勘違いヒーロー、誕生。 作:さらだ
どうやら、ここは海賊王でもなく、銀魂でもないらしい。
宇宙の惑星侵略と聞いたら、フリーザ軍。
フリーザ軍といえば、ドラゴンボール。つまりはそういうことだ。
なんてこったパンナコッタ。せっかくボケやらツッコミやら考えていたのに。おれのいまの格好はトラファルガー・ロー、そのまんまだ。
これではおれが空気読めないヤツじゃないか。聞いたことないが、ドラゴンボールにトラファルガー・ローって出てこないよな?やべーわ。
なんて、頭のなかでぐだぐだ考えていても、敵はどんどんこちらに迫ってくる。ひたすら鍛練をしたおかげか、体がスムーズに動く。
おれがいま、トラファルガー・ローならば、もしかしたらその能力を使うことができるかもしれない。
「こ、こいつ、しぶとい!攻撃が当たらねェ!!」
当然だ。当たったら怪我するし、ローが無様にやられる姿なんて、個人的にみたくない。敵が仕掛ける攻撃をかわしながら、頭のなかで次の動きをシミュレーションしてみる。
「ルーム」
おれがそう呟くとサークルの結界があらわれた。
思った通りだ。そのまま刀で相手を切っていく。
すると、やはりトラファルガー・ローのように相手の体をおもちゃのままごとの食べ物のように切れていく。
「な、なんだこれは!?」
「一体、どうなっているんだ!?」
相手が混乱している間にその心臓を文字どおり抜き出していく。この心臓を傷つけないかぎり、どんなに切っても相手は命を落とさない。だが、心臓はいま、おれの手もとにあることを忘れてはいけない。
サークルにいる宇宙人の心臓を奪ってニヒルに笑う。
「.........さて、心臓どうするか。」
これ見よがしに奪った心臓をみせる。すると、敵は顔を青くさせ、怯えだした。
side〔ある宇宙人の証言〕
今回も我々、ザンギャックの勝利だと思っていた。侵略する場所は小さな惑星だ。いま、思えばこのときから油断していた。
町は炎に包まれ、任務完了だと思ったときだった。あの男は突然あらわれ、風のようなスピードでこの戦場をかきみだした。攻撃をあてようにもあたらない。どうしてだ!?
「ルーム」
あの男がそういったとき、あたりはサークルのようなものがあらわれた。何が起こったのか現状を把握する 。が、次の瞬間、自身の身体のバランスが崩れた。いや、切られた。文字どおり真っ二つに。だが、息ができる。切られたのに生きているだと?
回りをみると、同胞たちが混乱している様子をうかがえた。
あの男は口を開いたかと思うと、ニヤリと笑った。ドサドサと積まれた塊、おそらく心臓だ。ハッとして、自身の心臓をみると、くっきりと切り抜かれ、空洞になっていた。イヤな予感がする。男はその心臓の山のひとつをつかみ、言った。
「.........さて、心臓どうするか。」
男の声が静かに響いた。