七曜の転生者と魔法学校   作:☆桜椛★

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グリンゴッツ銀行と炎の雷

 翌日、シリウス・ブラックと協力者関係になった休暇一日目のパチュリーは、朝から少し不機嫌そうな顔でダイアゴン横丁にある小鬼(ゴブリン)達が経営している魔法界唯一の巨大な銀行・・・グリンゴッツ魔法銀行を訪れていた。

 

 

「はぁ・・・あれだけ手を借りるのを嫌がってたくせに、昨日の今日で早速私を有効活用しようとするなんてね」

 

 

 パチュリーは呆れた様に小さく溜め息を吐くと、ポケットから黄金の鍵を取り出した。この鍵は金庫の扉を開けるための鍵なのだが、パチュリー自身の物ではない。シリウス・ブラックが使っている711金庫の鍵だ。

 何故パチュリーがシリウス・ブラックの金庫の鍵を持ってグリンゴッツ魔法銀行の前に居るのか?それは今朝小悪魔の朝食を食べ終えて、食料を『叫びの屋敷』へ小悪魔と一緒に運んだ時まで遡る。

 

 

『そうだ。君はハリーと同じグリフィンドールの生徒だろう?少しお使いをお願いしたい』

 

『確かに同じ寮だけど、私この後魔法の研究を・・・』

 

『この前のクィディッチの試合の時、彼の箒が折れてしまっただろう?グリンゴッツ銀行の私の金庫からお金を引き出して、彼に箒をクリスマスプレゼントとして送ってくれ。金庫番号は711で、鍵はコレだ』

 

『聞きなさいよ人の話を』

 

 

 勿論その時パチュリーは断ろうとしたが、「私に手を貸すと言ったのは君だろう?」と言われて渋々引き受けたのである。せめてもの嫌がらせとして、性能は良いが1番高い箒を買ってやろうと心に決めながら。

 

 

(でもコレって私が居るから買いに行かせてるのよね?なら原作での彼ってどうやって・・・・いや、考えるのは止めておきましょう)

 

 

 パチュリーは眺めていた黄金の鍵を再びポケットへしまうと、観音開きの扉を開いてグリンゴッツ魔法銀行へ足を踏み入れた。中は大理石のホールで、スーツを着た小鬼がカウンターの向こうで忙しそうに働いていた。

 

 

「ちょっと良いかしら?知り合いに頼まれてお金を引き出しに来たのだけれど・・・・」

 

 

 パチュリーは空いているカウンターの受付の小鬼に話しかけると、眼鏡を掛けたその小鬼は羽根ペンを動かしていた手を止めて顔を上げた。

 

 

「何番金庫ですかな?」

 

「711番金庫よ。鍵も本人から預かって来てるわ」

 

 

 パチュリーはそう言って受付の小鬼に鍵を渡した。小鬼は眼鏡をクイッと上げながらじっくりと鍵を眺め、慎重に調べ始めた。

 

 

「ふ〜む・・・・確かに我がグリンゴッツ銀行の金庫の鍵ですな。711金庫ですとブラック様の金庫で御座いますね?ではご案内致します」

 

 

 

 そう言ってカウンターから出て来た小鬼の後を追って、銀行の奥へと進んで行く。そして細い石造りの通路を抜けると、そこには一本のレールがあり、小鬼が口笛を吹くと、一台のトロッコが走って来て目の前に停車した。

 

 

「へぇ・・・金庫は地下にあるのね。しかもトロッコで移動する程広大な」

 

「おや?ここへ来るのは初めてですかな?その通り、金庫はこの線路の先に御座います。ここよりも管理が厳重な銀行は、他には無いでしょう。さぁ、お先にどうぞ」

 

 

 小鬼にそう促されてトロッコに乗り込むと、小鬼もトロッコの操縦席に乗り込んだ。

 

 

「指を失いたくなければ、手を外に出しませんよう。それでは出発致します」

 

 

 そう言って小鬼がレバーを倒すと、トロッコは凄まじいスピードで走り出した。線路はグネグネと曲がりくねり、急降下や急上昇を繰り返しており、その上をまるでジェットコースターの様なスピードでトロッコは走って行く。

 

 

「ちょっと入り組み過ぎじゃないかしら?」

 

「侵入者対策の為で御座います。不用意に立ち入ったら最後、二度と外には出て来れませんね」

 

「まぁコレだけ広ければねぇ・・・・あら?」

 

 

 パチュリーが広大な地下空洞を眺めながら小鬼と話していると、ずっと下の方に所々滝が流れているのが見えた。

 

 

「へぇ・・・盗人落としの滝を置いているのね」

 

「おや?盗人落としの滝をご存知でしたか」

 

 

 パチュリーが見つけた『盗人落としの滝』とは、魔法や呪いを洗い流す効果がある水が流れる滝の事だ。姿を隠したり人や小鬼を錯乱させる呪文や魔法は勿論、ポリジュース薬などの魔法薬や魔道具を使った変身なども洗い流す優れ物である。

 

 

「防衛装置として設置しているので御座いますよ。どんな魔法や呪文でも、あの滝を通れば洗い流されますからな」

 

 

 自信満々な様子な小鬼を横目で見ながら、パチュリーはこの銀行は本当に安全なのだろうか?と少し疑問を抱いていた。流石にその防衛装置があの滝だけとは思っていないが、パチュリーはあの滝がそこまで信頼出来る物ではないと知っている。

 何故なら『盗人落としの滝』は・・・・、

 

 

(防水加工がされた衣服や普通のレインコートなんかで簡単に通り抜ける事が出来るのよね・・・・)

 

 

 そう、突破方法は意外と簡単なのである。魔法や呪文を洗い流す効果があると言っても、洗い流すためには一度全身をその水で濡らさなければならないのだ。なのでポリジュース薬などで変身していても、防水加工された大きな帽子とローブを着ていれば変身が解ける事はないのだ。

 防水の魔法(・・)魔道具(・・・)などは防げるので、今まで侵入者が現れなかったグリンゴッツ銀行の小鬼達や、マグルの世界を意外とよく知らない魔法界の者達も知らない『盗人落としの滝』の意外な弱点であった。

 

 

「(他にも特殊メイクで変装してても突破出来るんだけど・・・・)まぁ、別に私の金庫がある訳でもないし、教えてあげる必要は無いわね」

 

「・・・?どうかされましたかな?」

 

「なんでもないわ。気にせず運転してちょうだい」

 

 

 小鬼は首を傾げていたが、すぐに意識をトロッコの運転に戻した。暫く地下深くへグネグネと線路を走って行くと、とある金庫の前でトロッコは急停車した。

 

 

「到着で御座います。711金庫で御座います」

 

 

 トロッコを降りるとそこには小さな扉があり、小鬼が黄金の鍵を差し込んで捻り、ゆっくりと金庫の扉を開けた。

 シリウス・ブラックの金庫の中は、まさに宝の山だった。山の様に積まれたピカピカのガリオン金貨に、大きく美しい宝石の数々。他にも金や銀で作られた調度品などもある。痩せこけて貧乏そうな姿しか見ていなかったが、彼は意外とお金持ちだったようだ。

 パチュリーは金貨の山の前に行くと、空間魔法を使って見た目より多く物が入るようにした袋を取り出して金貨を入れ始めた。そして丁度500枚目の金貨を入れると、袋の口を閉じた。

 買う箒はもう決めている。グリンゴッツ銀行に来る途中にあったダイアゴン横丁の高級箒用具店に置いてあった『炎の雷・ファイアボルト』と言う名の箒だ。なんでもレース用に開発された箒で、スピードも操作性も今存在する箒の中で一番の代物らしい。ガリオン金貨500枚(日本円にして約46万円)分の性能はあるのだろう。

 

 

「御用はお済みで御座いますかな?」

 

「えぇ、帰りもよろしくお願いするわ」

 

 

 金貨の入った袋を手に金庫を後にして、再びトロッコに乗り込み銀行のホールへ戻る。カウンターで手続きを終え、小鬼から黄金の鍵を返される。

 

 

「またの御利用をお待ちしております」

 

「機会があればね」

 

 

 鍵をポケットにしまうとパチュリーは銀行を出て高級箒用具店へ向かった。店に入るとカウンターに居た店主が笑顔を浮かべながら近付いて来る。

 

 

「いらっしゃい美しいお嬢さん!本日はどの様な商品をお求めで?」

 

「ちょっと知り合いにクリスマスプレゼントに箒を贈りたくてね。あそこにある箒を貰えるかしら」

 

 

 パチュリーはそう言ってファイアボルトが置いてある陳列棚を指差した。

 

 

「クイーンスイープ7号だね?値段も手頃で普段の移動用にも使える良い箒だ。今なら新品も置いているよ」

 

「そうじゃないわ」

 

「あぁ!ニンバス2001の方だったか!確かにあの箒はクィディッチの選手にも人気だが、ちと高いぞ?」

 

 

 店主はパチュリーがファイアボルトを買おうとしていると思っていないのか、その両隣に置かれている箒を説明する。

 

 

「違うわ。真ん中に置かれてる箒よ」

 

「・・・・ま、まさか。ファイアボルトを?本当に?」

 

 

 店主はギョッとしながらパチュリーを見詰める。そして無言で頷くパチュリーを見て、ガッツポーズをするとまるでビンゴゲームで一等を当てた子供の様に小躍りしながら喜び始めた。

 

 

「やった!やったぞ!やっとファイアボルトを買ってくれる客が来てくれた!なんとか仕入れたはいいが、値段が高過ぎて誰も買わないから困り果ててたんだ!そう値段が・・・・」

 

 

 すると店主はピタリと踊りを止めて、恐る恐るといった様子でパチュリーの方を向く。

 

 

「あのファイアボルトは500ガリオンもする箒だが・・・お嬢さん、お金は足りるのかい?とても子供が買える品じゃないぞ?」

 

「問題無いわ。贈りたいとは言っても、私は代理で買いに来たのよ。本人はちょっと都合が合わなくてね。ちゃんとお金も預かってるわ」

 

 

 そう言ってパチュリーは金貨の入った袋を取り出し、カウンターの上でひっくり返して金貨を全部出した。ジャラジャラと音を立てながらカウンターの上に金貨の小山が出来ていくのを見た店主は、段々と満面の笑みを浮かべて行き、最後の一枚が袋から落ちると、凄まじい勢いで金貨を数え始めた。

 

 

「498!499!ご、500ガリオン!!毎度あり!贈り物でしたね!誰に贈りましょう!?」

 

「ホグワーツのハリー・ポッターへ。サプライズで贈りたいらしいから、匿名で贈ってちょうだい」

 

「おぉ!まさかハリー・ポッターとは!お嬢さんのお知り合いの方も交友関係が広いですな!」

 

「彼、クィディッチのシーカーなのだけれど、前の試合で箒が折れちゃってね。それを知った知り合いがプレゼントしたいらしいのよ」

 

「成る程!これを貰って喜ばないクィディッチ選手は居ないでしょうな!ささ、手続きを済ませましょう!」

 

 

 会話をしながら見事な手捌きで丁寧にファイアボルトをラッピングし終えた店主の指示に従って、パチュリーは用紙に必要な事項を書いて行く。そして最後にサインを書くと、用紙を店主へ渡した。

 

 

「じゃあ、ちゃんとクリスマスに届くようにしてちょうだいね」

 

「お任せを!毎度ありがとうございました!」

 

 

 ホクホク顔の店主に後の事を任せ、パチュリーはホグワーツへ帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 クリスマス当日、楽しむ生徒は休暇で帰って殆ど居ないものの、ホグワーツ城は大掛かりな飾り付けがされてクリスマスの色に染まっていた。柊や宿木を編み込んだリボンが廊下にぐるりと張り巡らされ、鎧という鎧の中からは神秘的な灯りが煌めき、大広間には金色に輝く星を飾った12本のクリスマス・ツリーが立ち並んでいる。

 昼食時には廊下中に美味しそうな匂いが立ち込めており、ホグワーツに残った生徒達は料理を楽しみにしながら大広間へ向かって行った。

 

 

「メリー・クリスマス」

 

「メリー・クリスマスです!パチュリー様!」

 

 

 そんな中パチュリーは大広間へ行く事はせず、自室で小悪魔と一緒に昼食を取っていた。飲み物が入ったグラスを打ち合わせて乾杯し、益々腕を上げた小悪魔の料理に舌鼓を打つ。

 

 

「・・・・うん、また腕を上げたわね。美味しいわよ、こぁ」

 

「えへへ〜♪今日はクリスマスですからね〜!腕に縒りをかけました!」

 

 

 満面の笑みを浮かべる小悪魔に毎年の事ながら、『悪魔がキリスト教の始祖の誕生日を祝っていいのだろうか?』と言う疑問を抱いてしまうパチュリーだったが、これまたいつも通り彼女が楽しんでいるなら別に良いかと一緒に笑みを浮かべた。

 

 

「そう言えば、あの箒って無事にあの子に届いたんですか?」

 

「えぇ。余程嬉しかったのか、談話室に持って来てずっと箒を眺めてたわ。何故かロンとハーマイオニーは仲が悪そうだったけどね」

 

「喧嘩でもしたんですかね?」

 

「さぁ?」

 

 

 首を傾げる小悪魔に知らないと答えるが、パチュリーは喧嘩の原因が大体予想出来ていた。実はハーマイオニーが今年からクルックシャンクスと言う名の赤味がかったオレンジの毛並みをした大きな猫を飼っているのだが、その猫がちょくちょくロンの飼っているスキャバーズ・・・もといネズミに変身したピーター・ペティグリューに奇襲を仕掛けているらしいのだ。

 殺人鬼の変身を見破っているのか、単に獲物として狙っているのかは知らないが、恐らく今朝もクルックシャンクスが奇襲を仕掛けたから喧嘩をしたのだろう。

 

 

「ま、その内仲直りするでしょ。それより、こぁ」

 

「モグモグ・・・ふぇ?なんですか?」

 

「はい、コレ。クリスマスプレゼントよ」

 

 

 そう言ってパチュリーは綺麗にラッピングされた箱を小悪魔へ差し出した。突然の事に小悪魔はキョトンとした顔でジッと差し出されたプレゼントを見詰め、やがて状況を理解して来たのか目をキラキラしながらプレゼントを受け取った。

 

 

「わぁ〜!いいんですか?パチュリー様!」

 

「勿論、貴女の為に用意したんだもの」

 

「わ〜い!ありがとうございますパチュリー様!こんなに幸せになっていいんでしょうか?私悪魔なのに!」

 

「クリスマス祝っといて今更でしょう?ほら、開けてみなさい」

 

 

 プレゼントを胸に抱いてクルクルと嬉しそうに空中で回っていた小悪魔は、椅子に座り直すと丁寧に包装紙を外して箱の蓋を開けた。

 箱の中に入っていたのは1丁の拳銃と3つの弾倉だった。本物の拳銃に見えるが、コレはパチュリーが以前自分でも戦える様になりたいと言っていた小悪魔の為に作った魔道具だ。見た目は小悪魔が気に入った『ベレッタ92』と言う名の拳銃に酷似している。

 

 

「使い方は普通の銃と大差無いけれど、弾は魔力で出来ているから、弾丸に炎や雷などの色々な属性を付与する事が出来るわ。練習次第では飛んでる弾丸の軌道を曲げられる様になれるでしょうから、頑張ってね。あぁ、撃つ為には弾倉に魔力を込める必要があるから、弾切れと魔力切れには気を付ける様に。詳しくはこの説明書を読みな・・・わぷっ!?」

 

 

 取り出した説明書の冊子を小悪魔に渡そうとしたパチュリーは、文字通りパチュリー目掛けて飛んで来た小悪魔によって椅子ごと後ろに倒れてしまった。

 

 

「ありがとうございますパチュリー様〜!!とっても嬉しいです!私一生懸命練習して、パチュリー様をお守り出来る様に頑張ります〜!!」

 

「イタタ・・・こぁ、嬉しいのは分かったけれど、いきなり飛び付くのは止めなさい。危ないでしょう」

 

「すみません!でも嬉しくてしょうがないんです〜!」

 

 

 パタパタと羽と尻尾を動かして全身で喜びを露わにしている小悪魔に、パチュリーは少し呆れると同時にここまで喜んでくれるなんてとちょっぴり嬉しく思った。

 

 

「はいはい。分かったからちょっと退いてちょうだい」

 

「はい!それじゃあ私は早速ヴワル大魔法図書館の外で練習をして来ます!」

 

「あ、ちょっとこぁ!まだ昼食の途中・・・・行っちゃった」

 

 

 小悪魔は素早い動きで説明書と箱を大事そうに持つとトランクの中へと消えて行った。止める間も無く行ってしまった小悪魔にパチュリーは小さく溜め息を吐くと、残った食事を食べて魔法で食器を綺麗にして片付けた。

 

 

「さてと、あの様子じゃ暗くなるまで練習してるでしょうし・・・・もうそろそろハリー達も昼食を終えてる頃ね。談話室にでも行ってみましょうか」

 

 

 読みかけだった『時空間移動の方法と過去改変事件の記録』と書かれた魔法書を持つと、パチュリーは部屋から出て談話室へ向かった。椅子に座って魔法書を開くと同時に、肖像画の穴からハリーとロンが出て来た。

 

 

「あ、パチュリー。昼食を食べに来なかったけど、大丈夫なの?」

 

「ちゃんと(部屋で)食べたわよ。・・・・?あら、ハーマイオニーは一緒じゃないのね」

 

「マクゴナガル先生と話があるってさ。もっと授業を沢山取りたいとか言ってるんだろ。それよりハリー!ファイアボルトの手入れするんだろ?僕にも見せてくれ!」

 

「勿論さ!取って来るよ」

 

 

 ハリーは寝室に向かうと、パチュリーがシリウス・ブラックのお金で買ったファイアボルトと箒磨きセットを持って戻って来た。2人が何処か手入れ出来る所は無いかと探すついでに、新品の箒をあらゆる角度から眺めてうっとりと見惚れていると、再び肖像画の穴が開いてハーマイオニー・・・・と、何故かマクゴナガル先生が談話室へ入って来た。

 

 

「これが、そうなのですね?」

 

 

 マクゴナガル先生はハリーとロンが掴んでいるファイアボルトを見詰め、暖炉の方に近付きながら目をキラキラさせた。

 

 

「ミス・グレンジャーがたったいま、知らせてくれました。ポッター、あなたに箒が送られてきたそうですね?」

 

 

 ハリーとロン、そしてパチュリーは離れた所で逆さまの本を読んでいるハーマイオニーを見た。額の部分だけが本の上から覗いていたが、見るみる赤くなった。

 

 

「ちょっと、よろしいですか?」

 

 

 マクゴナガル先生はそう言いながら、答えも待たずにファイアボルトを取り上げ、箒の柄から尾の先まで、丁寧に調べた。

 パチュリーは既にこの後の展開が予想出来ていた。ハリーは両親は亡くなっており、500ガリオンもする箒をポンとプレゼントしてくれる知り合いが居る事はマクゴナガル先生は勿論、ハリーも知らない。

 

 

「フーム。それで、ポッター、なんのメモもついていなかったのですね?カードは?何か伝言とか、そういうものは?」

 

「いいえ」

 

 

 つまり、今ファイアボルトは正体不明の誰かから送られた物と言う事になる。なら生徒の安全を守る義務がある教師はそんな物が生徒の元へ届いたらどうするのか?

 

 

「そうですか・・・・」

 

 

 答えは簡単・・・・。

 

 

「さて、ポッター、これを預からせてもらいますよ」

 

「な───なんですって?」

 

(危険がないか徹底的に調べるわよね)

 

 

 ハリーがファイアボルトに乗れる日は、まだまだ先になりそうだと思いながら、パチュリーは魔法書を読み続けるのだった。




なんとか年内に出せた。

追伸
・いつの間にか段落を入れられる様になっていたり、表記が変わっていたりする部分があるので、少しずつ直して行きます。
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