CiRCLEのアルバイト生活 〜失いながら手にしたモノ〜   作:わらびもち二世

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Roselia回です。


16. ほんの些細な言葉一つで日常は変わる。 前編

我仕事なり。CiRCLEにバイトに来ている。

今日はこの後Roseliaがスタジオ練習に来るらしい。

ガラガラ〜

 

「おー。来たか」

「竜二くん。今日はCiRCLEに来てたんですね」

一番に声をかけて来たのは紗夜だった。

「ああ。それよりリサはどうした?来てないみたいだけど」

すると友希那が、

「リサなら今日は青葉さんの代わりにバイトに入ってるから途中からしか来れないわよ?」

どうやらリサは来れないらしい。

 

「えっと、体調を崩したみたいで今井さんが出勤する事になったみたいです」

燐子が理由を教えてくれた。

「あ、そうなのか。にしてもモカが体調崩すなんて珍しい事もあるもんだな」

なんかモカって丈夫なイメージあるじゃん?

 

「竜二さんは今日はいつまでいるんですか〜?」

あこが俺に言った。

「俺か?俺なら今日はRoseliaのスタジオ練習が終わる頃には上がる予定だけど」

「それなら時間ある時にでもあこ達の練習覗きにくださいね!」

どうやら俺にスタジオに来て欲しいとのことだ。

 

「おっけおっけ。時間ある時にでも顔を出すよ。あとは何か要件でもあれば俺のところに来てくれよ」

「ええ。じゃあスタジオを借りるわね」

友希那が俺に言った。

「おう。練習頑張れよー」

そうして俺は友希那達がスタジオに入っていくのを見てから仕事に戻った。

 

・・・・・・・・・

 

それから1時間程が経過した。

するとスタジオから友希那が一人で俺のところへやってきた。

「おう。どうした?俺に何か用か?」

「竜二?今日は練習見にこないの?」

友希那は少し物言いたそうにしていた。

 

「ああ。あとで行くつもりだぞ、あと2時間もあるから時間を見つけて覗くつもりだが?」

「その・・・竜二が嫌でなければ今から練習が終わる時間まで私たちに付き合ってもらう事って出来ない?」

友希那が少し歯切れの悪い言い方で俺に言った。

 

「ん?珍しいな。時間はあるけど友希那がそんな事言うなんて、なにかよっぽどの事情でもあるのか?」

「実は・・・」

友希那は事情を説明してくれた。

どうやらリサが練習にいない事が初めてらしく、スタジオの空気がいつもよりギクシャクしてるとかなんとか。いつもはリサが皆に気を回してくれてた事に気付いたらしい。

 

「情けない話だと自分でも思うのだけど・・・」

少し申し訳なさそうにしていた。

 

「なんだそんな事か、全然いいぞ。じゃあ今からスタジオ行こうぜ」

「ありがとう竜二。それにしても、リサには今まで結構助けられていたようね・・・」

リサの事は大事にしてる友希那だが、より一層リサの大事さに気付いたんだろうな。

 

「ま、そこがリサの良いところだからな。Roseliaには必要だろ?」

「そうね。リサにはRoseliaにいてもらわないと困るわ」

「ああ」

「リサだけじゃなく竜二にもいつも助けられてるわよ?」

珍しく友希那がそんなことを口にした。

 

「友希那はほっとくと危なっかしいからな〜。みんな優しい分、俺が誰よりも厳しくしてやらないと!」

俺は少し冗談っぽく答えた。

 

「ちょっと、私も少しは成長したわよ!?」

「えー、そんなに変わったか〜?」

「相変わらず貴方は意地が悪いわ・・・」

友希那が拗ねてしまった。

 

「ごめんごめん。冗談だ。友希那は俺から見てもいい方向に変わってるから安心しろ」

「竜二・・・まったく、いつもふざけてるのかと思ったら急に真面目になって、貴方のそういうところはずるいと思うわ」

友希那が少し照れくさそうにそう言った。

 

「じゃあ早めに慣れるんだな。まだまだこれから長い付き合いになるんだから」

「ふふっ・・・そうね。これから先も頼りにさせてもらうわよ」

友希那は俺の言葉の意味を察してくれたのか、嬉しそうに答えた。

「そろそろスタジオ行こうぜ」

俺たちはスタジオに向かった。

 

ガラガラ〜

 

「湊さん、竜二くんを呼んできてくれたんですね」

紗夜がそんなことを言った。

「竜二さあああん!」

あこが俺に縋るかのように、今にも泣きそうな声をしていた。

 

「なんか色々大変みたいだったな。友希那に頼まれて来たぞ」

「その、竜二さんが来てくれて安心しました」

燐子も嬉しそうにしていた。

 

「だって友希那がさ!どうしても俺に歌を聴いてほしいって言うからさ〜!」

せっかくだから空気を変えてやろうと俺は冗談を言ってやることにした。

 

「り、竜二!別に私はそこまで言ってないわよ!」

少し顔を赤くしながら俺にそう言った。

「ははは!冗談だ。それより早く演奏聴かせてくれよ」

 

すると紗夜が、

「せっかく竜二くんが来てくれたんですから一緒に演奏しませんか?」

「紗夜。いい事を言うわね。竜二もたまにはエレキギターを弾くといいわ」

友希那が俺のギターを手渡した。

 

「さんきゅー友希那。たまにはエレキもいいかもな・・・」

やっぱりエレキギターを持つと色々な事を思い出せる。このギターには色々な思い出が詰まってるからな。

 

「やったー!リサ姉も早くこないかな〜」

「早くみんなで合わせたいよね!あこちゃん」

燐子とあこはあとでリサが来るのも楽しみにしている。

 

「じゃあ俺は適当にコードだけ鳴らしてくから」

「ええ。あこ?始めていいわよ」

「はい!それじゃいきます!」

 

♪〜♪〜♪

 

エレキギターを誰かと演奏するのは本当に久しぶりだ。

1人で弾く事はあっても、こうして誰かの演奏に合わせて弾くのはいつぶりだろうか?

俺は友希那達の曲は全然弾きこんでないが、それでもとても楽しい。身体が勝手に動くほどに。

楽器なんて物に縁がなかった俺が、初めて手にした楽器だ。こうして弾いてるだけで、色々な出来事が蘇って来るみたいに。

 

しばらく俺たちは演奏し続けた。

 

ジャーン!!

 

 

「疲れた〜!」

気がつくと俺は夢中になって楽しんでたみたいだ。

「竜二さん。すごい楽しそうですね」

燐子が嬉しそうにそんな事を言った。

「やっぱエレキって最高だと思ってな」

「ふふっ、竜二くんも疲れたみたいですし、少し休憩しましょう」

俺の発言に紗夜が少し嬉しそうにしていた。

「賛成〜!」

あこもだいぶ今の演奏で疲れたみたいだ。

 

「さんきゅー紗夜!にしてもやっぱりリサのベースがないと落ち着かないよなぁ」

「竜二くんが低音の部分をカバーしてくれてますが、やはりベースがないと落ち着かないですね」

紗夜の言うように、ギターだとどう頑張っても低音が足りなくなってしまう。

 

「その事以外にも今井さんはいつも私達の事を色々と考えてくれてるんだってわかりました」

燐子もそんなことを言った。

 

「そうだな。リサもベース上達したしRoseliaのムードメーカーみたいな役割をしてるしな?あんまりみんなが世話焼かせるといなくなっちまうかもしれねーぞ〜?」

俺は最後は少し冗談っぽく皆に言ってやった。

 

「それは困るわ!リサにはRoseliaにいてもらわないと」

「あこも絶対いやですよ〜!」

友希那とあこが少し取り乱してるが、実際はそんなことにはなることはないだろう。

「まぁそんなことはないと絶対思うけどな。けど今日の事でリサの凄さがわかったならリサをもっと大事にしてやってくれな」

 

そんなこんなで俺たちが話しているところに・・・ガラガラ〜!

 

「みんなごめ〜ん!遅くなっちゃった〜!」

リサがバイト終わりに駆けつけてくれた。

 

「リサ姉えええええ!」

「ちょ!あこどうしたの!?」

あこが急にリサに抱きつきに行った。多分さっきの話を多少気にしてるんだろうな。

 

「リサ?疲れていない?大丈夫?」

「友希那がめっちゃ心配してくれるんだけど!?いや嬉しいんだけど!一体何事?!」

 

「その、・・・みんな今井さんの凄さに気がついたんです」

「今井さん?貴方はRoseliaにはなくてはならない存在よ?だからこれからも一緒に活動してもらわなければ困ります」

燐子と紗夜もリサに詰め寄ってそんなことを言った。

 

「燐子に紗夜までどうしたの!?ちょっと竜二説明してよ〜!」

仕方ない。説明してやるか。

「リサがいなくて練習が捗らなかったんだとよ。実はな・・・・・・・・・」

俺は今日の一連の流れをリサに一から説明してやった。

 

 

「なんだ、そう言う事か〜」

「だから俺が呼ばれてリサの代わりをしていたと言うわけだ」

「そっかそっか!ありがとう竜二!にしてもアタシもそこまで大した事してないと思うんだけどな〜」

 

すると紗夜が、

「今井さんには気付かない所で随分支えられてたんだって気付かされました。それと、今まで色々苦労をかけていたみたいですみません」

 

「紗夜?!全然大丈夫だよ!アタシが好きでやってた事だし、アタシって楽器が一番下手じゃん?だから少しでもみんなの役に立てればいいなって」

 

「リサ。まだそんな風に思っていたの?リサの音はRoseliaには必要だと思ったからメンバーに入れたのよ?それに今はもうかなり上達したのだから気にしなくてもいいわ。あとその・・・私こそ、今まで色々気を遣わせてしまってごめんなさい」

リサの言葉に友希那が答えた。

実際リサはかなりベースも上達したからな。

 

「友希那・・・そんな風に思ってくれてたなんて、アタシすごく嬉しい。少し自信ついたよ」

リサは嬉しそうにしていた。

 

「だからリサにはRoseliaにいてもらわないと困るわ。その・・・いつもありがとう」

友希那が素直にリサに感謝の言葉を口にした。

 

「うん・・・ぐすっ」

「どうして泣くのよ?私が泣かせたみたいじゃない」

「だって〜!」

少ししんみりしてしまった。

 

仕方ない、俺が空気を変えてやろう。

「あー!友希那が泣ーかした!泣ーかした!」

「竜二!指差して言うのをやめなさい!」

「竜二も本当にありがとね!いつもアタシのベースの練習付き合ってくれてさ」

リサが俺にそんなことを言った。

 

「気にするな。どっかの誰かさんと同じでお節介マスターだからな」

「ちょっと!それってアタシのこと〜?」

 

そんな会話を見てあこが、

「リサ姉と竜二さんって少し似ている所あるよね!」

「私も、少しわかる気がします」

燐子も同意見らしい。

 

「まぁお節介が好き同士だからな」

 

しばらく話していた。

するとリサが急に焦ったような声を上げた。

 

「あー!!話しすぎてもうすぐスタジオ終わっちゃうじゃん!せっかく竜二もいるんだし、アタシも一回くらい一緒に弾きたいんだけど〜」

どうやら少し話しすぎたみたいだ。

 

「そうね。それじゃあ最後に一曲だけ合わせましょう。リサ?やりたい曲を選んでいいわよ」

友希那がリサに選曲を委ねた。

 

「ほんとに!?えっと・・・それじゃ〜、陽だまりロードナイトをやろうよ!」

「それじゃあその曲で来まり!あこカウント頼むぞ」

「はい!それじゃいっきまーす!」

 

♪〜♪〜♪

 

こうしてスタジオ練習を終えてCiRCLEを出るところだった。

 

 

「じゃあ帰るか!」

俺は早々に帰ってやろうとしていた。

「アタシはもうちょっとみんなでいたいんだけどな〜?」

「そうか、じゃあRoseliaのみんなでファミレスでも行ってくるといい。じゃあ俺は先に帰・・・」

「何言ってるの?竜二も来なさい」

ふぁ!?

 

「あの、竜二さんはこの後、もしかして忙しかったですか・・・?」

くっ!燐子、そんな悲しそうな瞳で俺を見るな!

「忙しくはないんだ!!ただファミレスでいつも女5人で男1人なのは色々と辛いものがあるんだよ!!」

ちゃんとわかってその辺!?俺だって辛いのよ!

 

「それこそ今更ですよ。とにかく一緒に来てください」

俺の言葉も虚しく紗夜に一蹴された。

「はいはい。理由は後で聞いてあげるから行くよ〜。はい燐子そっちの腕を掴んで〜」

「こらリサ!燐子離せえええええ!あこ助けてええええ!」

「あこは闇の力で何も聞こえません!」

そのままリサと燐子に腕を掴まれて連行された。




文章量がどのくらいだろう。自分だと多いのか少ないのかもわからないですが、多くなってる気がします!笑

一番最初の頃はめっちゃ短かったですからね!
いつのまにか見てる人も増えてきてとても嬉しいです!
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