七曜の転生者と魔法学校   作:☆桜椛★

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禁じられた森と試験を終えて

 ハリー達3人に口止めされた数日後、グリフィンドール対ハッフルパフのクィディッチの試合が行われた。この試合にはパチュリーは観に来なかった。まぁ念の為自室で水晶越しに見守っていたが。ロンとネビルがマルフォイ達と乱闘した事以外は何も問題は無かった。ダンブルドア先生が見ていたからクィレル先生も手出しは出来なかったのだろう。

そして更に数週間経過した今、私はホグワーツの図書館でハーマイオニーの説得をハリーとロンの2人と一緒に聞いていた。

 

 

「ハーマイオニー?試験はまだ10週間後よ?この2人は兎も角何故私まで勉強しないといけないのよ」

 

「ニコラス・フラメルにとってはほんの1秒でしょう?それに復習しないと試験に受からないわ」

 

「僕たち、600歳じゃないんだぜ?」

 

(私は200歳ちょいだけどね)

 

 

 ロンの反論にパチュリーはそう心の中で伝えた。それより何故自分はここで3人に付き合っているのかを考える方が面白いとも考えている。

 

 

「もう帰っていいかしら?まだ読みかけの魔法書があるのだけれど?」

 

「ダメよ!貴女はいつも授業とは全く関係がない本しか読んでいないじゃない!それじゃ試験の問題は解けないわ!」

 

 

 私にとって貴女達とやる試験は大人が小学生のテストで1+2とかの足し算を解いている様なものなんだけど?

 パチュリーはいい事言ったとドヤ顔をかますハーマイオニーをジト目で見つめてやる。ロンも負けずと反論した。

 

 

「それに、何の為に復習するんだよ。君はもう全部知っているじゃないか」

 

「何の為ですって?気は確か?2年生に進級するには試験をパスしなけりゃいけないのよ。大切な試験なのに、私としたことが・・・・もう一月前から勉強を始めるべきだったわ」

 

「私は貴女の気が確かか疑っているのだけれど?」

 

 

 パチュリーはまたブツブツと呪文を暗唱したり杖の振り方を何度も何度も繰り返し復習し始めたハーマイオニーに付き合いきれなくなり、開いていた魔法書を閉じて席を立った。因みに今読んでいるのは『魂や寿命のやりとりについての研究結果と有益な魔法の開発の記録』である。パチュリーにとって復習より新しい知識が断然いい。

 

 

「ちょっとパチュリー!どこに行く気?復習しないと試験受からないわよ?」

 

「私は復習するより新しい知識が手に入る方がよっぽどいいわ。それにもう教科書の内容からその応用まで熟知しているし、私は部屋に戻って魔法書を読んでおくわ」

 

「え!?ちょ、ちょっとパチュリー!!?・・・行っちゃったわ」

 

 

 ハーマイオニーはスタスタと図書館を出て行ったパチュリーを唖然とした顔で見送った。パチュリーの言葉にハリーとロンは羨ましがった。

 

 

「いいなぁ〜。パチュリーってもう完璧に覚えたのか。羨ましいよ」

 

「それに僕達にはパチュリーの読んでいる魔法書の意味と言うか読み方が全く分からないからね。それよりハーマイオニーをどうにかしようよ」

 

「そうだね。ハリー、そこの本取ってくれないかい?」

 

 

 残されたハリーとロンの2人は「パチュリーに負けてられない!」と何かのスイッチが入ったハーマイオニーをどうするか頭を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

 それから数週間が経った時、グリフィンドールで事件が起きた。グリフィンドール寮生が寮の得点を記録している砂時計の前を通った時に一晩で150点も減点されている事に気付いたのだ。そして何処からともなくハリーとハーマイオニー、そして何故かネビルが一晩で150点も減点させたと言う噂が広まった。よって、ハリー達はグリフィンドール寮生どころか今年こそスリザリンから寮杯が奪えると思っていたハッフルパフとレイブンクロー寮生の嫌われ者となり、逆にスリザリンにはすれ違う度に拍手や賞賛の声を受けていた。

 パチュリーは3人の様子を見る為にホグワーツ内を歩く・・・のは疲れるので数センチだけ浮いて探していた。ネビルには会えたがまるでこの世の終わりみたいに蒼白な顔をして負のオーラを周囲に発していた。気を取り直してハリーとハーマイオニーを捜索したがなかなか見つからず、図書館でロンと一緒に何かを真剣な表情で話している所を見つけた。

 

 

 

「はぁいハリー、ハーマイオニー、ロン。かなり参っているみたいね?」

 

「なんだパチュリーか・・・君も僕等に文句を言いに来たのかい?」

 

「ちょっと違うわね。私が言いに来たのはなんでノルウェー・リッジバックなんかを持っていたのかよ」

 

「「「ブッ!!?」」」

 

 

 パチュリーの爆弾発言にハリー達は吹き出し、慌ててパチュリーを引き寄せて小さな声で話し始めた。

 

 

「ちょ、ちょっとパチュリー!!?なんで君がノーバートの事を知っているんだい!!?」

 

「ノーバート?あぁ、ノルウェー・リッジバックのニックネームね?なんで知っているかと言うとドラコが私に貴方達とロンのお兄さんの手紙を見せてくれたからよ」

 

 

 ここに来る途中でドラコにはバッタリ出会った。その時に「君に特別に見せてあげるよ」と手紙を見せてくれたのだ。それを聞いて3人はしまった!と頭を抱えた。

 

 

「それよりパチュリー!!貴女なんでそんな大事な事をこんな人前で言うのよ!!?私達の当たりがまた悪くなるじゃない!!」

 

「私はフィルチにバレた貴女達程バカではないわ。足元をよく見てみなさい」

 

「え?・・・・あ、薄っすらと何か書いてある」

 

「防音の魔法を使っているの。足元の魔法陣内で話した事は外には漏れないし、向こうの音も私達には聞こえない」

 

 

 パチュリーの説明を聞いて3人は足元に薄っすらと光の線のようなもので書かれた魔法陣を凝視する。確かに周囲の生徒達の愚痴や羽根ペンの音などが全く聞こえず、自分達のドラゴンの話が聞かれた様子はない。

 

 

「これなら安心でしょう?さて、話してもらうわよ?なんなら今の貸し2の内1つを使いましょうか?」

 

「・・分かったよ言うよ。実は・・・・」

 

 

 そしてハリーはドラゴンの事、ハグリッドの事、ロンのお兄さんの事などを話した。パチュリーは相槌を入れながらも自分に残っている原作との違いを確認した。結果、やはり原作と少々違う場所があるらしい。些細な違いではあるが、その内ハリー達が死ぬような事になるんじゃないかと思う。

 

 

「成る程ね・・・もう結構よ。私は失礼するわ。・・・あ、ハリーとハーマイオニーはこの後来るであろう罰則を覚悟しておきなさい」

 

 

 パチュリーが魔法陣から出る直前に残した一言は、ハーマイオニーにかなりの大ダメージを与え、魔法陣の効果が切れた直後図書館に悲痛な叫びを響かせて、司書のマダム・ピンスの怒りを買った。

 

 

 

 

 

 

「さて、今頃ハリー達は罰則として禁じられた森にいる頃ね」

 

 

 パチュリーはクィディッチの試合以来出していなかった水晶を覗いて今夜罰則があると教えてくれたハリー達を見守っていた。流石にヴォルデモートと接触するとなると少々危険な為、予想外の事態に備えて魔法をかけた魔法書を10冊だけ飛ばしている。この魔法書はパチュリーがクリスマス休暇の時に作った物で、白紙の本の表紙に自作の遠隔操作の魔法陣を刻み込んで中のページに各種簡単な攻撃魔法を書いた本型のラジコン戦闘ヘリみたいな感じになっている。

 

 

「パチュリー様。そんなにあの森は危険なんですか?」

 

「まぁ私には全く危険じゃないけど、今回行くのは夜でしかも殆どが子供よ?同じ寮の子が死ぬのもなんか嫌じゃない?」

 

「とりあえず死ぬかも知れないのですね・・・」

 

 

 パチュリーが小悪魔とそんな会話をしていると向こうに動きがあった。どうやらマルフォイが悪戯でネビルに背後から掴みかかり、パニックになったネビルが赤い火花を打ち上げたようだ。それによりハグリッドの提案でメンバーを変更し、ハリーとマルフォイ、そして1匹の犬がチームとなり再び別れた。パチュリーはすぐさま7冊の魔法書をハリー達のチームに付けて監視を続行した。

 

 

「全くドラコったら・・・危機感と言うものがないのかしら?」

 

「あぁ、この金髪坊やがパチュリー様が言っていたドラコですね?確かにちょっと危機感が無さそうですね〜?」

 

 

 小悪魔もパチュリーの隣から水晶を覗き込んでそんな事を言った。少しするとハリー達が死んだユニコーンを見つけた。2人と1匹が更に近付こうとしていると、反対側からフードをスッポリかぶった何かが現れてユニコーンの血を飲み始めた。

 

 

「うげぇ〜、なんですかあのフード?ユニコーンの血を飲んでますよ?アレ人間にはほぼ毒じゃありませんでした?」

 

「まぁね。・・・・・・っと、早速出番のようよ?」

 

 

 パチュリーが水晶を覗くとマルフォイと犬が叫びながら逃げ始め、原作とは違い、フードマン(即席で命名)はハリーに杖を向けていた。パチュリーはすぐさま3冊の魔法書をハリーの前に移動させて防御魔法を展開。放たれた魔法が防がれたのに驚いた様子のフードマンを周囲に浮かばせていた魔法書の内2冊が魔法で照らし、残り2冊が魔力の弾を撃ち込む。フードマンはなんとかその攻撃を防ぎ、足早に暗い森の中に去って行った。流石にもう来ないだろうと判断し、固まったまま魔法書を見ているハリーを残して魔法書を撤収させた。

 

 

「ふむ、実戦にも使えそうね。今度自動操作の魔法を開発しましょう。魔法書の放つ魔法も強化しないと・・・また忙しくなりそうよこぁ。その時は手伝ってね?」

 

「はい!分かりましたパチュリー様!私にお任せ下さい!」

 

 

 その後パチュリーは窓を開けて魔法書を全て回収し、小悪魔にヴワル大魔法図書館の研究室に仕舞って来るよう言ってベッドに入った。

 

 

 

 

 

 

 ハリー達が罰則を終えて数日後、パチュリー達は試験の日を迎えた。ハリー達はかなり苦戦しながらもなんとか試験を終えたが、実は試験初日から誰もパチュリーの姿を見ていなかった。

 実はパチュリーは先生方の判断で別室にてかなり高度な試験を行ったのである。普通の寮生達にはパイナップルを机の端から端までタップダンスをさせるとか、ネズミを嗅ぎタバコ入れに変えるなどと筆記と実技を合わせて行っていたが、パチュリーの場合は普段から他の生徒達とはレベルが違う成果を出していたので、10m離れた場所から2体の人形を魔法で操って台本どおりの劇をするとか、ティーカップを変身術で大型の動物に変える、用意された素材から魔法薬を出来る限り作るなど、普通の生徒達にやらせる物ではない試験を受けていた。しかもそれを見事にこなして見せたので先生達は満足そうにしていた。

 そしてパチュリーはみんなが試験を終える3日前から自由時間を与えられ、その間パチュリーは喜んで自室で自動操作の魔法を開発し始めた。

 

 

「ん・・ん〜〜!!はぁ。そろそろ休憩しましょうか。こぁ〜?私は少し外を出歩いて来るわよ?」

 

「はぁい!分かりました〜!私は少し大図書館に戻って本棚の整理をして来ますね〜!」

 

 

 パチュリーは小悪魔がトランクの中に消えていくのを見届けてからホグワーツ内を散歩し始めた。もう他の生徒達も試験を終えてあちこちで談笑したりお茶を飲んでゆっくりしていた。そんな様子を見てクスリと笑いながらフラフラと歩いていると、玄関ホールにハリー達3人がおり、辺りをキョロキョロ見回していた。

 

 

「あらハリー達じゃない。試験お疲れ様。何を探しているの?」

 

「あ、パチュリー!ねぇ聞きたい事があるんだ!校長室の場所を知らないかい?急いでいるんだ!」

 

 

 校長室?とパチュリーは首を傾げるも、原作を思い出してもうそんな時期かと納得した。現に今パチュリーは校長室の場所を知っている。まぁ偶々見つけただけではあるが・・・しかし今これを話して良いものかと迷っていた。パチュリーがいいにくそうにしていると、ホールの向こうからマクゴナガル先生が現れた。

 

 

「そこの4人、こんな所で何をしているの?」

 

「ダンブルドア先生にお目にかかりたいんです」

 

「私は違うわよ?私は3人に校長室の場所を聞かれただけ」

 

 

 ハリー達の言葉にパチュリーは付け加える。マクゴナガル先生はパチュリーは兎も角ハリー達は怪しいと疑いの目を向けてダンブルドア先生が数十分前にロンドンに向かった事を伝えた。ハリー達はその事に慌て、どうしても要件を伝えたいと訴えた。

 

 

「ポッター。魔法省の件より貴方の要件の方が重要だと言うんですか?」

 

「実は・・・・先生・・賢者の石の件なんです」

 

 

 その言葉にマクゴナガル先生は驚愕し、持っていた本をバラバラと落とした。パチュリーは浮遊の魔法で魔法書を浮かべ、落ちる前に自分の手の上に乗せた。マクゴナガル先生は「どうしてそれを・・・?」と呟いており、やがて口を開いた。

 

 

「ダンブルドア先生は明日お帰りになります。貴方達がどうしてあの『石』の事を知ったのか分かりませんが、安心しなさい。盤石の守りですから誰も盗むことは出来ません」

 

 

 その盤石の守りを入学して数週間後には突破して今私の部屋の机の上に置いてあるんですがと無性に突っ込みたいけど言ったら絶対に面倒臭くなるから黙ってましょう。

 パチュリーはマクゴナガル先生の自信満々な態度に苦笑いしながらもなんとか顔に出さずにいれた。

 

 

「でも先生・・・・」

 

「ポッター。二度同じ事は言いません。4人共外に行きなさい。せっかくの良い天気ですよ?」

 

 

 マクゴナガル先生は落とした本を拾おうとしたが、パチュリーが持っているのを見て礼を言った。

 

 

「ありがとうございます。ミス・ノーレッジ」

 

「私も手伝うわ。じゃあね3人共」

 

 

 そうしてマクゴナガル先生と一緒にパチュリーは3人と別れ、しばらく廊下を歩いた所で口を開いた。

 

 

「先生、さっき言っていた賢者の石の件はあまり人前で話さない方がいいですよ?それにあんな事言って3人がじっとしていると思ってますか?」

 

「貴女は知らなかったのですか?まぁ黙っていて下さいね。それに守りは完璧です。下手に手を出そうものなら相手は死に至るでしょう」

 

「・・・・・・それあの3人が守ろうとしたら死にませんか?」

 

 

 マクゴナガル先生はその言葉に石化したように固まり、パチュリーは溜め息を吐いてマクゴナガル先生の本を受け取った。

 

 

「場所は図書館でしょう?私が持って行きますからマクゴナガル先生はダンブルドア先生にふくろう便でも送ってください」

 

「わ、分かりました!礼を言いますよミス・ノーレッジ!!」

 

 

 マクゴナガル先生は足早に去って行き、パチュリーは本を浮かべて図書館を目指した。

 

 

「さて、となると今夜あの子達が動くわね・・・あの子達は恐れと言う物を知らないのかしら?」

 

 

 パチュリーの言葉は誰も居ない廊下に静かに響いた。

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