「ジョシュア。ジョシュアってば」
「――ん。ああ、すまん。どうした?」
「それはむしろこっちの台詞。どうしたのさぼうっとして」
訝るような目でこちらの顔を覗き込んでくるミーナに「もっともだ」と苦笑を作る。
「何でもねえよ。気にするな」
「気になるってば。ジョシュア、自分で気付いてないかもしれないけど今日一日ずっとぼうっとしてるからね?」
「うん。少し顔色が悪いような気もするし……具合悪い?」
傍にいたクリスタもこちらを気遣うように上目遣いで覗き込んでくる。何だこの小動物、と奇妙な感想を得るとともに心なしか周囲の気温が一回り下がったような錯覚を感じた。予感を感じながら視線を巡らせれば、これ見よがしに野太い声を上げながら組手訓練に熱を入れる男どもの姿。
お前ら普段からそれくらいやれよ、と半目を向けるが、それで止めるような連中でもない。嫉妬の視線を意識して切り捨てながら眼前の少女達に対して笑みを作って見せ、
「気にするなって。たいしたことじゃあない」
「……喧嘩でもしたの? ジャンと」
そんなに、今の俺の表情は駄目だったのだろうか。むしろこちらを案じる色合いを強めた二人に今度は心からの苦笑を見せた。
「喧嘩……なのかねえ。よくわからんな」
「わからない?」
「口喧嘩したわけでもねえし、殴り合ったわけでもねえ。だから喧嘩、と言えるのかはわからんが……避けられてるような気がしてな」
気がする、ではなく事実その通りではあるのだが。事が起きた昨晩から翌日の今に至るまで一度もこちらを見向きもせず、会話もしないとなれば避けられていると考えるのはごく自然な考えだろう。
「心当たりとかないの?」
「……ない、わけじゃあ、ないんだが」
「珍しいね。ジョシュアがそんな煮え切らない答え方するなんて」
「自慢じゃあないが、今まで身内以外で喧嘩らしい喧嘩をしたことが一度もない」
「……友達いなかったの?」
ストレートな問いを投げてきたミーナの額に無言ででこぴんをお見舞いする。「あたぁ!?」とおおよそ乙女らしくない悲鳴とともにミーナが吹っ飛んだが知らん。別にそのことを気にしてるわけじゃないが、何だかミーナに言われると無性に腹が立つのだから仕方がない。
「まあ、そんなわけで。認めるのも癪だが同年代の友人がいなかったんだよ。だから喧嘩もしたことねえし、当然仲直りなんてこともしたことねえ。だからどう向き合うべきなのか、情けない話だがわからなくてな」
ここまで口にしたんだ、毒を食らわば皿までという奴だろう、と二人の意見を聞いてみると、
「私も、あまりそういうのしたことがなかったから……」
と申し訳なさそうにクリスタが即座に離脱。クリスタの場合は相手の方が萎縮してしまったのかもしれないし、そもそも喧嘩の原因を作るようなことをしてきたのかも疑問である。まあこれは想定の範囲内だ。
対してミーナはといえば何故か拳を振り上げており、
「男同士なんだし、拳で殴り合えば伝わるよきっと!」
「よくわかった。お前に聞いた俺が馬鹿だったんだな、うん」
こいつが男性という性別に対してどういう偏見を抱いているのかがたった一言で窺い知れるというものである。
半目で睨みつけていると、まあそれは冗談として、とジェスチャーを交えつつ、
「でも実際、きちんと話し合うしかないんじゃないの? だってジョシュアにもよくわかってないんでしょ?」
「……馬鹿な発言したかと思えば正論投げてきやがって。ミーナのくせに生意気だぞ」
「酷い!?」
そう毒吐いたものの、それが呻くような声であったことは、それが図星であるが故に他ならない。
結局のところ、それが一番であることは俺自身よくわかっているのだ。
ただ――ジャンが何を考えているのか。何を思っているのか。それが掴めず、予想ができないからこそ、臆病になってしまっているだけで。
そう思考し、思わず自嘲した。臆病。思考しておいて何だが、これほど俺に似合わない言葉もないだろう。ましてそれが戦いではなく、友人関係の悩みというのだから。
「ま……何とかするさ、早めにな。流石にこの状態を長く続けるつもりもねえし」
「その、大丈夫?」
だからお前は上目遣いでこちらを見るなと、とクリスタの心配そうな表情に思わず内心でため息をつく。一人……いや二人。敵意から殺意に変わったような気がしたが、断じて気のせいだと切り捨てる。
「大丈夫だっての。ちょっと考え事してたから寝不足なだけだ。訓練にも何ら支障はないし……勿論お前らに手を抜くようなこともないから安心しろ」
う、とミーナの表情が引きつり、さっ、とクリスタの顔が青ざめる。
対人格闘術の訓練も気付けば二桁に及ぶほどの数を受講しているが、二人の教官役を命じられたあの日以降、気付けば俺は二人の専属教官のような役割についていた。
俺自身こいつらに教えるのはあの日限りのことだと思っていたのだが、どうもあの日以降二人の動きに多少の改善が見られたことが教官の目に留まったらしい。勿論当の本人である二人の同意あってのことだが、期生の総人数が奇数であったこともあって、気付けばこの授業における俺の役割は訓練生というよりはむしろ教官に近いものとなっていた。
とはいえ、二人に今仕込もうとしているのは授業で扱っている組手のそれではない。故にこそ目の前の二人は恐怖に硬直しているのだろうが、望んだのはこいつらであり、俺ではない。ならば全力で当たらないのは失礼というものだろう。
「そう固くなるなよ。徐々にできてきてるんだ、むしろここは「どんとこい」と胸を張るところだろう」
「いやいやいや、褒められてるのかもしれないけど、はっきり言って全く嬉しくないからね? 慣れたくもないよあんなキ○ガイじみた訓練!」
「きちんとついてこれている時点でお前もその領域に片足踏み入れているんだが、自覚してるか?」
「あーあー聞こえない聞こえない何も聞こえなぁ――い!」
「恨むんならあの時俺についていくことにした自分を恨めよ? おらお前も位置につけ、前回の復習から始めるぞー」
その後授業が終わるまで二人分の情けない悲鳴が上がり続けたのは言うまでもない。
「相席いいか?」
食器を手に持ったまま、テーブルに一人で座る男に話しかける。そいつは目の前に並べられた夕食に手をつけることもなく、物思いに沈んでいるような風情であったが、俺の言葉に顔を上げると途端に不機嫌そうに目を細めた。
「何の用だよ」
「用がなけりゃ話しかけることもできねえのか? 随分世知辛い世の中になったんだな。知らなかった」
「世知辛いも糞もねえだろ。こんな世の中で」
違いない、と皮肉に唇を歪めながら向かいの席につく。「勝手に座んなよ」と声がしたが無視してスプーンを口に運んだ。
「食べねえのか?」
「俺の勝手だろうが」
「ま、そりゃそうだ。ただそのまま残すんなら言ってくれ。それはあまりに勿体ない」
「……もう一度聞くぞ。何の用だ」
明らかに苛立ちを募らせているが、はっきり言ってこの程度ならまだいつものやりとりだ。とはいえこれ以上反感を買うのもメリットがない。だから平静な様子を作ったままそれに応じた。
「ありがとな」
「……はあ?」
「いや何、そういえばまだきちんと礼を言ってなかったと思ってな。この前は迷惑かけて悪かった。おかげで助かったよ」
「何だそりゃ……そんなこと言うために来たのか?」
「勿論それだけじゃあないさ。それはお前もよくわかってるだろう?」
諭すような声で、努めて穏やかに。するとジャンの声が途切れ、あからさまに渋い表情を浮かべる。
ジャンは決して馬鹿ではないし、ガキでもない。何より本人は否定するだろうが情に厚い気質の持ち主だ。その点で言えば、ジャンはどう考えているのかは知らないが、少なくとも今まではそれなりに良好な関係を続けてこれたと自負している。
故に正攻法。下手に遠回しな手段に訴えかけるよりは、まっすぐにこちらの言葉を伝えるのがベストであるように思われた。
「――ああくそ、本当にやりづらい野郎だなてめえは」
互いに料理に手もつけずに辛抱強く待っていると、ようやくジャンが根を上げたらしい。がりがりと激しく頭をかきむしりながら毒吐く様子はいつものジャンのそれで、思わず笑みを浮かべてしまう。
「悪いな。自覚はしている」
「狙ってやってるくせにいけしゃあしゃあと言いやがって。ったく……これじゃあ俺がガキみてえじゃねえか」
深く息を吐くと、椅子が軋むほどに背もたれに深く身を預ける。
「……悪かったな」
ぽつりと、天井を仰ぐように顔を上向けたままジャンが言った。謝る姿勢としては決して正しくはないのだろうが、その声音には確かにジャンの本心を感じられた。
だからこれで、俺とジャンとの間の喧嘩もどきはひとまず区切りを迎えたと言って良いだろう。勿論、これで終わりとするにはあまりにもお粗末すぎるし、これで終わらせるつもりもない。根っこを刈り取らなければ、雑草は再びその姿を現すだろう。
「悪いなジャン。こうしてお前に謝ってもらった後で言うのは正直自分でもどうかと思うんだが……教えてくれ。俺はお前に何かしてしまったか?」
「……」
「一日かけて考えたが、どうにもしっくりくる答えが浮かばない。あの時の会話が原因であることは当然理解できるんだが、避けられる理由がわからないんだ」
「ああ……そりゃ、お前にはきっとわからねえことだろうな」
「そうなのか? 今まで友人らしい友人が一人もいなかったんだが、そのせいか?」
「マジな顔して突っ込みづらいこと言うなよ……どう返せばいいんだよ俺は」
心底困り果てているようなんだが、そんなに友人がいなかったということは駄目なことなんだろうか。姉はいたし、姉の同期の駐屯兵達はいたしでさして困ることもなかったんだが。
「そうじゃねえよ。お前はお前で考えることがあったように、こっちも色々考えてた。ただそれだけさ」
「その考えていたことは俺にも聞かせてもらえるのか?」
「腹の内に収めとくことも考えたがな。今更腹に抱えたまま付き合っていくのも面倒くせえし、何よりそれは俺らしくないだろうからな」
そう言って皮肉気に口元を歪める。一日ぶりに見たジャンの笑顔(?)だった。
食事を手早く終えると連れ立って食堂棟を出た。食事の時間に好んで外に出ようとする奴もいないし、教官の姿も見えない。話をするには絶好の状況だ。
適当な棟の裏手に来たところでジャンが壁に背を預けた。
「お前、調査兵団に入るって言ってたよな」
口火を切るその言葉に首肯する。
「どうして入ろうと思ったんだ?」
「俺の目的は以前に伝えたはずだが」
「順序ってもんがあるんだよ。素直に乗れよ」
そう言われてしまえば断ることもできない。
「俺達から何もかもを奪った巨人に復讐するためだ」
「――それは、お前の姉貴を殺された時に誓ったものか?」
思わず顔が引きつる。それも必要なことなのか、とわずかに反感が首をもたげるが、こちらを射貫くような目を向けるジャンは真剣そのものだ。
「……そうだ。俺には姉さんしか家族がいなかった。そのたった一人の身内を殺されて、何もせずに生きていくなんて俺にはできない」
だからこそ誓った。決して奴らを許しはしないと。どれだけ困難であろうと、必ずあいつらから何もかもを《奪い》尽くしてやると誓ったのだ。
その覚悟が《ソフト&ウェット》を生み出した。それは巨人に食われて死んでいった人達の無念が俺の覚悟を肯定したのだと、今でも俺はそう信じている。
拳を固く握りしめながらの言葉に、しかしジャンは無感情にこう言った。
「助けてもらったんだろう? 生かしてもらったんだろう? その命をわざわざ捨てに行くなんて、姉貴に対して申し訳ないと思わないのか」
「――何?」
低い、地を這うような声が漏れた。
考え無しに口にする馬鹿ではないことは知っている。粗暴に見えて、きちんと分別を弁えている奴であることも知っている。
だが、今口にした言葉はいくらジャンであろうと見過ごせる言葉じゃない。
威圧を込めて睨みつけるも、ジャンは微塵も動じることなく言葉を続ける。
「巨人への復讐。それは確かに立派だろうな。このご時世だ、称賛されない方がおかしいくらいのご立派な覚悟だ。だが、それは本当にお前の姉貴が望んだことか? お前の姉貴はお前にそんな途方もないことを願うような無謀な奴だったのか?」
「知った風な口を聞くなッ!」
「だろうな。だが事実だ。そうだろう? 巨人を全て駆逐するなんて願いを死に際に託すような奴はただの狂人だし――そんな奴をお前がそこまで慕うとも思えねえしな」
「ッ――」
――不意に。あの日、壁の上で見た夕日の景色が蘇った。
大きくなったら外に出たい。姉に抱かれながら、幼い俺はそう自分の思いを吐露した。
今でこそ目的は変わってしまっているが、根底にあるものまで違えたつもりはない。巨人を全て駆逐して人類は本来享受すべき自由を手にする。そうすれば、俺達は誰に咎められることもなく外の世界を見に行くことができるはずなのだから。
俺がそう言った時、姉はその思いを肯定した。
一緒に行くことはないが、応援している。確かにそう口にした。
けれど――その時、俺は姉が俺を抱く手にわずかに力を込めたことを見逃さなかった。
繋ぎ止めようとするように、言葉を一瞬濁したことを見逃さなかった。
「それでも、俺は……」
それを知っていて尚、その手の中から飛び出すことを望んだのだ。
《奪われた》ままでいることに堪えられず、壁の外へ出ることを望んだのだ。
「
「――何?」
頭から冷水を浴びせられたような心地でジャンを見る。
ジャンの表情は歪だった。嘲るように口元を歪めているが、そのくせ頬は引きつっている。蔑むようにこちらを睨みつけながら――その目には紛れもない恐怖と困惑が浮かんでいる。
……ようやく、事ここに至り。あまりにも遅きに失して、理解した。
この一日。相手の思考が読めなくて悩んでいたのは、何も俺だけではなかったのだと。
「教えてくれよ――どうして目の前で身内を殺されて、巨人を駆逐しようなんて思えるんだ?」
そんな当たり前のことを……今更のように、理解した。
「お前も、あの“死にたがり”もそうだ。目の前で巨人が人を喰う地獄を見た奴が、喜び勇んで地獄に戻っていこうとしやがる。まるで火に群がる羽虫みてえに。死にに行くようなもんだってことも理解してるはずなのにな。……はっきり言って気持ち悪いんだよ、お前ら。せっかく生き延びたんだ、死ぬまで逃げ続ければいいじゃねえか。なのにどうしてわざわざ死にに行こうとする? 俺にはそれが理解できん」
目の前の馬鹿に吐き捨てる言葉は至極真っ当な思考だろう。
人は巨人に勝てない。だからこんな大仰な壁を作ってその中に逃げ込んでいる。なのにわざわざ勝てる保証もないのに巨人に向かっていこうとするのは自殺とどう違うというのか。
こいつらの考えはそういうことだ。オブラートに包むこともせず容赦なく直球を投げ込んでいるが、俺の言葉が間違っているとは微塵も思えない。だからジョシュアもこちらに反論することもなく黙って耳を傾けている。
だが、所詮それだけだ。
「それが、お前の腹の内か」
静かな声でジョシュアが言った。
問いを投げた時には強張っていた表情も、今は仮面を被り直したかのように元の平静さを取り戻している。
波紋を広げた水面が再び凪いだようなその目と一言。それだけで俺の言葉は全くこいつに響いていないことをたちまちのうちに理解した。
「――馬鹿につける薬はないってか。ああわかってる、わかってるんだよ畜生め! んなこと言ったってどうしようもねえってことくらい」
がりがりと激しく頭を掻きむしる。溜め込んだものを吐き捨てれば少しはすっきりするかとも思ったが、結果は全く逆だ。
――何がしたかったんだ、俺は。
やったことはうだうだとジョシュアへの苛立ちをぶつけただけで、しかも当の本人へは全く効果無しときた。救いようもない。この結果をほぼ正確に予想できていた辺りが特に、だ。
――気に入らねえな、本当。
夜闇より深く澱んだ暗い色の目を睨みつけながら思う。
他人がどう生きようが関係ない。だから別にこいつが餓えた犬のように巨人に突っかかっていったところでわざわざ首輪を引っ張ってやるような真似をするつもりはない。
ただ――気に障る。ジョシュアやエレンは俺にとって狂犬とさして変わらない。恐怖を、絶望を、嫌と言うほど叩き込まれておいて、そんな感情はないと言わんばかりに無謀に突っ込んでいこうとする銃弾のような馬鹿ども。
理解はしているつもりでいた。それが「つもり」でしかなかったことに気付いたのは昨日の一件のせいだ。
目の前で姉貴を殺された。そう言い放つジョシュアの揺るぎない目に吐き気がした。
価値観が違いすぎる。少しでも巨人から離れたくて憲兵団を目指している俺とは、あらゆる感性が致命的にズレていた。
無鉄砲さが手足をつけて歩いているようなエレンはまだわかる。しかしジョシュアは明らかにその類ではない。自他共に認める腹黒さは知謀に長けていることの証だ。そんな奴が巨人に立ち向かうことの愚かしさを理解していないはずがない。
だから――ああ、認めるしかない。こうして腹の内をさらけ出したのは、ほんの少しでもこいつが心変わりすることを心のどこかで期待していたからだと。
「……そんなに巨人が憎いのかよ、お前」
当たり前すぎる事実を尋ねた。姉貴を殺されたんだ、こいつが恨んでいないはずもない。
「憎いさ。こうして鍛えている今がどうしようもなくもどかしく感じるくらいに」
返ってきた肯定は驚くに値しない。
これほど罵倒をストレートに投げつけられておいて尚、ジョシュアは微塵も揺らぐことなくそう断言した。自慢でも自虐でもなく、これほど責め立てられるのは同期の中では俺くらいのものだろう。
だからもう、ここにいる限りジョシュアは誰に責められることも、咎められることもなくなる。こいつが調査兵団以外に入団する可能性は永久に消えたと言っていいだろう。
「馬鹿野郎が。後悔すんぞ」
「何だ、心配してくれるのか?」
「馬鹿にしてんだよ。どこをどうすりゃそう聞こえるんだ」
何笑ってんだこの野郎。殴るぞ。
「ま――心配するな、覚悟はとうの昔に決めている」
――ぞくり、と背筋を悪寒が這った。
闇を映し込んだようなその目に迷いはない。何の感情も映さず、ただその奥に決して色褪せることのない静かな殺意を秘めている。
危うい、と感じた。その殺意が向いている方向を考えればこの上なく頼もしいはずなのに――その殺意は、必要に迫られれば躊躇いなく人間にも向けられるのではないかと、そう考えずにはいられなかった。
「……そういえばお前、目の前で姉貴を殺されたんだよな」
だから、だろう。
話を聞いた時に浮かび、そして即座に「馬鹿馬鹿しい」と切り捨てた疑問が、より明確な疑惑となって今再び膨れ上がる。
そうだが、と肯定するジョシュアに対し、一つ息を吸って、
「
誰もが抱く当たり前の疑問に、ジョシュアは一瞬目を見開き――しかしすぐに仮面を思わせる無機質な笑みを貼り付けて、こう言った。
「運が良かったんだよ」
それ以上、言葉を重ねることはできなかった。
前回の引きから考えれば多少あっさり目にわだかまり解消。
ジョシュアが相手なのでこの程度で済みましたが、エレンの場合口だけじゃ済まないだろうなーとか思いつつ。
ジョシュアの目については『漆黒の意志』のイメージで。
色々考えてますが、ジョシュアはジョースターの血的に言えばやっぱりこちらの方が強いかなと。
目的を考えればジャンが危惧するところの人を害することはないですが、果たして。
次回はようやく本編再開。
アニが登場する回ですが、二年後という点にご注目。
……何が言いたいかって言うと、二年もあれば今回の話でも調教されていたあの子やその子の魔改造が完了しちゃってるんじゃないかなって(震え声