勘違いヒーロー、誕生。 作:さらだ
side ザンギャック
今日も今日とて巨大化したスゴーミン3体を、マジゴーカイオーで撃退された。
ザンギャックの宇宙船のギガントホースでは、司令官ワルズ・ギルがヒステリーを爆発させていた。「次こそは必ず......!」と、特務士官バリゾーグと共に、新しい行動隊長を探しに行く。
開発技官インサーンは、ある疑問を抱いた。
それは《やつら(ゴーカイジャー)はスーパー戦隊の力を使って、この星で何をしようとしているのだろうか?》という疑問。
インサーンは、海賊たちの手配書を手に取る。
「海賊たちの船長、キャプテン・マーベラス。ザンギャックに対する最大の反逆者と言われた、赤き海賊団の生き残り」
賞金は、3,000,000ザギン。
参謀長ダマラスも「侮れんやつだ」と言う。
続いてインサーンが手にしたのは、ジョーの手配書。
「ジョー・ギブケン。この男は、もともと我が帝国の特殊部隊の一員でした。それがなぜ裏切って、海賊の一味となったのか?」
賞金は、2,000,000ザギン
「アイム・ド・ファミーユ。我々が滅ぼした、ファミーユ星の王女。どこかでのたれ死んだと思いましたが、まさか海賊どもの一味に加わっていたとは.........」
賞金は、1,000,000ザギン
「ルカ・ミルフィ。こともあろうに我が軍の倉庫から、最高純度のエナジークリスタルをまんまと盗み出した」
賞金は、750,000ザギン
インサーンは、最後の手配書を手にしました。
「そして、ドン・ドッコイヤー」
しかしダマラスは、「こいつはまあいいだろう」と。インサーンも「ですね」と言って、手配書を放り投げました。哀れ、ハカセの手配書は捨てられた。
「地球ではあの《死の外科医》の目撃情報もあります。」
インサーンが神妙な声でそう言うと、ダマラスは「なに!?」と驚愕する。
「《死の外科医》がいるとなると、我が国の地球侵略は苦戦になるかと。真偽は定かでありませんが、ヤツは海賊たちと行動をともにしているらしく.........」
「《死の外科医》トオル。何故いま地球にいる?.........だが、あの男が海賊たちと行動をともにするなど信じられん。何か裏があるにちがいない。」
インサーンはダマラスに、海賊たちの目的を探ることを提案する。潜入捜査に最適な者がいるからと続ける。
呼ばれたのは、“スニークブラザーズ”。
全身が赤いトゲトゲしたボールのような、スパイの兄弟。スーパーボールほどの大きさの方が、兄のエルダー。大きい方が、弟のヤンガー。
もともとは兄弟共に小さな体だった。弟の方は改造され、今の大きさになった。本体は赤い部分だけであり、それは人型の戦闘ボディだ。ヤンガーは、これに寄生するカタチで活動する。
ダマラスはふたりに、海賊たちの目的を探るよう命じた。
ただし、殿下(ワルズ・ギル)には秘密だと念を押して。
side トオル
ゴーカイガレオンでは、マーベラスが「ザンギャックのせいでお宝探しが進まない」と、ブーたれている。行く先々、会うなんて珍しい。おれより遭遇率高いな、お前ら。
「運命の赤い糸でつながってんじゃねーの?マベちゃん」と、小指をたてニヤニヤ笑ったら、「アァ?」と凄まれ、ボールが飛んできた。冗談だって。どうやら“マベちゃん”は地雷だったらしい。肩をすくめる。ボールをキャッチして、ルカにパス。ルカは「いちいち相手しているあたしたちもあたしたちだけどね」と言う。
「でも、そのおかげで知らない街にも行けて、楽しいものや おいしいものを見つけられるのですから、よいではないですか」
アイムがそう言って、“味一番まんじゅう”と書かれてある箱を開ける。中には大きくておいしそうなお菓子がある。饅頭って、渋いなオイ。
ルカが手を伸ばすと「でも、だめですよ。お食事の後にいただきましょう」そう言ってアイムは箱を閉じてしまった。
「ちぇっ」と舌打ちして、ボールをマーベラスへ。マーベラスはソファーに座ったまま、バッドでそれを打ち返す。
そのボールが、料理を運んできたハカセの額に命中。ボールは床に転がり、トレーニングしているジョーの前へいく。ジョーは腹筋をしながら、動作を止めることなく、ボールをマーベラスに投げ返す。「やるな。おまえも、入れよ」そう言ってジョーの方にバッドを投げるマーベラス。でも、ジョーは腹筋を止めない。結果、バッドはハカセの額に飛んでいった。あ、やべ。そう直感したおれは耳を指でふさぐ。
「も~~~~~~~、遊ぶなァァァァ~~~~~~っ!!」というハカセの声がこだました。
side スニックブラザーズ
ゴーカイガレオンを外から見ている者たちがいた。スニークブラザーズと、それを補佐するゴーミンたちだ。
ゴーカイガレオンはギガントホースのレーダーにも映らない仕様が施されているようで、現地で捜索していた。
兄エルダーは「そんな海賊船でも、オレたちスニークブラザーズにかかれば丸裸も同然だ」と、得意げに言う。
「おお、カッコいいぜ、兄貴!見せてくれ、勇姿を!」と、弟ヤンガー。
「弟よ、何が起きるか分からぬ危険な任務だ。いざという時は、オレを見捨てていいからな」と、神妙な顔をして言う。ただし、兄のエルダーは弟の手の上にいる。
「何言うんだ、兄貴! 必ず、必ず戻って来るって、信じてるぜ!」
「お、弟よ」と、ヤンガーを見つめるエルダー。
「あ、兄貴」と、見つめ返すヤンガー。
後ろに控えているゴーミンたちも、思わず感無量になる。
「しばしの別れだ......」
そう言ったヤンガーは、兄エルダーを思いっ切り、つぶすほど握りしめ、ゴーカイガレオンに向かって、投げた。
ポチャリ
悲しい音が、港に響いた。
海から引き上げられたエルダーは、「わざと? わざと? ねえ?」と言う。
それではもう1回ということで、ヤンガーは力を込め、兄を再び投げるが、右にそれる。「もう一丁」と投げるも、今度は左へいく。「今度こそ」と投げるも、うまくいかない。
さっきまで兄弟愛に感動していたゴーミンたちも、付き合いきれないといった態度になってく。ある者は後ろを向いて座り込み、ある者は武器で遊び、ある者はマッサージしたりしている。武器でギターを弾く者までいた。
「これでどうだァ!」と叫びつつ投げた5投目、やっと見張り台に到達でき、なんとかエルダーはゴーカイガレオンに潜入した。