「どうしたんだ、フォス?」
「サフィ…考えすぎておかしくなりそう…」
「え、大丈夫か?」
理由は言えないけど何かアイデアが欲しいと。
そこへ金剛先生が歩いてきた。
「発見への道は継続だ。少し本堂にいる」
「何かあったらすぐ知らせるように」
「へへーっ、先生昼寝っすか?」
「瞑想と言いなさい」
先生が瞑想中に起こすのは大変だ。
誰が起こしても大体は割れてしまうから。
「くれぐれも無茶はしないように。良いな?」
「へーい」
先生が本堂へ行ったあと
フォスは仕事へ戻らずに唸っていた。
「ようするにアイデアが出なくて唸ってるのだな」
「きっ!ル、チル…なんのつもりだ?」
突然、ルチルがジェードをハンマーで叩いた。
「衝撃テストです」
「百年に一度の靭性再調査を行っています」
俺達の硬度は触れれば分かるけれど
靭性は結晶構造や劈開など要素が複雑だという。
…その辺は、俺にもよく分からない。
「ジェードには高基準値として…」
「断りぐらい入れろ!」
「ああ、すみません。ご協力を…サフィ、次は貴方です」
「ひぃっ!?」
キーンと反響する音。
ハンマーで叩かれると何とも言えない気分になる。
「やはり、貴方も一級ですね」
「うああ…まだ響いてる気がする…」
「ヤブ医者め…」
「ギ…ギブ」
「やはり一級ですね」
フォスをハンマーで叩いたら割れる。
ルチルは次の調査の為に何処かへ歩いて行った。
「クッソなんなんだ…そうだ思い出した」
「最近、ダイヤモンドが新しい戦い方をしていたな」
「よくあんな事を思いつくものだ」
「おお!叩けば出てくるもんだな!!」
「それで思い出したわけではない!」
「やっぱ、そこそこのジェードよりダイヤだね」
「訊く相手間違えてたサンキュー!」
「言っておくが私は壊れにくさでは二番目だぞ!」
「でも、耐久性より攻撃力高い方がかっこいいしさ!」
「くっ…」
「フォス、行くのはいいけど」
「ダイヤ達は昼の見回り中だから邪魔しないようにな」
「大丈夫!サフィもありがとう!」
そう言ってフォスは走っていった。
本当に大丈夫かな…。
「なあ、サフィ。前から聞きたかったのだが」
「ん?」
「壊れにくさではお前の方が上なのではないか?」
「ああ。昔はそうだったよ」
俺の硬度は九、靭性は一級だ。
ボルツについで俺は二番目に壊れにくかった。
「腕を無くしてから、何故だか壊れやすくなってさ」
「…そうか」
まあ…俺は困らないからいいけれど。
その後、ジェードと分かれ歩いていた時だった。
―後ろから凄い音がしたのは。