ドラゴンボールGTin超(スーパー) 作:神Tuberザマス
惑星ケルボにて無事事件を解決し、ドラゴンボールを手に入れた悟空たちだが、村人に扮していた宇宙人にドラゴンボールを奪われてしまい、一行は急いで宇宙船で追いかけた。
だが、向こうの宇宙船はとんでもなく高性能であり、追い付くどころか、捉えるのがやっとであった。操縦に慣れていないトランクスだが、四苦八苦の末彼等を逃すことはしなかった。
振り切れずにいた先方の宇宙船は、諦めるように近くの惑星へと進路を変える。どんな星だろうと、彼らがそこに降りるのならそこで取っ捕まえればいいだけのことだ。トランクスも後を追うようにその星へと向かった。
だが、その星は普通の星ではなかった。表面に無数の穴があり、ごつごつとした岩肌が見える。奴等が入った穴と同じところにどうにか入るが、案の定といったところか、中は迷路状になっており、すぐに振り切られてしまい、見失ってしまった。
「あいつらどこいっちまったんだ……?」
「レーダーの反応を追えばわかるはずですが、こうも迷路になっているとどういったらいいかわかりませんね」
「ちょ、ちょっと待って! ドラゴンボールがどんどん遠ざかっていくわ! きっと奴等この星から出ていってしまったのよ!」
パンがギルを持ちながらトランクス達に見せる。確かにレーダーの反応は急速に離れ始めている。ということは奴等はすでにこの星を脱出している。
「くそっ、やられた! 奴等俺たちをこの星に連れ出して、振り切るつもりだったのか! 仕方ない、俺たちもこの星からでよう!」
そういってトランクスは方向を転換させようと、エンジンを逆噴射させる。だがその直前、突如衝撃が襲いかかった。なにかがぶつかったような、感触だ。
「な、なんだ!? 何が起こったんだ!?」
「なんなのよー!?」
パンとトランクスが悲鳴をあげるので、悟空は宇宙船から飛び出し、外の様子を見る。するとーー
「いっ!?」
なんと、巨大な生物が宇宙船に向かって体当たりを繰り出していたのである。全長はゆうに20mはあり、真っ白な体色をしている。ちょうど芋虫の幼虫のような外見をしているが、その巨体が与える衝撃はそれとは比べ物にならない。
「離れろ!!」
悟空は片手からエネルギー波を放ち、芋虫の化け物の頭に命中させる。しかし、一瞬怯み動きを止めたがすぐに動き始め、悟空めがけて体当たりをかました。
「うわっ!? こいつきかねぇんか!?」
なんとか悟空はかわすもその頑丈さに頭を悩ませる。
だが、そうはいっていられない状況だ。なんと奴の仲間かと思われる化け物の集団が宇宙船を取り囲み始めたのだ。
埒があかないと判断した悟空は、宇宙船へと回り込み、トランクスにジェスチャーで宇宙船を止めるように伝えた。指示通り宇宙船を減速させ、近くの適当な地面へと着地させると二人の戦士が宇宙船から飛び出した。
「トランクス、パン。こいつら、半端な攻撃は効かねぇぞ、注意しろ」
「はい!」
「わかったわ!」
そういうや悟空たちは巨大な幼虫たちへと向かっていった。
一方、その頃逃げ出した奴等は、悟空たちの惑星とは別のところへとたどり着いていた。
名は惑星ルード。その惑星の名と同じ宗教が広まり、多数の信者を集めている。奴等は宇宙船を停めると急いで神殿へと急ぐ。
神殿では祈りの儀式が執り行われており、赤い覆面を被った信者たちが必死に祈りを捧げている。祈りを向けられているのは、祭壇の奥にある巨大な銅像だ。あれは、ルード教の唯一神ルードであり、あらゆるものを破壊する力を持っているとされている。
「エンヤカヤカヤルードサマサマ、エンヤカヤカヤルードサマサマ……」
延々と唱える信者達に奴等は震えながらも、奥へ進む。奥には、鞭を持った紺のローブの神官が待っていた。だが彼は、奴等よりも先客の相手をしていた。
「それでドラゴンボールはどうなっているのだ?」
「は、はっ、そ、それがまだ見つかってないのです……」
「な、なんだと!? まだ見つけていないのか!!」
「は、はい、なんせ範囲が広すぎて……」
「言い訳はよい! では貴様をルード様と融合させてやろう! 信者にとってルード様と融合するのは至上の喜びであろうからな! さぁ、ルード様!」
そう神官が叫ぶと、奥の銅像の瞳が禍々しく光る。そしてそこから螺旋状にビームが放たれ、男に直撃する。悲鳴をあげながら男の体は小さくなりーーなんと彼は人形にされてしまった。人間味のない笑顔を浮かべ、全てが布と化してしまっている。それをみた奴等は上ずった悲鳴をあげて、小さな虫のように縮こまっている。
「やれやれ……む、ボンパラたちではないか。それで、貴様たちは見つけてきたのだろうな?」
「ひぃっ!? は、はいこここの通りです……」
ボンパラと呼ばれた男は神官に、一つのドラゴンボールを差し上げた。神官は上機嫌になり、よくやったと激励する――とはいかなかった。
「フム、確かにドラゴンボールは持ってきたようだな。だがな……ルード様のお告げによれば、奪い取った相手はもう一つボールを持っていたそうだ。つまりお前たちは、ドラゴンボールが近くにありながらみすみす見逃したことになる」
「そ、そんな!?」
ボンパラたちに言わせればそんなこと知ったことではない。理不尽極まりない。だが、それを理不尽だとはっきり言うとどうなるかは先ほど間接的ながら思い知った。
「お、お願いします! もう一度だけチャンスを……!!」
「いいだろう、一度だけチャンスをやろう。さぁ、奴らからボールを奪い取って来い! 早く行け!」
パシンと鋭く鞭が床を打つと、三人は悲鳴をあげながらすたこら逃げていった。その後、宇宙船に戻ると、悟空たちを置いてきたあの星へと急いだ。
「あ、あの星には危険生物がいると聞くパラ。生きているといいパラよ……」
「そうパラね……とにかく急ぐパラよ! でないと俺達パラパラブラザーズ皆人形にされてしまうパラ!!」
奪い取った相手の無事を祈りながら、エンジンがかなりの勢いで噴いた。
一方その頃悟空達は、巨大幼虫と戦っていた。
しかしその戦況は芳しいものではなかった。気功波は固い頭で防がれ、妙にすばしっこく打撃も当たり辛い。悟空はともかく、修業していないトランクスに、戦闘経験の浅いパンは苦戦を強いられた。
「くっ! こいつら攻撃が通らない!」
気功波を放ったトランクスが舌打ちをしながら吐き捨てる。
「ったりめぇだぞ。こいつらすんげぇ固ぇ頭してるからな。腹や尻尾を狙った方がいいぞ」
「そ、そんなこと言っても余裕ないわよじいじ!」
パンは巨体が繰り出す攻撃を避けるので精いっぱいである。
「しょうがねぇなぁ……はぁっ!!」
悟空は苦戦しているパンやトランクスを助けるべく、気を解放する。そして全身からエネルギーを放ち、パンやトランクスの相手をしている幼虫の腹にぶち当たった。悲鳴をあげながら壁に叩きつけられ、動きが止まる。
「いまだパン、トランクス!」
「はぁっ!!」
「くらえっ!!」
二人はすぐさま両手でエネルギー波を放ち、幼虫を攻撃する。それを喰らった幼虫は完全にダウンし、動かなくなった。
「まだまだいっぞ! 油断するなっ!!」
悟空はまだ残っている虫たちに次々とエネルギー弾を放ち、動きを止めていく。パンやトランクスはそれらを確実に始末し、同じく静止させていく。
「よし、おめぇで最後の一匹だ!」
悟空はばっと最後の奴の所まで飛んでいく。仲間を傷つけられ怒り狂った幼虫は悟空に向かって強烈な体当たりをする。しかし、悟空はすんでのところで体を90度左に逸らしがら空きの腹を蹴り飛ばす。その後悟空は両手を腰に引いて、かめはめ波でとどめを刺した。
その衝撃で壁が崩れ始め、その瓦礫で伸びている幼虫を埋めていく。すべて埋まりつくすと、悟空たちは一息ついた。
「いやぁ、すごかったなあの幼虫。悟空さんがいなければヤバかったかもしれなかった」
「おめぇもうちっと修行したほうがいいぞ~あんな奴らてぇしたことねぇしな」
「まぁでもいいじゃない、勝ったんだから。さて、こんな気味悪い星なんかさっさと出てアイツらを追っかけましょう!」
「その必要はないパラね!」
ひと段落すんだと思っていた悟空たちに、突如誰かから声がかかった。一斉に振り返るとそこには――
「あっ!! あんたたち!! ドラゴンボールを返しなさいよ!!」
ドラゴンボールを盗んでいった奴ら三人組が、にやりと笑いながら立っていたのである。
「お前たち、もう一個ドラゴンボールを隠し持ってるパラね? それを渡すパラよ!」
一番ガタイの大きいやつが悟空たちに脅迫する。しかし、それに屈せずパンは言い返す。
「ふざけないでよ! 誰がアンタたちに渡すもんですか!」
「なら仕方ないパラね。力づくで奪い取るパラ。ダンパラ、ソンパラ!!」
「準備はできてるパラよ!」
「いつでもオッケーパラよ!!」
彼らが声をあげると、いつのまにか彼らの横にスピーカーみたいなのがあった。先頭にふさわしくないものがあるので、悟空たちは首をかしげる。
「オッケーパラ! じゃあいくぞ!! ミュージックスタート!!」
パチンと指が鳴ると、スピーカーのような機械からずんずんと音が出た。クラブにありそうな感じの音楽であり、リズムに乗りやすい。
そして三人組はというと、リズムに合わせて踊り始めた。
「ボンパラボッパボッパッパー、くるっと回って両手にスマイル!」
「ボンパラボッパボッパッパー、くるっと回って両手にスマイル!」
テンポよく踊り、悟空たちに満面の笑みを浮かべる。その様子に一行は困惑していた。
「い、いったい何してるのよあいつら」
「さ、さぁ……」
「あれ見てっと、前にベジータが変な踊りをしていたのを思い出すぞ……」
10年前にビルスが初めて地球に来た時、ビルスの起源を保つために慣れない踊りをしたのを悟空は物陰に隠れて、笑いを堪えながら見ていたのを思い出す。ビルス対策を練るつもりだったにもかかわらず、それを忘れてしまうほどには、強烈だった。
「と、とりあえず攻撃すべきかしら……ん? あ、あれ?」
「パン何やってんだ?」
「ち、違うわよ! 体が勝手に動いているのよ!!」
「なにっ!? 放っておいたら不味いですよ!」
トランクスはそういうや、両手を掲げてエネルギーを放った。狙いは奇妙なダンスをしている三人組。恐らくあれがパンをおかしくさせている。
「そうだな、はぁっ!!」
「ちょ、ちょっと待つパラよ! 卑怯パラよ!!」
悟空も攻撃に加わったことで、三人組は震え上がって動きを止める。瞬間パンも動けるようになり、きっと睨んだ。
「さぁ、拘束させてもらうわよ!」
トランクスが作り出した、エネルギーで出来た輪で彼らを拘束すると、早速尋問を始めた。それによると、ドラゴンボールは惑星ルードという場所で、彼らの上司に渡してしまったらしい。そこで悟空たちは彼らを縛った状態で宇宙船に乗せて、案内させた。もちろん監視は、パンの役目である。
脅える三人組を乗せた悟空たちは惑星ルードへと向かっていった。だがこの先もまた、とんでもない危険が潜んでいた。
一方その頃――
「くそっ、ようやく脱出できたぞ……あの追いかけっこしていた宇宙船は見逃してしまった……」
小型宇宙船に乗るジャコはため息をつきながらも宇宙空間内で安堵していた。
「まあいいさ。とりあえず惑星ルードの調査に向かわなければ……」
そういうとジャコは宇宙船を急いで発進させた。
一時間もしないうちに到着すると、ジャコは殺風景な雰囲気に辟易とする。そして奥に進むたびに、奇怪なお経が聞こえてくる。
「やはり噂は本当か……これは私の出世のチャンスが来たぞ」
そういいつつもジャコは念のため光線銃を手元に握っておく。
「どうにかして中に入れないだろうか……」
正直住民が赤いローブを羽織っている中全身タイツ姿では目立つ。ならば隙間から侵入するしかないだろう。ジャコは何食わぬ顔で奥の神殿の近くまで行った後、さっと裏手まで回り、そこから宙へと飛ぶ。そして小さな小窓から入り込み、そこから祭壇までめざす。
何とも運がよく、道なりに進んでいくと、祭壇の二階につながっていた。といっても勝手口のようなものであり、人はほとんどいない。ジャコは壁に身を隠しながらじっと中の様子を覗く。
外でも聞こえたように、中では信者達が延々と地に伏して祈りをささげている。祭壇の奥では鞭を持った神官が信者たちを煽っていく。銀河王の言うとおり、これは放っておいたら危険だ。
「……これはなかなかエグイな」
ジャコはそっと感想を漏らした。
だが、それがまずかった。
「おい、そこのおまえ!」
「やべっ」
ジャコが偵察に夢中になっていると、壁際からぬっと人影が二つ現れ、むんずとつかまれる。その後、祭壇の方へと連れ出される。
「ちっ」
こうなったら手を出すしかない。ジャコは自由な足でつかんでいる番兵を蹴り上げ、腕を解放する。その後裏拳で番兵をはじき落とした。
「うわあああああーーー!」
番兵が悲鳴をあげながら、祈りをささげている信者たちの中に落下する。祭壇はざわつき、神官は目をむいてジャコを見た。
「な、何者だ貴様!!」
「私は銀河パトロールのスーパーエリート隊員のジャコだ!!」
「ぎ、銀河パトロールだと!? そんな奴が何の用だ!」
明らかに動揺し始める神官を見てジャコはニヤリと笑う。
「決まってるだろう。スーパーエリート自らがお前たちの行ってるエセ宗教を暴きに来たんだ!」
「似非だと!? ルード様は本物だ! ルード様のお力を今示してやろう。ゆけ、我がしもべ、レオンよ!」
神官は鞭を叩きつけると、奥から唸り声が響いてきた。ジャコは祭壇に降り立ち、光線銃を構える。陰より祭壇へと姿を現したのは、ライオンのような化け物だった。しかし凶暴性は地球のライオンとは比べ物にならない。
「これがルードの力か。ふん、大したもんじゃないな」
「いっていろ。さぁ、レオンよ。ルード様を侮辱したその愚かな行為を罰せよ!!」
「グルァッ!!」
レオンが吠えるとジャコ目がけて噛みついてきた。ジャコはばっと斜めに飛びずさって躱す。そして地面についた瞬間、跳ね返るように地面を蹴り、レオンの顎目がけてアッパーを浴びせた。
「グオッ――!!」
ガクガクとレオンの体が揺れる。そして一瞬揺れが収まったと思うと、ばたりとその場で倒れてしまった。
「ふん、あっけないもんだな」
ジャコは両手を払うようにパンパンと叩くと神官を睨む。
「さぁ、おまえを拘束させてもらうぞ」
「ふっ、そういうわけにはいかん。何故ならお前が動けなくなるからだ」
「なんだと?」
神官が邪悪な笑みを浮かべた。その直後――空気は一瞬にして緑色に支配される。
「なんだ!?」
ジャコが光を遮るべく腕を掲げつつ光の正体を見る。祭壇の奥中央に設置されていた偶像の目が光っている。そしてその光は全てを飲み込むようにジャコを包み始めた。
途端――ジャコの全身がしびれ始める。
「な、なにがおこって――」
段々と四肢の自由が利かなくなり、ついには周りのものがだんだんと大きく見え始める。まさか小さくなっているのか。
そうこうしているうちに、ジャコは何かに持ち上げられるような感覚がした。もちろん、抵抗はできない。その後ふわっと体が放り投げられる。そして落下軌道に入っていくと意識は霞み、そのまま眠りに落ちた。
「ふはははは、これでルード様がより一層お力を手にすることができる!!」
最後に聞こえた言葉が、それだった。
・巨大な虫との戦い
原作では3人とも苦戦していましたが、超の悟空は苦戦しないと思ったのでこういった感じにしました。
・パラパラブラザーズ戦
ここは正直、隙だらけなのに悟空たちが見逃している感が半端ないのでパンが操られた時点で攻撃させました。力の大会で、様々な能力を使う戦士との戦いで、油断が禁物であることを学んでいます。トランクスもベジータあたりから指導はされています。
・ベジータのダンス
神と神編でグレートサイヤマンの寸劇(?)によって機嫌を損ねたビルスに対しベジータが気を引こうと慣れないダンスと歌を披露しました。ビルスやウィスの評価はいまいちだったがどうにか破壊は免れます。尤も、その後の魔人ブウのプリン独占のせいで台無しになりましたが。
そして最後にジャコがルードに取り込まれましたが、GTのルードよりかは強いのは確定ですね。