CiRCLEのアルバイト生活 〜失いながら手にしたモノ〜   作:わらびもち二世

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今回は出会いの話ではなく、Roseliaの一章に触れた短編になっております。


過去編4. 夢の形は時間と共に変化していくようだ。

夕方頃に俺は家に帰るところだった。

ん?誰かいるな。あれはリサか。

なんか元気がなさそうだけどどうしたんだ。

 

「おい。・・・どうしたんだ。リサ・・・?」

「ぐすっ・・・竜二・・・?」

泣いてるのか?

 

「ああ。俺だ」

「・・うう・・・・竜二。どうしよう・・・?このままじゃ・・・Roseliaがなくなっちゃう・・・」

俺を見た途端リサは膝から崩れ落ちて泣き出した。

 

「どうした?何かあったのか・・・?とりあえず落ちつけって・・・な?」

俺はリサにハンカチを渡してやった。

 

しばらくするとリサが泣き止んで落ち着いてきたみたいだ。

「・・・ありがとう竜二。もう大丈夫だから」

「気にすんな。それで、何があったんだ?話してくれるんだろ?」

「実は・・・・・・」

 

リサは事情を説明してくれた。

どうやら友希那が事務所からスカウトされたらしい。

なんでもソロデビューすれば確実にFUTURE WORLD FES.に出してくれるそうだ。

このままRoseliaとしてFUTURE WORLD FES.に出るための厳しいコンテストに出るかを天秤にかけられて、しかもそのことをあこ達が知ってしまい皆でスタジオで揉めてしまったみたいだ。

友希那もあこ達に責め立てられて、それを引き金にスカウトを受けようとしているらしい。

 

「・・・竜二・・・友希那を説得出来ないかな・・・?友希那は竜二のことすごく信頼してたし。アタシ・・・もう竜二しか頼める人がいなくて・・・」

リサは俺が見たことないくらいに弱り切っていた。

 

「そんな泣きそうな顔すんな・・・?俺がなんとかしてやる」

俺はリサの頭に手を置いて言った。

「竜二っ・・・ほんとに・・・?アタシ達バンド辞めなくても済むのかな・・・?」

「俺もRoseliaは好きだ。こんなとこで解散して欲しくない。それにリサが言ったんだろ?『アタシにはフォロー出来ないところもあるし、そういう部分は竜二が友希那を支えてあげて』ってさ」

 

「まだ知り合ったばっかりの時のアタシが言ったこと覚えてくれてたんだ・・・」

リサは嬉しそうにしていた。俺が覚えてるとは思ってなかったみたいだ。

 

「当たり前だ。だからちょっと今から友希那のとこ行ってくる。スタジオから出たばかりならそんなに遠くには行ってないだろ」

「・・・竜二・・・ありがとう。アタシ、みんなを集めて待ってるから」

どうやら安心してくれたみたいだ。

 

「ああ!じゃ行ってくる!」

 

俺はスタジオの近くをひたすら探し続けた。

しばらく走り回っていたら知ってる人影が見えた。

 

「友希那!」

 

「・・・!」

友希那は俺の顔を見た途端に逃げ出した。

馬鹿やろう。絶対逃がさねーぞ。

 

「おい待てって!なんで逃げんだよ!」

しかも意外と足早えし!

 

「追ってこないで!」

俺は友希那をひたすら追いかけていつのまにか、人気のない公園に辿り着いた。

 

「どうして追ってくるのよ・・・!」

「お前が逃げるからだろ?・・・リサから話を聞いたけど、本当にRoseliaを辞めるつもりなのか・・・?」

 

「私はっ!なんとしても自分の音楽を証明しなきゃいけないのよ!だから・・・私のことはもう放っておいて!」

「お前は・・・それでいいのかよ。せっかくRoseliaって言うバンドが出来たのに、もうこれで終わりなのかよ・・・?」

 

「私だってわからないのよ・・・!何が正しいかなんて・・・Roseliaは確かに実力のあるバンドよ。けどそれだけじゃダメなのよ!」

 

「・・・俺もさ、みんなが友希那ほどの気持ちでバンドやってるかって言われたらさすがにわかんねーけど、でもあいつらならお前についていけるって俺は思う。友希那はどうなんだ・・・?」

 

「私は・・・わからない。もしかしたらいつか私という存在がRoseliaを壊してしまうかもしれない。そんなことばかり考えてしまうのよ・・・」

 

・・・・・・・・・

 

「そんなことにはならない」

 

「っ!!部外者の貴方に何がわかるのよ!それに、今更戻ったって許されるはずないわ!私は一度Roseliaを捨てようとしたのよ!!」

 

 

「・・・・・・けんな・・・」

 

「・・・竜二・・・?」

 

「ふざけんな!!」

 

「・・・っ!!」

 

「・・・俺のことはどうでもいい。だけど友希那?・・・紗夜や燐子、リサとあこ、あいつらはな?この程度でお前を見限るわけねーだろ!!それに・・・お前だってそんなのわかってんだろーが!!」

 

「ぐすっ、うう・・・そんなこと・・・私が一番わかってるわよ。でも・・・怖いのよ!いつか自分のせいで何もかも失くしてしまうのが!」

 

「だったら!・・・俺を頼れよ。俺にはなんでも話してくれるんじゃなかったのか・・・?」

「ぐすっ・・・確かにあの時はそう言ったわ。だけどっ・・・竜二一人に出来ることなんてたかが知れてるじゃない!そんなのっ・・・無理よっ」

 

「俺が!!なんとかしてやる!!」

 

「無理よ!それに竜二に迷惑なんてかけられない・・・これは、私の問題よ!!私がお父さんの音楽を証明したいからって竜二を巻き込む訳にはいないのよ!だからもう私のことは放ってお・・・」

「うるせぇぇぇぇ!!」

 

「・・・っ!!」

 

「俺の一生を賭けてでも何とかしてやるっつってんだ!!友希那!!お前は黙って俺に全部任せろ!」

 

「・・・うう・・・竜二・・・どうして」

 

「・・・お前達Roseliaは俺が絶対に最高のバンドにしてやる。困ったら頼れ、なんでも言え。もし道を間違えそうなら俺がなんとかしてやる。約束だ友希那」

 

「ぐすっ、うう・・・竜二!どうして・・・そこまで・・・?」

「・・・俺だってな友希那?お前に助けられてる。友希那がこんな俺のことを認めてくれてる。それだけでいつも救われてるんだ。だから友希那・・・俺にも手伝わせてくれよ・・・な?」

 

「・・・私はっ・・・間違っていたわっ・・・本当にっ・・・ごめんなさいっ・・・竜二っ・・・」

友希那は泣きながら答えた。

俺はそんな友希那を優しく抱きしめてやった。

 

「いいんだよ・・・誰しも間違えるときはある。もし俺が間違えた時は友希那が俺を叱ってやってくれ」

 

「ええ!・・・私はっ!竜二に何かあったら全力で助けるわっ・・・もしっ!・・・間違ったことをしていれば全力で叱るわっ・・・絶対にっ・・・約束よっ・・・」

 

「ああ。約束だ」

 

しばらくして友希那が泣き止んで落ち着いてきたみたいだったからベンチに移動した。

しばらくして俺の方から話しかけた。

 

「俺もな。前は友希那みたいな音楽の夢があったんだ。その時はただただその夢を叶える為に必死だった」

「竜二にも夢があったのね・・・・」

「ああ。俺はその夢を成し遂げる為ならなんだってしてやろうと思ってた時もあった・・・」

「その・・・竜二は・・・諦めてしまったの・・・?」

友希那が少し悲しそうにしていた。

 

「いや、少し違うな。俺は気付いたんだ。一人でずっと走り続けてくうちにさ、俺の本当にやりたかった事はこんな事だったのか?ってな。」

 

・・・・・・・・・

 

「俺に音楽を教えてくれた人は、こんな風に俺が生きる事を望んでないんじゃないかってさ、気付いたんだ」

 

「竜二に音楽を教えてくれた人・・・?」

「ああ。その人に近づきたくて、そんな風に生きてみたくて、その人と同じ景色を見てみたくて、ただただギターを弾き続けたんだ」

 

 

「私には間違っているとは思えないわ・・・だって竜二は・・・その人のようになりたかったんじゃないの・・・?」

 

「でもなれるわけなかったんだ・・・だって俺は俺だろ・・・?どんなに頑張ってもその人にはなれない・・・その人が何を想って、何のためにステージに立ち続けてたかずっと知りたかったんだ。けど・・・わかるはずなかったんだよ・・・」

 

「それはどうしてなの・・・?」

「だってさ、その人は誰も追いかけてなかったんだ。常に自分の思うままに音を鳴らして、歌を歌ってた。・・・そんな演奏や歌に見てる人は心を奪われた」

友希那は黙って俺の話を聞いていた。

 

「ただ背中を追ってる俺がその人と同じようになれるわけがなかった。だから今は俺にしか出来ない事をやろうと思ったんだ・・・」

 

「竜二にしか出来ないこと・・・?」

「ああ。それは音楽であって音楽じゃない。」

「・・・?えっと・・・つまりはどういうことなのかしら・・・」

 

「その人と同じ景色じゃなくてもいいんだよ。ただ俺は俺にしか見れない景色を見たいんだ。それは必ずしもステージの上じゃなくてもいい」

「・・・じゃあ、竜二は今もその夢を追いかけてる途中なのね」

「ああ。しかも俺は欲張りだから、他にもたくさん夢がある!」

「ふふっ・・・竜二の夢、叶うといいわね?」

友希那は微笑んでそう言った。

 

「ああ。だから友希那?始まりはお父さんかもしれないけど、まだまだ先は長いんだ。色々とこのバンドでやりたい事を見つけていけばいい・・・」

 

「ええ・・・そうね。もしまた道を間違えそうになったら・・・竜二がなんとかしてくれるんでしょう・・・?」

友希那は優しげに微笑んで俺にそう言った。

 

「任せとけって。友希那にはこれでもか!ってくらい厳しくしてやるよ」

「・・・ふふっ・・・ええ。望むところよ」

「良い返事だ」

ようやくいつもの友希那に戻ってきたな。

 

「ねえ竜二・・・?後でみんなに今の私の正直な気持ちを話しに行こうと思うのだけど、その、竜二も付いてきてくれるかしら・・・?」

 

「当たり前だ。泣いた後だしな!友希那の顔が元に戻ったら行くぞー」

「竜二?もう少しデリカシーのある発言をしないと女性に嫌われるわよ」

 

「ははは!でも友希那は俺を嫌わないだろ?」

「馬鹿ね?・・・わ、私が竜二を嫌うわけないじゃない。むしろ今日の事で竜二のこと前よりもす、好きになったわよ・・・?」

少し頬を染めながらそんなことを言った。

 

「軽々しく男に好きなんて口にするもんじゃないぜ?」

「ふふっ・・・あら?私に惚れてしまうかしら・・・?」

「惚れねーよ!」

「それは・・・残念ね。でもさっき私に一生を捧げるって言ってなかったかしら?」

友希那は少し悪戯っぽく微笑んでいた。

「ば、馬鹿やろう!それはまた違う意味でだな!」

「・・・ふふっ。冗談よ・・・」

このやろ!からかいやがって!

 

「ったく!そんだけ軽口が言えるようなら安心だな。そろそろリサ達のとこ向かうぞ」

「そうね・・・竜二・・・?」

「ん・・・?」

「・・・ありがとう」

友希那は今まで見たことのないくらい微笑んで俺にそう言った。

俺たちはリサ達が待つ場所へ向かおうとしていた。




見てくださってありがとうございますm(_ _)m
今更ですが、ガルパでキャラの一人称を調べてたら、蘭が私って言う時とあたしって言う時があるみたいで、最近はあたしって一人称が多かったからそっちにしました。

あと巴の一人称があたしだったのを、ガルパで確認してアタシに変更しました。
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