとても疲れる事をやっていた記憶はあるが、それしか覚えていないらしい。
何はともあれこれで全ては一件落着だ。私も安心して海外に行けるというものだ。
「……この破棄されたレポート、なんなんでしょう? 何か、知っちゃいけない物が詰まっているような……」
「何をしている、エルフナイン。早く戻って叔父様に報告することを報告するぞ」
「あ、はい。すぐ行きます」
しかし……月読が最後口走っていた物はなんだったのだろうな?
よく覚えていないが……きっとあまり深く踏み込んではいけない事なのだろう。私は歌姫であり、防人だ。そういう事はエルフナインや叔父様達に任せ、私は私の職務を全うするとしよう。
という訳で今回の視点はズバババン。被害者はいつも通りクリス先輩と切ちゃん(のお尻)でした。
いやぁ……幼児退行やら記憶喪失といった物の他にもこういう現象もあるんじゃ? と案を出してくれた友人には感謝感激。けど、もう本当にこの世界線のネタが無いため次はないでしょう。正直、天ノ逆鱗が刺さった時点でやり切った感ありましたし……w
さて、あとがきはこれくらいにして……XDのシナリオですよ! いやぁ……濃厚なきりしらをありがとうございました。とても可愛くて尊くて……あぁ~^
ダイスキスキスギも、何ですかアレ。尊さで人を殺す気ですか。早くCD化してFullを聞かせてくれ……聞かせてくれよぉ……!!
あ、ついでにメカニカル調ちゃんは十連一回で来てくれました。モーション見た時はクシャトリヤかな? と思いました。そしてヘキサクエストは一応回ってますが、初回の後一回しか調ちゃんが落ちていません……完凸させたい……
それではまた次回お会いしましょう! 次回は……特にありません。声優世界線か実況者世界線辺りの続きを書くかもしれませんね