CiRCLEのアルバイト生活 〜失いながら手にしたモノ〜   作:わらびもち二世

14 / 30
後編です!結構長いです。ほのぼのしつつ少しシリアスですm(_ _)m
それではどうぞ!


12. 羽沢珈琲店はいつも賑やかだ。 後編

羽沢珈琲店のバイトが終わって蘭たちの座るテーブルのとこに来たとこだ。

 

「来たぞー」

「2人ともおつかれさま!」

ひまりが真っ先に声をかけてきた。

 

「サンキュー。なんか早く上がらせてもらった」

俺が答えるとつぐが

「今日は竜二くんがバイトに来てくれてすっごく助かったよ!」

「俺はひまりのせいで大変な1日になったけどな!」

「えー!だって竜二がつぐのところでバイトなんて、すぐにでも皆に知らせなきゃ!って思ったんだもん」

「なんでそうなるんだ!」

 

すると巴が

「まぁまぁ落ち着けって。久しぶりにAfterglow全員でこうやって休日に集まれたんだからさ」

「トモちんいい事言うね〜」

「ん?いつもお前ら一緒にいるじゃねーか。久しぶりでもないような気がするが?」

この前もCiRCLEに来てたし、いつも一緒にいる事ね?

 

「はぁ。だから・・・竜二も!Afterglowのメンバーだって・・・」

蘭が俺の方を見てため息をつくなりそんなことを言った。

「竜二くん。Afterglowって言うのはバンド名でもあるけど、この6人でいる時の名前って言う意味もあるんだよ」

ああ、なるほど、つぐの言った事でようやく理解出来た。

 

「なるほど、そういうことか。だから久しぶりに皆で集まるって言ってたのか」

「そゆことー」

俺が納得しているところにモカが答えた。

 

「でもこうやってみんなで話すの久しぶりじゃない?中学の時はほぼ毎日一緒にいたのにね〜?」

「あ〜、蘭が授業サボりまくってた頃ですな〜」

ひまりとモカがどこか懐かしそうに言っていた。

 

「ちょっ!モカ何言ってんの」

「えー、でも本当の事だし〜?」

モカの言うように、あの頃の蘭は授業を普通にサボってたわけだが。

 

「確かにそうだけど・・・でもそれは竜二もじゃん」

蘭!俺のことには触れないで!?

「やめろ!過去の傷を抉らないでくれ!」

 

すると巴が不思議そうにして

「そもそも、竜二はなんでクラスに馴染めなかったんだ?あんまり想像出来ないんだよな」

「あ、それは私も気になるかな!」

どうやらつぐも気になるらしい。

 

「あーそれはな。そもそも俺ってテレビとか見ないじゃん?クラスのやつが何話してるか全然わかんねーし、宿題とかもちゃんとやってなかったからな」

「ヤンキーに思われちゃってたのかな?」

ひまりの言うように、少しそう思われてた節もある。

 

「どうだろ?でも多分近づきにくいヤツだとは思われてたんだろうなぁ」

「あの頃だっけー?つぐがバンドやろうって言い出したのー?」

モカが楽しそうにそんなことを言った。

 

「懐かしいな!楽器やり始めた頃なんて、学校終わったらみんなでスタジオよく行ったりしてさ」

巴の言うように、スタジオや自宅で集まったりしては練習していたこともある。

 

「屋上で竜二にギター教えてもらったりもね」

蘭が懐かしそうにそう言った。

 

「そんなこともあったな。確かに俺はひまりと蘭にはよく練習付き合ってた気がする」

「ほんっとに!すっごいスパルタで大変だったんだから!」

ひまり。俺がスパルタたったのはお前だけなんだがな。

 

「だって、厳しくしていいって蘭が言うからさ。俺なりに頑張って教えてたわけだ」

「あたしはそんなに怒られた記憶ないけど?」

だって蘭は不満一つ言わずに練習してくれるんだもの!!

「ええ!?もしかして私だけ!?」

「だって蘭は飲み込み早いからなー。ひまりなんて何かと言えば「こんなの無理だよ〜」とか訳のわからんこと言い出すからな。めっちゃ厳しくしてやったぜ」

 

「それも竜二の愛だよー?ひーちゃん」

「もうモカ!本当に大変だったんだから〜!」

「モカは教えるって言うよりは見て覚えるタイプだったから楽だったな」

モカは天才肌なのか、俺のギター見て自分なりに練習してたからな。

 

「ふっふっふ、さすが優秀なモカちゃん」

「つぐの場合は普通に上手かったからな。言うことは特になかった」

「ええ!?私全然だったよ!メンバーの中でも1番下手だったし」

「そう思ってたのはつぐだけだと思うが?なぁ巴」

「ああ!つぐは自分では気がついてなかったみたいだけど、実は一番まともに弾けてたんだよな」

つぐは実はAfterglow内でもかなりの実力者だと俺は思っている。

「巴ちゃんまで!?」

「むしろつぐみが1人だけ上手いのにめっちゃ頑張ってるから、あたし達も火がついたって言うか」

「めっちゃツグってたよねー」

蘭とモカの言うように、あの頃のつぐは自信が今以上になかったから、めっちゃ頑張ってたんだよな。

 

「私全然気が付かなかったよ!?ギターとかドラムとかベース、凄く難しそうなのにすごいなって思ってて、もっと頑張らなきゃ!って思って」

 

「ま、そこもつぐのいいところでもあると俺は思う」

「でもみんながそんな風に思ってくれてたなんて、なんか嬉しいな」

つぐが少し気恥ずかしいそうに、でもとても嬉しそうにしていた。

 

しばらくしていると俺たち意外の客が1人もいなくなっていた。外は夕方で綺麗な夕焼けが見えた。この時間帯はあまり人が来ないのかはしらないが。それにしてもとても静かだ。

 

「竜二もアコギよりもエレキをよく弾いてたのに、今はいつもアコギ弾いてるよね」

蘭が俺に聞いてくる。

 

「なんか急にアコギハマったんだよな。コード鳴らすだけで弾き語り出来るし、俺には向いてるのかもしれん」

 

「えー!でもやっぱり竜二にはエレキの方が似合うよ!モカも絶対そう思うでしょ?」

ひまりがモカに尋ねる。

「珍しくひーちゃんと意見が合うとはー」

 

「アタシ、今でも覚えてるぞ、あのギターのインストのコンテスト!確かGuitar spiritだっけ?」

今巴が言ったのは、3年前開催された、音楽イベントの事だ。ちなみにギターのインストって言うのは歌がなく、ギターがメインの楽曲の事だ。

 

「優勝したんだよね!」

つぐが嬉しそうにしていた。そんなにメジャーなイベントじゃないが、優勝出来るとは俺も意外だった。

 

「モカちゃん今でも動画サイトで見たりしてるなー」

「あの時の竜二は今まで見たギタリストの誰よりも本当に格好良かった・・・!」

蘭が珍しく少し興奮したように答えた。

 

「あの動画!すっごいアクセス数なんだって!みんなに自慢したいくらいだよ!」

「それはさすがにやめてくれよ?ひまり?」

「えー!あんなに格好良かったのに〜?」

「あんまり目立ちたくないんだよ俺は」

 

 

「そんな竜二くんに、じゃじゃん!」

「つぐみ・・・それ」

「Guitar spiritの告知ポスターじゃないか!」

蘭と巴が驚いている。

 

「この前隣街に行った時にもらったんだ!しかも4年振りらしくて規模がすごいんだよ!世界中のギタリストが集まるんだって!優勝するとそのままメジャーデビュー出来るとか!過去の大会で実績がある人は予選なしで本選に出られるし、竜二くん!どうかな?」

 

「竜二〜!これは絶対出ないとー!」

モカが珍しく興奮したように俺に言った。

 

「おいおい。俺は出ないぞ、だってこれネット中継とかもやるんだろ?」

「ええ?!絶対出た方が良いよ〜!」

「アタシもひまりに賛成する!またステージで竜二がギターを弾く姿見たいしな!」

巴とひまりもどうやら俺に出て欲しいらしい。

 

「でもなぁ。別にデビューとか興味ないんだよなー。大勢に見られるのも嫌だしなぁ」

「え〜!竜二〜、お願いーモカちゃんの一生のお願いだから〜」

まさかモカがそんなに頼んでくるなんて予想外だった。そこまでの物だったのかモカにとっては。

 

「あたしも・・・もう一度見てみたい。世界中の人が集まる舞台で、竜二のギターが色んな人を感動させるところ」

蘭も真っ直ぐな瞳で俺を見つめていた。

 

「竜二なら優勝できると思う!私あの演奏聴いて本当に感動したもん!」

ひまりも蘭と同じ瞳をしていた。

 

「あのな、世界だぞ?この大会はプロのギタリストも来る。俺が出た3年前のGuitar spiritとは訳が違う」

 

「出来るよ!竜二なら・・・あたし感動したんだ。あの光景を見た時からずっとあんなギタリストになりたいって思ってたから!」

「あたしも蘭と同じだよ?竜二のギターは世界で一番好きだし、もう一度見たい」

「優勝出来なくても、私たちは見れるだけで嬉しいんだ。デビューが嫌なら断っちゃえばいいし、ダメかな?」

蘭、モカ、つぐ、それぞれが本気の思いを伝えてくる。

 

 

「お前らはさ・・・勘違いしてるんだよ。

あの日あのステージで俺が大勢の前でスポットライトを浴びてギターを弾いて・・・なぜか優勝した。

それを間近で見たお前らはさ、俺のことをどこか凄いやつなんだ!って・・・竜二は天才なんだ!って今もどこかで思ってるだけなんだよ。

そんな期待感が幻想を見せてるだけなんだ・・・」

 

「勘違いなわけないじゃん!!あたし達はあの演奏を聴いて、本当に音楽を好きになれたんだよ!あの時会場にいた人もみんな、竜二の演奏に感動してた。あたし達は竜二のギターが世界にだって届くって思ってる!」

 

蘭の言葉に俺は驚いた。蘭がここまで思いの丈をぶつけてくるのはあまりないことだし、自分がまさかそこまで影響を与えていたなんて思ってなかったからだ。

 

「なぁ・・・ギターならさ、お前らのためならいくらでも弾いてやるよ、歌だって・・・いくらでも歌う。その他の事だったらなんでもしてやる。それじゃ、ダメなのか・・・?」

 

「もう一回・・・あと一度だけでいいから・・・見たいんだ。最高のステージで演奏する竜二をみんなに見せて欲しい・・・」

蘭が俺を真っ直ぐに見て答える。

 

「優勝出来なくてもいいか・・・?もし万が一、奇跡が起きて出来たとしてもデビューはしないけどそれでもいいのか・・・?」

「うん!」

全員が頷いた。

 

「こう言う、イベントに出るのは今回限りだ・・・それでもいいか?」

 

「それでいいよね?皆?」

「うん!」

蘭が皆に問いかけ、全員が答えた。

 

「はぁ・・・ったく!わかったよ。来年だったな?なんとか頑張ってみるよ」

 

「本当か!やったなみんな!また竜二がステージでギター弾くところを見れるぞ」

「やったね!蘭ちゃん!」

「やばーい!モカちゃん超テンション上がってきた〜」

「モ、モカ落ち着いて!私もめっちゃワクワクして来たけど!」

「竜二。本当に嬉しい。ありがとう。あたし、すっごく楽しみにしてるから!」

蘭は笑顔でとても嬉しそうに俺に言った。

 

「おう。頑張ってみるよ」

 

こうしてGuitar spiritに出ることを決意した俺だった。




後編ついついめっちゃ書いてしまいました!笑

それと、少しサクラノ詩の設定に近い要素出て来ますが、作品知らない方でも全然大丈夫ですのでご安心くださいm(_ _)m
Guitar spiritの話はだーいぶ先になると思うので気長に待っててくれるとありがたいです!笑
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。