理想郷で言葉を無くす   作:アマハラ

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初めての小説投稿です。

趣味で書いているので更新には期待しないでください。


一話目 言葉を失う

私はいつの間にか道端で立っていた

 

知らない天井ではなく

床に転がっていたでもなく

そもそも目を覚ました訳でもない

 

気がつけば道端に立っていた

 

建物は普段は見かけない赤色の屋根に白い壁

 

道は大きさのまちまちで表面が平らな石畳で

 

遠くには崖の上に立つ城が見える

 

 

そして

 

 

巨大な樹が私を見下ろしてた

 

 

一瞬夢かと考えたが足の裏から感じる痛みが現実だと悟らせる。

 

非現実的なことに巻き込まれたのかと考え頭を抱え込んだ時、自分が普段着ている服と違うことや、素足であることに気が付いた。

まさかと思い近くにある顔が見れるものを見つけ、顔を確認する。

 

 

……自分の顔が映っていた。

 

別人の体になっていたとかではなかった…。

自分の体だと確認できたが状況はいまだにわからない、とりあえず落ち着いて考えれる場所を探そうとして。

 

 

  それら を見たときに思考が止まった。

 

 

人の頭の上にウサギの耳が生えている。

耳が普通の人間より長い人がいる。

 

 

思考を戻したのは腰の部分を叩かれたときだ。

 

振り返ってみるとそこにはロープをもった少女がいた。

 

ロープの先を見てみると、腰をロープにつながれた耳の長い女性がふらふらと反対方向に歩いてるのが見えた。

少女がそれに気づくとロープを引っ張り女性を引き戻している。

女性が少女に謝っているらしい声を聴き悟った。

 

 

 

言葉が通じない。

 

 

 

少女がこちらに声をかけてくるが言葉がわからない。

せめて日本語で返そうとし

 

 

 

言葉が出ないことに気づく。

 

 

 

 

思考が止まる

いつも出来てたことが出来ない

心に焦りが生まれる

呼吸が激しくなる

体が…倒れる…

 

 

気が付いたら心臓が落ちついている

 

心に余裕が出来てきた

 

自分がこんなに焦ったことがあったかと他人事のように考えながら体を起こそうとして気が付く。

 

天井がある。

 

倒れた時に運ばれたのだろうか?

 

頭を動かすと、よだれをたらして寝ている女性の姿がみえた。起こしたほうがいいのか?と体を起こしながら考えていると、扉が開く音がした。

 

そちらを見てみると少女が入ってくるのが見えた。

少女が女性のほうをみてため息をついた後、こちらに声をかけた。

言葉はわからないがこちらを気に掛けているのだろうと察し、頭を下げ感謝を身振りで伝える。

 

その後に声が出ないことをジェスチャーで伝える

 

少女はすぐに理解は出来なかったようだが

少し考えたあと、理解したようで口だけを動かすことで確認を求めた。

 

そしてまた少し考えた後、少女が女性に声をかけた。

女性は欠伸をしながら返事をすると私の頭に手を乗せ、何かをつぶやき始めた。

いきなり頭に手を乗せられ、思考が止まったがその後すぐに来たすごく強い頭痛で

 

 

気絶した。

 

 

目を覚ますと女性が涎をたらして寝ていた。デジャブを感じながらも体を起こすと少女が声をかけてきた。

 

「言葉はわかる?」

 

…なぜ言葉がわかるのか一瞬わからなかったが、すぐにあの女性の起こしただろう頭痛が何かしらのことをし、言葉がわかるようになったのだろうと考えながら頷く。

 

「よかった、オルーナがやらかしたと思ったけど大丈夫そうね」

「私の名前はアリサ、あなたの名前は?」

 

答えようとしてもやはり言葉がでない

 

「…あれ、もしかしてまだ声が出ないの?」

 

その言葉に頷く。

 

「まいったなぁ、オルーナがミスをするとは思えないんだけど…、ちょっと、オルーナ起きなさいな」

 

アリサがそう言うとオルーナと呼ばれた女性が目を覚ます。

 

「なんです~、今いい所だったのに…」

「彼言葉はわかるようになったけど喋れないままよ?」

「…え、それホント?…よくみせて!」

 

見せてと言われたので見せるが女性にここまで喉をよく見られるのは病院以外ではない珍しいことなのでは…

 

「喉に問題は無い…、頭をぶつけたにしては意識がちゃんとしている…、本人は自分から声を出そうとしてるし…」

「どう?わかりそう?」

「あー、確実とは言えないけど…、えーっと体に違和感はある?」

 

そういわれてみて手や腕をを軽く動かす、特に違和感はない

 

「あー、そうねぇ…、あ、じゃあこれ持ってみて」

 

そうオルーナと言われた女性が持ってきた椅子を両手で持ってみる。異様に軽い、片手で持ってみたら普通に持てた。

 

「あー、当たっちゃったかー」

「え、これってもしかして…」

「そう、いつか話したこともあるけど精霊との契約…もしかしたら神霊との契約かもねこれ」

 

契約と言われたがもしかしてこの身体能力は神霊なるものと契約したからなのだろうか。

私には契約をした覚えはないのだが…。

 

「その顔を見るに神霊にあったわけではなさそうだね」

「じゃあなんで契約なんてしてあるのよ」

「わかったら苦労しないよ」

 

とりあえず喋れないということが分かったがここは何処なのだろうか。

少女…アリサの肩を軽く叩き、人差し指を床に向ける。

 

「え、どうしたの、床に何かあるの?」

「多分ここは何処なのかと聞きたいんじゃないかなー?」

ナイスオルーナ

「あー、そういえば説明してなかったわね」

 

「ここはジェネッタって言うセリアンの女の子が経営する宿屋よ」

 

宿屋、そう言われて部屋をよく見る。確かにベッドの他にテーブルや椅子があるが寝室にしては広すぎる。

扉を見ると内鍵のほかにチェーンがぶら下がってるのが見えた、宿屋で間違えなさそうだ。

 

そういえばセリアンとは何なのだろうか、文脈からして階級か人種のようだが…聞いてみるか。

…どうやって聞こう…。

 

「えっと解らないところがあった?」

丁度よい質問が来たオルーナまたナイス!思いっきり頷く。

「ジェネッタ…は流石にわかるか、宿屋…でもなさそうだし、…もしかしてセリアン?」

うなずく

「…そっかー」

「へぇー、セリアンを知らない人もいるんだねぇ、えっとね、私たちに会う前にも見たと思うんだけど…」

そう言い彼女は両手を頭のほうに上げ。

「こんな感じの耳が生えてる人たちよ」

ウサギの耳のジェスチャーをした。

 

あれは幻覚じゃなかったのか…。

 

「この調子だと結構な田舎から来たのねあなた、言葉も通じなかったし」

「しょうがないんじゃないかなー」

「文字も書けなさそうだしね」

日本語が書けるが多分伝わらないだろう

「で、町にいるには色々と書類を書くことがあるけど…かける?」

無理です、首を横に振る

「じゃあ私が代わりに書いてあげる」

 

女神様ですかあなたは

つい拝んでしまう

 

「ちょ、やめなさいよ!オルーナも止めて!」

「えー」

えー

「やめなさいってば…、まったく、で、名前はどうするの」

名前は小泉 良太郎だけど…どうやって伝えよう

「あー、これじゃあ別に名前作る必要があるわね」

「あたしが決めてもいい?」

「オルーナはダメ、この前勝手に人の馬にこんがり肉って名前付けかけたでしょ」

 

  何故こんがり肉

 

「いーじゃんいーじゃん、ねー、###」

「待って、今なんて発音したの」

「だから###って」

みんなが発音できる音じゃないとちょっと…、首を思いっきり横に振る

「ほら、彼も嫌がってるじゃない」

「ちぇー」

「もう私が考えるね!」

「はーい」

 

 

       数分後

 

「まだー?」

「人の名前なのよ!安易に決めれないじゃない!!」

 

 

       十数分後

 

「ねえまだー?」

「まって、もう少しで決まりそう…!」

 

 

       三十分後

 

「ねえ、さすがに長すぎじゃ…」

「まって、もう少しなの!!」

 

 

流石に長いのではないだろうか、ジョンとか権兵衛でもいいのだが…

と、静かな部屋に〈クー〉と可愛らしい音が響く。

 

「あー、アリサのお腹の音か」

「ちょっと!恥ずかしいじゃないの!!75にもなって人前でお腹の音がなるってものすごい恥ずかしいのよ!!!」

 

ちょっと待て、75って何だ、

 

「大丈夫だって見た目は子どもなんだからさぁ」

「あなたが大丈夫でもわたしは恥ずかしいの!75ってもうおばあちゃんよ!?」

 

歳でしたかー

 

「って、あー!考えてた名前忘れちゃったじゃないの!もういいわ!あなたの名前は『クー』よ!!」

 

お腹の音が私の名前か、ショックを受ける。

 

「ちょっと、何よその目は、しょうがないじゃない、さあオルーナ!クーを連れてお昼ご飯よ!」

「はーい」

アリサが用意してくれたのであろう靴を履き、部屋を出る。

 

宿屋のサービスに追加料金を支払えばご飯が出るサービスがあると教えてもらいながら宿の廊下を歩く。

ついでに気になったことも聞くことにした。

オルーナの腰に最初からついているロープは何なのだろうか。

 

歩きながらジェスチャーで聞いてみる

 

「あ、これ?これは私が迷子にならないようにアリサが結んでくれたんだよ~」

 

迷子にならないように。

 

「実はこういう宿でも油断するとすぐ迷子になっちゃうの。この街に来る前に宿の中で迷子になっちゃったから今もつけてるんだー」イイデショー

 

いいものなのだろうか。

と、ここでアリサが補足を入れる

 

「このこ魔法の才能はすんごーーくあるけど迷子の才能も同じくらいあるのよねぇ」

「いやぁ、照れる~」

「褒めてないわよ」

…まさかの魔法、あの頭痛の正体も魔法だったのか。それと同じくらいの迷子の才能もあるのか。

 

 

ジェネッタの宿  食堂

 

「あ、お客さん!丁度今お昼ご飯が出来上がったところなんです!うちの料理は美味しいですよー!」

 

緑髪のウサギ耳…セリアンだったか…の少女が元気そうな声で話しかけてきた。

「ジェネッタ、三人分お願いできるかしら?」

「あ、アリサさんが二人分を食べるほどの大食漢だったとは…これはメモを取らないと」

「私じゃないわよ、彼の分よ、彼の」

「彼?ってああ!オルーナさんが頑張ってお姫様抱っこで運んでだ彼ですか!」

…うっそだろ!?あの細い腕で!?オルーナスゲーな!

(…あれー、彼の赤い顔が見られると思って頑張ったのに、私が尊敬の眼差しを受けるとは)

「ってそうだそうだ!三人分ですね、少々お待ちをー」

 

「クー、料理を待ってる間に話しておきたいことがあるのだけれど」

 

何なのだろうか、話を聞く態勢に入る。

 

「実はあなたをギルドに誘いたいと思っているの」

「おー、なんと大胆な告白」

「茶化さないのオルーナ」

 

大胆な告白とオルーナが言うが、ギルドというのは何なのだろうか。首を傾げる。

 

「あー、ギルドと言うのはね、簡単に言うと同じ目的をもった仲間の集まりよ」

「2人や3人のギルドもあれば何十人のも冒険者が所属してるギルドもあるねー」

 

ほうほう、冒険者というのが何をするのかよくわからないが、つまり仲間になってほしいと。

…何故、今言葉が喋れないとわかっている私を誘うのだろうか?

 

「あーっと、誘った理由なんだけどね。私たちはこの街に来たばっかで知り合いが少ないのよ、それで冒険者ギルドで仲間を誘うか迷っている時にあなたを見つけてね」

「いやー、いきなり気絶したからびっくりしたよー」

 

その節は本当にごめんなさい。頭を深く下げる。

 

「って、頭あげなさいな。で、そのお礼にというわけでは無いのだけれど私たちのギルドに入らない?」

 

そう言われて考える。今の私は生活基盤が無く、家族どころか友人も知り合いも居ない。

この期会を逃すとホームレスになるのでは…最悪が脳に浮かぶ。

 

 

喜んでお受けいたします。右手を出す

 

「いいの!?」

「よかったねーアリサー、早く手を握ってあげたらー?」

「そ、そうだったわね」

 

こうして私はアリサとオルーナの居るギルドに所属することになった

 

「さて、クー本人の意思も確認したし後は冒険者ギルドに手続きにいかないt」

「お客さんおまたせしましたー!!当店自慢の樹海魚の塩焼きでーす!熱い内に召し上がれー!」

「手続きの前に腹ごしらえだねー」

「そ、そうだったわね」

 

アリサの顔が赤いのを見てからお昼ご飯に目を向ける。 とても美味しそうだ。




神霊との契約

文字道理神霊と契約を交わすわけではない。

永続的に代償を払い、その代わりに永続的に対価をもらうという契約魔法。
代償と対価は選べず、意図的に起こせるものではない、この契約がなされるのは全てが事故である。

似たようなものに精霊との契約がある。
こちらは代償を払うのも一時的なもので対価は無く、一日程度で終わる。

過去に起こった物の中では
眉毛がすべて無くなり、胸毛が伸び続ける物や。
味覚と嗅覚が無くなった代わりに、視覚と聴覚が異常なほどに鋭くなるなど様々である。

メリットよりデメリットの方が強く、人生を狂わせる契約なので、こうした事故を減らす目的でこの文を残す。


論文「契約魔法による事故の最悪」一部抜粋
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