「ふわぁ…しまった、寝過ぎたか?」
ゆっくりと起き上がってベッドに腰掛けた。
日は昇りきっていて、眩しいくらいだ。
「あれ、おかしいな。欠けてない?」
「寝てる間にルチルが直してくれたとか?」
ふと、視線を感じ部屋の入口の方を見ると
見慣れない宝石がこちらをじーっと見ていた。
「わっ…うご…いて…る…!」
「あれ、君は誰だい?」
綺麗な薄荷色をした子は慌てていた。
壁越しにこちらを見ながらそっと口を開けた。
「フォシ…フォスフォヒライト…です」
フォスフォフィライト、か。
この子は、まだ上手く喋れないみたいだ。
「俺はオレンジサファイア」
「皆からはサフィって呼ばれてる。よろしくな」
「サヒ…サフィ…さん?」
「ははっ!呼び捨てで構わないよ、フォス」
けど、寝てる間に後輩が生まれたなんて。
生まれたてじゃ無さそうだし…どうなってるんだ?
ルチルの所へ行ってみるか。
何故だか、フォスが俺の後ろをついてくる。
「フォス。俺に触らないように気を付けてね」
「俺は硬いから、きっと割れてしまうよ」
「ひゃい」
「あ、いたいた。ルチル!おはよう」
「えっ…サフィ?」
「ルチル、そんなに驚いてどうかしたのか?」
「どうかしたも何も……貴方、寝過ぎなんですよ」
聞けば、俺はあのまま二百年近く眠っていたらしい。
それで末っ子が生まれていたのか。
「金剛先生の所へ行ってくるよ」
「じゃあ、また後で」
フォスと別れて金剛先生の所へ向かった。
途中、何人かと会って凄く怒られてしまった。
──────────
「先生…金剛先生」
「俺です。オレンジサファイアです」
瞑想中だったみたいだ。
金剛先生を起こすには俺でも割れてしまう。
「また来ますね」
そう言って立ち去ろうとした。
その時、先生の目がパチッと開いた。
「オレンジサファイア、起きたのか」
「あっ…おはようございます。金剛先生」
心配したと先生に言われた。
生まれたばかりの末っ子の話もした。
「あの…先生、あの子も戦うんですか?」
「それは、まだ分からないが優しい子だ」
「君も仲良くしてあげなさい、オレンジサファイア」
「はい、金剛先生!」
───────────
「久しぶりだね、兄さん」
「俺は皆に心配をかけてしまったみたいだ」
箱のなかで眠る兄に話しかける。
俺が眠ってる間に一度起きたとルチルが言っていた。
「アイツが…ライトが月に連れていかれて」
「二百年も経ったなんて未だに信じられないよ」
俺にとっては…まだ、昨日のことだ。
気持ちの整理も何も出来るわけがなかった。
「それじゃあ、また話に来るね。兄さん」