月読調の華麗なる日常   作:黄金馬鹿

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今回は二回目の超短編集です。本当は麻雀バトル! とか書きたかったんですけど、麻雀にわかには荷が重かったので、麻雀を短編にしてその他の短編でお茶を濁してしまえと思いました。

と、いう事で超短編集。コピペ系のやつから持ってきましたので、元ネタが分かる人は結構居るかと。


月読調の華麗なる超短編集2

 どうも今日はちょっとおかしな事になった。

 いや、装者の様子がおかしいのはいつもの事なんだけど、発端は切ちゃんが本部内で見つけた物だった。

 

「なんか麻雀セット見つけたデス」

 

 どうやら切ちゃん、倉庫の掃除を手伝っていたみたいで、その時に麻雀のマットと牌、点棒とサイコロがセットになった物を見つけてきたらしい。特に本部内で使う事も無いし、暇ならこれで遊んでてもいいって事になった。

 で、現在は丁度訓練後でみんな暇していたところ。だからか、全員巻き込んで装者内麻雀大会と相成った。

 ほんと、おかしな事になったなぁ……一応、わたしはちょっとばかりは自信あるっちゃあるけど……

 

「ふっ、アタシ様に麻雀で勝てるなんて思うなよ!」

「クリス先輩に負けてられんデスよ!」

「成年済みの者として負けてられないわね」

 

 最初はわたし、クリス先輩、切ちゃん、マリアの四人でやる事になった。

 翼さんはルールも役も分からないから、わたし達のを見て学ぶみたいだけど……その、ね。明らかにクリス先輩も切ちゃんもマリアも、ルールが分かってないんだよね。

 わたしはマムとF.I.Sの職員に交じって暇潰し&お小遣い稼ぎにやった事あるけど、切ちゃんとマリアが混ざった記憶なんて無いし。しかも、三人とも中々山を作らずにジャラジャラしている。

 もうこの時点で分かる。三人とも、雰囲気でやってるだけでルール分かってないね?

 ……これはちょっと面白い事ができそう。ちょちょいっとジャラジャラと牌を混ぜて、ちょちょいっと牌を選別してっと……これで良し。わたしが自分の目の前の山を作ったあたりでようやく三人は自分の前に山を作った。

 ふふふ。ふふふふふ。

 

「それじゃあわたしが仮東として先にサイコロ振りますね?」

「お、おう? す、好きにすりゃいいんじゃねぇの? その程度ハンデにもならねぇからな」

 

 許可貰ったし、サイコロコロコロっと。

 勿論出目は、五。

 

「あっ、わたしが仮親ですね。それじゃあ、もう一度」

 

 で、次の出目は九。

 これでわたしが親になった。ちょろいちょろい。この程度の出目操作に気が付かないんだもん。

 全自動卓だったらこんなサマできないけど、全自動卓じゃないんならサマなんてし放題だからね。わたしが東のカードを貰って、他の三人に方角のカードを配ってから、今度は配牌。

 

「じゃあ、次は親のわたしがもう一回サイコロ振りますね」

「ど、どんと来いデス!」

 

 勿論ここでも出目は操作させてもらうよ。わたしの山が一切崩れないようにね。

 

「この出目なら、クリス先輩の所からだね。ちゃちゃっと配牌しちゃおっか」

「そ、そうだな!」

「は、早く始めるデスよ!」

 

 ちゃんとわたしが誘導して、三人に配牌させてあげる。クリス先輩は南家だから、わたしの山には手が届かない。つまり、わたしが手を加えた自分の山に三人は触れる事ができないという事。

 で、配牌もしっかりと終わって、まずは親のわたしから。

 配牌は……まぁ、普通かな。良くもなく悪くもなく。役満は狙えないけど、早上がりは狙えそうな手。

 じゃあ最初は、東を落としておこうかな。

 

「ほら、クリス先輩ですよ」

「お、おう! え、えっと……チッ、何も書いてねぇ、ハズレか!」

「っ、ぷくく……!」

 

 い、今トーフ捨てながらこの人なんて言った……? 何も書いてないからハズレ……?

 ちょ、ちょっと手元狂いそうになるんだけど……!

 ……まぁ、いいや。翼さんも響さんはわたしの方を見ていない。他の三人は自分の手牌ばっかり見ている。最初はそうなるよね、分かる分かる。

 みんなわたしを見てない事だし、やっちゃおうかな。

 手牌を音もなく倒して……今! 秘技、ツバメ返し!!

 

「ん? 今音がしたような気がするデスよ?」

「ごめんごめん。間違って手牌崩しちゃった」

 

 よし、成功成功。しめしめ。

 これで手牌は緑一色四暗刻のダブル役満聴牌……!! さぁて、細工は流々。後は仕上げを御覧じろってね。

 

「とりあえず、これ捨てるデス」

「あ、あまり手牌が良くないわね……」

 

 なんて言いながら二人は手牌を捨てるけど、しめしめ。

 山から一枚牌を取って……ハズレか。まぁいいや。これ捨てて点棒取ってっと。

 

「リーチ」

「り、リーチ!?」

「は、早くないデスか!?」

「運が良かったみたい」

 

 完全に腕の差だけどね!

 と、いう事で後は初心者共が捨てる牌を見ておけば……って、捨てない? なんだ、つまらない。とりあえず三巡目……よし、掴んだ。

 

「ツモ」

「つ、ツモ? あ、あぁ、ツモね、ツモ」

 

 あっ、マリア、さては上がり方をロンしか知らないね。

 

「まさかリーチしてすぐに上がり牌を引いてツモできるなんて思わなかったよ」

「そ、そう、上がったの。流石調ね」

 

 あーおもしろ。

 で、手牌を見せてもみんなピンときていない。

 リーチ一発ツモ、とか言ってみたいけど、まぁこの役にソレはいらないし。

 

「緑一色四暗刻。ダブル役満、三万二千オール」

「さ、三万二千……?」

「全員から三万二千点って事ですよ」

『はぁ!!?』

 

 全員から三万二千点。で、最初の点数は全員二万五千点。

 つまり、全員飛びました。面白過ぎるでしょこの麻雀。

 わたしもマムや職員の人によくイカサマされて役満直撃とかしてボコボコにされたからね。こっちもイカサマし返して思いっきり毟り取った時もあったけど。

 流石に三巡目で親番のダブル役満なんてやったら即座にイカサマ発覚するから、あっちに居る時はできなかったんだけどね。けど、今はそんなの気にせずにできちゃうからホントに楽しい。このまま全員を最初で飛ばしまくってわたしだけ楽しんじゃおうかな。

 翼さんとか、いい反応してくれそうだし。

 

「くっ、まだ一回だ! 一回だけの幸運で調子乗んなよ!」

「次こそは倒してやるデスよ!」

「調にそう何度もいい顔はさせないわよ!」

 

 で、三人はまだまだ好戦的な模様。

 それじゃあ、次もツバメ返ししてトリプル役満とか……あれ、携帯が。えっと……響さんから?

 あんまり苛めてあげないでねって……あっ、もしかしてバレた?

 携帯を弄ってる響さんの方を見ると、響さんはこっちを見て苦笑した。さてはあの人、経験者だね。試しに聞いてみれば、そうだよって返ってきた。

 これは多分、ツバメ返しも見られてたかも。

 ……仕方ない。今回はみんなに華を持たせてあげようかな。サマを使えばみんなの最初の手牌を操作することだってできちゃうからね。と、いう事で。

 

「それじゃあ、わたしが仮東でもっかいサイコロ回しますね」

 

 じゃあ次は……クリス先輩に字一色でもさせてあげようかな。

 初心者のビギナーズラックという名のサマで笑顔になってくださいね。

 

「またハズレがありやがった!!」

 

 ……何やってんのあの人。折角二巡目で字一色できる手牌にしてあげたのに。一応、字一色を間違って捨ててもこっちがカバーできるように国士無双手牌にしておいたから、一個字牌を捨てた程度ならカバーできるけど……

 …………あーもう我慢できない!

 

「ロン! 白単騎待ちの国士無双! 三万二千点です!」

「はぁ!!?」

 

 これでトーフで役を作れることを思い知れ!!

 ちなみにこの後、響さんともやったんだけど……なんか、すっごく強かったです。急に山が~、とかこの山は地元の~とか言い出して、明らかに別人が乗り移ってた気がするし、後ろにジャージの下を履いてない女の子の幻影が見えた気がしたんだけど……気のせいかな?

 

 

****

 

 

「しりとりするぞ」

「存外暇なんですか、翼さん。急にそんな事言いだして」

「敵がいつ来るかは分からんが、息抜きは必要だと思ってな」

「何言ってんだか、この先輩」

「遺憾を示しながらも付き合ってくれる月読は、やはりいい後輩だ」

「だって付き合わないと後でうるさいじゃないですか」

「癇癪など起こさんよ」

「よしんばそうだとしても、少しはうるさくなりますし」

「知らぬ間に生意気になりおってからに」

「にべもないよりはマシって事です」

「すまぬな、別に責めた訳ではない……さて、出動だ」

「だったら、勝負は中断ですか?」

「帰ってくるまでは継続としておこうか。月読は勝負が決まるまではやり続けるタイプであろう?」

「有無も言わせずに自己完結しないでください。流石に中断で」

「で、あるか」

「勝った負けたが決まらないと終わりそうにないですね、これ。という事で、ちゃんちゃん」

「ン・ダグバ・ゼバという怪人を知っているか? 知っているのならまだまだ続くぞ」

「ゾッとするのでもう止めです。永遠に終わらないですし」

「しまったな。本当に歯止めが効きそうにない」

「いつまで続ける気なのやら……」

 

 

****

 

 

 最近、切ちゃんの寝起きが悪い。

 わたしはちょっと早く起きてからご飯を作ってるんだけど、切ちゃんが目覚ましに一向に反応せずに、そのままご飯ができても寝ているとかザラにある。

 これはどうにかしないとなぁとは思っても、わたしにはいい案が思い浮かばない。

 と、いう事で、響さんのお嫁さん的立場な未来さんに意見を聞いてみる事にした。

 

「……って感じで、切ちゃんが目を覚ましてくれないんですよ。これじゃあ目覚まし時計を買った理由が……」

「分かる分かる。響も前はそんな感じだったし」

 

 前も、という事は最近はなんとか解決したのかな?

 それはどんな方法なんですか?

 

「どんな方法と言っても……これは裏技みたいなものなんだけどね?」

 

 ふむふむなるほど……

 未来さんから聞いた方法は、なんだか馬鹿らしかったけど、切ちゃんなら通じるんじゃないかなと思った。

 だから、わたしは帰ってからエルフナインに目覚ましを持って行って、とある改造をしてもらった。改造と言っても、単純にアラームの音を変えてもらうってだけなんだけどね。

 という事で、細工した目覚ましをそっと設置した。これで目を覚ましてくれたらいいんだけど……

 そんなこんなあって翌日。わたしはいつも通り起きて朝ごはんを作ってる。そろそろ……かな?

 

『~♪』

 

 あっ、始まった。

 まだ起きてこないけど……この曲のサビ終わりで……きた!

 ふんふんふん……そして輝く。

 

『ウルトラソウッ!!』

『ハイ!! ……あれ? もう朝デスか?』

 

 あ、目を覚ました。

 ……なんというか、切ちゃんらしいなぁ。これは暫く、切ちゃんの目覚まし音はウルトラソウルかな。

 

 

****

 

 

「なぁ、調ちゃん」

「なんでしょう、藤尭さん?」

「この間さ、電車内で女子高生に挟まれたわけよ」

「はぁ」

「その状況ってさ。オセロ的に考えると俺も女子高生になるじゃん」

「……はぁ」

「でもさ、囲碁的に考えると……俺は消滅する」

「じゃあ、くだらない事を教えてくれたお礼に、わたしと切ちゃんと響さんと未来さんとクリス先輩で囲んであげますね。囲碁的に」

「やべぇ消滅させられる!!」

 

 

****

 

 

「……終わったな。だが迎えが来るまで暇だ」

「ですね……」

「……そういえば月読。睡眠薬って飲み過ぎると中毒になるらしいぞ」

「そんな事ないですよ。わたし、もう十年以上飲んでますけど全然中毒じゃないです」

「おい」

「我ながらナイスジョーク」

 

 

****

 

 

 今日はマリアの車に乗って移動中。単純にマリアの買い物に付き合っているだけなんだけど、マリアってば、買い物のためだけにSONGで車を借りてきたみたい。

 社用車は結構余ってるらしいから、使わせてくれたんだけど……お仕事で使うための車をこんな私用に使っていいのかわたしはよく分からない。

 けど、マリアが良いって言うんだから良いんだと思う。

 

「あっ、ガソリンが無くなりそうね……ちょっと給油していくわ」

「うん」

 

 ガス欠はまずいし、マリアが近くにあったガソリンスタンドに車を止めた。

 車を止めてすぐに店員さんが来てくれて、運転席側から顔を見せた。

 レギュラー満タンで、とか何とか言ってたけど、わたしはよく分かりませんでした。普段車なんて乗らないし、乗ったとしてもガソリンスタンドには行かないからね。

 で、給油をしようとした時。

 

「すみません、給油口逆ですね」

「あら、ごめんなさい。この車、借り物だからつい」

 

 どうやら給油口が反対側だったみたいで、一度車を動かしてからもう一回給油を。

 

「給油口あけてくださーい」

「えぇ。えっと……これね」

 

 で、給油口を開けようとしてマリアが何かを操作した時だった。

 すごい音と共にトランクが開いた。これには流石に店員さんも苦笑い。わたしが出ていって閉めようとしたけど、店員さんが親切に閉めてくれた。

 ウチのポンコツがすみません。

 

「え、えっと……じゃあこれね!」

 

 と、言いながらまた何かを操作したマリア。

 そして開くボンネット。いきなりフロントガラスの先が鉄板で覆われてしまった。このミスには流石に店員さんも若干笑いを隠し切れないようで、半笑いの状態でボンネットを閉めてくれた。

 ほんっと、ウチのポンコツがごめんなさい。

 で、そのポンコツはと言うと、給油口を開けるための操作が分からないらしくて、暫く運転席であっちこっちに手を伸ばして。

 

「分かったわ、これよ!!」

 

 と、言いながら座席のレバーを引いた。

 その瞬間、物凄い勢いで倒れていくマリア。

 

『ぶっ!!』

 

 そしてわたしと店員さん、同時に爆笑。

 ごめん、これに笑うなって方が無理だって。

 結局給油口はその後しっかりとマリアが開けて、給油はできたんだけど……その後何度もマリアがこの事は秘密に、とか誰かに言ったら、とか言ってきたから、しっかりと翼さんに教えておいた。

 その結果か知らないけど、後日の訓練で異常なまでにマリアに追われた。

 ちょっと茶目っ気出しただけじゃん!

 

 

****

 

 

「調ちゃん。急だけど美味しい炒飯の作り方を教えてあげるよ」

「いきなりですね、未来さん」

「まず田んぼを用意します」

「暇なんですか?」

「うん」

 

 

****

 

 

「ファミチキください」

「あるわけないだろ、月読」

「ファミチキください!!」

「いきなりうるさい」

(ファミチキください)

(こいつ、気合でギアのロックを解除して直接脳内に……!?)

 

 

****

 

 

 今日は体育の授業……なんだけど、先生の話が長い。

 グラウンドで座ってるだけだとなんだかお尻が痛くなるし、切ちゃんなんて欠伸してるし……あっ、そうだ。

 ちょっと暇潰しがてら切ちゃんを笑わせてみよう。

 そこの雑草引っこ抜いてっと。

 

「切ちゃん」

「ふぁぁぁ……なんデス?」

「これ、何だと思う?」

 

 と、言いながら雑草を見せつける。

 

「これね、ミキプルーンの苗木」

「ぶっふ!?」

 

 一発ギャグで切ちゃんは無事吹き出して笑ってくれたけど、その後に先生のボードの角で頭を殴られていた。

 その後切ちゃんに怒られたけど、おゆはんのおかずを一品増やす事で納得してくれた。チョロい。

 

 

****

 

 

「切ちゃん。今度学校で避難訓練だって」

「えー、面倒デスなぁ」

「でも、しておいて損はないよ。ほら、避難訓練のおはしって結構重要でしょ? わたし達は特にそれが分かってるし」

「あー、アレデスね。『お話を、話させない、したら許さない』デスよね」

「切ちゃんはお話に何の恨みを持ってるの」

 

 

****

 

 

「……そういえば、ちょっと髪を切ったからか少し頭が軽いな」

「へぇ。あたまいかれたんですか」

「よぉし、根切りの時間だ」

「ちょっ、ごめんなさい! 割と素で間違えました!! 許して!!」

 

 

****

 

 

 どうやらクリス先輩が新しいゲームを買ったらしい。

 一人の暇潰し用に買ったRPGらしいんだけど、これがなかなかどうして面白いのだとか。だから、わたしは一度クリス先輩のやってるゲームを見に、クリス先輩の部屋にお邪魔した。

 買ったのは某国民的RPGの最新作らしい。ちょっと前まではクリス先輩が一人でゲームなんて、そう考えられなかったけど……まぁ、この人もそれぐらい暇してるって事だよね。

 で、クリス先輩にもちゃんと約束を取り付けておいたから、インターホンを鳴らして入ると、すぐにコントローラーを握ってゲームをプレイしているクリス先輩を発見した。

 

「あっ、丁度やってるんですね」

「まぁな」

 

 クリス先輩はいつものように素っ気ない感じで答えると、まぁ座れよ、と隣に置いてあった座布団を叩いた。

 ご厚意に感謝して座布団に座ってクリス先輩のプレイしているゲームの画面を見た。

 けど、一瞬開いたメニューで見えたレベルは十かそこら。まだ全然序盤のレベル。買ってからもう三日は経ってるはずなんだけど……

 

「あんまりやってないんですか?」

「いや、やったよ」

 

 やったのにこのレベル……?

 一体何が……

 

「最初な、主人公の名前をダーリンにしたんだ。なんか面白そうだから」

 

 ……はぁ。

 

「それで暫くプレイしてたんだけどな。女性キャラがみんなダーリンって呼ぶからちょっと気を良くしたんだよ。ただ、途中で出てきたキャラがな」

 

 途中で出てきたキャラ?

 えっと、パッケージを拝見して……あっ。

 

「そうだ。その半裸の筋肉達磨にダーリンって言われた瞬間、なんかこう、なんとも言えない感じになってな。冒険の書消したんだよ」

 

 ……それは自業自得では?

 

「我ながら馬鹿な事したと思ってるよ。だから今回はハニーにしてみた」

「半裸の筋肉達磨にハニーって呼ばれますよ」

「……冒険の書消すか」

 

 

****

 

 

「ねぇ、調ちゃん」

「なんですか、響さん」

「最近シュークリームがマイブームなんだけどさ」

「はい」

「シュークリーム食べると確実にお尻からクリームが出てきちゃうんだけど……どうにかならないかな?」

「すごい体質ですね。どんな体してるんですか」

「拳でツッコミ、オーケー?」

「ノーセンキュー」

 

 

****

 

 

「涙の数だけふふんふふっふふん」

「アスファルトを裂く花のように~」

「強すぎじゃないですかそれ」

「すまん、素で間違えた」

「おいトップアーティスト」

 

 

****

 

 

「なぁ、月読」

 

 とある日、急に翼さんに声をかけられた。

 なんだろう?

 

「この間から現代で作れる最高の刀について考え始めたんだが、私ではありきたりな案しか出なくてな」

 

 あー、つまり、わたしにもそれを考えてくれと。

 

「そうだ」

 

 まぁ、いいでしょう。暇してましたし。

 でも、現代でも作れる最高の刀かぁ……多分切れ味とかはそういう職人の人に作ってもらえばピカ一だと思うし、そうすると妖刀の類とかの方がいいのかな。

 妖刀なんて代物を作れる材料があるとは言えないけどね。

 妖刀が駄目だとしたら、最高の刀の定義を……つまり、確実に相手を殺せる刀?

 そうすると材料が……

 

「……ウランやプルトニウムで作った刀とか」

「なんでそうなった」

「近づくだけで相手死にますよ」

「誰が持つのだそれ」

 

 誰、かぁ……

 うーん……

 

「下請け」

「邪悪の権化にも程があるだろお前」

 

 さぁ。

 

 

****

 

 

「クリス先輩」

「ん?」

「コアラのマーチの対義語って何だと思います?」

「ゴリラのレクイエム」

「パワーワード感ヤバくないですか」

「あぁ。自分で言っててもパワーワードすぎて若干笑いそう」

 

 

****

 

 

「今度、オーストラリアに行くのだ」

「いいじゃないですか。わたしもオーストラリアのご飯とか食べたいです」

「ハハハ。家でコアラのマーチでも食ってろ」

「ぶっ散らすぞアンタ」

 

 

****

 

 

 偶には映画でもレンタルして見ようかなと思ってレンタル屋さんに来てみた。

 見た事も聞いたことも無い映画とかもあるけど、今日見るのは決まってる。任務で忙しくって結局見るのを逃した、アメコミ映画の完結作。

 半年近く待機させられたからすっごい気になってたんだよね。ネタバレも見ないようにしていたし。

 えっと、この辺に……あったあった。うわっ、やっぱり一泊二日とかだし、全然高い。

 ……けど借りちゃう! 偶にはこういう思いっきりも!

 

「あれ、調ちゃんだ。どうしたの?」

「響さん?」

 

 とか思って手に取ったんだけど、そこで響さんが登場。

 響さんも何か借りに来たのかな? この人も映画を見て食事して寝るっていう訓練をしているみたいだし、それで強くなってるし。

 響さんの手元を見てみると、数点の映画のブルーレイが。

 

「これ見るんだ。まだ見てないの?」

「はい。見逃しちゃって」

「実はわたしもなんだよね~。あ、どうせなら割り勘して一緒に見ない?」

「いいですね、一緒に見ましょう」

 

 やった、お金浮いた。

 それに、一人で見るのはちょっと寂しいなぁって思ってたところだし、丁度いいや。わたしの部屋で一緒に見ようかな。

 

「あっ、そういえば」

「なんですか?」

「あっちの方に題名も何も書いてない、黒いパッケージのDVDがあったんだけど……調ちゃん知ってる?」

 

 だ、題名が書いてない、黒いパッケージのDVD……?

 それって……

 

「仕切り用のダミーじゃないですか?」

「………………行こっか」

「はい」

 

 二人で見る映画は面白かったです、はい。

 あと、顔真っ赤な響さんは可愛かったよ。

 

 

****

 

 

「調さん、調さん」

「なに、エルフナイン」

「このチラシすごいですよ」

「チラシの何が?」

「この住宅、築五分ってだけでもすごいのに、駅から五年ですよ、五年。どこまで歩かせる気なんでしょう?」

「エルフナイン、暇なの?」

「はい。かまちょです」

「ゲームしよっか」

「わーい」

 

 

****

 

 

「月読、かまちょ」

「おととい来やがれ」

 

 

****

 

 

 今日は未来さんとおでかけ。

 一緒に夜ご飯の材料を買いながら、調理器具を見に行くって事で二人で出かけて、今は喫茶店で休憩中。

 

「やっぱり圧力鍋が欲しいなって思うの」

「圧力鍋、いいですよねぇ……作れる料理の幅が広がりますし」

「響にはやっぱり、美味しいご飯を食べてもらいたいから」

 

 けど、圧力鍋は学生が手を出せるような値段じゃない。結構いい値段がする。

 圧力鍋があるだけで色んな料理にも手が出せるし、いつもの料理も圧力鍋を使うと美味しくなったりと、あって損はない鍋だから、ぜひとも欲しいんだけど……やっぱりなぁ。

 お金貯めて買うのが一番かな。それ以外にも包丁を新調したいし、他にも調理器具とか……

 

「……ね、ねぇ、調ちゃん」

「はい?」

「外国人って……け、結構、入れ墨入れてる……くくっ、人、多いイメージが……ふ、ふふ、あ、あるよね」

「まぁ、確かに」

 

 なんか未来さんがすっごい笑ってるんだけど。一体何が?

 よく分からないけど、未来さんの様子を暫く見ていると、未来さんがどこかを指さした。そっちを向くと、そこには確かに外国人らしき人が。

 あの人に一体……? あっ、入れ墨だ。しかも日本語?

 えっと……そだっ!?

 

「そ、そだいごみ……!!」

「ご、か、漢字はかっこいいと、思うけど……ははははは!!」

「ぷっ、ふふっ……くくくくく……!!」

 

 せ、せめて日本語を調べてから刺繍入れようよ……!!

 

 

****

 

 

「ねぇ、調」

「なに、マリア。もう寝ようと思ったんだけど」

「アメリカに居る時思ったのだけど、あっちの人ってトマトをトメィトゥみたいな感じで言うわよね?」

「そうだね」

「いつも思うのよ。ちょっと大げさじゃないかって」

「おい外国人」

「ポテトはポティトゥで卵はタメィゴゥでしょう? なんか大げさすぎる気がするのよ、ホント」

「卵はエッグだよ」

「…………もう寝るわ」

「お疲れさま」

 

 

****

 

 

「翼さん、ぞんざいに扱ったのは謝りますから、こっちに向けてるソレ、眩しいので消してください」

「誰をだ?」

「ライトですよ」

「分かった。ライトという人間を消せばいいのだな」

「待って。激しく待って。そして全国のライトさん逃げて」

「………………暇だな」

「ですね……」

 

 

****

 

 

「なぁ、月読」

「暇なんですか」

「あぁ。で、だ。猫が突如空虚を見るアレ。ちょっと怖くないか?」

「フェレンゲルシュターデン現象の事ですね」

「そんなのがあるのか……どれ、調べて…………おい、何も出てこないぞ」

「そりゃ嘘ですし」

「よし、喧嘩するか」

「やべぇ逃げなきゃ」

「逃がさん!」

「くっ、この……!!」

『ギャフベロハギャベバブジョハバ!!』

 

 

****

 

 

「……いい加減、迎えが来てもいいと思うのだが」

「ですよね……あっ、司令からメールが」

「ん? 叔父様から?」

「えっと……迎え用の車のカーナビの音声を松〇修造にしたら迎え用の車が大炎上して大破したようです」

「…………歩いて帰るか」

「そうですね……」

「…………しりとりをだな」

「しません」




なんか時折調ちゃんから邪悪がにじみ出ている気がしましたが、多分書いている時に感じた錯覚だと思います。

今回の幕間的な話はコンビニではなく翼さんと任務完了後のお迎え待機中の一幕でした。とりあえず色々とコピペネタぶち込んだりオリジナルをちょちょいと入れてみたり。
あと、かまちょですって言ってるエルフナインを書きながら想像すると可愛すぎた。

XV10話はきりしらユニゾン回でしたね。いやー、調ちゃんのバンクで死にかけて、ユニゾン曲のお披露目もあって。今回はどんなトンチキタイトルで来るのかと思ったら割と普通目? な感じ。Cutting Edge×2 Ready,Go! ……うん、打ちにくい!
同時に二人のアマルガムも初お披露目になりましたね。切ちゃんは鎌が正統進化というのは予想ついてましたけど、調ちゃんのアマルガムはまさかの盾……と思わせてのヨーヨー……と思わせてのロボット! 多機能にも程がある! そして急遽予定を変更して放映されるふたりはきりしら! ツインハートはとてもようござんした。緑とピンクの糸を一緒に引いて戦うのはとてもえがった。
しかし、ユニゾンで押し負けたのは流石に驚きました。これって、ノーブルレッド>素のパヴァリア幹部って事になるんですかね? そうなると相当強化されてますよね。

で、装者の裏で行われていたノーブルレッドのあれこれ。本物の怪物に成り下がった三人ですけど、何と言うか、自分的には怪物から人間に戻る選択肢というのがあったと思うんですよね。特に、ビッキーは積極的に手を伸ばしたんですから、それに応じて胡散臭い爺よりも手を伸ばしてくれた人の所へ行けば、まだ救いはあったのかもしれないでしょうに。自業自得と言うかなんというか。
だと言うのに、案外生き生きしてハッスルしているヴァネッサ&ミラアルクと、泣いているエルザ。誰かを想って泣けるのは、それはそれで十分人間臭い事ですけど……
エルザはまだ人間寄りの心を持ってるようには見えますけど、ヴァネッサとミラアルクは完全に怪物の心に染まってるようにしか見えない。なんというか、やってきた事の跳ね返りでこうなってるんだろうなとは思いました。


P.S
エルザの一本しか入らなかった穴に五本も……薄い本が暑くなりそう。
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