CiRCLEのアルバイト生活 〜失いながら手にしたモノ〜 作:わらびもち二世
ひとまず、蘭視点で竜二との出会いの話を書いてみました。
ゆっくりしていってくださいm(_ _)m
私はいつも教室から逃げるように屋上に来ていた。中学に入ったばかりの頃、幼馴染の皆と同じクラスになれなくてクラスに馴染めずにいた。
頑張って友達も作ろうとしたんだけどなかなかできなくて、幼馴染の皆がいないと何もできない自分が情けなかった。
屋上に来ると今日は珍しく先約が居た。屋上の入り口付近の壁に持たれて眠ってる男の人がいた。
「んん・・・えっと、悪りぃ屋上使ってたか?」
「いえ、その別にあたしの場所って決まりはないので」
「そうか・・・俺は3年の朝倉竜二って言うんだ。転入してきたばかりなんだけど、ここ気に入ったからたまに来て隅っこで寝させてもらうな。俺の事は空気とでも思っといてくれ。」
そのままその人はまた寝てしまった。
男の人と話す事はあまりないあたしだけど、何故だかこの人のことは特別気にならなかった。
そして、次の日もその次の日もあたしが屋上に来ると朝倉さんはいつも同じ場所で寝ていた。
何日も続きあたしは次第にあまり警戒もしなくなっていて、どこか朝倉さんと自分の中に通じるものさえ感じていた。
今日もまた屋上に来ると、朝倉さんがいた。けど珍しく起きてて屋上の柵の方から少し寂しそうにどこか遠くを見つめていた。その横顔はすごく儚くて、どこか大人びていた。
すると目があった。
「あ、悪い。邪魔だったよな?今隅の方行くから待っててくれ」
するとまるで別人のようにこの前初めて話した時の朝倉さんに戻っていた。
「あの、大丈夫ですよ。それより朝倉さんが起きてるなんて珍しいですね。あ、あたし美竹蘭って言います」
あたしは少し緊張しながら答えた。
「今日はなんか寝付けなくてな。美竹もこの屋上が気に入ってるみたいだな」
「はい。この屋上にいると落ち着くんですよね。あの・・・・・・朝倉さんは最近転入して来たんですよね、この学校は楽しいですか?」
あたしは朝倉さんがとてもあたしのように逃げて屋上に来ている人に思えなかった。だから聞いてみたくなったのかもしれない。
「そうだな・・・実は俺もよくわかんないんだよな。ただ・・・わかりたいとは思う。けど俺は不器用だからな。周りのクラスメイトみたいに環境に順応は出来ないけどな」
朝倉さんはあたしと違ってまだ学校に馴染めてないのにもかかわらず、とても真剣で前向きだった。
そんな瞳を見てあたしは少し自分が情けなくなった。だから自分の事を話したくなったのかもしれない。
「あたしは・・・幼馴染が居て、昔からのずっと一緒で中学入るまではクラスもずっと一緒だったんです。だけど今は皆と違うクラスで・・・」
朝倉さんは何も言わずにとても真剣な顔で話を聞いてくれた。
すると優しく微笑んで
「そっか、それはつれーよな。今までずっと一緒だったんだもんな。」
「でもあたし、ダメですよね。朝倉さんは転入してきて一人きりなのに学校を楽しく過ごそうと前向きな気持ちで頑張っているのにあたしは大事な友達もいるのにこんな・・・」
するとあたしの話を聞き終えた朝倉さんが言った。
「そんなの人それぞれだから気にすんなって。美竹には美竹の苦しさがあるし。俺は別にそれを軽いとは思わないぜ。それに俺は2年も人生の先輩だしな!大人の余裕ってやつよ!」
朝倉さんは少し誇らしげに答えた。
それが少し子供っぽくて今まで見たことない朝倉さんを見れた気がした。
「ふふ・・・2年って、まだあたし達中学生ですよ。そんなに変わんないじゃないですか?」
「いやでも2年って結構あるぞ!2年あれば美竹ももしかしたら校内一のヤンキーとかになってるかもしれねーぜ?」
「なりませんよ!しかもかなんでヤンキーなんですか・・・」
「だって授業サボってこんなとこにいるじゃねーか」
私は少し恨めしそうに朝倉さんを見て言った。
「朝倉さんだけには言われたくないんですけど?」
「ははは・・・!でもさ、なんか楽しいよな?こういうの。もしかしたら普通の学園生活とは少し違うかもしれないけどな」
あたしも気が付かないうちに楽しくなってる自分がいた。
「ふふ・・・そうですね。あたしも少しだけ自分の不器用さに感謝します」
「ま、何かあったらその幼馴染に相談すればいい。それがダメなら屋上にでも来て俺に話せばいい。そのかわりに!俺も美竹に話し相手になってもらうがな!」
朝倉さんは自分が転入してきてまだ馴染めてないのにもかかわらず、あたしの気遣いばかりしてくれた。
それがとても嬉しかったし、何よりこれからはこの屋上にも前向きな気持ちで来れるような気がした。
「ふふ・・・なんですかそれは。とりあえず今度あたしの幼馴染を紹介しますよ。あ、それと蘭で大丈夫ですよ」
「そうか?それなら蘭って呼ばせてもらうな。俺の事も竜二でいいぜ。あと俺、敬語とか苦手なんだよな。出来れば普通に接してくれないか?」
名前で呼ぶのは何故かさほど緊張しなかった。
「うん。わかった、それならあたしも竜二って呼ばせて貰うね」
この日からあたしの人生が変わっていくんだという気さえしていた。
ひとまずは屋上での出会い編を書いたので、次からはまた日常に戻ります。
過去のエピソードに関してはちょこちょこ小出しにしていけたらいいかと思います!
誤字かありましたら、訂正するのでご容赦くださいm(_ _)m
誤字があったため修正しました。ご指摘ありがとうございます!