勘違いヒーロー、誕生。 作:さらだ
冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を行く若者達がいた。
宇宙帝国・ザンギャックに反旗を翻し、海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快なヤツら。
その名は!
海賊戦隊、ゴーカイジャー!
side 〔勘違いな男〕
おれが地球にやって来て1週間が経つ。お米も食べれたし、毎日悠々自適に過ごしている。今日は月曜だから、コンビニ行ってジャンプ買わないといけない。
某海賊漫画の続きはどうなったんだろうか。ものすごく気になる。
ジャンプを手に取り、レジへ並び、会計をする。
うん。誰もが感じる日常の一コマだ。前のカラフル集団の目撃情報は相次いでいるが、あいにくおれ自身はまだみたことがない。おれとしては、早くこの世界を知って、あわよくば傍観的立ち位置に収まりたい。いまのところ、黒子のバスケが有力だが、そこまでバスケ主流ではないから、確信が持てない。
おっと。お昼の時間だ。そこら辺のお店にでも入るか。
スナック・サファリとかかれた看板の店に入る。
無難にカレーでも頼むか。
お行儀わるいが、カレーを食べながらジャンプを読む。カレーの染みが着かないように注意をはらって、お!今週はギンタマンが巻頭カラーなのか。
おれがカレーそっちのけでジャンプに夢中になっていたとき、店内は突然、爆風に襲われた。
side〔とある海賊ヒーロー〕
宇宙でザンギャックとの戦闘を片付けたあと、地球に降りた、とある海賊たち。
腹は減ったけど地球の貨幣を持ってない船長のマーベラスが、ルカに指輪を売らせて金を作ることにした。
「あくまで貸しだからね!」
むくれるルカに、後ろからハカセは
「......絶対に返さないよ、アレ」
このやりとりで彼らの人間関係やら何やら、一瞬で見て取れる。
マーベラスはルカの言葉を聞き流し、ある店に入る。
それは「恐竜やカレー」でも「スナック・ゴン」でもなく、「スナック・サファリ」だ。
偶然にも、勘違いな男、トオルが入った店と同じ店だった。
カレーを今かと待ち構えるマーベラスに悲劇が襲った。店内が、突然何者かに攻撃された。
爆風で散った札束を真っ先に拾い集めるルカ。どうやら彼女は、お金が大好きらしい。
しかし、それまで余裕綽々だったマーベラスが口を開いた。
「カレーはどうした........」
食べられなかった事に狼狽の表情を浮かべる。だが、店はぶっ飛んでしまったため、カレーどころの話ではないのは確かだ。
様子をみると、どうやらザンギャックの本隊の地球侵攻が開始されたらしい。マーベラス含む一味の5人はアッサリと地球を見捨ててトンズラしようとした。
だが、ある一人の男が突然、地面に拳を叩きつけた。みると、地面に亀裂が走っている。
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ、発情期ですか、コノヤロー」
気だるげな声が響いた。マーベラス、ジョー、ルカ、ハカセ、アイム。彼らがその声の主に視線を向ける。
男はニヒルに口角をあげながら続ける。
「.........みろよ、これ。
てめぇらが騒ぐせいでこれ。
おれのジャンプが
ぐっちゃぐっちゃじゃねーか!!」
男の手には、ジャンプであっただろう紙の切れ端がにぎられていた。