勘違いヒーロー、誕生。   作:さらだ

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side トオル

 

んちゃ!ハカセが作ったお昼を食べ終えたとき、ルカがポケットからトランプを取りだし、ポーカーをすることになった。

 

 

たかがトランプ。されどトランプ。おれの手札はDr.スランプ。(医者だけに)

 

おれの手札はハートの10、J、Q、Kがそろっている。つまり、あとハートのAがでてきたら無双できる。なぜハートなのかというと、おれがトラファルガー・ローに頻繁にジャンプチェンジする縁でそろえるならやっぱりハートじゃなきゃいけないという謎の使命感のせいである。もし今日が一月一日ならば、スペードにしただろう。(一月一はエースの誕生日)ダイヤでそろえたらジャンプ的にライバル雑誌の某野球漫画になってしまうので察してほしい。

 

 

 

マーベラスが「ワンペア」と自信満々すぎるどや顔でカードをみせる。態度のわりにカード揃ってないぞ。そしてアイムが「ツーペアです」と言い、ルカが「スリーカード」、ハカセが「じゃん!フォーカード!今度こそぼくの勝ちだね」というが、甘いな、ハカセ。

 

「甘ぇよ、いちご牛乳より甘いね。こんな事の為に誰かが何かを失うのはバカげてるな。全て丸く収めるにゃこれが一番だ。________ロイヤルストレートフラッシュだ」

 

おれの手札はハートの10、J、Q、K。

 

 

 

そして、ダイヤのAだった。

 

 

こういうときに限って立たなくてもいいフラグが立ってしまった。おれが察してほしいといったのはフリではない。空気を読みすぎだ、コノヤロー。よりにもよってダイヤとはな。ハートもダイヤも同じ赤だからごまかせるかもしれない。かっこつけて銀さんみたくしゃべった手前、後戻りできない。このまま突き通してしまえ。

 

「まあ。ロイヤルストレートフラッシュなんて初めて見ました」

 

アイムは若干天然なため押し通せた。よし。第一関門クリアだ。それに気をよくしたおれはミスディレクションでカバーしたダイヤの部分に隙ができてしまった。ルカとハカセが「ん?」と眉をひそめ、それに気づいた。「これ、ロイヤルストレートフラッシュじゃないよ!」…………ばれてしまったらしい。第二関門突破ならず。あーあ。これがアレン・ウォーカーだったらもっとうまくポーカーできてただろうなァ。仕方ないので降参と両手をあげる。

 

 

ジョーが流し目で「フッ。悪いな」と自分のカードを見せた。

 

なん…だと…。スペードの10、J、Q、K、A。ロイヤルストレートフラッシュだった。

 

同じスートの10、J、Q、K、Aの組み合わせで作られる役。別名ロイヤルフラッシュ。

使用するトランプが一組で、かつワイルドカードを使用しない場合は最強の役とされる。

 

「またジョーさんの勝ちです」

「それにしてもジョーってカード強いねー」

「普通だ。それにルカが本気を出せばおれも勝てない」

「本気ってどういう意味ですか」

「……さァね」

 

その会話をきいておれは、ルカがはぐらかしているように見えた。

 

そしてマーベラスが「もう一回だ」と言い、このポーカーはループするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

side ルカ

 

ゴーカイガレオンで皆でポーカーをしていたときに警報がなった。どうやらザンギャックの艦隊があらわれたみたいね。

 

燃える?この星が??

 

偶然ハカセと声が重なった。ジョーは続けて説明する。

 

「あァ。あのギガロリウム砲の威力は、そうだな……一撃で見渡す限りの大地を焼き払うことができる。……厄介なのはそれだけじゃない。下手に破壊すれば、誘爆して星ごと吹っ飛びかねない。」

 

ジョーのその説明をきいてぴくりとトオルの眉が動いた。どうしたのかと思って聞いてみると、「……気にするな。たいしたことじゃない」と一点張りだったので、追求するのをやめた。もしかしたら、トオルもあたしたちと同じように故郷をザンギャックに滅ぼされたのかもしれない。

 

「そうなったらお宝どころじゃないじゃん」とハカセがおろおろする。

「なにか手立てはないのですか?」

「その燃料であるギガロリウムを奪い取ればな………」

 

そこでジョーは口を閉じ、視線をそらした。ジョーがいった答えはザンギャック相手に喧嘩を売るようなことを進んでするようなものだ。だけど、あたしは…………。

 

「わかった!じゃあ、あの緑の船に潜入すればいいでしょ?あたしとジョーで。」

 

 

早速ゴーカイチェンジでボーケンジャーに変身する。スコープショットでそのまま船にたどり着いた。飛びだそうとしたあたしをジョーが腕を引っ張り引き留めた。

 

「艦内は常に見張りがいる。自由に動けると思うな」

「大丈夫!いいもの用意しといたから!」

 

 

これなら自由に動けるでしょ?あたしは即席のバケツをかぶり、ザンギャックの兵士、ゴーミンになりすました。同じような物をジョーに渡すと「これで大丈夫なのか!?」とイマイチ反応がよくなかった。すると、前方からゴーミンが歩いてきた。「まずい」と不安な表情のジョーに変わって、あたしはゴーミンに近づいた。

 

「ごー!」

「ごー」

 

そのまま「ごー」と手を振りながらゴーミンを見送った。ほらね、大丈夫だったじゃん。

「信じられん」と一瞥したジョーにギガロリウムのありかをきく。部屋にたどり着いたけど、監視されていていまは奪い取ることは難しそうね。このまま様子をうかがおうと思ったら、スゴーミンに「馬鹿そうなゴーミンども、さっさと来い」と呼び出されてしまった。

 

連れてこられた場所はゴーミンたちがポーカーをしていた。ここで下手に抵抗したら騒ぎになる。ここはわたしに任せて。大丈夫。あたしが本気を出したら負けるわけないじゃん。

 

勝負はあたしの圧勝だった。コインがタワーを作り、ギャラリーも増えてきた。でも途中で腕に隠していたカードが見つかってしまった。そして、頭にかぶっていたバケツがとられ、賞金首の海賊だとばれてしまった。ばれたならしょうがないか。腕をならして構える。

 

「まァまて。本当の勝負ではイカサマを見抜けないほうが悪い。」

 

「ふ~ん。わかってんじゃん」

 

「それに二人だけでこのヨクバリード様の船の中に潜り込むとは見上げた度胸だ。その度胸に免じてチャンスを与えてやろうじゃないか。もしこのおれに勝てたらここから逃がしてやる。だが、おれに負けたら賞金首としておとなしくつかまれ。こっちも余計な損害をだすのはいやなのでなァ」

 

ポーカーで勝負を始めようとしたら、あたしにカードを触れさせないと言われた。まあ、イカサマ見抜かれちゃったから当然か。勝負はジョーに任せる。あたしたちはオープンカードを突きつけられ、相手は交換するカードをわかりやすく見ていた。明らかなイカサマだった。あたしはその後ろでじっとカードを見ていた。

 

結果は予想通りジョーのロイヤルストレートフラッシュで勝利!帰ろうとすると、相手は逆上してきた。まったく、引き際が悪いなァ。勝負には引き際が大事なのよ?

 

 

___ドカッ

 

後ろにいたゴーミンが倒されていた。

 

「物わかりのわるい野郎だな」

 

マーベラス、アイム、ハカセ、そしてトオルが駆けつけてきた。

 

「ルカさんとジョーさんが囮役になっていたんです」

「その間にぼくらがギガロリウムを奪ったってこと」

「ルカがイカサマして勝ちまくったのも、お前たちをここに集めるためだったのさ」

「ほんと、ぜんぜん気づかない。バッカじゃない?」

 

トオルは手にギガロリウムを持ち、ヒューと口笛を鳴らしている。そしてハカセがスイッチを押し、ザンギャックの船を爆破させた。やっぱり例のごとく巨大化したザンギャックを倒すため、ゴーカイオーに乗り込む。

 

 

___カチ

 

何かが壁に当たったような音がした。ふりむくと「やべ」と声を漏らしたトオルが引きつった笑みを浮かべていた。

 

「わりィ。このギガロリウムだっけ?ヒビが入っちまったんだが……」

 

あたしたちは真顔になり、顔を見合わせた。外ではザンギャックが「ギガロリウムを取り戻し、お前らの首を奪ってやる」と息巻いているが、それどころじゃない。ハカセが顔を青ざめ、叫んだ。

 

「なにやってんのォォォ!!」

「バッッッッッカじゃないのォォォ!!」

 

あたしはトオルの首を掴み勢いよく前後に揺らした。ほんの少し目を離していた隙にしでかしてくれたわね………!アイムが「ルカさん、トオルさんの首が!!」と、止めに入ってハッとなって手を離した。トオルは首を押さえながらむせている。

 

「い、医者をよんでくれ……」

「「「おまえが医者だろーが」」」

 

 

思わず、マーベラスとジョーとともに突っ込みをいれた。……いや、その首の痛みはあたしが原因だけど。

 

「まてよ、そんなに闇雲に攻撃していいのか」とマーベラスがザンギャックに問いかける。

 

 

「それはッ、ギガロリウム………!」

 

切羽詰まった勢いで食いついた。にやりと口元が動く。ふと横を見るとトオルもあの悪名よろしくニヒルに笑っていた。あの顔はろくでもないこと思いついたみたいね。

 

「そんなにほしけりゃ返してやる」

「はい、どうぞ」

 

ジョーとアイムがギガロリウムを見せながら、そう答えた。

 

「本当かッ!」

 

相手があたしたちの言葉に食いつくたびにトオルの笑みは深まっていく。ハカセが気前よくうなずき、あたしもそれに続けて言う。

 

「もちろん」

「その代わり本来の持ち主にね」

 

 

そして痛みが治まったらしいトオルが「ヒビがあるが威力は申し分ないぞ。」といい、そのまま空の彼方へ投げ飛ばした。トオルが振りかざした腕は勢いよくそれを飛ばしていた。トオルは左手の親指と人差し指、中指をたて挑発的に笑っていた。

 

 

きれいな放物線を描いていたからいまごろ宇宙のどこかで爆発しているかもね。

 

 

 

 

 

 

 

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