月読調の華麗なる日常   作:黄金馬鹿

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副題『ぷちふぉぎあ! -プチ・シンフォギア-』

という訳で今回の話はサブタイから分かる通り、シンフォギアでぷちますです。ぷちます読み返していたら響(我那覇)と響(立花)って共通点あるしぷちそうしゃとか出てきたら可愛いよなぁ、とか思って、気が付いたら書いていました。

そんな感じで生まれた新たな時空の話です、どうぞ。


月読調の華麗なるぷちそうしゃ

 装者としての訓練は朝早くからやる時もあればお昼過ぎにやる事も、はたまた放課後にやる事もある。時間にルーズと思う人もいるかもしれないけど、基本的にわたし達の私用とかを考慮した時間にやる事になっているから時間は結構まちまちだったり。

 そんな今日の訓練は休日のお昼から。訓練はわたしと切ちゃん、それから響さんとクリス先輩の日本に滞在している装者四人での合同訓練。だからわたしはちょっと早めに出て、本部で適当に時間でも潰しているかエルフナインとお喋りしてようと思って本部まで来た。

 今日の訓練も多分ハードだけど、ハードな分それだけ力が付くと思えば充実した時間になる事は間違いないし、こうやって一歩一歩努力をしていく事が適合率も上げていつかLiNKER無しでもシンフォギアを纏えるようになる事に繋がると思っている。だから、訓練と言えど気は抜けないしサボるなんて以ての外。

 まぁそんなワケでわたしは本部に来たわけなんだけど……今、わたしは早めに来たことを後悔しつつも早めに来て良かったと思った。その理由は、わたしの足元にある……いや、いるって言った方がいいのかな? まぁ足元にあるソレが原因だった。

 

「……こ、これは一体……」

 

 足元にあるのはダンボール箱。それはちゃんと中身が見えるように開封されていて、蓋も空いている。

 で、その中にいる子が、わたしが今現在、大いに困惑している原因でもあった。

 そう、本部前に置いてあるダンボールの中にいる子が。

 

「でーす……でーす……」

「くー……くー……」

 

 そんな感じで寝息を立てている二人のちっちゃな子。

 ダンボールには拾ってください、って書かれた紙が貼り付けてあって、ダンボールの中にはあったかそうな毛布が敷いてある。その上で丸まって寝ている二頭身くらいのピンクと緑の子。

 寝息が特徴的すぎて分かっていると思うけど、これは……

 

「こ、これ……わたしと切ちゃん……!?」

 

 そう、わたしと切ちゃんをそのままデフォルメして二頭身くらいにした子が、ダンボールの中で眠っていた。

 ……また聖遺物なんだろうなぁ。はぁ……

 

 

****

 

 

 二頭身デフォルメされたわたしと切ちゃんが入ったダンボールは、それを抱えて本部に入ったわたしを迎えに来たエルフナインに見られてあれやこれやという間に非常招集がかかり、先にわたしとエルフナイン、それから風鳴司令が司令室に集合する羽目になった。

 その際に起きたわたしと切ちゃんの二頭身はダンボールの中でじゃれ合ってるけど……

 

「で、エルフナイン。この子達の事分かる?」

「聖遺物が実体でも持ったのか……?」

「いえ、ボクも何がなんやらなので……でも可愛いですねぇ」

 

 ダンボールの中で抱きしめ合ったり擽り合ったりしている二頭身のわたしと切ちゃん。

 確かに切ちゃんの方は可愛いと思うけど……もう一体、じゃなくてもう一匹? もう一人? はわたし似だから特に何も思わないというか。自分を見て可愛いとかカッコいいとか思う人なんていないでしょ?

 試しにエルフナインが二頭身の子達を抱えて床の上に置いてみると、わたし似の子と切ちゃん似の子がこっちを見てきた。

 

「じーっ」

「でーす?」

 

 うっ……切ちゃん似の子可愛い……!! そんな目で見られると抱っこしたくなる……したくなるけどここは我慢! わたしは我慢できる女!!

 わたしが内なるわたしと格闘していると、エルフナインがダンボールの中に何かを見つけたのかガサガサとダンボールの中を漁って目的の物を取り出した。あれは……手紙?

 エルフナインは訝し気に手紙を見つめた後、読まないと解決しないだろうと思ったのか手紙を開封して中を見た。

 

「えっと、拝啓シンフォギア装者の皆様。私達の実験にて産まれた子、通称ぷちそうしゃをこの度預かっていただきたくこの手紙を出した所存でございます」

 

 ぷ、ぷちそうしゃ……?

 確かにこの子達は装者であるわたし達に似ているし、ぷちって感じだけど……

 

「お気に召さないようでしたらぷちそうしゃが入っていたダンボールをそのまま郵便で送っていただければこちらに送り返されますので、ご安心ください。引き取ると言うのならどうぞ貰ってやってください……だそうです。ご丁寧に組織名と差出人の名前も書いてありますね。黄金(こがね)さん、でしょうか? 日本の方みたいです。研究所も日本みたいですし」

 

 は、はぁ……

 その、なんていうか……色々と予想外にもほどがあるんだけど。ぷちそうしゃって何……? っていうか実験で生み出されたってどんな事してたの……?

 エルフナインが調べてみると、どうやら平行世界に存在するらしい生命体、通称ぷちどるを再現して生み出す実験をしていたらしくて、この子達はその成功例みたい。どうやらSONGによく協力してくれている研究所らしいから探せばすぐにヒットした。わたし達の素性を知ったのもSONG関連の研究所だったからみたい。

 というかこの人たちどうやって平行世界の事を観測したんだろう……ギャラルホルンってこういう人たちも使えるのかな……?

 

「ダンボールに貼ってある紙の裏に名前らしきものが書いてあるな。きり、しらというらしい」

「きりちゃんとしらちゃんですか……そのままですね」

 

 安直な名前だなぁ……というかどうやって切ちゃんときりちゃんを呼び分けよう。きりって呼ぶのもなんだか違和感あるし……まぁいいや。そこら辺はインストネーションを変えるとかそんな感じでやっていけば。

 で、名前を呼ばれたきりちゃんとしらは何事? と言わんばかりにこっちを見ている。

 

「えっと、きりちゃんとしらちゃんはボク達の言葉、分かりますか?」

「でーす!」

「こーしょん」

 

 まさか言葉が分かるのかな? って思ったらしいエルフナインが試しに聞いてみると、二体……あぁもう二人でいいや。なんか違和感あるし。

 二人は声を出しながら両手をあげて分かってるよ、と言わんばかりの合図をした。

 というかきりちゃんは切ちゃんベースだからでーす何だろうけど、なんでわたしの方はこーしょん……? 確かにハートがコーションコーションって歌ったけども……まさかそれ? あとじーってさっき言ってたし……

 とりあえずどこかに行かれても困るからわたしがきりちゃんを、エルフナインがしらを抱っこして今後の方針を決める事になった。

 

「とりあえずこのぷちそうしゃは俺達が預かるか、それとも調くんが預かるかになるな」

「え? わたし達が引き取るのもいいんですか?」

「きりくんもしらくんも、君たちが元となっているのだからな。君たちが預かった方がこの子達も負担にはならないと思ってな」

「でーす!!」

 

 抱っこしてぷらぷらと揺らしているきりちゃんが元気な返事をするけど、どうしよう。

 わたし達の部屋は特にペット禁止じゃないけど、この子達がペットという括りになるのか分からないし、まず誰かに見られたらどうしようもないと思うし……でもきりちゃん抱き心地いいから持って帰りたい……でも何食べるのかも分からないし……犬や猫みたいに扱うべきなのか普通に人として扱うべきなのか……

 SONGに預ければ何の心配もないんだろうけど、それにこの子達がストレスを感じるのも嫌だし……というかきりちゃん可愛いし。

 

「とりあえず切ちゃんと相談してみます。わたし一人じゃ決められないので」

「その方がいいだろう。とりあえず今日の所は訓練を中止にしてぷちそうしゃの扱いについて話し合う事に……」

 

 改めて風鳴司令が装者のみんなが集まったらやる事の予定を組み立て始めた時、司令室に繋がる扉が開いて、どうやら今来たらしい響さん、未来さん、クリス先輩、切ちゃんがドタバタと慌ただしくやってきた。

 どうしてそんなに急いでいるんだろうと思ってすぐにそっちを見て思わず唖然とした。

 何故かと言うと響さんとクリス先輩はダンボールを抱えていて……うん、もうこの時点でみんな察してると思うけど、そのダンボールからはデフォルメされた切ちゃんを除く三人、に加えて今は外国にいるハズの二人のぷちそうしゃが顔を覗かせていたから。

 

『なんかちっちゃいわたし(アタシ)達が玄関前に!!』

 

 どうやらぷちそうしゃはきりちゃんとしらだけじゃなかったみたい。

 というかどうして未来さんのぷちまで居るんだろう……

 

 

****

 

 

 混乱している四人をなんとか落ち着かせながら確認したぷちそうしゃの名前は結構覚えやすかった。

 響さんのぷち、びっきー。未来さんのぷち、みくさん。翼さんのぷち、ちゅばさ。クリス先輩のぷち、くりちゅ。マリアのぷち、まりにゃ。切ちゃんのぷち、きり。わたしのぷち、しら。これが現在司令室にて姿を確認されたぷち……恐らくぷちそうしゃ全種類。

 これで全員なんだよね、びっきー?

 

「ごはん!」

 

 ……合ってるよね、みくさん。

 

「ひびき!!」

 

 ……ちゅばさ?

 

「じょうざいせんじょう」

 

 そういえばこの三人は会話によるコミュニケーション取るのほぼ不可能だっけ……

 えっと、じゃあくりちゅとまりにゃ。これで全員でいいんだよね?

 

「やっさいもっさい!」

「ふぃねふぃね」

 

 こくこく頷いているからどうやらこれでぷちそうしゃは全種類らしい。というかくりちゅも結構コミュニケーション辛いなぁ……鳴き声がやっさいもっさいなんだもん。

 鳴き声についてはびっきーがごはん、もしくはみく。みくさんがひびき、ちゅばさがじょうざいせんじょう……だけじゃなくて翼さんが言いそうな防人っぽい言葉全種類、くりちゅはやっさいもっさいとかちょっせぇのクリス先輩の迷言。まりにゃがふぃねとセレナの名前。どうして知ってるんだろう……でも一応全員、一言二言程度の言葉なら口にできるから、案外鳴き声にはバリエーションがある。

 で、どうしてびっきーとみくさん、ちゅばさとのコミュニケーションが不可能かと言うと、まずびっきーは常に笑顔と言うか何考えてるのか分からない表情している上に言葉がごはんだけだから基本的に理解不能。ごはんに関しては目が無いみたい。で、みくさんはずっとびっきーか響さんにくっ付いてる、もしくは名前を叫んでるから基本的にコミュニケーション不可。どうやってひびき! からコミュニケーション取るのさ。ちゅばさは……うん、普通に何言ってんのか分かんない。ジェスチャーをしてくれるとなんとかなるんだけど……

 

「にしても最近装者として任命した未来くんまでぷちそうしゃとなっているとは……」

「えっと、ぷちそうしゃはうどんの生地に聖遺物を練り込んだらできたUMAの一種であり……えっ待ってうどん?」

 

 そんなぷちそうしゃを見て風鳴司令は頭を抱えて、エルフナインは何か一人で調べて驚愕としている。何というかカオス空間だけど、一応ぷちそうしゃはわたし達が抱っこして脱走しないようにしている。

 っていうかすっごい増えたけどどうするんだろう……流石にわたしと切ちゃんの部屋もきりちゃんとしらを迎え入れたらいっぱいいっぱいだし……ねー、きりちゃん。

 

「でーす?」

 

 あぁもう可愛い! 切ちゃんに駄目って言われても絶対にお持ち帰りする!!

 

「ちっちゃい響と響に挟まれることができるなんて……はぁはぁ……」

「ひびきぃ!」

「うっはぁ……なんか未来とみくさんからやっばい雰囲気が……」

「ごはん?」

 

 そしてびっきーを抱っこして響さんの隣に座ってヤバい表情する未来さんと、響さんに抱っこされて……というか自ら胸元に抱き着いた状態で動こうとしないみくさん。それに対して響さんは顔を青くしながら苦笑していて、びっきーは特に何も思っていないのか首を傾げるだけ。

 ……びっきーも可愛いなぁ。あとで抱っこさせてもらおう。なんか間抜け面してるけど。みくさんも抱っこ……うん、駄目かも。さっきから響さんがどうにかして剥がそうとしているけど剥がれないし、結局フェイスハガーみたいに顔にくっついちゃったし。

 で、ちゅばさとくりちゅは……

 

「ゆきにぇ、ゆきにぇ!」

「ちょっせぇ!」

「どうしてお前らアタシの頭の上に乗るんだよ……別にいいけどさ……」

 

 やっぱり翼さんが元だからクリス先輩がお気に入りらしいちゅばさはクリス先輩の頭の上に乗っている。っていうかゆきにぇって言えるんだ。舌足らずなのも可愛いなぁ……

 で、くりちゅはクリス先輩の頭の上のちゅばさの頭の上に乗ってる。言葉はアレだけど満足しているから別にいいかな。クリス先輩も特に気にしていないみたいだし。

 で、後はまりにゃとしらかな。

 

「おぉ~、まりにゃの髪の毛はマリアみたいになってるデスねぇ。しらも髪の毛サラサラデス!」

「ふぃね?」

「じーっ」

 

 まりにゃとしらは切ちゃんの膝の上に乗って髪の毛……髪の毛? よく分からないけど一応髪の毛を弄られている。っていうかまりにゃの髪の毛は普通に触ってみたいかも。その猫耳みたいな髪形、どうなっているのかいつも気になっていたし……え? まりにゃのそれ本当に猫耳になってる? 本当に? …………本当だ……

 なんか驚愕の真実が明らかになったけど、とりあえずぷちそうしゃに関してはこんな感じ。みんな特に問題なくコミュニケーション取れているし。

 

「聖遺物をうどんに練り込むなんて最早馬鹿としか……あっ、ぷちそうしゃは皆さんに懐いたみたいですね」

「そうみたいだな。こうして見ていると微笑ましい限りだ」

 

 確かに響さんと未来さんも色々とアレだけどぷちそうしゃと遊んでる所は楽しそうだし、クリス先輩も嫌々言いながら笑顔でちゅばさとくりちゅの相手してるし。わたしもきりちゃんが可愛くて満足だし。

 あー、お人形みたいでホンット可愛い……あったかいしふわふわだし……家に帰ったらお人形用の服とかで着せ替えできないかな? 試してみるのもいいかも。あ~いい匂い……

 

「でーす!?」

「調がわたしのぷちの頭に顔埋めてるのは何だか衝撃映像デス……」

 

 だっていい匂いなんだもん。あぁ癒される~……

 

「それで、だ。ぷちそうしゃの件だが、こちらで預かるかそれとも君たちの方で引き取るかを聞きたいのだが……」

『こっちで預からせてもらいます』

「そ、そうか……」

 

 ここで本部預かりにする訳ないじゃん。こんなに可愛いんだもん。

 まぁそんな感じで急に現れたぷちそうしゃ達はわたし達が引き取って一緒に暮らす事になった。ちなみに食べ物はわたし達と同じものを食べるみたいだし、SONGから自立稼働型聖遺物の起動実験という名目でぷちそうしゃの分の食事代と生活費が振り込まれ始めたからお金の心配もなし。

 そういうわけで、わたし達には新たな仲間が増えました。今日は切ちゃんと一緒にきりちゃんとしらも加えた四人で一緒に寝ようかな。




ぷちそうしゃはびっきー、みくさん、ちゅばさ、くりちゅ、まりにゃ、きり、しらの七人でした。一応全員ギアを纏う事ができたりできなかったり冬毛に生え変わったりお湯をかけるとイケメンになったりしますが大体は本文中で説明したとおりです。

本当はびっきーをちびきって名前にする予定でしたが、流石に元ネタ丸パクリは却下という事で中身ははるかさんなびっきーになりました。一応モチーフがあるのはびっきー(はるかさん)、みくさん(あふぅ)、ちゅばさ(ちひゃーのくっだけ。あと胸)、きり(ちびき)、しら(やよ)って感じです。くりちゅ、まりにゃはそこそこオリジナル混ざってますが、まりにゃは冬毛でちひゃー化します。

恐らくぷちそうしゃ時空も気が乗ると書く不定期連載時空となると思います。ならなかったらごめんね!
最初はエルフナインの分も出そうかなぁと思いましたがあくまでもぷちそうしゃなので登場はなくしました。設定も無かったしまぁいいかなって。セレナのぷちこと「せれにゃ」、奏のぷちこと「こかな」も一応名前だけ考えていましたが出るとしたらまた次回。

それでは次回ですがこれまた未定。何かネタがあればそれで書きます。

あと、活動報告でシンフォギアXDのフォロワー募集のためにフレンドID載せておいたのでマルチを手伝ってくれる心優しき方々はどうかフォローの方を。フォロワー枠空いていたらフォロバしますので
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