勘違いヒーロー、誕生。 作:さらだ
地球の町を適当にぶらぶら歩く。いまさらだが、いまのおれって、地球人からみると、異星人ってやつだよな。あるいは宇宙人、あるいはユーマって呼ぶのか?まあ、どうだっていい。
人通りの多い道らしく、さっきから何人とぶつかりそうになったことだか………これからあと数年しないうちに歩きスマホ禁止とかいう時代になるんだろうな。
それにしても、今日は黒い服着たやつ多くないか?黒いスーツ、黒いセーラー服、黒の革ジャン、黒コート、協会のシスター、SP集団………なんだ、きょうの朝の占いに黒い服ってでたのか?人事を尽くして天命を待つのか?これじゃ、白衣のおれが目立つのだよ。
いつのまにか港の方まで歩いてきてしまった。よくみると、自転車に背中を預けた少年がいる。そしてその上の階段の手すりの部分に仁王立ちした黒髪の赤いコートを羽織った青年がバランスよく立っていた。赤コートは勢いよく跳躍し、少年の前に着地した。ピンクのワンピースを着たお嬢さんも彼らの方へ駆けていく。なんか、漫画のシーンにありそうだな。
というか、赤コート。おまえ、登場の仕方、少年漫画の主人公かよ。
彼らのやりとりを聞いてると、熱い言葉が交わされている。いやあ、リアル少年漫画っぽいな。ジャンプの新連載か?うんうん、青春だなァ。と、思ってる側からザンギャックが出てきた。
ちょっといいとこなんだから邪魔すんなよ。ザンギャックと応戦し、(といっても、逃げていただけだが)やっと、彼らの姿がみえた。あれ、人数増えてる。仲間と合流したのか?
赤コートは少年に向かい言った。だいぶ、話が進んじまったらしい。展開はわからんが名言が飛び出てきそうな予感がする。
「守りたきゃ、別の方法で地球を守れ」
「どうやって?」
「甘えてんじゃねェよ。そんなの自分で考えろ」
ん?何々?『地球を守る』だって?悟空も言ってたな。「地球のみんなァ!おらに元気をわけてくれー!!」って。
王道漫画にありがちな設定だが、おれはジャンプでさっきみたいなシーンみたことない。日常でする会話じゃない。『地球を守る』って。ここは新連載枠か、はたまた読み切り枠か。だが、このカラフルな五人組はこの世界でキーパーソンな気がする。おれのサイドエフェクトがそう言ってる。……なんてな。
お。もうこんな時間か。じゃ、ザンギャックは任せた、カラフル五人組!
side アイム(ゴーカイピンク)
わたくしたちは海賊船こと、ゴーカイガレオンにいます。ザンギャックは、艦隊司令部を設置したようで、この星の地球の人々の安全な暮らしが守られ、平和を維持できるのか大変気がかりです。そうこぼしたわたくしにジョーさんは、「それはこの星の人間が考えればいい」と言いながら、トランプを並べ、ルカさんもジョーさんに賛同し「あたしたちはお宝探しをどうするかよねー」と、早くもお宝のことで頭がいっぱいのようです。ルカさんらしいといえば、そうなのですが………
マーベラスさんが鳥のナビィにお宝の居場所を探すように指示します。
「Let's お宝ナビゲート!」
ナビィはそう言ったかと思うと、天井に頭をぶつけ、☆をちかちかさせながら
「黒い服を着た人間が、いいことを教えてくれるぞよ……ってなかんじー」
と、曖昧で漠然とした答えを言いました。手がかりはほかにないので、黒い服をお召しになった方を探すことになりました。
ですが、この星の方たちは黒い服の方が多くいらっしゃって、どなたに聞けばよいのかわかりません。すると、一人の黒い服の少年がわたくしたちに声をかけてきました。なんでも、お宝のありかをご存じのようで………
少年はマーベラスさんのレンジャーキーを取って逃げてしまいました。マーベラスさんも「あのガキ、とっ捕まえてギタギタにしてやる!」とその後を追います。待ってください、マーベラスさん!ギタギタにしてはだめですよ!
「おまえ何でついてきてんだ」
「心配なのです。あなたがあのこをどうするのか」
「……おまえ、おれをなんだと思ってるんだ」
「わからないからついてきたのです」
「………すきにしろ」
やっと少年をみつけ、マーベラスさんはレンジャーキーを返すように言いました。少年はレンジャーキーを握りしめ、反論しました。
「あんたら、地球を守る気ないんだろ?これはもともと地球のものだ。地球を守るために使われるべきなんだよ!」
「それが地球のものだろうが、なんだろうが、今はおれのものだ!おれが命の恩人から預かって約束を果たすためのな」
話を聴くと、少年はレジェンド大戦で身内をなくしたらしく、ザンギャックと戦いたいそうです。少年はザンギャック相手に立ち向かいますが、やはりやられていしまいました。まったく、マーベラスさんも無茶なことを言います。
「守りたきゃ、別の方法で地球を守れ」
「どうやって?」
「甘えてんじゃねェよ。そんなの自分で考えろ」
マーベラスさんは少年に問います。
「おい。この星に守る価値はあるか?」
「ある!ぜったい」
「どこにある?」
「……どこにでもあるよ。
海賊なら、自分でみつけろ!」
「………なるほど。じゃあな」
少年の言葉にわたくしは、自分の故郷を思い出しました。もしかしたらこの地球もわたくしの故郷のようにザンギャックに滅ぼされるのかもしれません。このレンジャーキーには、地球の人々の思いがこもっているようですね。