勘違いヒーロー、誕生。   作:さらだ

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何百年の昔から、隙間を通ってやって来る外道衆。奴等を退治し、この世を守る侍達がいました。運命に秘め、不思議な文字の力、モジカラを使って戦う一人の殿様と四人の家臣。彼等の力は親から子へ、子から殿方へと、そして戦い続けました…………そして現在……

 

天下御免の侍戦隊シンケンジャー 参る!

 

 

 

 

side トオル

 

今日も今日とて、お宝探しをするらしい。日曜くらい休もうぜお前ら。ソファーでグウタラしてる間にナビィのお宝占いが始まった。

 

「Let's お宝ナビゲート!見えたなり、見えたなり………サムルァ~イに注意するなり。……ってなかんじ」

 

サムルァ~イ?

 

…………あぁ。(察し)サムライか。侍と言えば、ジャンプのなかでも数多く作品に登場する。侍と言わずとも何かしら刀を持って戦うキャラは人気がある。日本好きの外国人なんてサムライに反応する。

 

まだ肌寒い季節。お宝探しに外に出たのはいいものの、今の時代、侍がいるのかどうか。歴史ある武家なら現代まで続いているかもしれないが。

 

法螺貝が鳴り、辺りが横断幕で囲まれた。現れたのは、袴を着た女と爺さん。剣術小町な雰囲気で、神谷薫に似ている。名前を聞くと志葉薫というらしい。偶然なのか?名前が同じだった。

 

マーベラスに刀で斬りかかり、なかなかお転婆のようである。しんけんじゃー?よくわからないが、大いなる力を手に入れるためにジョーと姫さんの一騎打ちをすることになった。だが、ザンギャックが襲来したので、勝負は一時中断となった。姫さんがいち速く現場に向かい、マーベラスたちもそのあとに続いた。

 

既に戦闘は始まっていた。折角の機会だ。サムライ繋がりにジャンプチェンジしてみるか!

 

銀髪の天然パーマ。ズンボラ星人の学校指定ジャージ(黒)に流水紋が入った白い着物。そして黒ブーツ、腰には「洞爺湖」の銘が入った木刀を差している。

 

今のおれは死んだ魚のような目をしているだろう。さっきも向かい合ったゴーミンのひとりに「ごー!?」とリアクションされた。わりィ。話長くて半分以上聞いてなかった。

 

「ごー!?ご、ごー!ごーごご!!(えー!?ごーしかいってないんですけどォォォォ!耳ほじるなァァ!!)ブフォッ!!」

 

返事を返してくれるがやっぱり何を言っているかわからない。腰に差している木刀を手に取り、脳天に叩き込んでやった。ほら、古くなったノイズ画面のテレビも叩けば直るだろ?そうやってゴーミンの山ができてきた。

 

「なにしてんだ、ジョー!」

 

途中、マーベラスの焦った声が聞こえ、振り向くと、ジョーが棒のように突っ立っていた。それはもう格好の餌食で、ジョーに攻撃が迫っている。どうしたんだ?いつもならこんなヘマしねぇのに。何か動揺でもしたのか?マーベラスが間に割り込んだが、背中をやられたようだ。

 

あれが噂の皇帝の馬鹿息子か。「ち、血だ…………」とわめき立てている「今まで父上にさえ叩かれたことなかったのに」お坊っちゃんのようだ。お坊っちゃんが負傷したことにより、ザンギャックは撤退をし始めた。

 

ジャンプキーを解除し、二人のもとへ急ぐ。

 

「おーおー。派手に斬られてんなァ」

 

「うるせェ」

 

そう返答してマーベラスは気絶した。スタミナ切れと、背中の怪我が目立つ。ジョーも頭を負傷したようだ。ゴーカイガレオンに移動することを伝え、おれはマーベラスを抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ジョー(ゴーカイブルー)

 

ナビィの「サムルァ~イ」というものをヒントに探しに行くことになった。ふとみると、竹刀を握る少年たちの姿が目にとまる。 竹刀を打つ姿をみて昔の記憶が頭をよぎった。

 

あれは、まだおれがザンギャックの特殊部隊の兵士だった頃のことだたな……ゴーミン共に殴られていたおれを助けに駆けつけてきたシド先輩。先輩は剣の達人で、おれが最も尊敬する人だ。剣の師匠でしばしばおれは指導してもらった。

 

アイムに声をかけられ、「何でもない」と返事する。少し昔のことを思い出しただけだ。

 

謎の黒子の集団が現れた。おれたちの周りには横断幕が張られている。

 

「海賊衆ども、よ~くきけ!こちらにおわす方はこの世を守る“侍”にして、先のシンケンレッド、志葉薫さまにあらせられるぞ!」

 

ルカが「サムルァ~イで、シンケンレッド?」と口にする。すると、ハカセが「ってことは……」とハッとしたような顔をした。

 

「えェい!姫の御前である。頭が高い!控えおろう」と女の横にいる爺さんが咆える。

 

「丹波、もういい。海賊衆にそのような台詞が通用するものか。さがれ。」とたしなめた。どうやらこの女は相当身分が高いようだ。あの爺さんはあっさりと引き下がった。

 

「単刀直入に言おう。シンケンジャーのレンジャーキーを返せ」

 

「単刀直入に言うぜ。ふざけんな」

 

おれたちが反論する前にマーベラスが答えた。

 

「やむを得ぬ。腕尽くで取り返す!」

 

どこからでてきたのか黒子が急にあらわれ、女に刀を差し出す。女はそれを受け取り、おれたちにに構えた。マーベラスに向かって走り出し、刀を振るう。先手必勝とはいえ、マーベラスに銃を構えさせるとは……ほォ。見事な腕前だな。

 

「なかなかいい太刀筋だな。」とマーベラスに銃を下ろすように促す。そしておれは女に向き合い勝負を申し込んだ。

 

場所を移動し、勝負をする。女はすでに刀を構えており、凜とした趣でおれを見定めている。

 

「何故船長ではなくおまえが」

 

「アンタの腕は本物だ。マーベラスとやらせたら怪我じゃすまなくなる。」

 

「随分なめられたものだ。まァいい。私が勝ったら、シンケンジャーのレンジャーキーを渡してもらう」

 

「おれが勝ったらシンケンジャーの大いなる力、教えてもらうぞ」

 

風がふき、枯れ葉が舞う。じりじりと緊迫した空気が辺りを覆う。お互い刀を構えたままだ。目を開き、耳を澄ませ相手の出方を探る。刀を握る手に力が入る。左手を背におき、バランスを取る。隙をつき、背後をとるが、相手の刀で防がれる。

 

勝負はこれからだというときにザンギャックが町を襲っている様子がみえた。

 

「いかん。勝負は一旦預ける」

 

女はそう言うや否や、町へ走って行った。おれたちもザンギャックがいるところへ足を走らせた。

 

ワルズ・ギルという宇宙帝国ザンギャックの馬鹿息子まできたらしい。

 

「「「「「ゴーカイチェンジ!」」」」」

 

ジュウレンジャー、ダイナマンに変身し全員でザンギャックの行動隊長にかかるが、簡単に通じないようだ。おれがワルズ・ギルを相手に戦う。トップを落とせばこっちのものだ。そう仲間に告げ、対峙する。

 

仕留めにいこうとしたとき、思わぬ邪魔が入った。皇帝の馬鹿息子の右腕だというバリゾーグだ。こいつ、強い……!だが、おまえの相手をしている場合じゃない。何!?あの刀の構えは見覚えがある。もしかして____

 

「……シド先輩。………シド先輩なのか?」

 

ふらつきながら立ち上がり問う。唇を切ったようで、口の中に鉄の味がしみる。

 

「シド?そんな名は知らない」

 

嘘だ!!声を荒げておれは反論する。このおれが、見間違うはずがない!その独特の太刀筋、あれはシド先輩のものだ!

 

「その通り。バリゾーグは我が帝国から脱走したシド・バミックを改装したのだ。生意気で気に入らない奴だったが、剣の技は使えそうだったからこうして利用してやったのさ。」とワルズ・ギルが声高々に説明した。

 

なんだと。そんなはずはない。あのときたしかに先輩と脱出をしたときに会ったのが最後だった。だが、生き残っていたら宇宙のどこかでまた会えると約束した。だから、そんなはずなんてない!………ないはずなんだ

 

「生き別れの先輩と感動の再会だな。涙に咽んでしね」

 

思考が停止したように体が動かない。ワルズ・ギルのいうことも、「なにしてんだ、ジョー!」と慌てたように駆けてくるマーベラスも、どこか遠く見える。呆然としたままのおれにマーベラスは自らの背中でおれをかばった。おれが目を見開き、ハッとしたときにはすでにマーベラスが奴らにむけて銃弾を放っていた。

 

「おーおー。派手に斬られてんなァ」

 

「うるせェ」

 

そう返答し倒れたマーベラスをトオルが抱え、おれたちはゴーカイガレオンへ帰った。

 

 

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