勘違いヒーロー、誕生。 作:さらだ
いきなりこんなことになるなんて、信じられないが、自分の現状を把握してみると、受けいれざるをえない。
なぜか、体が退行化している。要するに赤ん坊だ。
おかしい。昨日までおれは社畜の生活を送っていたはずなのに。
まあ、でも、いままでがむしゃらに働いてきたんだし、このニート生活を満喫することにする。あれだ、有給休暇ってやつだ。どうせ、眠って起きたらまたブラック企業が待ちかまえてるんだ。そんなに時間はかからないだろう。
だからいま、この状況はおれにとってチャンスだ。赤ん坊引きニート生活を送るとしよう。
なんて、お気楽に考えていたせいか、あっという間に時は流れて、6年。長かったような、短かったような。もうおれは会社をクビになっていてもおかしくない。あるいはブラック企業だったから、告発されて倒産してるかもしれない。
この6年、おれは悠々自適に過ごしてきた。わかったことは、赤ん坊も楽じゃないってことだ。赤ちゃんは泣くのが仕事だなんて言うが、おれは泣かなかった。精神は社会人だし。今世の親は手間かからない子でよかったぁ~なんて、言っていた。ただ、オムツの交換やら、いろいろ思い出したくないこともあったが。
そうしておれはすくすくと育ち、6歳になったわけだ。
ということで、そろそろ今世のライフプランを決めなければならない。はやすぎるかもしれないが、この世界はいろいろと懸念事項が多すぎる。今度はホワイトに安全に平和に、そして何より自由に生きる!これがいまのおれの今世の目標だ。
様子をみたところ、どうやらここは《海賊》がいる世界だという。以前、町の大人たちが噂しているのを聞いた。海賊なんて、おれが知ってる現代社会じゃ、めずらしい。はじめ、ヨーロッパの大航海時代にタイムスリップしたのかと思った。だか、それにしてはなんだか妙だと気づいた。たしか、《海賊》をモチーフにした漫画があったような.........(遠い目)
はやくもおれの人生目標が折れそうだ。海賊、とか危険フラグたちまくりだろ。
だが、おれは某ジャンプなら熟読している。対応策なら考えられる。ゴムゴムの麦わら少年がひとつなぎの大秘宝目指して暴れたり、冒険するんだろ?
.........危険すぎる!!
おれは生き残ることできるのか?!
いま、おれができることは、フラグ回避。そのためには《強さ》が必要だ。鍛練なんて、学生の部活動経験とブラック企業で培ったメンタルしかないが、おれは某ジャンプを熟読しているんだ。その三代鉄則、友情、努力、勝利!!信じるものは救われる!
よし、やるしかない。
そんなわけで、おれのセカンド人生の幕があがった。